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T23-2 混沌の法則

今回は、テキスト第二十三章から「混沌の法則」をご紹介します。


[混沌の法則]
真理は自分たちが分離していると信じる一人ひとりにとって異なる
② 誰もみな必ずを犯すのだから、攻撃や死は当然の報いだ
幻想によって真理を変更することができる
④ 人は自分で手に入れたものだけを自分のものにできる(それを誰かに与えるなら、自分はそれを失ってしまう)
⑤ 愛は代用で置き換えることができる

ひっくり返すとこうなります。

真理は誰にとっても同じひとつしかない
は実在せず、誤りに必要なのは修正だ
幻想真理を変更できない
④ 与えることで自分のものであることがわかる
⑤ 愛に代用はない

かなり長文ですが、がんばって読んでみてください。


テキスト第二十三章 


II. The Laws of Chaos 
混沌の法則






1. The "laws" of chaos can be brought to light, though never understood.
 混沌の「法則」は、光の下にもたらすことはできますが、決して理解することはできません。

 Chaotic laws are hardly meaningful, and therefore out of reason's sphere.
 混沌の法則には、ほとんど意味がなく、したがって、理性の領域からは外れています。

 Yet they appear to be an obstacle to reason and to truth.
 それでも、混沌の法則は、理性と真理に対する妨害をしているように思えます。

 Let us, then, look upon them calmly, that we may look beyond them, understanding what they are, not what they would maintain.
 そこで、私たちでそれらの法則を冷静に見てみることにしましょう。そうすれば、混沌の法則が擁護しようとすることではなくて、混沌の法則の正体を理解し、それを越えて見られるようになります。

 It is essential it be understood what they are for, because it is their purpose to make meaningless, and to attack the truth.
 混沌の法則が何のためにあるのか理解することが最も重要です。なぜなら、混沌の法則の目的は、無意味なことを作り出して、真理を攻撃することにあるからです。

 Here are the laws that rule the world you made.
 混沌の法則こそ、あなたが作ったこの世界を支配する法則そのものです。

 And yet they govern nothing, and need not be broken; merely looked upon and gone beyond.
 それにもかかわらず、混沌の法則は何ひとつ実際に支配してはいないので、混沌の法則を破る必要はありません。ただ単に、その法則をよく見たうえでそれを越えて行けばいいだけです。





2. The first chaotic law is that the truth is different for everyone.
 第一の混沌な法則は、真理は一人ひとりにとって異なるものだというものです。

 Like all these principles, this one maintains that each is separate and has a different set of thoughts that set him off from others.
 このような基本原理がどれもみな主張するように、この法則もまず、各自が分離しており、自分を他の者たちから離してしまうような異なった思いを、それぞれに持っていると主張します。

 This principle evolves from the belief there is a hierarchy of illusions; some are more valuable and therefore true.
 この原則は、幻想には階級があると信じることから発展したものであり、ある幻想には他の幻想よりも大きな価値があるので、それは本当だとします。

 Each one establishes this for himself, and makes it true by his attack on what another values.
 誰もがこの順位づけを自分自身のために設定し、自分の決めた階級を他の者が価値を置くものを攻撃することによって本物にしようとします。

 And this is justified because the values differ, and those who hold them seem to be unlike, and therefore enemies.
 そして、この攻撃は、それぞれの価値観が異なるがゆえに正当化されます。多様な価値観を抱く者たちは似ていないので、同士のように思えてきます。


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3. Think how this seems to interfere with the first principle of miracles.
 このことが、どれほど奇跡の第一の原理の妨げになるか考えてみてください。

 For this establishes degrees of truth among illusions, making it seem that some of them are harder to overcome than others.
 というのは、それが幻想同士の間に、真実である程度による段階を設定し、幻想のうちのあるものは他の幻想よりも克服するのがより難しそうに見せるからです。

