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P2-III セラピストの役割

2014年04月25日
心理療法 2

今回は、セラピストの役割についての一節をご紹介します。




心理療法は患者とセラピストの相互作用なので、心理療法の成果である癒しは患者・セラピストの両者の持つ限界によって制限されます。

したがって、心理療法というプロセスの目的は、この限界を克服することです。

それは、本来、ひとつである生命が無数に自己を分裂させて、その分裂状態のほうが本当だと思い込んでいる狂気から正気に戻るプロセスです。

私たちの本質である神の子のひとつに結ばれた状態を光り輝くスライムのようなエネルギー体とイメージするとして、それを細かく細分化して小分けして、粘土で包み込んで焼き固めて中に幽閉した物体の内側の本来無限で無定型のスライムを限定し成形する型枠がエゴ、心の内側に作り出した自分の外と信じる妄想世界と相互作用をなすための外側の人形が身体ということになります。

どんなに光が漏れ出さない固い壁に閉じ込められていても、奥には同じ本質を持つ光の塊がいるわけなので、この粘土の塊同士が何らかの相互作用を与え合うことで、お互いの壁を崩すことも厚くすることもできます。

閉じ込められているエネルギー体が求めるのは、どんなときも、幽閉から解放されて本来の自分とひとつに結ばれたいという愛だけです。

しかし、この愛を求めるエネルギーの発露は、ゆがみきった粘土細工の穴を通ってほとばしると、自分を覆っている粘土に絡みつかれて、ほかの粘土細工の木偶人形に粘土玉をぶつけて、こびりついて外殻をより固く分厚くする攻撃、非難となってしまいがちです。

このように粘土の泥が混じらないで、純粋にエネルギーを通い合わせられるためには、各自が自分の殻の中に留まった状態から、無防備になって完全に心を開いてコミュニケーションできることが必要です。

3.「One asks for help; another hears and tries to answer in the form of help.
 ひとりが助けを求め、もうひとりがそれを聞いて手助けする形で応えようとするからです。

 This is the formula for salvation, and must heal.
 これこそ、救済の秘訣となる公式であり、必ず癒しをもたらします。」



愛の求めには素直に愛で応えることはできても、攻撃には反撃で対応してしまい、攻撃の裏には愛を求める哀訴が潜んでいることに気づけないままになりがちな愛憎愛半ばするそのほかの人間関係に比べて、心理療法では、患者が素直に助けを求め、セラピストがこれに手助けをしようと応じる関係性なので、敵対的な関係に比べて、この救いの公式がそのままあてはまりやすいということができます。

ですので、セラピストと患者は、お互いの間を隔てている壁をお互いの中に潜む光で照らし合って崩してゆき、相手の中にいる自分の本質と結びつくことに成功する可能性が大きくなります。


III. The Role of the Psychotherapist
心理セラピストの役割



1. The psychotherapist is a leader in the sense that he walks slightly ahead of the patient, and helps him to avoid a few of the pitfalls along the road by seeing them first.
 心理セラピストは導き手です。その意味は、彼が少しだけ患者の前を歩んでいて、道の途中で患者が陥りそうな落とし穴のいくらかを先に見つけて、患者がそれらの落とし穴を避けられるよう手助けできるということです。

 Ideally, he is also a follower, for One should walk ahead of him to give him light to see.
 理想的な場合、心理セラピストもまた追随者となります。というのは、その場合、彼の前方にはきっと聖霊が歩んでいて、セラピストに真に見るための光を与えてくれているはずだからです。

 Without this One, both will merely stumble blindly on to nowhere.
 この聖霊がいなければ、セラピストも患者も、ただ闇雲に躓くばかりで、どこにも辿り着けないでしょう。

 It is, however, impossible that this One be wholly absent if the goal is healing.
 とはいえ、いやしくも癒しを目標にしながら、聖霊が完全に不在であることは不可能です。

 He may, however, not be recognized.
 もっとも、聖霊が気づかれないことはあるでしょう。

 And so the little light that can be then accepted is all there is to light the way to truth.
 その場合、その時点で受け入れることのできる小さな光だけが、真理への道を照らすことになります。



2. Healing is limited by the limitations of the psychotherapist, as it is limited by those of the patient.
 癒しは、患者の持つ限界によって制限されるだけでなく、心理セラピストの持つ限界によっても制限されます。

 The aim of the process, therefore, is to transcend these limits.
 それゆえ、心理療法プロセスの目的は、これらの限界を克服することです。

 Neither can do this alone, but when they join, the potentiality for transcending all limitations has been given them.
 セラピストも患者も、このプロセスを単独で行うことはできません。しかし、彼らが一緒に行うなら、あらゆる限界を突破する可能性が彼らに与えられることになります。

