レッスン63「私の赦しを通じて、世界の光がすべての心に平安をもたらす」

レッスン61〜70 1

One of the penalties for refusing to participate in politics is that you end up being governed by your inferiors.
政治に参加するのを拒むことの代償の一つは、あなたは自分より劣る者の支配の下に自分を置くことになるということだ。

Plato
プラトン


You save the world by concentrating on your own forgiveness lessons.
あなたは自分自身の赦しの課題に専念することによって世界を救うのだ。

Gary Renard
ゲイリー・レナード



レッスン63です。

今日のテーマは「私の赦しを通じて、世界の光がすべての心に平安をもたらす」です。




4.「Remember that God's Son looks to you for his salvation.
 神の子は自分の救いのために、あなたを頼みにしていることを忘れないでください。

 And Who but your Self must be His Son?
 そして、あなたの真の自己以外のほかの誰が神の子だというのでしょうか。」

奇跡のコースが私たちに学ばせようとしている(正確には、間違って学んだこの世界での学習成果を捨て去って忘れることによって、本来知っている状態に戻る(思い出す)こと)のは、私たちが神の子であるということです。

どうしても、私たちは、これまでこの世界で教え込まれて身につけてきた、自分の外にある情報を自分の内に取り入れて自分の思考体系の一部に組み込むという学び方にとらわれてしまいます。

これは今生だけの話ではなく、おそらく、輪廻転生によって幾度も人の子として生きることで、心の思考システムというよりも、魂という個別の霊が存在する枠組みとして機能するまで分離幻想は私たちの根幹に刻み込まれてしまっているのでしょう。

それだけに、この学習棄却は容易なものではありません。


別の記事でも触れましたが、エミュレーション、仮想マシン(VM:Virtual Machine(バーチャル・マシーン))が参考になります。エミュレーションとは、ある装置やソフトウェア、システムの挙動を別のソフトウェアなどによって模倣し、代替として動作させることを言います。
たとえば、Mac OSでエミュレーション用のアプリを用いて、ウインドウズ OSを作動させるようなことです。

高性能なコンピュータにはこのような仮想は容易にでき、屋上屋を架すようにして、何層も仮想することすらできます。

私たちは、本来の自己である神の子が幻想世界の中に自分を細分化して作り出したアバターの中に隠れんぼしているわけですが、このアバターもVMのように自分を分離したエゴ・身体であると堅く確信したままで、奇跡のコースという自分の外部の本から来た「私たち人間として幻想世界を体験している本当の自己はひとりの神の子である」という情報を記憶の中に堅持するまで学習することはできます。

人の心はコンピュータほど厳密な論理性、規則性はないので、コンピュータのVMのように、入れ子構造の内側の箱の中で起こる出来事は絶対に外側の箱には影響しないという理屈通りには働きません。
ですので、鰯の頭も信心からというように、最初は単に外部から情報を取り込むというスタンスであっても、徹底的に繰り返していくと、知らないうちに心の内奥に浸透しているということもありうるので、効果が生じないと言い切れるわけではありません。

すなわち、自分の心の中の真理の上に虚偽の自己像のかさぶたが被さっていて、真理の描く模様とは違う表面のかさぶたの模様が本物のように見えているというイメージでいうと、そのかさぶたの上にさらに、かさぶたの下の真理の模様と同じ模様を描く膜を被せるような感じでVMを行うと、「ぷよぷよ」で同じ色の玉が重なると上下の球が消滅するような感じで、真理と適合するエミュレーションを行った分野について、かさぶたが剥がれ落ちて消え去るようなこともありえなくはないように思います。

けれども、この世界の外部から情報を取り込むスタンスでの学習で自分たちの本質が神の子であるという情報を繰り返して頭に叩き込むことは多くの場合は無意味で徒労に終わるし、少なくとも、効率的ではないのは間違いないでしょう。

むしろ学習の概念をコースの言うように逆転させて、すべてを忘れるために学ぶという心構えをとることです。

すべてを忘れることは恐怖を生み出します。

本質が無であるエゴからすればこれはもっともなことです。

すべてをそぎ落としすべてを捨て去ったら、何もない空っぽであることが露呈するだけだからです。

しかし、世界から学んだすべてを教え込まれて覚えている主体はエゴではありません。

エゴは虚無であり、エゴが幻想世界の中で悪さをするために必要な力をエゴは霊から引き出して得ているだけであり、個別の心が主体であり、そしてその大いなる源である霊が幻想の世界を生み出し見ている究極の主体です。

