There Is No Spoon

T31-6 汝の意図するところをなせ

T31-6 汝の意図するところをなせ

だが、バスチアンは、ためらわずに水にとびこんだ。そして、水晶のように澄んだ水の中で、転げまわりはねまわり、水を吹きとばしはねかえして、きらきらととび散る水滴を口に受けて飲んだ。飲んで飲んで、渇きがすっかりおさまったとき、体中に悦びがみちあふれていた。生きる悦び、自分自身であることの悦び。自分がだれか、自分の世界がどこなのか、バスチアンには、今ふたたびわかった。新たな誕生だった。今は、あるがままの自...

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T12-2 神を思い出す方法

T12-2 神を思い出す方法

「バスチアン・バルタザール・ブックス、よく聞くのだぞ。」ヨルはいった。「わしは多く語るのを好まぬ。沈黙のほうがよい。だが、今は、一度だけおまえにはなす。よいか、おまえは生命の水をさがしておる。おまえの世界にもどるために、愛することができるようになりたいと望んでおる。愛するーーいうのは簡単だ!だが生命の水はおまえにたずねるだろう、だれを?とな。つまり愛するというのは、ただ単に、一般に愛するなどという...

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T28-2 原因と結果の逆転

T28-2 原因と結果の逆転

芝居を見るという経験には、心を救う効果、つまり治療の効果がある。そういう経験の属する次元を変えない限り、それは人生に必要不可欠なものだ。ところが経験の成立するレベルを混同すると、経験は、人生に危険なもの、人生を破壊するものになる。ミヒャエル・エンデ およそ芝居とは、最高の出来でも影にすぎない。ただ、最低のものでもどこか見どころがある。ウィリアム・シェイクスピア「夏の夜の夢」   人生は芝居のごとし、...

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T25-3 知覚と選択

T25-3 知覚と選択

願望は役に立たないどころか、邪魔をするだけなのだ。願望を実現させるための秘訣は、願望と縁を切り、その代わりに、意図、すなわち、所有し行動する決意を持つことである。ヴァジム・ゼランドさらに手探りで歩いていくと、シリルは入口の扉の前に立っていた。この扉で路地は行きどまりだった。入口の上には看板がかかっていて、街灯がそれを照らしていた。ちょうど大道歌の挿絵のような素朴な筆づかいで、中世の猟師の一群が描か...

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T27-1 磔刑の絵

T27-1 磔刑の絵

芸術家や詩人の課題は、デーモンや暗闇の経験を十分に書き、名付けることだというのが私の意見です。どっちみち、私はグリューネヴァルトやヒエロニムス・ボッシュやゴヤの絵を断念したくありません。私がとりわけ高く評価する著者に、ゲーテとヘルダーリンだけでなく、カフカとベケットも入ります。ミヒャエル・エンデたとえば、あなたの個人的な使命を果たすには、虐待行為のはびこる家庭に生まれ、身をもって虐待を体験し、虐待...

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T26-8 救いはもう、済んでいる

T26-8 救いはもう、済んでいる

「ご主人さま、」ライオンは静かにいった。「ファンタージエンは物語の国だということを、ご存じないのですか? 物語は新しくても大昔のことを語ることができるのです。過去は、物語と共に成立するのです。」「それならペレリンもずっと前からあることはあったというのかい?」バスチアンはわけが分からなくなっていった。「ご主人さまが名前をおつけになったその瞬間から、ペレリンはずっと大昔からあるのです。」グラオーグラマ...

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T29-6 時間の終わり

T29-6 時間の終わり

夢の時間は特別な時間です。時間は突然別の次元を獲得します。時間は全ての意識領域で同じ時間なのではありません。あなたは夢の中でわずか数秒の内に全人生の運命を体験できます。ミヒャエル・エンデ「Zeit-Zauber」テキストから、赦しと時の終焉という一節をご紹介します。人間として生きる狂気の妄想神の子は、神と同じく永遠の不死なる存在です。神の子は夢の中で、自分を無数の小さな自己に分裂させて、自他の隔たりという幻...

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レッスン234「父よ、今日、私は再びあなたの子となります」

レッスン234「父よ、今日、私は再びあなたの子となります」

「いいえ、わたしはそう思わないわ。あなたは望みの道を歩いてきたの。この道は、けっしてまっすぐではないのよ。あなたも大きなまわり道をしたけれど、でもそれがあなたの道だったの。どうしてだか、わかるかしら?あなたは、生命の水の湧きでる泉を見つければ、帰れる人たちの一人なの。そこは、ファンタージエンの一番深く秘められた場所なのよ。そこへゆく道は、簡単ではないわ。」そしてしばらく口をつぐんでから、またことば...

