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There Is No Spoon

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P intro,1 心理療法(目的、プロセス、そして実践)




心理療法の「目的、プロセス、そして実践」の序文と1.心理療法の目的をご紹介します。


序文の冒頭から、私たちはみんな、幻想である世界を「現実」だと信じ込む狂気に陥っている狂人であり、存在しうる治療は心理療法のみであるということが語られます。

コースになじんできている人からすれば、こう言われることに慣れてきて違和感がなくなっていますが、はじめてコースに触れる人からすると、カチンときて拒絶反応を示したくなる指摘です。

ですが、誰しも自分でも薄々感づいている真実を突かれると痛みを覚えるもので、あなたは意気地なしだと指摘されてムカッとくるのは自分は意気地なしだという自覚を隠して虚勢を張っている人だけで、本当に勇気のある人は、人からどう言われような気にもしません。

これと同じように、世界は実在しない、私たちはみな正気を失っていると告げられて、その通りかもしれないと思う人はもちろんですが、絶対そんなはずはない!と必要以上に反発を感じる人は、無意識ながらも、世界の幻想性を鋭敏に感じ取っているのかもしれません。


さて、私たちは、確固たる実在性を持つ世界の中に、肉体を持つ人間として自分は生きており、このエゴ・身体こそ自分自身だと固く信じていて、この小さな自己は広大な大宇宙の中の砂粒ほどの価値や力しかない塵のような存在なので、外部勢力に小突き回されては哀れに死んでゆくだけで、周囲の世界はおろか自分自身すら満足にコントロールできないと思っています。

しかし、真実は、この世界は幻想で、その中の身体も幻想で、分離した自己というエゴも錯覚であり、神の子がエゴ・身体というアバターになりきって、投影によって外の世界を自分で作り出していただけで、外の世界や他者からされたと思っていたことはすべて自分が自分にしていたのだ、つまり、世界は存在しないということです。

そこで、この狂気の沙汰から神の子が脱出して正気を取り戻すために、心理療法は、患者に自分で決定する力があるという自覚を回復させなければなりません。

このように、神の子が見失ってしまった道と真理と生命を取り戻して神を思い出す手助けをすることが、心理療法のもっぱらの目的です。


PSYCHOTHERAPY:
心理療法

purpose, process and practice.
目的、プロセス、そして実践


Introduction:
序文



1. Psychotherapy is the only form of therapy there is.
 治療法となりうる唯一の形は、心理療法だけです。

 Since only the mind can be sick, only the mind can be healed.
 なぜなら、病むことができるのは心だけなので、癒されうるのは心だけだからです。

 Only the mind is in need of healing.
 癒しを必要とするのは、ただ心だけなのです。

 This does not appear to be the case, for the manifestations of this world seem real indeed.
 これは事実であるようには思えません。というのも、この世界に現れている色んな物事は実に本物のように見えるからです。

 Psychotherapy is necessary so that an individual can begin to question their reality.
 心理療法が必要なのは、個人がこの世界に現れている物事の実在性を問い始めることができるようになるためです。

 Sometimes he is able to start to open his mind without formal help, but even then it is always some change in his perception of interpersonal relationships that enables him to do so.
 ときには、しかるべき助力を受けることなしに、ある人が自分の心を開き始めることもありえます。しかし、そんなときですら、彼の心が開き始められるようになったのは、つねに人と人との間の関係性についてのその人の知覚に何らかの変化が生じたことによってなのです。

 Sometimes he needs a more structured, extended relationship with an "official" therapist.
 ときには、ある人は「正式な」セラピストと、よりしっかりとした長期的な関係を持つ必要があることもあります。

 Either way, the task is the same; the patient must be helped to change his mind about the "reality" of illusions.
 いずれにせよ、なすべき課題は同じです。患者は、幻想を「現実」とみなす自らの心を変えるための支援を受けなければならないのです。





1. THE PURPOSE OF PSYCHOTHERAPY
心理療法の目的



1. Very simply, the purpose of psychotherapy is to remove the blocks to truth.
 きわめて簡潔に言えば、心理療法の目的は、真理への障害を取り除くことです。

 Its aim is to aid the patient in abandoning his fixed delusional system, and to begin to reconsider the spurious cause and effect relationships on which it rests.
 心理療法の狙いは、患者を支援して、患者が自分の固定化した妄想システムを捨て去って、妄想システムが依拠する偽りの因果関係を考え直しはじめられるようにすることにあります。

 No one in this world escapes fear, but everyone can reconsider its causes and learn to evaluate them correctly.
 この世界では、誰も恐怖を免れません。しかし、恐怖の原因を改めて考えてみて、恐怖を正確に評価することを学ぶことは誰にでもできます。

 God has given everyone a Teacher Whose wisdom and help far exceed whatever contributions an earthly therapist can provide.
 神は、すべての者たちにひとりの大いなる教師を与えてくれました。その教師である聖霊の英知と支援は、この世界のセラピストが提供できるどんな貢献もまったく及ばないものです。

 Yet there are times and situations in which an earthly patient-therapist relationship becomes the means through which He offers His greater gifts to both.
 しかし、時と場合によって、聖霊はこの世界での患者とセラピストの関係性を手段にして、この関係を通して、その偉大な力を患者とセラピストの双方に差し延べることができます。



2. What better purpose could any relationship have than to invite the Holy Spirit to enter into it and give it His Own great gift of rejoicing?
 いかなる関係においてであれ、聖霊に関係の中に入ってきて、聖霊の持つ偉大な喜びという贈り物をその関係に与えてもらえるように聖霊を招待することに優るどんな関係の目的がありうるでしょうか。

