There Is No Spoon

        対訳 奇跡のコース      奇跡のコース( 奇跡講座  A Course in Miracles ACIM )テキスト、ワークブック、マニュアルの和訳(日本語翻訳)

T29-9 赦しの夢

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今回はテキスト第二十九章から「赦し」という一節をご紹介します。





テキスト第二十九章

IX. The Forgiving Dream
九 赦し




1. The slave of idols is a willing slave.
 偶像たちの奴隷は、自ら進んで奴隷になっています。

 For willing he must be to let himself bow down in worship to what has no life, and seek for power in the powerless.
 というのは、生命を持たないようなものに対して跪いて礼拝したり、無力なものに力を求めるようなことを自分自身にさせるからには、その人はよほどそうしたいと望んでいるに違いないからです。

 What happened to the holy Son of God that this could be his wish; to let himself fall lower than the stones upon the ground, and look to idols that they raise him up?
 このような、自分自身を地面に転がる石ころよりも貶めて平身低頭し、偶像たちに自分を立ち上がらせてもらうことを期待することを自らの願いにできるとは、いったい聖なる神の子に何が起こったのでしょうか。

 Hear, then, your story in the dream you made, and ask yourself if it be not the truth that you believe that it is not a dream.
 それでは、あなたの作ったの中の物語に耳を傾けて、これはではないとあなたが信じていることが、はたして真実なのだろうかと自分自身に聞いてみるがよいでしょう。




2. A dream of judgment came into the mind that God created perfect as Himself.
 裁きを下すというが、神が神自身と同じように完全なるものとして創造した心の中に入り込みました。

 And in that dream was Heaven changed to hell, and God made enemy unto His Son.
 そして、そんなの中で、天国は地獄に変えられ、神はわが子にとっての敵とされてしまったのです。

 How can God's Son awaken from the dream?
 どのようにすれば、神の子はこんなから目を覚ますことができるでしょうか。

 It is a dream of judgment.
 それは裁きの夢です。

 So must he judge not, and he will waken.
 だから、彼が裁こうとさえしなければ、彼は目を覚ますことになります。

 For the dream will seem to last while he is part of it.
 というのは、彼が夢の一部になっているかぎりにおいて、その夢が続いているように見えるからです。

 Judge not, for he who judges will have need of idols, which will hold the judgment off from resting on himself.
 裁こうとしないでください。というのも、裁きを下す者は、自分自身に裁きが及ぶのを防いでくれる偶像を必要とするようになるからです。

 Nor can he know the Self he has condemned.
 また、裁こうとする者には、自分が有罪判決を下した大いなる自己を知ることもできません。

 Judge not, because you make yourself a part of evil dreams, where idols are your "true" identity, and your salvation from the judgment laid in terror and in guilt upon yourself.
 裁こうとしないことです。そうしないと、自分自身を不幸な夢の一部にすることになってしまうからです。そんな夢の中では、偶像こそが、あなたの「真の」アイデンティティーとなり、恐怖と罪悪感の中で自分自身に言い渡した審判からあなたを救済するものとなっています。

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3. All figures in the dream are idols, made to save you from the dream.
 夢の中のすべての登場人物たちは、あなたをその夢から救い出そうとして作られた偶像たちです。

 Yet they are part of what they have been made to save you from.
 しかし、当の彼ら自身、あなたをそこから救い出すために彼らが作り出されたその夢自体の一部なのです。

 Thus does an idol keep the dream alive and terrible , for who could wish for one unless he were in terror and despair?
 したがって、偶像は、夢を存続させ、恐ろしいものとして保ち続けることになります。というのは、恐怖と絶望の中にいないかぎり、誰も偶像を望んだりはしないからです。

 And this the idol represents, and so its worship is the worship of despair and terror, and the dream from which they come.
 そして、偶像が象徴するのはまさにあなたが恐怖と絶望の中にいるということです。だから、偶像を崇拝することは、絶望や恐怖を崇拝することであり、そして、絶望と恐怖が生まれくる夢そのものを崇拝することです。

 Judgment is an injustice to God's Son, and it is justice that who judges him will not escape the penalty he laid upon himself within the dream he made.
 裁きを下すことは、神の子に対する不正義です。だから、彼が作り出した夢の中においては、神の子を裁く者が、自分自身に課したを免れないことは正義となります。

 God knows of justice, not of penalty.
 神は正義を知っていても、処は神の知るところではありません。

 But in the dream of judgment you attack and are condemned; and wish to be the slave of idols, which are interposed between your judgment and the penalty it brings.
 しかし、裁きの夢の中では、あなたは攻撃し、そして、非難され、あなたの下す審判とそれがもたらす処との間に置かれた偶像の奴隷になることを願うことになります。




4. There can be no salvation in the dream as you are dreaming it.
 あなたが夢見ている通りの夢の中においては、救いはありえません。

 For idols must be part of it, to save you from what you believe you have accomplished, and have done to make you sinful and put out the light within you.
 というのは、あなたが自分で成し遂げたと信じていること、つまり、あなたが自分を罪深いものにして、自分の内なる光を消してしまったと信じ込んでいる夢からあなたを救い出そうにも、あなたが頼みにする偶像たちはその夢の一部であるに違いないからです。