 If it were realized that they are all the same and equally untrue, it would be easy, then, to understand that miracles apply to all of them.
 もし幻想はどれもみな同じで、どれも同じように真実ではないと理解できたら、そのあとは、奇跡がすべての幻想に適用できると理解するのは簡単なことです。

 Errors of any kind can be corrected because they are untrue.
 どのような誤りであれ、それらはいずれも本当ではないので、修正することができます。

 When brought to truth instead of to each other, they merely disappear.
 ある誤りを他の誤りではなく、真理の許へともたらせば、誤りなど消えてなくなるだけです。

 No part of nothing can be more resistant to the truth than can another.
 無の中のある部分が、他の部分以上に真理に対する抵抗力があるはずがないのです。





4. The second law of chaos, dear indeed to every worshipper of sin, is that each one must sin, and therefore deserves attack and death.
 第二の混沌な法則は、の崇拝者の全員が本当に大切にする法則です。それは、誰もみな必ずを犯すのだから、攻撃や死は当然の報いだというものです。

 This principle, closely related to the first, is the demand that errors call for punishment and not correction.
 この原理は、第一の法則と密接な関係にあり、これが誤りに対して、修正ではなく処罰を要求します。

 For the destruction of the one who makes the error places him beyond correction and beyond forgiveness.
 というのは、過ちを犯す者を破滅させれば、彼を修正や赦しの及ばないところへ追いやることができるからです。

 What he has done is thus interpreted as an irrevocable sentence upon himself, which God Himself is powerless to overcome.
 こうして、彼がしでかした過ちは、彼自身に対して取り消しの効かない有宣告を下してしまい、神自身ですらその裁きを覆す力はないと解釈されます。

 Sin cannot be remitted, being the belief the Son of God can make mistakes for which his own destruction becomes inevitable.
 は、神の子には、そののために自分の滅亡が不可避となるような誤りを犯すことができるという信念なので、その誤りに対する罰を免除することはできないことになります。


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5. Think what this seems to do to the relationship between the Father and the Son.
 取り消しの利かないを犯しうるということが、父と子との関係にどんな影響を及ぼすことになるか考えてもみてください。

 Now it appears that They can never be One again.
 こうなってしまっては、父と子は、二度とひとつになることはできないように思えます。

 For One must always be condemned, and by the Other.
 なぜなら、一方はつねにもう一方によって非難されるに違いないからです。

 Now are They different, and enemies.
 今や、両者は異なった存在であり、同士になってしまいます。

 And Their relationship is one of opposition, just as the separate aspects of the Son meet only to conflict but not to join.
 両者の関係は、分離した子の一部同士が、一つに結びつくためではなく、ただ争うためだけに出会う対関係となります。

 One becomes weak, the other strong by his defeat.
 その関係の一方は弱くなり、もう一方は相手を打ち負かすことで強くなります。

 And fear of God and of each other now appears as sensible, made real by what the Son of God has done both to himself and his Creator.
 そして、神の子が自分自身と創造主の両方にしたことによって、今や、神に対する恐れや、互いに抱く恐れは本物とされ、恐れを抱くことは道理に適ったことのように思えてしまいます。





6. The arrogance on which the laws of chaos stand could not be more apparent than emerges here.
 混沌の法則が拠って立つ傲慢さが、これ以上明白に現われているところはほかに見当たりません。

 Here is a principle that would define what the Creator of reality must be; what He must think and what He must believe; and how He must respond, believing it.
 ここにこそ、現実の創造主はどのような存在か、何を考え何を信じ、それを信じるなら、どのようにそれに応じるに違いないかについて定義しようとする原理があります。

 It is not seen as even necessary that He be asked about the truth of what has been established for His belief.
 創造主の信念だとして定められたことが真実かどうか、当の創造主自身に尋ねてみる必要があるとすら思われてもいません。

 His Son can tell Him this, and He has but the choice whether to take his word for it or be mistaken.
 神の子は自分が定めたことを創造主に告げることができ、創造主は、その子の言葉をそのまま受け入るか、あるいは、誤解する選択肢しか持っていないというのです。

