レッスン41「私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる」
The real miracle is a man who can walk with God every day …
真の奇跡とは、毎日を神とともに歩むことのできる人のことだ。
When a person walks with God, he finds joy in the everyday things he does.
その人が神と歩むとき、彼は自分のする身の回りの何気ない日常に喜びを見出す。
Gradually his life begins to expand.
徐々に彼の人生は拡張し始めるのだ。

Harold Klemp
ハロルド・クレンプ
24 あなた方の誰からも神は離れていない。すべての人が、神の中で生きて活動し、存在しているからである。あなた方の賢者の誰かが言ったように『すべての人は神の血縁者である』。そう、わたしを見たとき、あなた方は父を見たのである。
25 しっかりと理解すれば、このような言葉は神秘的ではなくなる。理解されたとき、神秘は消えてしまう。
26 神のものでないものは、質料の一粒子でさえもあり得ない。宇宙全体のすべての粒子が、神のものでなければならないのである。なぜなら、神お一人がご自身を表現されているからである。それ故、わたしと父は一体であり、我々に分離はない。

イエス・キリスト(ムルド・マクドナルド・ベイン著「心身の神癒: 主は、再び語られる ― イエス・キリストが語る「奇跡の14講話」)

レッスン41です。
「私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる」が今日のテーマです。
レッスンを読むのは前日の寝る前くらい
今日のレッスンもそうですが、レッスンの中で、「朝起きたらこうしなさい」という指示が出てくることがあります。とくに今日のレッスンのように「朝目を覚ましてすぐ●●をしてください」、という課題は、朝起床して洗顔、歯磨き、トイレ等を済ませてから、さあやるぞ!と、ワークブックを開いてという順序では、すでに朝目を覚ましてすぐではなくなってしまっているので、実行不可能です。
ですので、日々のレッスンを実際に行うのはその日に目覚めてからになるわけですが、ワークブックの文章を読んで、何をどのように実習するのか確認する作業は、前日の寝る前くらいに行っておく必要があるということになります。
つまり、夜寝る前に翌日のレッスンに関するワークブックの文章を読み、起床後すぐにやることについての指示があれば、朝起きてから昨日読んだ通りに実行し、その後、身支度を整えてから、改めてその日のレッスンについてワークブックを読む、という流れになると思います。
ワークブックの実習は日々の実践であって、コースの文章を読むことがレッスンの実践になるわけではないことはたびたび述べています。文章を読むのは、スケジュール帳を確認するのと同じくらいの意味しか持たないということです。

今日のテーマが単なる美辞麗句に思えてしまうわけは?
さて、今日のテーマは「私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる」ですが、これほど安心できて、心強く感じる言葉もないでしょう。
私たちは、自分が世界の中にある身体に幽閉されて生きていると思っているし、その世界では、自分とは別の無数の身体たちがそれぞれにばらばらに存在していて、みんなお互いに食うか食われるかのライバルであって、容赦のない生存競争の中を孤独に生き延びなければならないと思っています。
だから、まだ私たちにとっては、この「私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる」ということは、真実ではなく、単に心地よく響く言葉での慰めにしか感じられません。
自分が何者かという壮大な勘違いが原因
けれど、そう感じるのは、私たちが本当の自分が永遠に神とともにある神の子であることを忘れ、幻の世界を作り出して、その中の幻のひとつである人間という生き物が自分だと信じる究極の自己卑下をして、限界まで分離し縮小したアバターになりきって、本来持っているヴィジョンを放棄して、針先よりも小さな点へと視野狭窄を起こしているからです。
このなりきり状態からの脱出が決して容易なことではないことは、レッスン26「私の攻撃的な思いが、私の傷つきようのない不滅性を攻撃している」で述べたとおりです。
そして、そのなりきり先となるアバターが無数に存在しているというのですから、すべての分裂が統合されるなんて気の遠くなるような話で、救済なんてとうていたどり着きようのない夢のまた夢だという諦めの気持ちが湧いてくると思います。
数の幻惑というエゴの罠
とはいえ、これもまたエゴのトリックに引っかかって感じる奇跡には難易度があるという錯覚でしかありません。
すなわち、この世界の人間の人口だけでも何十億人もいるというのに、全員が自分は神の子だと思い出すなんてありえないし、そのうちのたったひとりが仮に赦しを完璧に成し遂げたところで、そのたったひとつの赦しがほかのたくさんの人に影響するはずがないという発想になるのは、この世界は幻なんかではなく、何十億人もの個別の心がエゴという仮面を被り身体という着ぐるみ人形をまとっている状態のほうが真実で、神の子がひとつの大いなる霊であるということのほうが本当かどうかも疑わしい仮定の事実でしかないという前提に立ってはじめて出てくることができる発想だからです。
つまり、神の子の大いなる心は眠りこけ、夢の中で、私たちエゴ・身体になって生きる人生を夢見ていますが、ひとりきりの世界を夢見ていようが、数十人の人口の世界を夢見ていようが、数十億人になっている世界を夢見ていようが、さらには、世界がひとつではなく、パラレルワールドが何千と存在している夢を見ていようが、目を覚ますうえで重要なことは、夢の中での登場人物の数や世界の広さや複雑さや世界の数などではないということです(M14 世界の終わりが参考になると思います)。
物事を単純化するよりも複雑化するほうが容易なのはすぐにわかることのはずですが、顛倒した心は、複雑なものにリアリティーを感じてしまうわけです。
世界が幻想だとすれば、ひとりの体験が他者に影響しないはずがない
私たちが本物だと思っている世界や私たちの存在のほうが錯覚だとすれば、空想世界の中の架空の登場人物たちを空想しているのは同じ一つの心なのだから、架空の登場人物のうちのひとりの体験が他のキャラクターに影響しないことのほうがとうていありえない話になります。
さて、今日のレッスンでは、心の内奥へと潜行し、分厚い濃密な狂気の暗雲を通り越して、その向こうにある光に向かう試みをします。
レッスンで述べられるように、神に到達することは実際に可能なことであり、それどころか、神の子が神とともにあるのはありのままの事実であり、世界で唯一自然なことなのだから、とても容易なことだということを意識することが役立ちます。

