レッスン78「奇跡がすべての不平不満に取って代りますように」


Suffering is a gift.
苦悩は贈り物だ。

In it is hidden mercy.
苦悩の中に慈悲が隠れているのだから。



Jalal Al-Din Rumi
ルーミー

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Every challenge is a disguised opportunity for salvation.
すべての試練は、姿を隠した救済の機会なのだ。



Eckhart Tolle
エックハルト・トール

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Only enemies speak the truth; friends and lovers lie endlessly, caught in the web of duty.
ただ敵だけが真実を語ってくれる。友人や恋人たちは、義務感の罠に囚われて、際限なく嘘をつくことになるから。

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Stephen King
スティーブン・キング





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レッスン78です。

今日のテーマは「奇跡がすべての不平不満に取って代りますように」です。



憎たらしいあの人が私の救い主だってぇ!?

今日のレッスンは、インパクトがあるレッスンになると思います。

自分を苦しませ悲しませてきた張本人だと考えて不平不満を抱いている相手、自分の敵だと思っているその人物が、実は、自分の救い主だというのです。

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その人の経験してきたこと次第では、このレッスンはとてつもなく重いレッスンになることと思います。

強い心の抵抗が生じるかもしれませんので、無理はせず、それでも、がんばって取り組んでみてください。






掲げている暗い盾の向こう側には光り輝く奇跡が待っている

1.「And as you raise it up before your eyes, you will not see the miracle beyond.
 そして、あなたがその暗い盾を自分の目の前に掲げると、あなたには、盾の向こう側にある奇跡が見えなくなってしまいます。

 Yet all the while it waits for you in light, but you behold your grievances instead.
 しかし、その間もずっと奇跡は光の中であなたを待ち受けているというのに、あなたは奇跡の代わりに不平不満を見つめています。」


「ボブの絵画教室」

奇跡は、不平不満の闇に覆い隠された光がこぼれ出すことで見えるようになるということが語られます。

昔、ボブ・ロスさんの「ボブの絵画教室」で見た絵の技法でこんなものがありました。

キャンバス全面にまず、鮮やかな色合いに満ちた木々が生い茂り川が清々しく流れ、川のほとりにかわいらしい動物たちが遊ぶ美しい森の絵を描きます。

そのあと、美しい虹のキャンバス全体を黒い絵の具で上塗りします。

それから、ペインティング・ナイフを用いて黒い絵の具を削り取るようにして元の森の絵に即して、木や川や生き物を描き出してゆくと夜の闇の中に美しい光を放つ幻想的な絵がどんどんできあがってゆきます。

本レッスンは、この絵の描き方を連想させます。


上塗りではなく削ぎ落とし(アンラーン)

ややもすれば、私たちは、黒い絵の具の下に隠れている絵がどんなものかなどおかまいなしに、不平不満でまっ黒に塗りつぶされたキャンバスの上から、願望という濃い油絵具やペンキを塗りたくって、自分の好みの絵を描こうとしがちです。

けれど、このような手法では、闇をますます濃くすることにしかなりません。

赦しというペインティング・ナイフで不平不満の黒い絵の具を優しく削いでゆくことで、不平不満の奥に隠れていた美しい絵の断片が少しずつ垣間見えるようになります。

この漏れ出しは、エゴに支配されている状態では、本当に稀にしか起こらないので、常識ではありえない稀有な出来事という通常の奇跡の語意の通りに、はじめのうちはなかなか漏れ出す光に触れることすらままならないかもしれません。

しかし、聖霊に委ねられるようになるつれて、ペインティング・ナイフの使い方に熟練してくると、不平不満に覆い隠されて醜い姿に見えていた敵の姿から、ひび割れた隙間から神の子の光が輝きを放ちはじめて、その美しさをもっと味わいたいと憧れるようになります。


他者の非難攻撃の本質が愛を求める哀訴で愛と感謝で対応するのが正しいのなら、自分の不平不満にも同様に対応すべき

そうなれば、聖霊に任せて美しい本質を露わにすることによって輝き出す奇跡のすばらしさを捨ててまで、ペンキでお粗末な姿を上書きしようなどとはとても願うことはできなくなります。