 This leads directly to the third preposterous belief that seems to make chaos eternal.
 このことが、混沌状態を永続させてしまうように見える三つ目のとんでもない信念へと直結します。

 For if God cannot be mistaken, He must accept His Son's belief in what he is, and hate him for it.
 というのは、もし神が誤解することができないとすれば、神は子が自分の本当の姿だと信じることを受け入れなければならないことになり、そのためにその子に憎しみを抱くということになるからです。


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7. See how the fear of God is reinforced by this third principle.
 神に対する恐れが、この第三の原理によってどれほど増強されることになるか、よく理解してください。

 Now it becomes impossible to turn to Him for help in misery.
 こうなっては、苦難の際に神に助けを求めることも不可能になります。

 For now He has become the "enemy" Who caused it, to Whom appeal is useless.
 なぜなら、今や神がその苦難を生み出した「」になったので、神に訴えても無駄だからです。

 Nor can salvation lie within the Son, whose every aspect seems to be at war with Him, and justified in its attack.
 それに、救いを子の中に見出すこともできません。神の子のすべての側面は、神と交戦状態にあり、攻撃することは正当なことに思えるからです。

 And now is conflict made inevitable, beyond the help of God.
 今や争いは避けられず、神の助けの及ばないものとなります。

 For now salvation must remain impossible, because the Savior has become the enemy.
 なぜなら、今や救い主がに回ってしまったので、救いは不可能であり続けることにならざるをえないからです。





8. There can be no release and no escape.
 解放される望みもなければ、いかなる逃げみちもありません。

 Atonement thus becomes a myth, and vengeance, not forgiveness, is the Will of God.
 かくして、贖罪は神話となり、赦しではなく復讐こそが神の意志ということになります。

 From where all this begins, there is no sight of help that can succeed.
 こうしたことがすべて始まるところからは、うまくいく助けはどこにも見出すことはできません。

 Only destruction can be the outcome.
 ただ破滅だけが見込める結果です。

 And God Himself seems to be siding with it, to overcome His Son.
 そのうえ、神自身が破滅に味方して、子を打ち倒そうとしているように見えます。

 Think not the ego will enable you to find escape from what it wants.
 エゴが、エゴ自身が望むことからの逃げ道をあなたが見つけられるように手助けしてくれるなどと思ってはなりません。

 That is the function of this course, which does not value what the ego cherishes.
 あなたが逃げ道を見つける助けをするのがこのコースの役目です。このコースは、エゴが大切にしているものに価値を置くことはないからです。


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9. The ego values only what it takes.
 エゴは自分が奪うものだけを大切にします。

 This leads to the fourth law of chaos, which, if the others are accepted, must be true.
 これが混沌の第四の法則を導きます。もし他の三つの法則が受け入れられるなら、この四番目の法則も本物に違いないということになります。

 This seeming law is the belief you have what you have taken.
 この法則らしきものは、自分で手に入れたものを自分のものにできるという信念です。

 By this, another's loss becomes your gain, and thus it fails to recognize that you can never take away save from yourself.
 これによれば、誰かの損失があなたの得になるということになり、それゆえ、この法則は、あなたは絶対に自分自身からしか奪うことができないことを認識できないようにしてしまいます。

 Yet all the other laws must lead to this.
 しかし、他の混沌の法則はどれもすべて必ずこの第四法則に帰結します。

 For enemies do not give willingly to one another, nor would they seek to share the things they value.
 というのは、同士は自ら進んで相手に与えようとはしないし、自分たちが大切するものを分かち合おうとはしないからです。

 And what your enemies would keep from you must be worth having, because they keep it hidden from your sight.
 それに、あなたの敵たちがあなたから隠しておこうとするものは、あなたの目につかないように隠そうとするくらいなのだから、きっと持っておく価値があるはずだと見えるのです。