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レッスン214(レッスン194の復習)

レッスン214(レッスン194の復習)

この世で最大の間違いを犯した人とは、「大したことはできない」という理由で何もしなかった人だ。エドマンド・バークいちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、それはわかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。いつもつぎだけのことをな。するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ...

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T15-2 平安の訪れる瞬間

T15-2 平安の訪れる瞬間

やり方は三つだけだ。正しいやり方間違ったやり方そして、俺のやり方だ。マーチン・スコセッシさらに手探りで歩いていくと、シリルは入口の扉の前に立っていた。この扉で路地は行きどまりだった。入口の上には看板がかかっていて、街灯がそれを照らしていた。ちょうど大道歌の挿絵のような素朴な筆づかいで、中世の猟師の一群が描かれていた。猟師たちが跳躍する牡鹿を射止めたところだ。奇妙なことに、その牡鹿は猟師が放った矢が...

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レッスン184「神の名こそ、私が承継したものだ」

レッスン184「神の名こそ、私が承継したものだ」

名づけとは創造的な行為によって誰かや何かと関係を作り、それを通して初めて、その何かに現実性を与えるということです。その際、名前自体は重要ではありません。名前を持たないものは私たちの意識の中に存在しません。名がないことの苦痛は、幼ごころの君が患う死の病いです。ミヒャエル・エンデそれぞれ名づけられたものは、それがあたかもそれだけで存在するかのように、名がない全体から切り離される。それは、いわば"必要な...

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レッスン183「私は、神の名と自分自身の名を呼ぶ」

レッスン183「私は、神の名と自分自身の名を呼ぶ」

私に言わせれば、ほとんどすべての芸術や文学の仕事は、それまで名前をもっていなかった事柄に、名前をつける事なんですよ。名前をつけられれば、人間はその事柄と関係をもてるようになるわけですからね。ミヒャエル・エンデレッスン183です。今日のテーマは「私は、神の名と自分自身の名を呼ぶ」です。神の名冒頭で神の名を呼ぶことは、自分自身の名を呼ぶことにほかならないということが語られます。「神の名」を呼ぶようにと...

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レッスン182「私は、一瞬じっと静まり、そして、家に帰る」

レッスン182「私は、一瞬じっと静まり、そして、家に帰る」

私たちの人生の目的は、私たちの中にある最高のものに命を与えることです。キリストが幼子としてやってくるのは、生まれたばかりの赤ちゃんの無邪気な心が過去の歴史や罪の意識によって損なわれていない人の象徴であるからです。私たちの内なるキリストの幼子には、いかなる前歴もありません。新たに始める機会を与えられた人を象徴しています。過去の傷を究極的に癒すただひとつの方法は、それを赦し、それを手放すことです。奇跡...

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レッスン177「レッスン163と164の復習」

レッスン177「レッスン163と164の復習」

Every man is more than just himself; he also represents the unique, the very special and always significant and remarkable point at which the world's phenomena intersect, only once in this way, and never again. どんな人間もただ彼自身であることしかできない。このことは同時に、彼であることは、どんなに世界が変わろうとも、いまだかつてなく、そして二度と現れるのとのない独自のきわめて特別で不変の意義を持...

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T8-8 身体は目的、道具?

T8-8 身体は目的、道具?

あなたが車を一台持っていて、一生その車にしか乗れないとしよう。当然あなたはその車を大切に扱うだろう。必要以上にオイルを交換したり、慎重な運転を心がけたりするはずだ。ここで考えて欲しいのは、あなたが一生に一つの心と一つの体しか持てないということだ。つねに心身を鍛練しなさい。決して心身の手入れを怠らないようにしなさい。じっくり時間をかければ、あなたは自らの心を強化することができる。人間の主要資産が自分...

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レッスン145「レッスン129と130の復習」

レッスン145「レッスン129と130の復習」

まずひとりとの共同体感覚を築き、体験させること。その体験を広げるのだ。母から父へ、兄弟姉妹へ、友だちへ。アルフレッド・アドラー愛する ― 言うのは簡単だ! だが生命の水はお前に尋ねるだろう、だれを?とな。つまり愛するというのは、ただ単に、一般に愛するなどということではないのだ。ミヒャエル・エンデ(「はてしない物語」より)レッスン145です。今日は、レッスン129と130の復習です。今日ご紹介するの...

