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There Is No Spoon

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T28-3 ひとつに結ばれることへの同意


今回はテキスト第二十八章から「ひとつに結ばれることへの同意」という一節をご紹介します。





本節では、分離幻想の名脇役である"The gap"「隔たり」が出てきます。

隔たりは、分離世界が成り立つためにエゴなどの主役級の役者に劣らない働きをしますが、表舞台にしゃしゃり出ることは決してしない黒衣のような存在ですが(黒衣は、歌舞伎や人形浄瑠璃で、観客からは見えないという約束事のもとに舞台上に現われ、後見として役者や人形遣いを助けたり、小道具を役者に渡したり舞台から下げたりする係。また彼らが着用する黒づくめの特殊な衣装のこと。byウィキペディア。黒子とも呼ばれる)、影の主役といってよいくらい重要な幻想の中の概念のひとつです。

分離した神の子たちがお互いの間にあってほしいと望む隔たり、わずかな隙間というひとつの分離幻想が、時空となり、キリストの顔にかかる影となり(T26-8 救いはもう、済んでいる)、他者と離れたままでいたいと願い、この隔たりを保ったままでいたいとの願望を各自が抱き、その秘密の願望同士が暗黙裡に合意に達することによって、秘密の誓約は交わされ、隔たりが本当にあるものとみなされ、分離が維持されます(T28-6 秘密の誓約)。


私たちは、身体は本当にあり、身体身体との間の隔たりである時間や空間が本当にあって、この隙間は本物だという実感を前提に、身体身体との間の空間内のウイルスや病原菌による感染症や多様な原因によって物質としての身体の器質的な機能不全を起こすことが真実であり、したがって、病気の原因は身体の存在や身体と身体がばらばらに存在する環境にあると信じています。

つまり、兄弟との間の隙間病気の原因があると。

しかし、真実は、そもそも兄弟との間に隙間はないのであり、隙間病気の原因があるというのは錯覚です。

隙間が目的とするのは、病気が持ちうる原因のすべてを提供することによって、隙間が本当はないという実体のほうに目が向かないように仕向けることにあります。

世界自体が幻想であるのだから、病気自体が幻想であり、原因を持ちえない錯覚なのだから、病気が確固としてあることを前提とする発想自体が土台を欠いた誤導なわけですが、マジックで煙に巻いてごまかすミスディレクションのように、気がつかないうちに、暗黙の前提を取り込んで騙すのはエゴの常套手段です。

結局、身体は根本の分離幻想から派生する子分としての幻でしかないのだから、身体が病むとか身体と身体との間に隙間があることを前提にする思考に入り込んでしまわないように、見極めるべきは、そもそも心の分離自体がないという真理です。

ひとつに結ばれることへの同意は、この兄弟との隔たりを神に満たしてもらって閉じてもらうよう聖霊に任せることです。

テキスト第二十八章


III. The Agreement to Join
三 ひとつに結ばれることへの同意



1. What waits in perfect certainty beyond salvation is not our concern.
 救済を超えた先にある完璧な確信の中で何が待ち受けているのかは、私たちの関心事ではありません。

 For you have barely started to allow your first, uncertain steps to be directed up the ladder separation led you down.
 というのは、あなたはまだ、自分が分離に導かれて降りてきた階段を、覚束ない足取りで上に向かう最初の一段をかろうじて踏み出したばかりだからです。

 The miracle alone is your concern at present.
 今のところは、あなたは奇跡にだけ関心を向けていればよいのです。

 Here is where we must begin.
 私たちは、ここから始めなければならないからです。

 And having started, will the way be made serene and simple in the rising up to waking and the ending of the dream.
 そして、すでに出発しているのだから、目を覚ましてを終わらせるために上昇していく道のりは、穏やかで簡単なものにしてもらえるでしょう。

 When you accept a miracle, you do not add your dream of fear to one that is already being dreamed.
 あなたが奇跡を受け入れるとき、あなたは、すでに見ている恐れのに自分の恐ろしいを加えることをしなくなります。

 Without support, the dream will fade away without effects.
 あなたが支持しなくなれば、そんなは何の跡形もなく次第に消え去るでしょう。

 For it is your support that strengthens it.
 なぜなら、そのはあなたの支持を受けることで力を得ていたにすぎないからです。

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2. No mind is sick until another mind agrees that they are separate.
 どんな心も、相手の心が自分たちがお互いに分離していると同意しないかぎり、病気にはなりません。

 And thus it is their joint decision to be sick.
 したがって、病気になるのは複数の心が一緒になって決めることです。

 If you withhold agreement and accept the part you play in making sickness real, the other mind cannot project its guilt without your aid in letting it perceive itself as separate and apart from you.
 もしあなたが病気を本物にするうえで自分が果たしている役割を認めてこの同意を与えずにおくなら、相手の心はあなたの助けを得て、自分があなたから分離した別の存在であると知覚させてもらえなくなるので、自分の抱いている罪悪感を投影できなくなります。