「But it could not entirely separate itself from spirit, because it is from spirit that it derives its whole power to make or create.
 しかし、心には自分自身を霊から完全に分離することはできません。なぜなら、心が作ったり創造したりするために必要とする力のすべてを、心は霊から引き出して得ているからです。

 Even in miscreation the mind is affirming its Source, or it would merely cease to be.
 誤って創造しているときですら、その心は自らの大いなる源である霊を肯認しているのです。さもなければ、心はただ消滅するしかなくなってしまうはずです。

 This is impossible, because the mind belongs to spirit which God created and which is therefore eternal.
 しかし、心が消滅することなど不可能です。なぜなら、心は、神に創造されたがゆえに永遠なるものである霊に属するものだからです。」(T3-4 誤りとエゴ、1.)

世界に教え込まれた偽りをすべて忘れ去ることによって存在しないことが明らかになるのは、エゴに属する幻想だけであり、実在するものが消え去るわけではなく、錯覚が消え去ることで、実在するものが姿を現すことになるわけなので、このことに恐れを抱くのは正しいとは言えません。


さて、レッスンに戻りましょう。

本レッスンでは、
「Remember that God's Son looks to you for his salvation.
 神の子は自分の救いのために、あなたを頼みにしていることを忘れないでください。」
と言います。

ここでの「あなた」とは、エゴ・身体として自分を意識している私たち人の子であるアバター、個別的自己としての個人を指します。

したがって、この文章が言わんとするのは、本当の私たちである神の子は、この個人としての人間であるアバター「小さな自己」が自分であると思い込んでいるわけなので、本当の主体である「真の自己」たる神の子が自分が神の子であるという自覚を取り戻す救済を達成できるかどうかは、人間としての私たちにかかっているということです。

けれども、そう言われても、私たちは、自分と同じ人間が何十億人もいて、ちっぽけな自分に神の子の救いがかかっているわけがないし、仮に自分たち全員に責任があるとしても、自分たちの中の奇特な誰かが、自分よりも能力や意欲が勝る誰かがやってくれるはずで、自分はそんな面倒なことには関わりたくない、そんな本当かどうか確証もない大それたことよりも、エゴとしての自分が望み通りの「現実」を引き寄せて幸せを謳歌できるほうがよほどいい、物好きな人にせいぜいがんばってもらえばいいというように感じます。

まるで、社会の問題なんて政治家に任せておけばいい、選挙に行ったって、自分の一票なんてたくさんの票の中に埋もれるだけで、民主主義なんて愚かな民衆に自分が政治参加しているという錯覚を与えるための欺瞞で、民衆を羊のように司牧するための幻想でしかないとうそぶいている若者のようです。

でも、自分が大衆の中に埋もれて自分の相対的重要性が希釈されてしまうように感じる感覚は本当に正しいものなのでしょうか。
本当に分母が大きくなればなるほど、自分の価値は低下するのでしょうか。

世界が100人しかいない村だったら、その中の一人である自分には、100分の1と高濃度なので、価値があるけれど、地球上に70億人いたら、100人の場合よりも、希釈されまくっていて個人の価値は小さくなるということが言えるのでしょうか。

この自己の断片化、細分化による価値減少の錯覚は、頭でっかちな思考には、きわめて強い目くらまし効果を強く発揮するので、分離幻想を維持するための、エゴにとっての強力な武器となります。

けれど、それが幻想、錯覚でしかないなら、幻が100個だろうが70億個だろうが、それが本質は無で影が色や形をなしているだけの幻で意味がないことはどちらも同じはずです。70億分の1の幻よりも100分の1の幻のほうが濃縮されていて現実の混じり具合が高くよりリアルなものになるというわけではないからです。

