レッスン50「私は神の大いなる愛に支えられている」
We should always look upon ourselves as God's servants, placed in God's world, to do his work; and accordingly labour faithfully for him; not with a design to grow rich and great, but to glorify God, and do all the good we possibly can.
私たちはつねに自分のことを、神の業をなすために神の世界に置かれた神のしもべとみなすべきだ。だから、忠実に神のために働くべきであって、裕福で偉大な存在に成長しようと企てるのではなく、神の栄光をたたえるために、自分にできるかぎりのよきことをなすべきなのだ。

David Brainerd
デイヴィッド・ブレイナード

レッスン50です。
今日のテーマは「私は神の大いなる愛に支えられている」です。

世界にどっぷり浸かると大金と引き換えに魂を売り渡せるようになってしまう
エゴの観点では、この世界で自分の支えになるのは、薬やお金、影響力ある人脈、地位、名声、人気といった偶像です。
これに対して、聖霊の観点では、自らの中に神の愛があると信頼することが支えとなります。
リアル世界の肉体を衰弱させて命を縮めてまで、ネットゲーム内でアバターが身につけたり手に入れたりする衣服や武器、道具、お金を増大させることに血道を上げることほど馬鹿げたことはありません。
この馬鹿らしさはわかるのに、この世界では、大金を得るために簡単に魂を売り飛ばすようなことが平気でできてしまいます。
現実の記憶と引き換えに空想世界で願望を実現して廃人への道を突き進んだバスチアン

「はてしない物語」の後半で、主人公バスチアン少年は、物語の世界ファンタージエン国で、ファンタージエン国を統べる女王幼ごころの君の名代に与えられる宝のメダル「アウリン」の力で、容姿も運動神経もよくなかったかつての現実世界の自分から王子様のように美しくて力強い理想の容姿や能力を備えた自分になってさまざまな願いを叶えてゆきます。
バスチアンは、願いを叶えてゆくにつれて、現実世界の記憶を失ってゆき、自分と同じように願いを叶える代償に現実世界の記憶を完全に喪失して廃人と化して物語世界の片隅を徘徊する元ファンタージエン国の王または王になろうとした者たちの住む「元帝王たちの都」の一員になりかけますが、それを免れてから真実の愛を探すさまざまな体験を経て、最後にようやく、現実世界で妻を亡くして以来心を氷の中に閉じ込めて苦しんでいる父のもとへと帰りたいという最後の望みを物語世界の友アトレーユとフッフールの力を借りて実現します。
アウリンの力
バスチアンは、女王幼ごころの君の象徴であるアウリンを持つことによって、幼ごころの君の名代として、どんな望みも思い通りに実現する力を持ちます。
アウリンの裏に刻まれた銘は『汝の 欲する ことを なせ』でした。
アウリンは、ファンタージエン国の生き物が身につけるときには導きの黄金の羅針盤となるのに対して、人の子が身につけるときには欲望をかき立てて迷いの道へと引き込む誘惑者となります。
私たちが自分は人間だと信じているかぎり、私たちは誘惑者であるエゴに惑わされて迷走することになります。
私たちが自分は幻想世界を生きるアバターであり、神の子に読まれている物語の主人公であるという気づきをもって生きるなら、私たちは聖霊という導きの星に従って自分という登場人物だけが担う使命を果たす冒険の旅路を歩むことになります。