そうなると、自分の感じる不平不満は、実は、自分が心の奥底で知っているすでに描かれている自分だけの美しい絵を損なうことなく最もきれいな状態で表に出すために、今の自分がペインティング・ナイフで削ぎ落すべき黒い絵の具の部分なのだと気づきます。

そのとき、不平不満に対しての応じ方としては、不平不満を満たそうとして不満の元を攻撃したり、何かを得ることで不満を満たそうと世界を変えようと働きかけるのは、愛を求める哀訴が本質である他者からの攻撃に非難と攻撃で返すのと同じ誤りであり、他者の攻撃に愛と助けで返すべきように、不平不満には、自分の影の部分への気づきを見つける機会、削ぎ落すべき黒い絵の具として愛と感謝によって対応するのが正しいことに気づくようになります。



「批判の監獄」から脱する方法

エディス・エヴァ・イーガーさんの著書「心の監獄」から「『批判の監獄』から脱する方法」というコラムを以下に抜粋してご紹介します。

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Edith Eva Eger
エディス・エヴァ・イーガー(「心の監獄 選択の自由とは何か?」213ページ)






・いやな人は最良の師

人生で出会った、一番毒のある人たちこそ、最良の師となる。次回、うんざりさせられる人、腹の立つ人に出会ったら、優しい眼差しを向け、自分にこう言い聞かせよう。「人間だ。それ以上でも、それ以下でもない。私と同じ人間だ」それから、こうたずねよう。「ここで私に何を教えてくれるの?」

・人は愛するために生まれ、憎むことを学ぶ

これまでに聞いたことのある、人間を分類するメッセージのリストを作ろう。私たちと彼ら、善と悪、正しいことと間違っていること、といったものだ。世界に対する今日のあなたの見方を示すメッセージがあれば、すべて丸で囲む。自分がどんなことに対する批判を手放せずにいるかに気づこう。その批判が人間関係にどんな悪影響を及ぼしているだろう? それはリスクを負う選択や能力を制限しているだろうか?

・どんな遺産を伝えたいだろう?

人は祖先がしたこと、されたことを選択できない。しかし、伝えられていくレシピを作り出すことはできる。充実した人生のためのレシピを書こう。家族の過去から得たよいことを選び、それにあなた独自の材料を加えよう。次の世代に美味しくて栄養のあるものを与え、それを積み重ねていこう。




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Workbook Lesson 78

Let miracles replace all grievances.
奇跡がすべての不平不満に取って代りますように。





Let miracles replace all grievances.
奇跡がすべての不平不満に取って代りますように。



1. Perhaps it is not yet quite clear to you that each decision that you make is one between a grievance and a miracle.
 たぶんあなたはまだ、自分が下す一つひとつの決断が不平不満と奇跡の間での決断なのだと、はっきりとは理解できていないはずです。

 Each grievance stands like a dark shield of hate before the miracle it would conceal.
 どのような不平不満も、それが隠そうとする奇跡の前に、憎しみでできた真っ暗な盾のように立ちはだかります。

 And as you raise it up before your eyes, you will not see the miracle beyond.
 そして、あなたがその暗い盾を自分の目の前に掲げると、あなたには、盾の向こう側にある奇跡が見えなくなってしまいます。

 Yet all the while it waits for you in light, but you behold your grievances instead.
 しかし、その間もずっと奇跡は光の中であなたを待ち受けているというのに、あなたは奇跡の代わりに不平不満を見つめています。



2. Today we go beyond the grievances, to look upon the miracle instead.
 今日、不平不満の代わりに奇跡を見るために、私たちは不平不満を越えて進むことにします。

 We will reverse the way you see by not allowing sight to stop before it sees.
 視力が視覚に映るものの前で止まるのを容認しないことによって、私たちはあなたのものの見方を逆転させます。

 We will not wait before the shield of hate, but lay it down and gently lift our eyes in silence to behold the Son of God.
 私たちは憎しみの盾の前で待つことはしません。そうではなく、その盾を横たえて、静寂の中で、優しく自分の目を上げて、神の子を見つめるのです。



3. He waits for you behind your grievances, and as you lay them down he will appear in shining light where each one stood before.
 神の子は、あなたの不平不満の背後であなたを待っています。そして、あなたが不平不満を手放すにつれて、以前には一つひとつの不平不満が立ちはだかっていた場所に、輝かしい光の中に神の子が姿を現してきます。