Workbook Lesson 41
God goes with me wherever I go.
私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる。
God goes with me wherever I go.
私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる。
1. Today's idea will eventually overcome completely the sense of loneliness and abandonment all the separated ones experience.
分離した者たちの誰もが味わっている孤独で見捨てられたような感覚を、今日の考えがゆくゆくは完全に克服することになるでしょう。
Depression is an inevitable consequence of separation.
憂鬱は、分離によってもたらされる当然の帰結です。
So are anxiety, worry, a deep sense of helplessness, misery, suffering and intense fear of loss.
不安や心配、深い無力感、惨めさ、苦悩そして強烈な喪失への恐怖心も同じく分離の結果です。
2. The separated ones have invented many "cures" for what they believe to be "the ills of the world."
分離した者たちは、自分たちが「この世界の病理現象」だと信じる問題に対する数多くの「治療法」を編み出してきました。
But the one thing they do not do is to question the reality of the problem.
しかし、分離した者たちがしていないことが、ひとつだけあります。それは、その問題が実在するかどうかを問うことです。
Yet its effects cannot be cured because the problem is not real.
しかし、その問題は実在しないので、その問題の結果を治すことはできません。
The idea for today has the power to end all this foolishness forever.
今日の考えは、この馬鹿げた事態のすべてを永遠に終わらせる力を持っています。
And foolishness it is, despite the serious and tragic forms it may take.
そして、たとえそれが深刻で悲劇的な形をとろうとも、馬鹿げたことが馬鹿げていることに変わりはありません。
3. Deep within you is everything that is perfect, ready to radiate through you and out into the world.
あなたの心の奥深いところで、完全無欠なるもののすべてがあなたを通してこの世界へと輝き出す準備を整えています。
It will cure all sorrow and pain and fear and loss because it will heal the mind that thought these things were real, and suffered out of its allegiance to them.
あなたの中に潜む完全なるものが、すべての悲しみや苦しみ、そして恐れや喪失感を治してくれるでしょう。なぜなら、あなたの中の完全さは、これらの不完全さが本物だと思いこみ、これらを真に受けて疑いもしないことで苦しんできた心を癒すからです。
4. You can never be deprived of your perfect holiness because its Source goes with you wherever you go.
あなたは、決して自らの完璧な神聖さを奪われてしまうことはありえません。なぜなら、あなたがどこへ行こうとも、あなたの神聖さの大いなる源があなたと一緒に行ってくれるからです。
You can never suffer because the Source of all joy goes with you wherever you go.
あなたは決して苦しむことはありえません。なぜなら、あなたがどこへ行こうとも、すべての喜びの大いなる源があなたと一緒に行ってくれるからです。
You can never be alone because the Source of all life goes with you wherever you go.
あなたは決してひとりきりになることはできません。なぜなら、あなたがどこへ行こうとも、すべての生命の大いなる源があなたと一緒に行ってくれるからです。
Nothing can destroy your peace of mind because God goes with you wherever you go.
あなたの心の平安を破壊することは何ものにもできません。なぜなら、あなたがどこへ行こうとも、神があなたと一緒に行ってくれるからです。
5. We understand that you do not believe all this.
あなたがこれが本当だと少しも信じていないのはわかっています。
How could you, when the truth is hidden deep within, under a heavy cloud of insane thoughts, dense and obscuring, yet representing all you see?
何でも覆い隠してしまう濃密な狂気の思考の分厚い雲の下に真理が奥深く隠されていて、あなたにはそんな雲しか見えないとしたら、どうしてあなたにこれが事実だと信じられるでしょうか。
Today we will make our first real attempt to get past this dark and heavy cloud, and to go through it to the light beyond.
今日、私たちは、この暗く分厚い雲を通り越して、その向こう側にある光に向かうことを、はじめて真に試みることにします。