10. All of the mechanisms of madness are seen emerging here: the "enemy" made strong by keeping hidden the valuable inheritance that should be yours; your justified position and attack for what has been withheld; and the inevitable loss the enemy must suffer to save yourself.
 ここに、狂気のメカニズムの全貌が浮き彫りになっています。つまり、あなたの相続すべきものである価値ある遺産をあなたから隠しておくことで「敵」が強くなっているのだとすれば、あなたには、自分に与えられずにきた自分のものになるべきものを得る立場とそれを取り返すために攻撃することが正当化され、あなた自身を救うために敵が損失を被るのはやむをえないことだということになります。

 Thus do the guilty ones protest their "innocence. "
 かくして、有罪である者たちは、つぎのように自らの「潔白」を抗弁します。

 Were they not forced into this foul attack by the unscrupulous behavior of the enemy, they would respond with only kindness.
 すなわち、敵の恥知らずな振舞いによって、このような不本意な攻撃に駆り立てられさえしなければ、彼らは、ただ親切に対応するつもりだった。

 But in a savage world the kind cannot survive, so they must take or else be taken from.
 しかし、殺伐とした世界の中では親切な者は生き残ることはできない、だから、奪わなければ奪われてしまうだけなので、奪わざるをえないのだ、と弁明するのです。


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11. And now there is a vague unanswered question, not yet "explained. "
 そして、ここに、まだ答えられてはおらず、まだ「説明されていない」ひとつの漠然とした疑問があります。

 What is this precious thing, this priceless pearl, this hidden secret treasure, to be wrested in righteous wrath from this most treacherous and cunning enemy?
 このきわめて背信的で狡猾な敵から、正義の怒りに燃えてもぎ取ろうとするこの貴重なもの、このお金で買うことができないほどの真珠、この秘密の宝物とはいったい何なのでしょうか。

 It must be what you want but never found.
 それはあなたが望んでいながらも、決して見つけることができずにいるものに違いありません。

 And now you "understand" the reason why you found it not.
 そして、今、あなたは、なぜ自分がそれを見つけられなかったのか、その理由を「理解」します。

 For it was taken from you by this enemy, and hidden where you would not think to look.
 それは、その宝物は、この敵によってあなたから奪い取られて、あなたが見てみようとも思わないようなところに隠されてしまったからです。

 He hid it in his body, making it the cover for his guilt, the hiding place for what belongs to you.
 敵はそれを自分の身体の中に隠し、その身体を自分の罪悪感を覆い隠して、あなたに属するはずのものの隠し場所にしてしまいます。

 Now must his body be destroyed and sacrificed, that you may have that which belongs to you.
 こうなっては、あなたが自分に属するものを取り戻すためには、その敵の身体を破壊し、犠牲にせざるをえません。

 His treachery demands his death, that you may live.
 敵の裏切りによって、あなたが生き延びるためには、彼の死が必要となるのです。

 And you attack only in self-defense.
 だからあなたは、正当防衛としてのみ攻撃するのです。






12. But what is it you want that needs his death?
 しかし、あなたが相手の死を必要としてまで望むほどのものとは、いったい何なのでしょうか。

 Can you be sure your murderous attack is justified unless you know what it is for?
 あなたにそれが何のためなのかわからなければ、あなたの殺意のこもった攻撃が正当といえるかどうか確信が持てないのではないでしょうか。

 And here a final principle of chaos comes to the "rescue. "
 そしてここに至って、混沌の最後の原理が「救援」に駆けつけます。

 It holds there is a substitute for love.
 その原理は、愛は代用で置き換えることができるというものです。

 This is the magic that will cure all of your pain; the missing factor in your madness that makes it "sane. "
 この愛に代替が利くということこそ、あなたのあらゆる苦痛を治す魔術であり、あなたの狂気を「正気」に見せかけるために欠けている要素だというのです。

 This is the reason why you must attack.
 愛が代替できることこそ、あなたが攻撃しなければならない理由だというのです。

 Here is what makes your vengeance justified.
 愛に代用があることの中に、あなたの復讐を正当化する根拠があるというのです。