 Little child, the light is there.
 幼子よ、その光はそこにあります。

 You do but dream, and idols are the toys you dream you play with.
 あなたはただ夢を見ているだけなのです。だから、偶像たちは、あなたがそれと遊ぶことを夢見ている玩具でしかないのです。

 Who has need of toys but children?
 子供たち以外にいったい誰が玩具を必要とするというのでしょうか。

 They pretend they rule the world, and give their toys the power to move about, and talk and think and feel and speak for them.
 子供たちは自分が世界を支配しているつもりになって、玩具に動き回る力を与え、玩具に話したり、考えたり、感じたり、自分たちを代弁する力を与えます。

 Yet everything their toys appear to do is in the minds of those who play with them.
 しかし、彼らの玩具がしているように見えることはすべて、それらの玩具で遊んでいる者たちの心の中にあるものです。

 But they are eager to forget that they made up the dream in which their toys are real, nor recognize their wishes are their own.
 しかし、子供たちは、自分の玩具たちが本物になっている夢を作り出したのが自分だということを必死になって忘れようとするし、自分の玩具たちの願い事が自分自身のものだとは認めようとはしません。

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5. Nightmares are childish dreams.
 様々な悪夢は、子供じみた夢です。

 The toys have turned against the child who thought he made them real.
 夢は、玩具がその玩具を本物にしたと思い込んだ子供に歯向かってきたようなものです。

 Yet can a dream attack?
 しかし、夢が攻撃することなどできるでしょうか。

 Or can a toy grow large and dangerous and fierce and wild?
 また、玩具が大きくなって危険なものになったり、獰猛で手に負えなくなるということがありえるでしょうか。

 This does the child believe, because he fears his thoughts and gives them to the toys instead.
 その子供はたしかにそう信じています。なぜなら、その子は自分の思ったことを恐れて、その恐ろしい思いを身代わりにした玩具に与えてしまうからです。

 And their reality becomes his own, because they seem to save him from his thoughts.
 そうして、玩具が実在性を持つことが子供自身にとっての現実になるわけです。なぜなら、自分の現実である玩具こそが自分の思いから自分を救ってくれるように思えるからです。

 Yet do they keep his thoughts alive and real, but seen outside himself, where they can turn against him for his treachery to them.
 しかし、玩具は、その子の思いを子供自身の外側に見えるようにするだけで、その思いを生かし続けて本物として保ちます。子供自身の外側では、その子の裏切り行為について、玩具はその子に反抗できるようになるのです。

 He thinks he needs them that he may escape his thoughts, because he thinks the thoughts are real.
 その子は、自分の思いから逃れるには、玩具が必要だと思っています。なぜなら、その子は、それらの思いは実在すると思っているからです。

 And so he makes of anything a toy, to make his world remain outside himself, and play that he is but a part of it.
 だから、その子は、自分の世界を自分自身の外側に留まらせて、自分はただその世界の一部にすぎないという遊びをするために、何でも玩具にしてしまうのです。





6. There is a time when childhood should be passed and gone forever.
 幼年期を、すでに過ぎ去って永遠に戻らないものとすべきときがあります。

 Seek not to retain the toys of children.
 子供の玩具をいつまでも取っておこうとしないでください。

 Put them all away, for you have need of them no more.
 そんなものは、全部片づけてしまいなさい。もうあなたにはそんな玩具は必要ではないからです。

 The dream of judgment is a children's game, in which the child becomes the father, powerful, but with the little wisdom of a child.
 裁きの夢というのは、わずかな子供の知恵しか持ち合わせないまま、力を備えた父親になった振りをする子供たちのごっこ遊びです。

 What hurts him is destroyed; what helps him, blessed.
 その子を傷つけるものは滅ぼされ、彼の役に立つものは祝福されます。

 Except he judges this as does a child, who does not know what hurts and what will heal.
 ただし、彼はこのことを、子供がするように、何が傷つけるもので、何が癒してくれるものかもわからないままに判断します。

 And bad things seem to happen, and he is afraid of all the chaos in a world he thinks is governed by the laws he made.
 だから、悪いことが起こるように思えると、彼は、自分が作り出した法則によって支配されていると思い込んでいる世界におけるあらゆる混乱を恐れることになります。

 Yet is the real world unaffected by the world he thinks is real.
 ところが、真の世界は、その子が本物だと思っている世界からの影響を受けることはありません。

 Nor have its laws been changed because he does not understand.
 それに、その子が理解しないからといって、真の世界の法則が変えられることなどありませんでした。


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7. The real world still is but a dream.
 真の世界ですら、ひとつの夢でしかありません。

 Except the figures have been changed.
 ただし、その中の登場人物たちは変わっています。

 They are not seen as idols which betray.
 彼らは裏切るような偶像としては見られません。

 It is a dream in which no one is used to substitute for something else, nor interposed between the thoughts the mind conceives and what it sees.
 その夢の中では、誰もほかの何かの代用として用いられることはなく、心が抱く思いと心が見るものとの間に何かが介在することもありません。

