T14-9 神聖さの反映


Holiness does not consist in doing extraordinary things.
並外れた物事をなすことが神聖なわけではありません。

It consists in accepting, with a smile, what Jesus sends us.
神聖さとは、イエス様が私たちに送ってくださるものを微笑みとともに受け入れることです。

It consists in accepting and following the will of God.
それは神の意志を受け入れて従うことなのです。



Mother Teresa
マザー・テレサ

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今回は、テキスト第十四章から「神聖さの反映」という一節をご紹介します。


救済の本質

冒頭の文章が救済の本質を要約しています。

「1. The Atonement does not make holy.
 贖罪があなたを神聖にするわけではありません。

 You were created holy.
 あなたはもともと神聖に創造されているからです。

 It merely brings unholiness to holiness; or what you made to what you are.
 贖罪は単に、あなたが作り出した幻想を本当のあなたという真理にもたらして、神聖でない状態を神聖な状態に戻すだけです。

 Bringing illusion to truth, or the ego to God, is the Holy Spirit's only function.
 幻想を真理へ、つまり、エゴを神へともたらすことが聖霊の唯一の役目です。」




私たちの救済観

私たちは、救済のことを自分たちからかけ離れた遠大な獲得目標と見て、神からの啓示を得たり、悟りを開いたりすることによって、自分をより高貴で神聖な存在へと進化させることで達成しうるものと考えています。

しかし、コースが語るのは、まったく逆のことで、本当の私たちは神の子であり、神とともに永遠に天国にいて救いなど必要としない神聖な存在のままであり、救済を実現しようと意気込んでいるこの世界にいる私たちエゴのほうこそ、実在しない物語の主人公が読者を現実から物語世界に引き込んで自分を忘れさせるように、神の子の正気を惑わす架空の存在なのであって、必要なのは、神の子が自分のことを幻でしかない私たちエゴ・身体だと思い込んで夢物語の主人公になりきって我を忘れてしまっている状態から、現実の状態に気づいて正気を取り戻すことだけだということです。

私たちは主役のつもりで(現に夢物語の主役であるのはまさしくその通りですが)、自分が活躍しなければ救済は成し遂げられないと躍起になっていますが、実のところ、私たちのほうこそが最大の救済の妨げであり、本来、お呼びでない幽霊のような幻であり、本来いるはずのないところに闖入して勝手に舞台を設営しては、その上で主役を張ってへたな芝居をして物語を展開させて大混乱を引き起こしている邪魔者だということです。


アトレーユのように

つまり、私たちがなすべきことは、自分が偽りの影であることに気づいて、無は無らしく、出しゃばって主役を張ろうとするのをやめて、聖霊にその座を譲り、聖霊が役目を果たすために使う道具、人形として、影が形を失うまで聖霊の筆先としての役目を潔く引き受けて、「すでに書かれている」通りに粛々と役目をこなすことです。

この心意気を示す、よいモデルは、はてしない物語のアトレーユです。

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「5. In this world you can become a spotless mirror, in which the holiness of your Creator shines forth from you to all around you.
 この世界で、あなたは一点の曇りもない鏡になることができます。この鏡の中に映るあなたの大いなる創造主の神聖さは、あなたからあなたを取り巻くあらゆるものへと輝きを放射します。

 You can reflect Heaven here.
 あなたは、この世界に天国を反映できるのです。

 Yet no reflections of the images of other gods must dim the mirror that would hold God's reflection in it.
 ただし、そこに大いなる神の姿を映し出すべき鏡に、ほかの神々の姿を少しでも映して曇らすようなことをしてはなりません。

 Earth can reflect Heaven or hell; God or the ego.
 この地上は、天国でも地獄でも、つまり、神でもエゴでも、そのどちらでも映し出すことができます。

 You need but leave the mirror clean and clear of all the images of hidden darkness you have drawn upon it.
 あなたはただ、その鏡をきれいに保ち、鏡の上にあなたが描いてきた隠された闇のイメージをすべて消しておくだけでよいのです。