 Behold, unveiled, the ego's secret gift, torn from your brother's body, hidden there in malice and in hatred for the one to whom the gift belongs.
 あなたの兄弟の身体から引き剥がされて、ヴェールを剥ぎ取られた、このエゴの秘密の贈り物を見てください。それは贈り物の持ち主に対する敵意や憎しみの内に隠されていたものです。

 He would deprive you of the secret ingredient that would give meaning to your life.
 兄弟は、あなたの人生に意義を与えてくれる秘密の要素をあなたから奪おうとしていたというのです。

 The substitute for love, born of your enmity to your brother, must be salvation.
 あなたの兄弟に対する恨みから生じる愛の代用が救いとなるに違いないというのです。

 It has no substitute, and there is only one.
 この兄弟への敵意から生じる愛の代用には代わりなどなく、愛の代用はこれしかありません。

 And all your relationships have but the purpose of seizing it and making it your own.
 そして、あなたの関係にはどれもみな、ただ救いとしての愛の代用を掴み取って自分のものにすることだけを目的としているのです。


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13. Never is your possession made complete.
 あなたは、自分の得たものの所有を、決して全うすることができません。

 And never will your brother cease his attack on you for what you stole.
 そして、あなたの兄弟は、あなたが盗んだもののために、あなたを攻撃することを決してやめようとしないでしょう。

 Nor will God end His vengeance upon both, for in His madness He must have this substitute for love, and kill you both.
 しかも、あなたと兄弟の双方に対する神の報復も終わることはありません。なぜなら、神も狂気のあまり、何としてもその愛の代用を手に入れようと、あなたたち両者を殺そうとするということになるからです。

 You who believe you walk in sanity with feet on solid ground, and through a world where meaning can be found, consider this:
 あなたは自分が生きる意味の見出せる世界で、確固たる大地に足を踏み締めながら、正気で歩んでいると信じているかもしれません。しかし、次のことをよく考えてもらいたいのです。

 These are the laws on which your "sanity" appears to rest.
 それは、あなたの「正気」が拠って立つ基盤のように見えているのは、このような混沌の法則なのだということです。

 These are the principles which make the ground beneath your feet seem solid.
 このような原理が、あなたの踏み締めている足場が堅固であるかのように思わせているのです。

 And it is here you look for meaning.
 そして、あなたが意味を探しているのはこんな場所なのです。

 These are the laws you made for your salvation.
 これが、自分が救われるようにとあなたが作り出した法則です。

 They hold in place the substitute for Heaven which you prefer.
 これらの法則が、あなたが天国を差し置いて選んだ天国の代用のための場所を確保しています。

 This is their purpose; they were made for this.
 天国の代用となることがこれらの法則の目的であり、このためにこそ、これらの法則は作り出されたのです。

 There is no point in asking what they mean.
 これらの法則が何を意味するか尋ねる必要はありません。

 That is apparent.
 それは明らかです。

 The means of madness must be insane.
 狂気の手段は、常軌を逸しているに違いありません。


 Are you as certain that you realize the goal is madness?
 はたしてあなたは、手段が狂気であることを確信するのと同じくらいの確実さで、その目標も狂気であることに自分が気づいていると確信できるでしょうか。






14. No one wants madness, nor does anyone cling to his madness if he sees that this is what it is.
 誰も狂気を望んでなどいないし、誰もそれが狂気だとわかっていたら、狂気にしがみつこうとはしないはずです。

 What protects madness is the belief that it is true.
 狂気を守っているのは、その狂気の沙汰こそが本物だという信念です。

 It is the function of insanity to take the place of truth.
 真理の代わりをするのが狂気の役割なのです。

 It must be seen as truth to be believed.
 狂気の沙汰が信じられるためには、それが本当のことだとみなされなければなりません。

 And if it is the truth, then must its opposite, which was the truth before, be madness now.
 そして、もし狂気が真実だということになれば、以前は真理であったその狂気の対極のほうこそ、今や狂気であるに違いないということになってしまいます。