 No one is used for something he is not, for childish things have all been put away.
 誰ひとり、自分ではない何かの代わりに用いられることはありません。というのも、子供じみた物事はすべて片づけられているからです。

 And what was once a dream of judgment now has changed into a dream where all is joy, because that is the purpose that it has.
 そして、かつては裁きを下す夢であったものが、いまや、すべてが喜びである夢へと変わっています。なぜなら、それこそが真の世界という夢の目的だからです。

 Only forgiving dreams can enter here, for time is almost over.
 ただ赦しの夢だけが、ここに入ってくることができます。というのは、時間はほとんど終わりかけているからです。

 And the forms that enter in the dream are now perceived as brothers, not in judgment, but in love.
 そして、この夢に入ってくる人影は、今では、裁きを下すためではなく、愛の中で、兄弟たちとして知覚されるのです。




8. Forgiving dreams have little need to last.
 赦しの夢は、長く続く必要はほとんどありません。

 They are not made to separate the mind from what it thinks.
 赦しの夢は、心が思うものから心を分離するために作られるものではありません。

 They do not seek to prove the dream is being dreamed by someone else.
 赦しの夢は、その夢がほかの誰かによって夢見られていることを証明しようとはしません。

 And in these dreams a melody is heard that everyone remembers, though he has not heard it since before all time began.
 そして、これらの赦しの夢の中では、時間が始まって以来耳にすることがなかったけれど、誰もが覚えているメロディーが聞こえてきます。

 Forgiveness, once complete, brings timelessness so close the song of Heaven can be heard, not with the ears, but with the holiness that never left the altar that abides forever deep within the Son of God.
 いったん赦しが完了しさえすれば、赦しによって時間のない状態が本当に近くにもたらされるので、天国の歌が聞こえるようになります。それは耳によって聞くのではなく、神の子の心の奥深くに永遠に留まっている祭壇を一度も離れたことのない神聖さによって聞く歌です。

 And when he hears this song again, he knows he never heard it not.
 そして、再びこの歌を聞くとき、彼は自分がその歌を聞かなかったことなど一度もなかったということを知ります。

 And where is time, when dreams of judgment have been put away?
 裁きの夢を捨て去ったとき、いったいどこに時間があるというのでしょうか。

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9. Whenever you feel fear in any form,—and you are fearful if you do not feel a deep content, a certainty of help, a calm assurance Heaven goes with you,—be sure you made an idol, and believe it will betray you.
 もしあなたが深い満足感や、助けてもらえるという確信や、天国が自分と共にあるとの落ち着いた確信を感じられないとき、きっとあなたは恐れを抱いているのですが、どんな形であれ、あなたが恐れを感じるときはいつでも、自分が偶像を作り、その偶像が自分を裏切るようになると信じていることを確信してよいでしょう。

 For beneath your hope that it will save you lie the guilt and pain of self-betrayal and uncertainty, so deep and bitter that the dream cannot conceal completely all your sense of doom.
 なぜなら、その偶像が自分を救ってくれるというあなたの希望の裏には、自分自身を裏切っているとの思いや救われるという希望に確信が持てないことからくる罪悪感や苦痛が潜んでおり、それらがあまりに深刻で痛烈なものなので、その夢ですらあなたの悲運の予感のすべてを完全には隠しきれないからです。

 Your self-betrayal must result in fear, for fear is judgment, leading surely to the frantic search for idols and for death.
 あなたの自分を裏切っているとの思いは、必ず恐怖心を抱くという結果をもたらします。というのは、恐れることは裁きを下すことであり、確実に偶像や死を求めての死に物狂いの探索へと導くものだからです。




10. Forgiving dreams remind you that you live in safety and have not attacked yourself.
 赦しの夢は、あなたが安全のうちに生きており、あなたが自分自身を攻撃したことなどないということを、あなたに気づかせてくれます。

 So do your childish terrors melt away, and dreams become a sign that you have made a new beginning, not another try to worship idols and to keep attack.
 したがって、あなたの子供じみた強い恐怖心も溶け去り、夢は、あなたがもう一度、偶像を崇拝し攻撃を続けようと試みるのではなく、新たな出発をしたことを示す印となります。

 Forgiving dreams are kind to everyone who figures in the dream.
 赦しの夢は、夢の中に登場するすべての者にとって親切なものです。

 And so they bring the dreamer full release from dreams of fear.
 だから、赦しの夢は、その夢を夢見ている者に恐ろしい夢からの完全な解放をもたらしてくれます。

 He does not fear his judgment for he has judged no one, nor has sought to be released through judgment from what judgment must impose.
 彼は自分が裁かれることを恐れません。というのは、彼は誰にも裁きを下したことはないし、また、彼は、裁きが強制するものから裁きによって解放されようともしなかったからです。

 And all the while he is remembering what he forgot, when judgment seemed to be the way to save him from its penalty.
 そして、赦しの夢の間ずっと、裁くことが裁きによる処から自分を救う方法であるように思えていたときには忘れてしまっていたことを、彼は思い出しているのです。


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