6. There will be only one long practice period today.
今日は、長いほうの実習時間は、1回だけとることにします。
In the morning, as soon as you get up if possible, sit quietly for some three to five minutes, with your eyes closed.
できれば朝目を覚ましてすぐに、目を閉じたまま、3分から5分くらい静かに座ってください。
At the beginning of the practice period, repeat today's idea very slowly.
実習のはじめに、「私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる」と、できるだけゆっくり今日の考えを繰り返してください。
Then make no effort to think of anything.
それから、何も考えないようにしてください。
Try, instead, to get a sense of turning inward, past all the idle thoughts of the world.
その代り、この世界のすべての無意味な思いを通り越して、内側に向かう感覚をつかむように努めてください。
Try to enter very deeply into your own mind, keeping it clear of any thoughts that might divert your attention.
あなたの注意を逸らそうとするどんな思考にも曇らされないように自分の心を明瞭なままに保ちながら、あなた自身の心の内奥へと本当に深く入っていってください。
7. From time to time, you may repeat the idea if you find it helpful.
もしそれが役立つなら、ときおり、「私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる」と、今日の考えを繰り返すとよいかもしれません。
But most of all, try to sink down and inward, away from the world and all the foolish thoughts of the world.
しかし、何にもまして、この世界とこの世界に関するすべての馬鹿げた思いから離れて、内面深くに潜行するようにしてください。
You are trying to reach past all these things.
あなたは、この世界や世界の馬鹿げた思いのすべてを通り越したところに到達しようとしているのです。
You are trying to leave appearances and approach reality.
あなたは、見せかけの世界を去って、現実に近づこうとしているのです。
8. It is quite possible to reach God.
神に到達するのは十分可能なことです。
In fact it is very easy, because it is the most natural thing in the world.
それどころか、神に到達するのはとても容易なことです。なぜなら、あなたが神と一緒にいることは、世界で一番自然なことだからです。
You might even say it is the only natural thing in the world.
それは世界で唯一自然なことだとすら言えるかもしれません。
The way will open, if you believe that it is possible.
もしあなたが神に到達することが可能だと信じるなら、道が開けるでしょう。
This exercise can bring very startling results even the first time it is attempted, and sooner or later it is always successful.
この練習は、たとえ初めての試みであっても、きわめて驚嘆すべき結果をもたらすことができるし、遅かれ早かれ、必ずよい結果になります。
We will go into more detail about this kind of practice as we go along.
この種の実習については、今後私たちの学習が進んでゆくにつれて、より詳細に学ぶことになります。
But it will never fail completely, and instant success is possible.
いずれにせよ、この種の実習は決して完全に失敗するということはないし、逆に、今すぐに成功することも可能なのです。
9. Throughout the day use today's idea often, repeating it very slowly, preferably with eyes closed.
1日を通して、可能なら目を閉じて、今日の考えを努めてゆっくりと繰り返しながら、頻繁に用いてください。
Think of what you are saying; what the words mean.
自分が言っている言葉と、その言葉が意味することを考えてみてください。
Concentrate on the holiness that they imply about you; on the unfailing companionship that is yours; on the complete protection that surrounds you.
すなわち、「私がどこへ行こうとも、神が私と一緒に行ってくれる」という言葉は、あなたが神と絶えずコミュニケーションを保っていて、神の完璧な加護があなたを包み込んでいること、つまり、あなたが神聖な存在であることを示していることに専心するようにしてください。
10. You can indeed afford to laugh at fear thoughts, remembering that God goes with you wherever you go.
あなたがどこに行こうとも神があなたと一緒に行ってくれることを覚えておけば、あなたは本当に、恐怖の想念など余裕で笑い飛ばせるはずです。