 God will shine upon it of himself.
 そうすれば、神は自ら鏡を照らしてくれるでしょう。

 Only the clear reflection of himself can be perceived upon it.
 その鏡には、神自身がはっきりと映し出された姿だけが知覚できるようになります。」

「7. Could you but realize for a single instant the power of healing that the reflection of God, shining in you, can bring to all the world, you could not wait to make the mirror of your mind clean to receive the image of the holiness that heals the world.
 もしあなたが、神を反映する癒しの力が自分の中に輝いていて、その力には世界中に癒しをもたらすことができると、ほんの一瞬でも気づくことができたら、あなたは世界を癒す聖なる存在の姿を映し出せるように、自分の心という鏡をきれいに磨くのを待ちきれなくなるはずです。」


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はてしない物語のアトレーユの凛とした美しい生きざまにはどこか、イェシュアの面影を偲ばせるところがあります。

彼が自分という主人公を読んで一緒に冒険をした友バスチアンが父さんのいる自分の世界に帰ることができるよう助けたように、私たちを主人公として一緒に旅してくれた神の子が大いなる父の下に帰還できるよう、神の子の友となって力を尽くしたいものです。

それは、イエス・キリストという象徴を愛し崇拝することではなく、神の子が物語の主人公として宿る人の子、私たちの隣人、兄弟たちをキリストと見て、彼らが本当の自分に気づく助けをすることです。





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テキスト第十四章

IX. The Reflection of Holiness
九 神聖さの反映



1. The Atonement does not make holy.
 贖罪があなたを神聖にするわけではありません。

 You were created holy.
 あなたはもともと神聖に創造されているからです。

 It merely brings unholiness to holiness; or what you made to what you are.
 贖罪は単に、あなたが作り出した幻想を本当のあなたという真理にもたらして、神聖でない状態を神聖な状態に戻すだけです。

 Bringing illusion to truth, or the ego to God, is the Holy Spirit's only function.
 幻想を真理へ、つまり、エゴを神へともたらすことが聖霊の唯一の役目です。

 Keep not your making from your Father, for hiding it has cost you knowledge of him and of yourself.
 あなたが作り出したものを父なる神から隠しておこうとしないでください。なぜなら、それを隠す代償として、あなたは神と自分自身についての知識を失ってしまっているからです。

 The knowledge is safe, but where is your safety apart from it?
 知識は安全です。それどころか、知識から離れて、あなたが安全でいられる場所などどこにもないはずです。

 The making of time to take the place of timelessness lay in the decision to be not as you are.
 あなたが本来の自分ではないものになると決断したことで、永遠に置き換えるために時間が作り出されました。

 Thus truth was made past, and the present was dedicated to illusion.
 こうして、真理は過去のものとされ、現在は幻想に捧げられたのです。

 And the past, too, was changed and interposed between what always was and now.
 そして、過去もまた変えられ、つねにあったものと今との間に差し挟まれました。

 The past that you remember never was, and represents only the denial of what always was.
 あなたが覚えている過去は、一度も存在したことはなく、単に、つねに存在していたものを否認している印でしかありません。

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2. Bringing the ego to God is but to bring error to truth, where it stands corrected because it is the opposite of what it meets.
 エゴを神に差し出すことは、誤りを真理の下にもたらすことにほかなりません。真理の下で、誤りは修正されます。なぜなら、誤りはそこで誤りとは正反対のものに出会うことになるからです。

 It is undone because the contradiction can no longer stand.
 矛盾するものはもはや両立できなくなるので、誤りであるエゴは消え去ります。

 How long can contradiction stand when its impossible nature is clearly revealed?
 正反対のもの同士が共存することが本質的に不可能であることが露呈したなら、もうそれ以上、矛盾は持ちこたえられなくなるからです。

 What disappears in light is not attacked.
 光の中で消滅するものは、攻撃されて消えるわけではありません。

 It merely vanishes because it is not true.
 それは、単に真実でないがゆえに姿を消すだけです。

 Different realities are meaningless, for reality must be one.
 さまざまに異なる複数の現実があると観念することは無意味です。なぜなら、現前する事実はひとつであるに違いないからです。