 Thus is the body not perceived as sick by both your minds from separate points of view.
 そうなると、あなたたち両方の心が分離した別々の観点から見ることによって、身体病気であると知覚されることはなくなります。

 Uniting with a brother's mind prevents the cause of sickness and perceived effects.
 兄弟の心とひとつに結ばれることが、病気の原因を阻止して、病気という結果を知覚するのを妨げます。

 Healing is the effect of minds that join, as sickness comes from minds that separate.
 病気は分離した心から生じるので、心がひとつに結ばれる結果が癒しとなります。



3. The miracle does nothing just because the minds are joined, and cannot separate.
 奇跡は何かをするわけではありません。その理由はまさに、個々の心はひとつに結ばれていて分離できないものだからです。

 Yet in the dreaming has this been reversed, and separate minds are seen as bodies, which are separated and which cannot join.
 しかし、の中ではこれが逆になっており、分離して別々になった心は身体だとみなされ、身体は分離しているので、ひとつに結びつくことができません。

 Do not allow your brother to be sick, for if he is, have you abandoned him to his own dream by sharing it with him.
 あなたの兄弟が病気であることを容認してはなりません。というのは、もし彼が病気であるとしたら、あなたは彼の夢を彼と一緒になって共有することで、彼が見る夢の中に彼を置き去りにしてしまったことになるからです。

 He has not seen the cause of sickness where it is, and you have overlooked the gap between you, where the sickness has been bred.
 あなたの兄弟は病気の原因をそれが存在する場所に見てこなかったし、あなたは自分と兄弟の間の隙間に病気が蔓延するのを見ないふりをしてきたのです。

 Thus are you joined in sickness, to preserve the little gap unhealed, where sickness is kept carefully protected, cherished, and upheld by firm belief, lest God should come to bridge the little gap that leads to Him.
 こうして、あなたたちはそのわずかな隙間を癒されないままに保つために、病気の中で結びついて、神の下へと導く橋を神がふたりの隙間に架けに来ることがないようにと、その隙間で病気を注意深く保護し、大切に面倒を見て、堅い信念によって支持しています。

 Fight not His coming with illusions, for it is His coming that you want above all things that seem to glisten in the dream.
 幻想と一緒になって神の到来を妨げようと戦ってはなりません。なぜなら、夢の中で輝いているように見える何ものにもまして、あなたが最も望んでいるのは神の到来だからです。

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4. The end of dreaming is the end of fear, and love was never in the world of dreams.
 夢の終わりは、恐れの終わりです。そして、夢の世界の中には愛は一度も存在したことはありません。

 The gap is little.
 あなたと兄弟の間の隙間は本当に小さなものです。

 Yet it holds the seeds of pestilence and every form of ill, because it is a wish to keep apart and not to join.
 しかし、その隙間には悪疫とあらゆる種類の病気の種子が保たれています。なぜなら、この隙間こそ、別々に分離してひとつに結ばれないままでいたいという願望そのものだからです。

 And thus it seems to give a cause to sickness which is not its cause.
 こうして、表面的には、その隙間が病気に原因を与えているように見えますが、実は、隙間は病気の原因ではありません。

 The purpose of the gap is all the cause that sickness has.
 それでも、隙間の目的は、病気が持つ全面的な原因となることです。

 For it was made to keep you separated, in a body which you see as if it were the cause of pain.
 というのは、あなたと兄弟との間の隙間は、あなたたちを切り離して、あなたたちがまるで苦痛の原因であるかのようにみなしている身体の中に別々に隔離しておくために作り出されたからです。



5. The cause of pain is separation, not the body, which is only its effect.
 苦痛の原因は分離であって、身体ではありません。身体は分離の結果にすぎません。

 Yet separation is but empty space, enclosing nothing, doing nothing, and as unsubstantial as the empty place between the ripples that a ship has made in passing by.
 しかし、分離とは、中身が何もなく、何もしないただの虚空でしかなく、まるで通り過ぎる舟が起こすさざ波の間の空っぽの空間のように実体のないものです。

 And covered just as fast, as water rushes in to close the gap, and as the waves in joining cover it.
 その隙間を閉じるために、とたんに水が流れこんできて、波と波がひとつに合わさってその隙間を覆うように、あっという間に分離も覆われてしまいます。

 Where is the gap between the waves when they have joined, and covered up the space which seemed to keep them separate for a little while?
 波と波がひとつにつながって、ほんのしばらくの間だけ波と波の間を切り離していたように見えた空間を覆ったとき、波の間の隙間はどこにあるというのでしょうか。

 Where are the grounds for sickness when the minds have joined to close the little gap between them, where the seeds of sickness seemed to grow?
 心と心がひとつに結びついて、病気の種子が繁殖しているように見えていた心と心の間のわずかな隙間が閉じたとき、病気の温床はどこにあるというのでしょうか。

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6. God builds the bridge, but only in the space left clean and vacant by the miracle.
 神はその橋を架けてくれますが、その橋が築かれるのは、奇跡によってきれいになって何もなくなった空間にだけです。