 For every grievance is a block to sight, and as it lifts you see the Son of God where he has always been.
 というのも、一つひとつの不平不満が視界を妨げていたので、不平不満が取り除かれることで、あなたは彼がずっといたその場所に神の子を見ることになるからです。

 He stands in light, but you were in the dark.
 神の子が光の中に立っているのに、あなたはずっと闇の中にいたのです。

 Each grievance made the darkness deeper, and you could not see.
 不平不満を抱くたびによりいっそう闇が深くなっていたために、あなたは何も見えなくなっていました。



4. Today we will attempt to see God's Son.
 今日、私たちは神の子を見ようと試みます。

 We will not let ourselves be blind to him; we will not look upon our grievances.
 私たちは、自分が神の子を見まいと目を瞑ることを容認しません。私たちはもう自分の不平不満を見ることはしないのです。

 So is the seeing of the world reversed, as we look out toward truth, away from fear.
 こうして、私たちが恐怖から離れて真理を見ようと外に目を向けると、それに伴って世界の見え方も逆転します。

 We will select one person you have used as target for your grievances, and lay the grievances aside and look at him.
 私たちは、あなたが不平不満を抱く対象として用いている特定の人物を選んで、その不平不満を脇に置いて、その人を見つめることにします。

 Someone, perhaps, you fear and even hate; someone you think you love who angered you; someone you call a friend, but whom you see as difficult at times or hard to please, demanding, irritating or untrue to the ideal he should accept as his, according to the role you set for him.
 その人はおそらく、あなたが恐れていて憎んですらいる誰かであったり、あなたが愛する人だけれど、あなたを怒らせた誰かであったり、あなたが友と呼びはするものの、あなたから見ると時折気難しく扱いに困ったり、要求がましくイライラさせられる人物であったり、とにかく、あなたがその人に割り当てている役目に忠実であったなら、彼が自分のものとして引き受けるべき理想像にそぐわない誰かです。



5. You know the one to choose; his name has crossed your mind already.
 あなたにはもう、自分の心をよぎるその人が誰か、名前もわかっているはずです。

 He will be the one of whom we ask God's Son be shown to you.
 その人こそ、あなたに対して神の子の姿を示してくれるように私たちが求めるべき人物です。

 Through seeing him behind the grievances that you have held against him, you will learn that what lay hidden while you saw him not is there in everyone, and can be seen.
 その人に対してあなたが抱いてきた不平不満の背後にいる本当の彼を見ることを通して、あなたは、自分が本当の彼を見ようとしなかった間は隠れて見えなかったものが、誰の中にもあって、それを見ることができると学ぶでしょう。

 He who was enemy is more than friend when he is freed to take the holy role the Holy Spirit has assigned to him.
 その人が解放されて、聖霊が彼に割り当てた聖なる役目を担えるようになるとき、敵であったはずのその人は友人以上の存在となります。

 Let him be savior unto you today.
 今日は、その人にあなたの救い主になってもらいましょう。

 Such is his role in God your Father's plan.
 それこそ、あなたの父なる神の計画において彼が担う役目なのです。



6. Our longer practice periods today will see him in this role.
 今日の長いほうの実習時間では、私たちは、このような役目を持つ存在として、その人を見ることにします。

 You will attempt to hold him in your mind, first as you now consider him.
 まずは、今あなたがその人はこういう人だと思っている通りにその人を自分の心の中に思い浮かべてみてください。

 You will review his faults, the difficulties you have had with him, the pain he caused you, his neglect, and all the little and the larger hurts he gave.
 そして、その人の欠点やその人といるときに味わったさまざまな苦労、あなたがその人に与えられた苦痛、その人の至らなさ加減、そして、彼に与えられた大小さまざまな害悪のすべてを振り返ってみます。

 You will regard his body with its flaws and better points as well, and you will think of his mistakes and even of his "sins."
 その人の身体について、その欠点だけでなく長所にも注目し、その人の間違いやその人の「罪」すらも考えてみます。