 It cannot change with time or mood or chance.
 現実が、時間や気分や偶然によって変わるはずがありません。

 Its changelessness is what makes it real.
 その不変性こそが現実を現実たらしめるゆえんだからです。

 This cannot be undone.
 この不変なる現実を消去することなどできません。

 Undoing is for unreality.
 消去することは、虚構に対してなすことです。

 And this reality will do for you.
 そして、この虚構の消去を、現実があなたのためにしてくれるでしょう。



3. Merely by being what it is, does truth release you from everything that it is not.
 ただありのままの真理であることによって、真理は確実に真理でないものすべてからあなたを解放します。

 The Atonement is so gentle you need but whisper to it, and all its power will rush to your assistance and support.
 贖罪は実に優しいので、あなたはただ贖罪にそっと囁きかけさえすればよいのです。そうすれば、すぐさまあなたを助けるために贖罪の持つすべての力が一挙に押し寄せてきて、あなたを支援してくれるでしょう。

 You are not frail with God beside you.
 神を傍にするなら、あなたは脆弱な存在ではありません。

 Yet without him you are nothing.
 しかし、神がいなければ、あなたは無でしかありません。

 The Atonement offers you God.
 贖罪は、あなたに神を差し延べてくれます。

 The gift that you refused is held by him in you.
 あなたが受け取ることを拒んだ贈り物は、神があなたの中にちゃんと取り置いてくれています。

 The Holy Spirit holds it there for you.
 聖霊は、あなたの拒んだ贈り物を、あなたに代わってあなたの中に保存してくれています。

 God has not left his altar, though his worshippers placed other gods upon it.
 たとえ自らの崇拝者たちがそこにほかの神々を奉ろうとも、大いなる神は自らの祭壇から去ってはいません。

 The temple still is holy, for the Presence that dwells within it is holiness.
 神殿は今なお神聖なままです。なぜなら、その神殿の中に住む大いなる存在が聖なる存在だからです。

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4. In the temple, holiness waits quietly for the return of them that love it.
 神殿の中で、聖なる存在は静かに、聖なる存在を愛する者たちの帰還を待ち受けています。

 The Presence knows they will return to purity and to grace.
 その大いなる存在は、やがて彼らが清らかで恵みに満ちた状態へと戻ってくることを知っています。

 The graciousness of God will take them gently in, and cover all their sense of pain and loss with the immortal assurance of their Father's Love.
 神の慈悲深さが彼らを優しく受け入れ、彼らの生みの親としての大いなる愛が不滅であるという確信で彼らの苦痛や喪失の感覚を包みこんでくれるでしょう。

 There, fear of death will be replaced with joy of life.
 神殿の中で、死の恐怖は生命の歓喜に取って代わられるでしょう。

 For God is life, and they abide in life.
 というのは、神は生命であり、神の子たちはみな生命の中に住んでいるからです。

 The Presence of holiness lives in everything that lives, for holiness created life, and leaves not what It created holy as Itself.
 聖なる存在は、生きとし生けるものの中に生きています。というのも、聖なる存在は生命を創造し、自らと同じように神聖に創造したものから離れてなどいないからです。



5. In this world you can become a spotless mirror, in which the holiness of your Creator shines forth from you to all around you.
 この世界で、あなたは一点の曇りもない鏡になることができます。この鏡の中に映るあなたの大いなる創造主の神聖さは、あなたからあなたを取り巻くあらゆるものへと輝きを放射します。

 You can reflect Heaven here.
 あなたは、この世界に天国を反映できるのです。

 Yet no reflections of the images of other gods must dim the mirror that would hold God's reflection in it.
 ただし、そこに大いなる神の姿を映し出すべき鏡に、ほかの神々の姿を少しでも映して曇らすようなことをしてはなりません。

 Earth can reflect Heaven or hell; God or the ego.
 この地上は、天国でも地獄でも、つまり、神でもエゴでも、そのどちらでも反映できてしまうからです。

 You need but leave the mirror clean and clear of all the images of hidden darkness you have drawn upon it.
 あなたがすべきことは、ただ、その鏡をきれいに保ち、あなたがこれまで鏡の上に描いてきた隠された闇のイメージをすべて消しておくことだけです。

