
S2-1 自分自身を赦す
4. 、5.では、他者の赦しと私たちの赦しの関係について仕組みが解明されます。私たちは、邪悪なのはいつでも他人であり、自分は他者の罪によって傷つけられて危害を被る被害者であるように思います。しかし、このように、私たちは自分ではなく他者の中に罪を見ることを望んでいるけれど、私たちが他者に見る罪は自分の罪の投影なので、他者を赦すのは不可能だというのが真実であることが語られます。つまり、許すべきは自分の罪で...

P3-III 支払いの問題
心理療法から「支払いの問題」をご紹介します。「5. It has well been said that to him who hath shall be given. 持てる者にはさらに与えられるであろうというのは至言です。」「持てるもの・・・」は、有名な「持てる者にはさらに与えられて増々富む。されど、持たざる者は、その持てるものをも取られるべし」(マタイによる福音書25:29)です。この一文は、しもべに預けられたタラントの話に続く言葉です。マタイによる福音書...

T2-4 恐れからの解放としての癒し
今回は、「恐れからの解放としての癒し」という一節をご紹介します。P2-VI 癒しの定義、M5 「癒し」の仕組みとは?、P2-V 癒しのプロセスが参考になると思います。2.「Physical illness represents a belief in magic. 身体を病むことは、魔術を信じていることの表れです。」本節では、癒しを身体の病いの側面に関連させて述べています。もっとも、病いが身体に発現しうるものだとしても、身体を病むことは心が魔術を信じることの...

P3-I 人生で出会う人たちの真の姿とは?
今回は、心理療法から「3 心理療法の実践 1患者の選択」をご紹介します。前節では、心理療法の場では、各自が患者でもありセラピストでもあるということが述べられました。本節の冒頭では、私たちの許へと送られてくる人はみな私たちの患者だということが語られます。つまり、人生で私たちが出会うすべての人はお互いの癒しのために訪れるということであり、それは、私たちの出会う人はみな、私たちの患者であると同時に私たち...

P2-I 心理療法に課せられる制限
「心理療法に課せられる制限」をご紹介します。この心理療法が受ける制限とは、患者とセラピストに生じる「抵抗」です。心理療法で患者とセラピストが期待する「よりよい自己」は幻想です。エゴ・身体というアバターは、神の子が被る仮面、操縦するロボットであって神の子自身ではないので、より高機能のアバターであれ、より機能低下したアバターであれ、架空の存在で幻想だという点では同じです。しかし、「自分は実在する人間だ...

C4 ガラスをきれいに磨きましょう!
今回は、用語解説から、「正しい知覚 ー 知識」をご紹介します。本節では、知識と知覚は別のレベルにあるものであり、両者が接することはないので、知識が知覚を修正する療法になるわけではないということが説明されます。知識が何であるかということは出てこず、もっぱら正しい知覚についての説明がなされます。知識は、すでに自分の心の中に存在して眠っているだけのものなので、知覚によって見えない状態を解消さえすれば、知識...