 Such a reversal, completely turned around, with madness sanity, illusions true, attack a kindness, hatred love, and murder benediction, is the goal the laws of chaos serve.
 こんなふうに完全に裏返しになった状態、すなわち、狂気が正気に、幻想が真理に、攻撃が優しさに、憎しみが愛に、殺人が祝福に、というふうに逆転させることが混沌の法則が奉仕する目標なのです。

 These are the means by which the laws of God appear to be reversed.
 これらの混沌の法則は、神の法を正反対のものに見せかけるための手段です。

 Here do the laws of sin appear to hold love captive, and let sin go free.
 ここにおいては、罪の法則は、愛を虜囚として罪を解放しているかのように見えます。

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15. These do not seem to be the goals of chaos, for by the great reversal they appear to be the laws of order.
 こうしたことは混沌の目標であるようには見えません。というのも、見事な逆転によって、混沌の法則こそ秩序をもたらす法則であるかのように見えるからです。

 How could it not be so?
 そう見えないわけがありません。

 Chaos is lawlessness, and has no laws.
 混沌とは無法状態のことです。そこには何の法則もありません。

 To be believed, its seeming laws must be perceived as real.
 信じてもらうためには、その見せかけの法則が本物だと知覚されなければなりません。

 Their goal of madness must be seen as sanity.
 法則の奉仕する狂気という目標が、正気であると見られることが必要です。

 And fear, with ashen lips and sightless eyes, blinded and terrible to look upon, is lifted to the throne of love, its dying conqueror, its substitute, the savior from salvation.
 だから、唇は青ざめ、目が見えなくなり、茫然自失で見るも無惨な姿の恐怖が、死にかけた愛の征服者であり、愛の代用となるものであり、救済からの救い手として、愛の玉座へと祭り上げられます。

 How lovely do the laws of fear make death appear.
 恐怖の法則は、死をいかに美しいものに見せかけることでしょう。

 Give thanks unto the hero on love's throne, who saved the Son of God for fear and death!
 愛の玉座に就いたその英雄に感謝を捧げよ、彼こそが神の子を恐れと死から救い出してくれたのだから、というわけです。





16. And yet, how can it be that laws like these can be believed?
 それにしても、どうしてこんな法則が信じられることが可能になるのでしょうか。

 There is a strange device that makes it possible.
 それを可能にする奇妙なからくりがあるのです。

 Nor is it unfamiliar; we have seen how it appears to function many times before.
 しかも、それは見知らぬことではないし、私たちは以前に何度もそのからくりがどのような働きをするか見てきました。

 In truth it does not function, yet in dreams, where only shadows play the major roles, it seems most powerful.
 本当のところ、そのからくりは何の働きもしないのですが、影だけが主要な役割を演じる夢の中では、このからくりは最も強力なものに見えます。

 No law of chaos could compel belief but for the emphasis on form and disregard of content.
 混沌の法則はどれもみな、内容を無視してただ形式だけを強調することを信じるよう無理強いすることしかできません。

 No one who thinks that one of these laws is true sees what it says.
 こうした法則がひとつでも本当だと思う者は、誰ひとりそれが何を意味するのかわかっていません。

 Some forms it takes seem to have meaning, and that is all.
 混沌の法則がとる形態の中のいくつかには意味があるように見えるけれど、そう見えるだけです。

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17. How can some forms of murder not mean death?
 殺人の中である種の形態の殺人だけは死を意味しないということが、どうしてありうるでしょうか。

 Can an attack in any form be love?
 ある種の形の攻撃だけは愛することになるということがありうるでしょうか。

 What form of condemnation is a blessing?
 どんな形の非難であれば、それが祝福になるというのでしょうか。

 Who makes his savior powerless and finds salvation?
 自分の救い主を無力にしておきながら、誰が救いを見出せるというのでしょうか。

 Let not the form of the attack on him deceive you.
 自分の救い主に対する攻撃の形によって自分を欺いてはなりません。