 God will shine upon it of himself.
 そうすれば、神は自ら鏡を照らしてくれるでしょう。

 Only the clear reflection of himself can be perceived upon it.
 その鏡には、神自身がはっきりと映し出された姿だけが知覚できるようになります。

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6. Reflections are seen in light.
 鏡の映し出すものは、光の中で見えます。

 In darkness they are obscure, and their meaning seems to lie only in shifting interpretations, rather than in themselves.
 闇の中では、鏡に映る像は不明瞭なので、その像自体は無意味で、つねに変遷する像の解釈しか意味を見出せないように思えてきます。

 The reflection of God needs no interpretation.
 神が映し出された姿は、いかなる解釈も必要としません。

 It is clear.
 それは明瞭なものだからです。

 Clean but the mirror, and the message that shines forth from what the mirror holds out for everyone to see, no one can fail to understand.
 ただ鏡をきれいにしておきなさい。そうすれば、みんなが見えるようにと鏡が差し出しているものから輝き出すメッセージを理解し損ねることは誰にもできないはずです。

 It is the message that the Holy Spirit is holding to the mirror that is in him.
 それは、神の子みんなの中にある鏡に向けて聖霊が掲げているメッセージです。

 He recognizes it because he has been taught his need for it, but knows not where to look to find it.
 誰もがそのメッセージに気づきます。なぜなら、誰もが自分がそのメッセージを必要としていると教わりながら、どこに目を向けてそのメッセージを見つけたらよいかわからなかっただけだからです。

 Let him, then, see it in you and share it with you.
 だから、彼らがあなたの中にそのメッセージを見て、あなたと一緒にそのメッセージを共有できるようにさせてあげなさい。



7. Could you but realize for a single instant the power of healing that the reflection of God, shining in you, can bring to all the world, you could not wait to make the mirror of your mind clean to receive the image of the holiness that heals the world.
 もしあなたが、神を反映する癒しの力が自分の中に輝いていて、その力には世界中に癒しをもたらすことができると、ほんの一瞬でも気づくことができたら、あなたは世界を癒す聖なる存在の姿を映し出せるように、自分の心という鏡をきれいに磨くのを待ちきれなくなるはずです。

 The image of holiness that shines in your mind is not obscure, and will not change.
 あなたの心の中で輝く聖なる存在の姿は、不明瞭ではないし、変化してしまうこともありません。

 Its meaning to those who look upon it is not obscure, for everyone perceives it as the same.
 その聖なる存在の姿がそれを見る者にとって意味することは曖昧なものではありません。なぜなら、すべての者たちがその姿を同じものとして知覚するからです。

 All bring their different problems to its healing light, and all their problems find but healing there.
 誰もがみな、各自の抱える異なった問題をその聖なる存在の癒しの光にもたらせば、彼らの問題はどれも、そこでただ癒されるだけです。

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8. The response of holiness to any form of error is always the same.
 どんな形の誤りであろうと、それに対する聖なる存在の反応はつねに同じです。

 There is no contradiction in what holiness calls forth.
 聖なる存在が呼び起こすものには、矛盾が一切ありません。

 Its one response is healing, without regard for what is brought to it.
 聖なる存在の下に何がもたらされようとも、聖なる存在の唯一の反応は癒すことだけです。

 Those who have learned to offer only healing, because of the reflection of holiness in them, are ready at last for Heaven.
 自分の中の神聖さを反映するがゆえに、ただ癒しだけを差し延べることを学んだ者たちは、ついに天国に旅立つ準備が整ったのです。

 There, holiness is not a reflection, but rather the actual condition of what was but reflected to them here.
 天国では、神聖さは反映されているのではありません。そうではなく、天国の神聖さは、この地上では反映にすぎなかったものの現実の状態なのです。

 God is no image, and his creations, as part of him, hold him in them in truth.
 神には形はありません。だから、神に創造されたものたちは、神の一部なので、真の意味で自分たちの内に神を宿しているのです。

 They do not merely reflect truth, for they are truth.
 神に創造されたものたちは単に真理を反映するだけではありません。というのは、彼ら自身が真理そのものだからです。


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