 Now the extent of their success depends on how much of this potentiality they are willing to use.
 いまや、彼らが成功するかどうかは、この可能性を用いる意欲を彼らがどれほど強く持てるかで決まります。

 The willingness may come from either one at the beginning, and as the other shares it, it will grow.
 始めのうちは、その意欲は、セラピストと患者のどちらか一方だけから生じるかもしれませんが、他方がその意欲を分かち合うにつれて、その意欲は増大することになります。

 Progress becomes a matter of decision; it can reach almost to Heaven or go no further than a step or two from hell.
 どれほど進歩するかは、決意次第となります。進歩はほとんど天国に届くまでになることもありうるし、あるいは、地獄から一歩か二歩以上には伸びないこともありえます。




3. It is quite possible for psychotherapy to seem to fail.
 心理療法が失敗したように思えることはいくらでもありえます。

 It is even possible for the result to look like retrogression.
 後退しているように見える結果すらありえます。

 But in the end there must be some success.
 しかし、最終的には必ず、何らかの成功に至るはずです。

 One asks for help; another hears and tries to answer in the form of help.
 ひとりが助けを求め、もうひとりがそれを聞いて手助けする形で応えようとするからです。

 This is the formula for salvation, and must heal.
 これこそ、救済の秘訣となる公式であり、必ず癒しをもたらします。

 Divided goals alone can interfere with perfect healing.
 分裂した目標だけが、完璧な癒しを妨げることができます。

 One wholly egoless therapist could heal the world without a word, merely by being there.
 ひとりの完全にエゴのないセラピストは、一言も発することなくただ存在するだけで、世界を癒すことができます。

 No one need see him or talk to him or even know of his existence.
 誰ひとりとして、そのエゴのないセラピストに会ったり、語りかける必要はなく、さらには、彼の存在を知ることすら必要ありません。

 His simple Presence is enough to heal.
 ただ単に彼が存在するだけで、癒しには十分です。



4. The ideal therapist is one with Christ.
 理想的なセラピストは、キリストと一体となっています。

 But healing is a process, not a fact.
 しかし、癒しは、事実ではなくてプロセスです。

 The therapist cannot progress without the patient, and the patient cannot be ready to receive the Christ or he could not be sick.
 セラピストは、患者なくしては前に進めません。そして、患者の側にキリストを受け入れる準備ができているはずがありません。そうでなければ、患者は病んでなどいなかったはずだからです。

 In a sense, the egoless psychotherapist is an abstraction that stands at the end of the process of healing, too advanced to believe in sickness and too near to God to keep his feet on earth.
 ある意味で、エゴのない心理セラピストというのは、癒しのプロセスの終点に立つ抽象的な人物像です。病気を信じるにはあまりに進歩しすぎており、自らの足を地上に保つには、あまりに神に近づきすぎている存在です。

 Now he can help through those in need of help, for thus he carries out the plan established for salvation.
 いまや、エゴのない心理セラピストは、助けを必要としている者たちを通して助けることができます。というのも、そうすることで、彼は救済のために確立された計画を実行することになるからです。

 The psychotherapist becomes his patient, working through other patients to express his thoughts as he receives them from the Mind of Christ.
 心理セラピストは、エゴのない心理セラピストの患者となり、ほかの患者たちを通して作用することで、エゴのない心理セラピストがキリストの大いなる心から受け取る思考を表現するのです。


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 松山 健 Ken Matsuyama
この記事を書いた人:  松山 健 Ken Matsuyama

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Kino  

07

私にとってこのブログは心理セラピーになっています。いつもコースのご紹介有難うございます!

2014年04月25日 (金) 14:34

ken  

Re: 07

> 私にとってこのブログは心理セラピーになっています。いつもコースのご紹介有難うございます!

Kinoさん、いつもありがとうございます。
気が付いたら、ブログを始めて1年を越えていました。このところ、幻想世界の忙しさにかまけて、滞りがちですが、ちょこちょこと付け足していきますので、よろしくお願いします。

奇跡のコースは、読み切りで終わる本ではなく、何度でも繰り返し読む本です。
タグ・クラウドのキーワードでその日に気になるワードをクリックして出てくる過去記事を読むとちょうど今課題に思っていることへの回答が得られたりするかもしれません。

翻訳作業というのは、もっとも勉強になる読書の仕方かもしれません。何しろ、どのような訳が適切か、何度も原文と訳文を対照して精読する作業なわけですから。

このような役得を私は享受していますが、読者のみなさんも、このブログの原文と訳文を自分のワードやエクセルなんかにコピペして、自分のしっくりくる訳文に訳し直す作業をされると、より奇跡のコースを身近に、血肉化できるかもしれません。この勉強法はお勧めです(いつまでこのブログがネット上に存続できるかもわからないですしね(笑))。

2014年04月25日 (金) 19:28
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