7. Then let us ask of Him Who knows this Son of God in his reality and truth, that we may look on him a different way, and see our savior shining in the light of true forgiveness, given unto us.
 それから、私たちで、この神の子をその人の本当の真の姿として知る聖霊に頼んで、私たちが、その人のことを違ったふうに見て、私たちに授けられた真の赦しの光の中で、私たちの救い主の姿が輝いているのが見えるようにしてもらいましょう。

 We ask Him in the holy Name of God and of His Son, as holy as Himself:
 私たちは、聖なる神と神自身と同じく神聖な神の子の名において、次のように聖霊に頼むことにします。


Let me behold my savior in this one You have appointed as the one for me to ask to lead me to the holy light in which he stands, that I may join with him.
あなたはこの人物を私の救い主がその中に立っている聖なる光まで私を導いてくれるように私が頼むべき相手として任命してくれました。私が自らの救い主とひとつに結びつくことができるように、私がこの人物の中に自らの救い主を見られるようにさせてください。


 The body's eyes are closed, and as you think of him who grieved you, let your mind be shown the light in him beyond your grievances.
 肉眼は閉じたまま、自分を苦悩させてきたその人のことを思いながら、あなたの不平不満の向こう側にある彼の中の光を自分の心に見せてもらうようにしてください。



8. What you have asked for cannot be denied.
 あなたが頼んだことが拒まれることはありえません。

 Your savior has been waiting long for this.
 あなたの救い主は、このときをずっと待っていたのです。

 He would be free, and make his freedom yours.
 その人は自由になり、自分の自由をあなたのものにしてくれます。

 The Holy Spirit leans from him to you, seeing no separation in God's Son.
 神の子の中に分離はまったくないとわかっているので、聖霊はその人からあなたへと身を寄せるようにして結びつきます。

 And what you see through Him will free you both.
 そして、あなたが聖霊を通して見るものが、あなたとその人をふたり一緒に解放するでしょう。

 Be very quiet now, and look upon your shining savior.
 今こそ、真に静まって、自分の輝ける救い主をよく見てください。

 No dark grievances obscure the sight of him.
 いかなる暗い不平不満も、その人の姿を曇らせてはいません。

 You have allowed the Holy Spirit to express through him the role God gave Him that you might be saved.
 というのも、あなたが救われるために神が聖霊に与えた役目を聖霊がその人を通して表現することをあなたが聖霊に容認したからです。



9. God thanks you for these quiet times today in which you laid your images aside, and looked upon the miracle of love the Holy Spirit showed you in their place.
 今日、このような静かな時の中で、あなたが自分の作り出した肖像を捨てて、その代わりに、聖霊があなたに示す愛の奇跡を見てくれたことに対して、神はあなたに感謝しています。

 The world and Heaven join in thanking you, for not one Thought of God but must rejoice as you are saved, and all the world with you.
 世界と天国があなたに感謝しながらひとつに結ばれます。というのも、神の大いなる思いであるものはすべて、あなたが救われ、世界のすべてがあなたとともに救われることを喜ぶに違いないからです。



10. We will remember this throughout the day, and take the role assigned to us as part of God's salvation plan, and not our own.
 1日を通して、このことを覚えておいて、自分で作った計画ではなく、神の救済の計画の一部として私たちに割り当てられた役目を引き受けることにしましょう。

 Temptation falls away when we allow each one we meet to save us, and refuse to hide his light behind our grievances.
 私たちが出会う一人ひとりが私たちを救うことを容認し、私たちの不平不満の背後にその人の光が隠れてしまうのを拒絶するとき、誘惑は崩れ去ります。

 To everyone you meet, and to the ones you think of or remember from the past, allow the role of savior to be given, that you may share it with him.
 あなたが出会う一人ひとり、そして、あなたが思ったり、過去から思い出したりする一人ひとりに、救い主の役目が与えられるのを容認してください。そうすれば、あなたは救い主の役目をその人と分かち合えるでしょう。

 For you both, and all the sightless ones as well, we pray:
 あなたたちふたりのために、そして、あなたたちと同じように真の視覚を得ていないすべての者たちのために、私たちで次のように祈りましょう。


Let miracles replace all grievances.
奇跡がすべての不平不満に取って代わりますように。



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それでは、ブリトニーさんのレッスンです。






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