M4-6 神の教師の特性6(無防備)

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There never was a good war or a bad peace.
これまで、良い戦争や悪い平和なんて存在したことがない。

Benjamin Franklin
ベンジャミン・フランクリン


外的な年齢とは無関係に、私たちのなかに生きるこの子ども、いつまでも驚くことができ、問い、感激できるこの私たちの中の子ども。あまりに傷つきやすく、無防備で、苦しみ、慰めを求め、望みを捨てないこの私たちのなかの子ども。それは人生の最後の日まで、私たちの未来を意味するのです。
ミヒャエル・エンデ(「メモ箱」より)





今回は、神の教師の特性の続きで「無防備であること」です。




レッスン153「防衛しないことで、私は安全になる」T6-3 復讐してやりたいけど我慢しなきゃいけない?を読んでいただければと思います。


国家規模の理不尽な虐殺、戦争、弾圧や社会での通り魔事件や身近ないじめ問題等を考えると、理想論として無防備であることを唱導することはできても、現実問題として、防衛しないでいることは不可能に思えます。

チベット弾圧を見ても、理がありさえすれば自ずと無知による非道は去るはずだというのが空疎な理想論だと言わざるを得ないという現実に直面し、諦念が湧いてきてしまいます。

そして、誰だって、大切にしたい清く正しく美しいものが無理解で粗野な獣に蹂躙されるのを我慢して虚しさを覚えながら気高い理念に殉じるくらいなら、大切なものを守るために理念を捨ててでも戦おうとすることでしょう。

とはいえ、コースの説く無防備は情緒的なものでも空理空論でもありません。

素朴に、ゲーム世界でのアバターであるマリオがどんなに大変な目に遭おうが、テレビの前のちびっ子は元気なままという、いつもの理屈の通りで、閉じ込める仕組みはきわめて単純でありながら、このゲームが非常にリアルなVR世界であるために、忘我の境地で自分以外の生き物になりきってプレイするという点で、プレイヤーの実感するリアリティーによる没入感が凄まじく、完全に本当の自分を忘れ去って思い出せなくなっている状態からの脱出がゲームのテーマなわけです。

そして、コースは、このゲームをクリアするためにアバターが使う最大の武器を「赦し」だといいます。

無防備と赦しは、状態・姿勢・スタンスと行為のように、表裏一体で、罪は実在しないと本質を見通して無視する赦しを行う人を端から見ると、無防備であると見えることになるし、防衛のために身構え反撃を行ってアバター と一体化している人は赦すことができていないということになります。

つまり、自分が本当はマリオではなく画面の前にいる子供だと思い出せるかどうかは、偽りのアイデンティティーであるマリオへの肩入れをいかに思いきり放棄できるかにかかっているわけです。

なので、単にこの世界が幻想で自分はアバターに自己同一化しているのだという仕組みの知的な理解さえすれば十分だとして、心の中の捉え方として無防備を理念として意識さえしていればよい、という話ではないということになります。

無防備を返上して防衛に注力することは、偽りのアイデンティティーであるアバターへの肩入れを強めることなので、赦しの実践から遠ざかるベクトルになることは覚えておかなければなりません。

とはいえ、人として生きているかぎり、無防備でばかりいられないのも現実です。

そして、自分に対する攻撃であれば、無抵抗で対応することはできても、家族や大切な仲間に対する攻撃に対して無抵抗でいることは、多くの場合、かえって罪悪感を残すだけの結果になってしまうでしょう。

T6-3 復讐してやりたいけど我慢しなきゃいけない?のエッセイでは、最後にヴァガバッドギーターでクリシュナがアルジュナに戦士としての義務を果たして迷いを断つよう助言するエピソードを引いて、理念先行で思考停止で自分を責めてしまうようなこの世的に非常識な結果になるよりは自分に悔いのない正しいと思える行動を取る方がよほど良いというお話をしました。

声が聞こえにくくなっている場合は多いにせよ、誰の心にも聖霊が住んでいるので、迷うような局面では必ず聖霊がふさわしい助言をしてくれています。

この声は、直感的に聞くものであって、頭で思考してひねり出すようなものではありません。

誰かが暴力を振るわれていて自分が助けを求められている場面に直面したとして、恐怖に駆られて仕方なくというのではなく、いくらでも助ける勇気も力もあるのに、奇跡のコースには無防備でいなきゃいけないと書いてあったから防衛しちゃダメだと考えて、暴力を振るわれて助けを求めている人を見捨てて素通りするような愚かさだけは身につけたくないものです。

聖霊に従ったつもりで実はエゴに従ってしまったわけです。


レッスン182「私は、一瞬じっと静まり、そして、家に帰る」が参考になると思います。



Defenselessness
無防備であること



1. God's teachers have learned how to be simple.
 神の教師たちは、どのようにしてシンプルであるべきかを習得しています。

 They have no dreams that need defense against the truth.
 神の教師たちは、真理に対して防衛しなければならないような夢を一切抱くことはありません。

 They do not try to make themselves.
 彼らは、自分を作り変えようとはしません。

 Their joy comes from their understanding Who created them.
 彼らの喜びは、自分たちは神に創造されたという彼らの理解から湧き起こります。

 And does what God created need defense?
 そして、神の創造したものが防衛など必要とするでしょうか。

 No one can become an advanced teacher of God until he fully understands that defenses are but foolish guardians of mad illusions.
 防衛狂気幻想を守る見当外れな守護者でしかないと完全に理解するまでは、誰も進歩した神の教師になることはできません。

 The more grotesque the dream, the fiercer and more powerful its defenses seem to be.
 奇怪な夢であるほど、その夢を守ろうとする防衛は、より荒々しく、より力強いものになるように見えます。

 Yet when the teacher of God finally agrees to look past them, he finds that nothing was there.
 しかし、そんな夢を看過することが正しいと神の教師たちがついに認めることができたとき、彼はそこには何もなかったのだと気づきます。

 Slowly at first he lets himself be undeceived.
 初めはゆっくりと、彼は自分自身を思い違いから目覚めさせてゆきます。

 But he learns faster as his trust increases.
 しかし、彼の信頼が増すにつれて、彼はより速く学ぶようになります。

 It is not danger that comes when defenses are laid down.
 防衛を手放したときに訪れるもの、それは危険ではありません。

 It is safety.
 訪れるのは安全です。

 It is peace.
 それは平安です。

 It is joy.
 それは喜びです。

 And it is God.
 そして、それは神なのです。


次

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 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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