 What higher goal could there be for anyone than to learn to call upon God and hear His Answer?
 誰にとってであれ、神に頼んで神の大いなる答えを聞くことを学ぶことに優るどんな崇高な目標がありうるでしょうか。

 And what more transcendent aim can there be than to recall the way, the truth and the life, and to remember God?
 そして、道と真理と生命を取り戻して神を思い出すことに優るより卓越したいかなる目的がありうるでしょうか。

 To help in this is the proper purpose of psychotherapy.
 道と真理と生命を取り戻して神を思い出す手助けをすることが、心理療法のもっぱらの目的なのです。

 Could anything be holier?
 これにまして神聖な何がありうるでしょうか。

 For psychotherapy, correctly understood, teaches forgiveness and helps the patient to recognize and accept it.
 というのは、正確に理解されるなら、心理療法は赦しを教え、患者が赦しを承認して受け入れられるように手助けすることだからです。

 And in his healing is the therapist forgiven with him.
 そして、患者が癒されることで、セラピスト自身も患者とともに赦されます。



3. Everyone who needs help, regardless of the form of his distress, is attacking himself, and his peace of mind is suffering in consequence.
 その人の苦悩の形に関わりなく、助けを必要とする誰もが、実は自分自身を攻撃しているのであり、その結果として、彼の心の平安が損なわれて苦しんでいるのです。

 These tendencies are often described as "self-destructive," and the patient often regards them in that way himself.
 このような自らを攻撃する傾向は、しばしば「自滅的」なものとして描写されるし、患者はたびたび自分で自分のことを自滅的な存在だとみなしもします。

 What he does not realize and needs to learn is that this "self," which can attack and be attacked as well, is a concept he made up.
 患者が気づいておらず、学ばなければならないのは、攻撃することも攻撃されることもできるこの「自己」とは、患者が作りあげたひとつの概念だということです。

 Further, he cherishes it, defends it, and is sometimes even willing to "sacrifice" his "life" on its behalf.
 しかも、患者はこの「自己」を大切にして守ろうとするし、ときには自らの「生命」を賭してまで喜んで「自己」の「犠牲」になろうとすらします。

 For he regards it as himself.
 というのも、患者は、この「自己」こそが自分自身だとみなしているからです。

 This self he sees as being acted on, reacting to external forces as they demand, and helpless midst the power of the world.
 この小さな自己のことを、患者は、自分の外にある力に左右されて、外部の力に求められるがままに反応する、世界の力の中にあって無力な存在だと見ています。



4. Psychotherapy, then, must restore to his awareness the ability to make his own decisions.
 それゆえ、心理療法は、患者に自分自身で決定する能力についての自覚を回復させなければなりません。

 He must become willing to reverse his thinking, and to understand that what he thought projected its effects on him were made by his projections on the world.
 彼は、自分の考え方を逆転させる意欲をもって、世界がその結果を自分に押しつけていると思っていたものが、実は、自分が世界に投影したものによって作り出されていたのだと理解する気にならなければなりません。

 The world he sees does therefore not exist.
 つまり、彼の見ている世界は存在しないということです。

 Until this is at least in part accepted, the patient cannot see himself as really capable of making decisions.
 このことが少なくとも部分的にでも受け入れられないかぎりは、患者は自分自身のことを本当に決断できる存在とみなすことはできません。

 And he will fight against his freedom because he thinks that it is slavery.
 そして、患者には、自らが解放されることが自らが隷属することに思えてしまうので、彼は自分が自由になることに抵抗して戦おうとしてしまうでしょう。



5. The patient need not think of truth as God in order to make progress in salvation.
 患者には、救済において前進するために、真理を神として考えるようになる必要はありません。

 But he must begin to separate truth from illusion, recognizing that they are not the same, and becoming increasingly willing to see illusions as false and to accept the truth as true.
 しかし、患者は、幻想と真理が同じではないと気づいて、徐々に幻想を偽りと見て、真理を真実として受け入れて、幻想から真理を区別しはじめなければなりません。

 His Teacher will take him on from there, as far as he is ready to go.
 そこからは、患者の大いなる教師である聖霊が彼を連れて、彼に準備のできているだけ遠くまで連れて行ってくれるでしょう。

 Psychotherapy can only save him time.
 心理療法にできるのは、ただ患者の時間を節約することだけです。

 The Holy Spirit uses time as He thinks best, and He is never wrong.
 聖霊は、聖霊が最善と考えるように時間を用います。そして、聖霊が時間の用い方を誤ることは決してありません。

 Psychotherapy under His direction is one of the means He uses to save time, and to prepare additional teachers for His work.
 聖霊の指導する心理療法は、聖霊が時間を節約し、聖霊の働きを助ける教師たちに用意を整えさせるために用いる手段のひとつです。

 There is no end to the help that He begins and He directs.
 聖霊が着手して聖霊が指揮する救いには、限界がありません。

 By whatever routes He chooses, all psychotherapy leads to God in the end.
 聖霊がどのようなルートを選ぼうとも、すべての心理療法は最後には神へと導きます。

 But that is up to Him.
 しかし、どのような道筋を辿ることになるかは神に委ねられています。

 We are all His psychotherapists, for He would have us all be healed in Him.
 私たちはみんな、神の導きを受ける心理療法のセラピストです。というのも、神は私たちみんなを神の中で癒すつもりでいるからです。


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