意味が違うことになるのは、それらを比較する場となる世界が幻想ではなく、確固たる現実として存在することを前提事実として受け入れた場合だけです。

したがって、「100分の1の私」であろうと、「70億分の1の私」であろうと、分母がどれだけ大きな数になるかはまったく意味はないということになります。

それに対して、その分母となる人数が何人であろうと、各人がまったく同じように「私」という現象を体験しており、この「私現象」が各人のアバターというかさぶたのフィルターを通して多様な作用を果たしはするものの、どの「私」にも自らの真の自己が神の子であることを思い出す力があることには大いに意味があります。

この「私現象」については、別の記事でたびたび触れていますので、今回はここまでにしておきましょう。








Workbook Lesson 63



The light of the world brings peace to every mind through my forgiveness.
私の赦しを通じて、世界の光がすべての心に平安をもたらす。





The light of the world brings peace to every mind through my forgiveness.
私の赦しを通じて、世界の光がすべての心に平安をもたらす。



1. How holy are you who have the power to bring peace to every mind!
 すべての心に平安をもたらす力を持っているとは、あなたはなんと神聖な存在なのでしょう。

 How blessed are you who can learn to recognize the means for letting this be done through you!
 自らを介してみんなの心に平安をもたらす方法を学べるとは、あなたはなんと祝福されているのでしょう。

 What purpose could you have that would bring you greater happiness?
 それ以上すばらしい幸せをあなたにもたらすような、どんな目的をあなたは持ちうるというのでしょうか。



2. You are indeed the light of the world with such a function.
 あなたは本当にそのような役目を持った世界の光なのです。

 The Son of God looks to you for his redemption.
 神の子は、自らの救済をあなたに託しています。

 It is yours to give him, for it belongs to you.
 救済はあなたのものなので、あなたは自らの救済を神の子に与えることができます。

 Accept no trivial purpose or meaningless desire in its place, or you will forget your function and leave the Son of God in hell.
 救済の代わりに、取るに足らない目的や意味のない願望を何ひとつ受け入れてはなりません。さもないと、あなたは自分の役目を忘れて、神の子を地獄に置き去りにすることになってしまいます。

 This is no idle request that is being asked of you.
 このようにあなたに求めることは、無意味な頼みではありません。

 You are being asked to accept salvation that it may be yours to give.
 あなたに救済を受け入れることが求められているのは、あなたがそれを我がものにして救済を与えられるようにするためなのです。



3. Recognizing the importance of this function, we will be happy to remember it very often today.
 この役目の重要性を認めて、私たちで今日は、本当に頻繁にこのことを喜んで思い出しましょう。

 We will begin the day by acknowledging it, and close the day with the thought of it in our awareness.
 この役目の重要性を承認することで1日を始め、そして、その思いを自覚しながら1日を終えましょう。

  And throughout the day we will repeat this as often as we can:
 そして、1日を通して、次の言葉をできるだけ頻繁に繰り返すことにします。


The light of the world brings peace to every mind through my forgiveness.
私の赦しを通じて、世界の光がすべての心に平安をもたらす。

I am the means God has appointed for the salvation of the world.
私こそが、世界を救済するために神が任命した使者なのだ。



4. If you close your eyes, you will probably find it easier to let the related thoughts come to you in the minute or two that you should devote to considering this.
 たぶん、目を閉じて行ったほうが、この考えに1、2分を費やす際に、関連する思いを自分の中に思い浮かべやすくなることがあなたにもわかるでしょう。

 Do not, however, wait for such an opportunity.
 とはいえ、そのような機会が訪れるのを待っていてはなりません。

 No chance should be lost for reinforcing today's idea.
 今日の考えをより確固たるものにする機会を決して逃さないようにしてください。

 Remember that God's Son looks to you for his salvation.
 神の子は自分の救いのために、あなたを頼みにしていることを忘れないでください。

 And Who but your Self must be His Son?
 そして、あなたの真の自己以外のほかの誰が神の子だというのでしょうか。


名称未設定


それでは、ブリトニーさんのレッスンです。



次

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 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

コメント1件

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Kino  

[赦し]の意義読解はそう困難ではなかったですけど、ワークブックでの落とし込みとなると、とたんに心が抵抗しているのが分かります。欠乏感が、[光]を、前の記事でいう[偶像]に思わせてしまう感じです。kenさん、アドバイス頂けないでしょうか?

2013年08月15日 (木) 16:30
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