物語世界から現実に帰還する門はアウリン自体だった
実は、バスチアンが首に下げていたアウリン自体が現実に戻るための陰陽二匹の蛇の門であり、記憶をなくす前であれば、いつでもその門を通って現実世界に帰ることができたわけです。
私たちも自分の中に、幻想世界に巣食うエゴと神の愛を伝える聖霊の陰陽二極のアウリンを持っています。
バスチアンは物語世界の中に取り込まれて戻ってこられなくなりかけたものの、アトレーユらの助けのおかげでなんとか無事に愛する父さんのもとに帰ることができました。
けれど、私たちのほうは幻想世界に取り込まれたまま「元帝王たちの都」の廃人たちのように自分が誰だかすらわからなくなった狂人として暮らしているのですが、狂人のつねであるように、狂っていながらも自分は至極まともだと思い込んで、自分の暮らしている世界のおかしさにまったく違和感も持たずに順応しているだけに厄介です。
本当の自分の求めを知り自分自身になりきるためには、エゴに惑わされて迷走することも必要
アイゥオーラおばさまの言うように、バスチアンの欲望に駆られての迷走も決して無意義なことだったわけではなく、自分だけの利益を追求する滅びの道を歩むことが、自分が本当に求めていたのは愛だったのだという気づきへと導いてくれて、それまで自分のために役立てようとひとり占めしていたアウリンを友に差し出す心境へと導いたわけです。
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夜は、二人で、よく長い間はなしあった。バスチアンは、ファンタージエンで経験したことをみなはなした。ペレリンのこと、グラオーグラマーンのこと、サイーデのこと、そして自分が重傷を負わせたもしかすると殺してしまったのかもしれないアトレーユのことも。
「ぼく、みんなまちがったことをしてしまった。」バスチアンはいった。「みんな、考えちがいをしていたんです。月の子は、ぼくにたくさんのものをくださったのに、ぼくはそれでもって、自分にもファンタージエンにも、わるいことばっかりしてしまったんです。」
アイゥオーラおばさまはバスチアンを長いこと見つめていたが、やがていった。
「いいえ、わたしはそう思わないわ。あなたは望みの道を歩いてきたの。この道は、けっしてまっすぐではないのよ。あなたも大きなまわり道をしたけれど、でもそれがあなたの道だったの。どうしてだか、わかるかしら?あなたは、生命の水の湧きでる泉を見つければ、帰れる人たちの一人なの。そこは、ファンタージエンの一番深く秘められた場所なのよ。そこへゆく道は、簡単ではないわ。」
そしてしばらく口をつぐんでから、またことばをついだ。
「そこへ通じる道なら、どれも、結局は正しい道だったのよ。」
それを聞くと、バスチアンはいきなり泣きだした。なぜなのか、自分でもわからなかった。胸の中で固くなっていたわだかまりがとけ、涙になって流れだしたような気持だった。すすりあげ、しゃくりあげ、あとからあとから、とめどもなく涙が流れた。アイゥオーラおばさまはバスチアンを膝に抱きあげ、やさしくやさしくなでてくれた。バスチアンはおばさまの胸の花の中に顔をうずめて、思う存分、泣いた。泣いて泣いて、疲れるまで泣いた。

ミヒャエル・エンデ(「はてしない物語」より)
コースの学びのすばらしい伴侶となる「はてしない物語」

はてしない物語(「モモ」(オーディブル版あり)をはじめとするその他のエンデの著作も)は、物語そのものとしてすばらしいですし、コースの参考書としてとてもとても示唆に富んでおり、役立ちます。
はてしない物語は、マトリックスと双璧をなす奇跡のコースの学びを深めることに役立つ傑作です。
ブログの副題をつけるなら「~はてしない物語で読み解く奇跡のコース~」(笑)がふさわしいくらいに、いつのまにかマトリックスよりも、はてしない物語を素材にしたエッセイのほうが多くなっていますが、間違いなくコースの学びに役立つ本ですので、まだ読んだことがないという方も、子供のころ読んだきりになっているという方も、ぜひ読んでみてください。
はてしない物語のオーディオブックは、日本語版、英語版いずれもお勧めです。
audiobook.jp 版
オーディブル版
英語版は、米国オーディブルにはあるのですが、日本のオーディブルには出ていません。
CD版が日本のアマゾンでも注文できます。
ぜひ聞いてみてください。