 You cannot seek to harm him and be saved.
 あなたは、自分の救い主に危害を加えようとしておきながら、救われることは望めません。

 Who can find safety from attack by turning on himself?
 自分自身に戦いを挑むことによって、いったい誰が攻撃からの安全を見出すことができるでしょうか。

 How can it matter what the form this madness takes?
 この狂気がどんな形をとろうが、そんなことは重要ではありません。

 It is a judgment that defeats itself, condemning what it says it wants to save.
 こんな狂気は、救いたいと言ってくれるものに対して有罪判決を宣告することで、自分自身を破滅させる裁きを下しているのです。

 Be not deceived when madness takes a form you think is lovely.
 狂気があなたにとって素晴らしいと思えるような形をとっているとしても、その形に騙されてはなりません。

 What is intent on your destruction is not your friend.
 あなたを破滅させようとするものは、あなたの友ではないのです。





18. You would maintain, and think it true, that you do not believe these senseless laws, nor act upon them.
 あなたは、自分はこのような無意味な法則を信じてもいないし、こんな法則に基づいて行動してなどいないと言い張って、本当にそう思いたがることでしょう。

 And when you look at what they say, they cannot be believed.
 確かに、あなたがこれらの法則が言っていることをよく見てみるなら、これらの法則は信じるに足るものではありません。

 Brother, you do believe them.
 それでも、兄弟よ、あなたがこれらの混沌の法則を信じているのは確かなのです。

 For how else could you perceive the form they take, with content such as this?
 というのは、あなたが信じているのでなければ、この程度の内容しかないような法則がとる形をあなたが知覚できてしてしまうはずがないからです。

 Can any form of this be tenable?
 混沌の法則がとる形態のうちのどれかだけは、擁護できるというのでしょうか。

 Yet you believe them for the form they take, and do not recognize the content.
 いずれにせよ、あなたは、それらの法則のとる形態のゆえに法則をそのまま信じてしまい、法則の中身には気づきません。

 It never changes.
 法則の内容は決して変わりはしません。

 Can you paint rosy lips upon a skeleton, dress it in loveliness, pet it and pamper it, and make it live?
 骸骨に口紅を塗って、可愛らしい洋服を着せて、ちやほやすれば、それに生命を与えることができるとでもいうのでしょうか。

 And can you be content with an illusion that you are living?
 それに、あなたは自分が生きているという幻想で満足できるのでしょうか。


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19. There is no life outside of Heaven.
 天国の外側に生命は存在しません。

 Where God created life, there life must be.
 神が生命を創造したところにこそ、生命はあるはずです。

 In any state apart from Heaven life is illusion.
 どんな状態であれ天国から離れたところでは、生命は幻想です。

 At best it seems like life; at worst, like death.
 その幻想は、最善の状態では、生きているように見えるし、最悪の状態では、死のように見えます。

 Yet both are judgments on what is not life, equal in their inaccuracy and lack of meaning.
 しかし、これは両方とも生命ではないものについての判断であって、それらが間違っていて意味を欠いているという点ではどちらも同じです。

 Life not in Heaven is impossible, and what is not in Heaven is not anywhere.
 天国の中ではないところで生きるのは不可能だし、天国の中にいないものはどこにもいないことになります。

 Outside of Heaven, only the conflict of illusion stands; senseless, impossible and beyond all reason, and yet perceived as an eternal barrier to Heaven.
 天国の外には、幻想同士の葛藤があるだけです。幻想同士の葛藤は、無意味だし、不可能だし、まったく道理に合いません。それでも、そんな幻想が、天国への道を妨げる永遠の障壁として知覚されているのです。

 Illusions are but forms.
 幻想は形にすぎません。

 Their content is never true.
 幻想の中身は決して真理ではないのです。





20. The laws of chaos govern all illusions.
 混沌の法則が、すべての幻想を支配しています。

 Their forms conflict, making it seem quite possible to value some above the others.
 個々の幻想の形態は食い違っているので、ある幻想を他の幻想よりも価値あるものとして尊重することが本当に可能であるように思えます。

