レッスン32「私は自分の見ている世界をでっちあげた」
Your job is to go back to the source of the problem — the mind and not the world — and change your mind through forgiveness.
あなたのなすべきことは、問題の源、つまり世界ではなく心に立ち返って、赦しを通じてあなたの心を変えることだ。

Gary R. Renard, The Disappearance of the Universe: Straight Talk about Illusions, Past Lives, Religion, Sex, Politics, and the Miracles of Forgiveness
ゲイリー・レナード
一角獣(ユニコーン)は夢見るようにアリスを見つめて言いました。「子供、なんかしゃべれ」
アリスは、口を開きながらも口元がゆるむのをおさえられませんでした。「ねえ知ってた、あたしのほうもずっと、一角獣って空想上の怪物だと思ってたのよ!生きているのを見るのはこれが初めて!」
「ふーむ。じゃあ、こうしてお互いに相手を見たことだし、あんたがおれの実在を信じてくれれば、おれもあんたの実在を信じよう。取引成立、かな?」と一角獣。
「ええ、一角獣さんさえよければ」とアリス。

ルイス・キャロル(「鏡の国のアリス」より)


レッスン32です。
今日のテーマは「私は自分の見ている世界をでっちあげた」です。
自分の心の中と外の世界は無関係?
私たちは、アバターとしての身体という自分の枠の外にある世界と自分の心の中(内側の世界)を別物として捉えています。
私たちは、素朴に自分の心の中の世界については、そもそも形のない想念の浮かぶ枠のようなものであって客観的な実在性を持たないもののように感じています。
これに対して、身体の外の世界のほうは、ちっぽけで不安定な自分とは比較にならないほど広大で、確固たる物質が存在して物理法則が支配する間違いなく実在性を持つ客観的世界であり、でっちあげようにも、自分に影響を及ぼせる範囲は、せいぜい身体の周囲を中心としたわずかな空間だけだと感じています。

心が世界をでっちあげているとしたら?
"invent"は、でっちあげる、つまり、ありもしない幻想、虚構を創作するという意味であり、私たちが虚構の世界をでっちあげたとすれば、虚構の世界の中に生きる自分や他者である人間という存在も当然虚構であるということになります。
今日のレッスンは、内面世界も外部世界も両方とも、自分の想像の中に存在しているという考えを導入することになります。
そして、両方の世界にこれがあてはまる理由は、実は内なる世界も外の世界も同じものだからということです。

Workbook Lesson 32
I have invented the world I see.
私は自分の見ている世界をでっちあげた。
I have invented the world I see.
私は自分の見ている世界をでっちあげた。
1. Today we are continuing to develop the theme of cause and effect.
今日も、私たちは、引き続き原因と結果というテーマをより掘り下げて実習します。
You are not the victim of the world you see because you invented it.
あなたは自分の見ている世界の被害者ではありません。なぜなら、あなたがその世界をでっちあげた張本人からです。
You can give it up as easily as you made it up.
あなたは、自分がこの世界を作り出したのと同じくらい容易に、この世界を放棄することができます。
You will see it or not see it, as you wish.
あなたは自分の願い次第で、この世界を見ることも見ないこともできます。
While you want it you will see it; when you no longer want it, it will not be there for you to see.
あなたがこの世界を望むかぎり、あなたはこの世界を見ることになるのに対し、あなたがもはやこの世界を望まなくなったとき、あなたにこの世界は見えなくなるでしょう。
2. The idea for today, like the preceding ones, applies to your inner and outer worlds, which are actually the same.
今日の考えは、これまでのレッスンと同じように、あなたの内なる世界と外の世界の両方にあてはまります。実は内なる世界も外の世界も同じものだからです。
However, since you see them as different, the practice periods for today will again include two phases, one involving the world you see outside you, and the other the world you see in your mind.
しかしながら、あなたが内の世界と外の世界は別だとみなしているために、今日の実習時間は、またもやふたつの局面からなることになります。ひとつは、あなたが外に見る世界に対処するものであり、もうひとつは、あなたが自分の心の中に見る世界を扱うものです。
In today's exercises, try to introduce the thought that both are in your own imagination.
今日の練習では、内側の世界も外側の世界も両方とも、自分の想像の中に存在するという考え方を受け入れるように努めてください。
3. Again we will begin the practice periods for the morning and evening by repeating the idea for today two or three times while looking around at the world you see as outside yourself.
今回も私たちは、朝と夜の実習時間には、あなたが自分の外側にあるものとして見ている世界を見回しながら、今日の考えを2、3回繰り返すことから始めてください。
Then close your eyes and look around your inner world.
それから、目を閉じて、自分の内側の世界を見渡してください。
Try to treat them both as equally as possible.
外の世界も内の世界もできるかぎり、同じように扱うように努めてください。
Repeat the idea for today unhurriedly as often as you wish, as you watch the images your imagination presents to your awareness.
あなたの想像があなたの意識にもたらすイメージを眺めながら、自分の好きなだけ何度でも、今日の考えを慌てずに繰り返してください。
4. For the two longer practice periods three to five minutes are recommended, with not less than three required.
2回の長いほうの実習時間には、3分から5分かけることが望ましく、3分よりは短くしないことが必要です。
More than five can be utilized, if you find the exercise restful.
もしあなたがこの練習に安らぎを感じるなら、5分以上かけてもよいでしょう。
To facilitate this, select a time when few distractions are anticipated, and when you yourself feel reasonably ready.
実習の効果を上げるために、気が散るような予定のあまりない、しっかり取り組む準備が自分自身にできていると感じるような時間帯を選ぶようにしてください。
5. These exercises are also to be continued during the day, as often as possible.
これらの練習はまた、1日を通して、できるかぎり頻繁に続ける必要があります。
The shorter applications consist of repeating the idea slowly, as you survey either your inner or outer world.
短いほうの適用に際しては、自分の内側と外側の世界の両方を見渡しながら、今日の考えをゆっくりと繰り返してください。
It does not matter which you choose.
内側と外側のどちらの世界を選ぶかは重要ではありません。
6. The idea for today should also be applied immediately to any situation that may distress you.
今日の考えはまた、あなたを悩ませるようないかなる状況にも、すぐさま適用すべきです。
Apply the idea by telling yourself:
次のように自分に言い聞かせながら、今日の考えを適用してください。
I have invented this situation as I see it.
私が自分に見えている通りにこの状況をでっちあげたのだ。