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T24-1 愛の代用としての特別性

T24-1 愛の代用としての特別性

「遠い遠い昔のこと、」花咲くおばさまははなしはじめた。「わたしたちの国の女王幼ごころの君は、重いご病気で、もう死にかけていらっしゃいました。女王さまには新しいお名前が必要で、それをさしあげることができるのは人間世界のものだけだったのに、人間がもうファンタージエンにこなくなっていたからです。どうしてこないのか、だれにもわかりませんでした。もし女王さまがおかくれになれば、ファンタージエンはおしまいにな...

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レッスン120(レッスン109と110の復習)

レッスン120(レッスン109と110の復習)

愛は世界を統べる唯一のものです私は愛によって完全に支配されています愛を求める私自身の情熱によって砂糖のように甘美な大地に私は生かされていますしかしあなたの前では私は強風に晒される一本の藁にすぎませんつぎにまたどんな風に吹かれるかどうかなどわかるはずもないしこの身にはハリケーンとの契約などできるわけもありませんし運命が定められたものだと言い張る人はよっぽどのバカかウソつきです神は至るところで復活を行...

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T31-8 終着

T31-8 終着

あなたがたの世界、人生、思考が天国の外にあったことは一度もありません。なぜなら、兄弟よ、天国はここにあるからです。そして今、あるからです。あなたは自分が見ることを選んだものを見ます。あらゆる知覚は選択だからです。あなたが見えるものに自分流の意味を押し付けなくなったとき、あなたのスピリチュアルな目が開いて、判断や批判から自由になった世界が終わりのない美しさに輝いているのを目にするでしょう。地上の枷(...

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W2ST-14.私ってなに?

W2ST-14.私ってなに?

Life is real only then, when “I am”.生は<私が存在し>て初めて真実となる。George Ivanovich Gurdjieffグルジェフ「私は・・・である」「私は・・・になる」「私は・・・をした」と宣言するとき、あなたは非常に重要で強力な主張をしています。「私は」と表現するときに放射される力を十分に理解している人はほとんどいません。「私は私である」(I am that Iam.)という偉大な言葉を思い出してください。この言葉は時代を越え...

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レッスン87「レッスン73と74の復習」

レッスン87「レッスン73と74の復習」

インタビュアー 『はてしない物語』と『モモ』は、シュタイナーの気に入るだろうと思いますよ。ミヒャエル・エンデ 私もそう思います。――いつも繰り返し彼が嘆いていたことのひとつは、なぜ彼らはいつも、私の言うことを何もかも真似をするのか、なぜ彼らは自主的にその先を進んでくれないのか――間違える危険を冒して、ということでした。自主的に道を進むことは、必ず危険がつきまといます。でも私がシュタイナーから学んだこと...

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レッスン60(レヴュー:レッスン46~50)

レッスン60(レヴュー:レッスン46~50)

How far you go in life depends on your being tender with the young, compassionate with the aged, sympathetic with the striving and tolerant of the weak and strong. あなたが自分の人生でどこまで遠く行けるかは、あなたが幼い者にどれだけ優しくできるか、年老いた人たちにどれだけ情け深くできるか、苦難に直面する人にどれだけ同情できるか、弱い人にも強い人にもどれだけ寛容でいられるかにかかっている。Because so...

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M4-6 神の教師の特性6(無防備)

M4-6 神の教師の特性6(無防備)

傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求しているときは、心は決して傷つかない。それは、追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ。パウロ・コエーリョ(「アルケミスト」157ページ)There never was a good war or a bad peace.これまで一度たりとも、良い戦争や悪い平和が存在したためしがない。Benjamin Franklinベンジャミン・フランクリン外...

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M17 魔術にはどう対処すべきか

M17 魔術にはどう対処すべきか

魔法の道具のすべては、魔法使いが特定の事柄に注意と意志を集中するのを助ける補助手段にすぎません。本当はそれらは必要ありません。必要なものは、ある意味でずっと簡単で同時にずっと難しいのです。魔法を使おうとする人は、自分自身の本当の意志を見つけ、実行しなければなりません。ミヒャエル・エンデI've often thought that there isn't any "I" at all; that we are simply the means of expression of something else; ...

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    ┣  テキスト第25章(神の正義) (9)
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    ┣  テキスト第28章(恐れを取り消す) (7)
    ┣  テキスト第29章(目覚め) (9)
    ┣  テキスト第30章(新たなる始まり) (8)
    ┗  テキスト第31章(最後のヴィジョン) (8)
    ワークブック・パート① (236)
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