 The seeds of sickness and the shame of guilt He cannot bridge, for He can not destroy the alien will that He created not.
 神は、病気の種や罪悪感による恥辱のあるところに橋を架けることはできません。なぜなら、神には自らが創造してもいない異質な意志など破壊しようがないからです。

 Let its effects be gone and clutch them not with eager hands, to keep them for yourself.
 神の大いなる意志とは異質な意志がもたらした結果を去らせて、そんなものを自分のために取っておこうと必死に握り締めているのはやめにしましょう。

 The miracle will brush them all aside, and thus make room for Him Who wills to come and bridge His Son's returning to Himself.
 奇跡がそんなものをすべて払拭して、わが子が自身の下に帰還できるように橋を架けに来てくれようとする神のための場所を空けるでしょう。



7. Count, then, the silver miracles and golden dreams of happiness as all the treasures you would keep within the storehouse of the world.
 それゆえに、この世界という宝庫の中に収めておく宝は、銀色の奇跡と金色の幸せな夢だけにしなさい。

 The door is open, not to thieves, but to your starving brothers, who mistook for gold the shining of a pebble, and who stored a heap of snow that shone like silver.
 その宝庫の扉は開いています。それは、盗賊たちのためではなく、あなたの飢えた兄弟たちのためです。その兄弟たちは、それまで小石が煌めくのを黄金と見間違えたり、銀のように輝いている雪の塊をたくさん蓄えたりしていたのです。

 They have nothing left behind the open door.
 しかし、その開かれた扉の向こう側に、彼らに残されているものなど何もありません。

 What is the world except a little gap perceived to tear eternity apart, and break it into days and months and years?
 この世界は、永遠を引き裂いて、それを日々や歳月という単位へと細かく分断したものとして知覚される小さな隙間でしかありません。

 And what are you who live within the world except a picture of the Son of God in broken pieces, each concealed within a separate and uncertain bit of clay?
 そして、この世界の中に生きているあなたたちは、それぞれに別々の不確かな土塊の小片の中に隠されたばらばらに打ち砕かれた神の子の肖像画の破片にほかなりません。

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8. Be not afraid, my child, but let your world be gently lit by miracles.
 わが子よ、恐れることはありません。ただ奇跡にあなたの世界を優しく照らしてもらいなさい。

 And where the little gap was seen to stand between you and your brother, join him there.
 そして、わずかな隙間があなたとあなたの兄弟の間を阻んでいるように見えたその場所で、兄弟とひとつに結ばれなさい。

 And so sickness will now be seen without a cause.
 そうすれば、いまや病気には原因がないとわかるはずです。

 The dream of healing in forgiveness lies, and gently shows you that you never sinned.
 赦しの中には癒しの夢があり、あなたが一度も罪を犯していないことを優しくあなたに示してくれます。

 The miracle would leave no proof of guilt to bring you witness to what never was.
 奇跡は、一度も存在しなかったことをあなたに証明するような有罪の証拠を一切残しません。

 And in your storehouse it will make a place of welcome for your Father and your Self.
 そして、奇跡は、あなたの宝庫の中に、あなたの父とあなたの大いなる自己を歓迎するための場所を用意してくれます。

 The door is open, that all those may come who would no longer starve, and would enjoy the feast of plenty set before them there.
 そこに訪れる者は誰でも、もはや飢えに苦しむことなく、彼らの目の前に並んでいるふんだんに用意された饗宴を楽しめるように、その扉は開け放たれています。

 And they will meet with your invited Guests the miracle has asked to come to you.
 そして、彼らは、奇跡があなたの許に訪れてくれるように招待してくれたあなたの賓客と出会うでしょう。



9. This is a feast unlike indeed to those the dreaming of the world has shown.
 この響宴は、この世界という夢が見せてきた宴とは、まったく似ていません。

 For here, the more that anyone receives, the more is left for all the rest to share.
 というのは、ここでは、誰かがたくさん受け取れば受け取るほど、より多くのものが残りの者たちみんなで分かち合えるように残されるからです。

 The Guests have brought unlimited supply with Them.
 大いなる賓客が無限の供給を持ってきてくれたのです。

 And no one is deprived or can deprive.
 だから、誰も、奪われることも、奪うこともできません。

 Here is a feast the Father lays before His Son, and shares it equally with him.
 これこそ、大いなる父がわが子の前に差し延べて、わが子と等しく分かち合う饗宴です。

 And in Their sharing there can be no gap in which abundance falters and grows thin.
 そして、彼らの分かち合いにおいて、有り余る豊かさが衰えて乏しくなるようないかなる隙間も存在しえません。

 Here can the lean years enter not, for time waits not upon this feast, which has no end.
 この饗宴には、欠乏の時が入りこむことはできません。なぜなら、終わりのないこの饗宴には時間が伴うことはないからです。

 For love has set its table in the space that seemed to keep your Guests apart from you.
 それというのも、あなたの賓客をあなたから引き離したままにしているように見えたその空間に、愛が自らのテーブルにご馳走を用意してくれたからです。


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