 Yet each one rests as surely on the belief the laws of chaos are the laws of order as do the others.
 しかし、どの幻想も、他の幻想と同じように、混沌の法則が秩序をもたらす法則だという信念に依拠していているのは確かです。

 Each one upholds these laws completely, offering a certain witness that these laws are true.
 一つひとつの幻想が、混沌の法則を完全に支持し、この法則が本当であると示す確たる証拠を提示します。

 The seeming gentler forms of the attack are no less certain in their witnessing, or their results.
 見かけ上より穏やかな攻撃であっても、それがもたらす証拠や成果は同じように確かなものです。

 Certain it is illusions will bring fear because of the beliefs that they imply, not for their form.
 幻想は、その形ではなくて、それが言外に仄めかす信念のために、確実に恐怖心を抱かせます。

 And lack of faith in love, in any form, attests to chaos as reality.
 そして、どのような形にせよ、愛に対する信頼の欠如は、混沌こそ真実の姿だということを証明することになります。

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21. From the belief in sin, the faith in chaos must follow.
 罪に対する信念のあとには、必ず混沌に対する信頼が続いてきます。

 It is because it follows that it seems to be a logical conclusion; a valid step in ordered thought.
 なぜなら、それが論理的な帰結であり、秩序だった思考を正しく辿れば、当然そこにつながるように思えるからです。

 The steps to chaos do follow neatly from their starting point.
 混沌へ向かう足取りは、確かにその出発点からきちんと段階を踏んでいます。

 Each is a different form in the progression of truth's reversal, leading still deeper into terror and away from truth.
 その一段一段が異なった形で、真理とは逆の方向へと徐々に進んでおり、恐怖の中へとますます深入りし、真理から離れていくのです。

 Think not one step is smaller than another, nor that return from one is easier.
 ある一段は他の一段より小さいとか、この一段からなら簡単にあと戻りできるとなど考えないでください。

 The whole descent from Heaven lies in each one.
 その一段一段の中に天国からの全面的な墜落が潜んでいるのです。

 And where your thinking starts, there must it end.
 だから、あなたが幻想について考えはじめたらその場で、それを考えるのをやめなければなりません。





22. Brother, take not one step in the descent to hell.
 兄弟よ、地獄へと下降する階段を一歩たりとも踏み出してはなりません。

 For having taken one, you will not recognize the rest for what they are.
 というのは、一歩でも踏み出せば、あなたには、その先に続く階段がどのようなものなのか見分けがつかなくなってしまうからです。

 And they will follow.
 その先にも下降する階段が続いていることは確かです。

 Attack in any form has placed your foot upon the twisted stairway that leads from Heaven.
 どのような形であれ、攻撃するということが、あなたの足を天国から下降する捻じ曲がった階段を下らせてきました。

 Yet any instant it is possible to have all this undone.
 しかし、どの瞬間にも、こうしたことをすべて取り消してもらうことは可能です。

 How can you know whether you chose the stairs to Heaven or the way to hell?
 どうやって、あなたは自分が天国への階段を選んだのか地獄への道を選んだのか見分ければよいのでしょうか。

 Quite easily.
 それは実に簡単です。

 How do you feel?
 あなたはどのように感じているでしょうか。

 Is peace in your awareness?
 あなたは平安を意識しているでしょうか。

 Are you certain which way you go?
 あなたは、自分がどちらの道を進んでいるのか確信があるでしょうか。

 And are you sure the goal of Heaven can be reached?
 そして、あなたは、天国という目的地が到達できるものだと確信しているでしょうか。

 If not, you walk alone.
 もしあなたが確信していないとすれば、あなたはひとりきりで歩いているのです。

 Ask, then, your Friend to join with you, and give you certainty of where you go.
 そうだとしたら、あなたの大いなる友に、あなたと一緒になって、自分の進む場所にあなたが確信が持てるようにしてほしいと頼むことです。


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