Workbook Lesson 50
I am sustained by the Love of God.
私は神の大いなる愛に支えられている。
I am sustained by the Love of God.
私は神の大いなる愛に支えられている。
1. Here is the answer to every problem that will confront you, today and tomorrow and throughout time.
今日、明日、そして時間の続くかぎりずっと、あなたの前に立ちはだかるあらゆる問題に対する答えがここにあります。
In this world, you believe you are sustained by everything but God.
この世界では、あなたは自分が神を除くすべてのものに支えられていると信じています。
Your faith is placed in the most trivial and insane symbols; pills, money, "protective" clothing, influence, prestige, being liked, knowing the "right" people, and an endless list of forms of nothingness that you endow with magical powers.
あなたは、最も取るに足らない狂気の象徴である、薬やお金、「身を守るための」服、影響力、名声、人気、「都合の良い」人々と知り合うこと、といった自分で魔術的な力を与えている無が際限なく連なるリストに信仰を捧げています。
2. All these things are your replacements for the Love of God.
これらの物事はどれも、あなたが神の大いなる愛の代用にしているものです。
All these things are cherished to ensure a body identification.
これらの物事のすべては、自らを身体と同一視することを確実にするために大切にされています。
They are songs of praise to the ego.
これらは、エゴを崇める讃美歌です。
Do not put your faith in the worthless.
無価値なものを信仰してはなりません。
It will not sustain you.
エゴがあなたの面倒を見てくれるはずがないからです。
3. Only the Love of God will protect you in all circumstances.
ただ神の大いなる愛だけが、あらゆる境遇において、あなたに加護を与えてくれます。
It will lift you out of every trial, and raise you high above all the perceived dangers of this world into a climate of perfect peace and safety.
神の愛は、あらゆる試練からあなたを引き上げて、感知できるこの世界のあらゆる危険の及ばないはるかな高みにまで昇らせ、完璧に平安で安全な領域へと連れて行ってくれるでしょう。
It will transport you into a state of mind that nothing can threaten, nothing can disturb, and where nothing can intrude upon the eternal calm of the Son of God.
神の愛はあなたを、何ものも脅かすことのできない、何ものも心を乱すことのできない、そして、何ものも、神の子の永遠なる静穏さに押し入ることのできない心の境地へと運んでくれるでしょう。
4. Put not your faith in illusions.
幻想を信じてはなりません。
They will fail you.
幻は、あなたを失望させるだけだからです。
Put all your faith in the Love of God within you; eternal, changeless and forever unfailing.
あなたのすべての信頼を、永遠に変わることがなく、つねに信頼できるあなたの中にある神の大いなる愛に捧げなさい。
This is the answer to whatever confronts you today.
これが、今日あなたが直面するあらゆる事柄に対する答えです。
Through the Love of God within you, you can resolve all seeming difficulties without effort and in sure confidence.
自分の中の神の大いなる愛を通して、あなたはすべての困難に見える物事を絶対の確信をもって難なく解決できます。
Tell yourself this often today.
今日は、頻繁に「私は神の大いなる愛に支えられている」と自分に言い聞かせてください。
It is a declaration of release from the belief in idols.
これこそ、偶像信仰からの解放宣言です。
It is your acknowledgment of the truth about yourself.
これこそ、自分自身についての真理を承認することです。
5. For ten minutes, twice today, morning and evening, let the idea for today sink deep into your consciousness.
今日は、10分間の練習を朝と晩の2回とるようにして、今日の考えを自分の意識の奥底まで沈みこませるようにしてください。
Repeat it, think about it, let related thoughts come to help you recognize its truth, and allow peace to flow over you like a blanket of protection and surety.
「私は神の大いなる愛に支えられている」と今日の考えを繰り返して、心に今日の考えから連想する思考を浮かび上がらせて、今日の考えが真理であることをあなたが認められるように助けてもらい、平安が毛布で覆うようにあなたに流れ込んであなたを優しく安全に保護してもらいなさい。
Let no idle and foolish thoughts enter to disturb the holy mind of the Son of God.
無益で馬鹿げた思いがひとつでも入りこんできて、神の子の神聖な心を乱すことのないようにしてください。
Such is the Kingdom of Heaven.
神の子の神聖な心を何ものも乱せない境地こそ、天の王国です。
Such is the resting place where your Father has placed you forever.
これこそ、あなたの父があなたを永遠に置いてくれた安息の場所なのです。

