C6 聖霊って何なんだろう?
The heart that gives thanks is a happy one, for we cannot feel thankful and unhappy at the same time.
感謝を捧げる心は、幸せな心です。というのも、私たちには、感謝に満たされながら、それと同時に不幸だと感じることはできないからです。

Douglas Wood
ダグラス・ウッド

今回は、用語解説から「聖霊」をご紹介します。ワークブックのパート2「聖霊とは何か」も参照ください。
真実はいつもひとつ!
聖霊は、私たちを導いてくれる存在ですが、私たちの外にいるわけでも、たくさんいるわけでもありません。
以前、打ち砕かれたかけらの中に潜むものはで、兄弟と結びつく意欲を持つことで、夢が取り除かれた隙間に、聖霊が神の子が分裂してばらばらになる前の本来の完全な姿、無数に散らばったかけらをつなぎ合わせて完成させた神の子の絵を掲げてくれるというテキストの一節をご紹介しました。
その一つひとつのかけらの中には、完全な姿がホログラムのように秘められているということでした。
聖霊は、私たちかけらの中に潜む神の拡張としてのこの完全な姿を通して作用する働きです。
拡張なので、無数のかけらの数だけ形の異なる聖霊がいるわけではなく、ただひとつの聖霊があるだけです。
偽りは無数のバリエーションで姿を現す
これに対して、エゴも根本は分離というひとつの想念ですが、実体を持たない無であり、拡張ではなく投影なので、かけらの上に塗りつけられた絵として、かけらの数だけ無数に無限の姿形のバリエーションで生じてきます。
聖霊は私たちが頼るのを待ち受けている
奇跡のコースでは、聖霊は本当に重要な役割を担う頼もしい存在です。
私たちを愛し、私たちのために働いてくれて、私たちが任せる気にさえなれば、すべてを引き受けてくれる用意をして、待ちかまえてくれています。
そんな聖霊を愛おしいとは思わないでしょうか?究極的には自分自身でもある存在です。
聖霊の姿をイメージしてみる
聖霊は姿かたちを持たない一なる存在ですが、私たち個別の心にとっては、抽象度の高い存在は把握が困難なので、聖霊の機能をイメージして想起するための媒介として具体的な象徴を用いることは有益です。
聖霊を思い起こしやすい具体的なイメージがあったほうが、任せたり選択したりしやすいので、ご自分なりに、聖霊像をイメージしてかまわないと思います。
ある方にとっては、イェシュアのイメージがしっくりくるかもしれません(用語解説の冒頭で、イェシュアは聖霊の化身だという話しが出てきます)。
別の方にはお釈迦さまであったり、クリシュナ神であったりするかもしれないし、尊敬する歴史上の人物がしっくりくるかもしれません。
神様や人間ではなくて、動物がいいという方もいらっしゃるでしょう。

聖霊は、ハトや蝶にたとえられることが多いですが、弱いイメージでしっくりこないという方には、力強い聖獣のイメージがいいかもしれません。
竜でもユニコーンでも麒麟でも火の鳥でもいいでしょう。
聖霊のことを思い浮かべるのが楽しくなるような自分だけのイメージが見つかるとよいと思います。
また、神に代わって語る「声」と描写される存在なのですから、具体的な声もイメージしてもよいと思います。
注意点は、偶像崇拝になってしまうようなイメージの仕方にならないようにだけ気をつけることです。
この点は、反キリストも一読してもらえるとよいと思います。

The Holy Spirit
聖霊
1. Jesus is the manifestation of the Holy Spirit, Whom he called down upon the earth after he ascended into Heaven, or became completely identified with the Christ, the Son of God as He created Him.
イエスは聖霊の化身です。イエスは天に昇り、神が創造したままの神の子であるキリストとしての身許を完全に確立したあと、地上へと舞い降りるよう聖霊を召喚しました。
The Holy Spirit, being a creation of the one Creator, creating with Him and in His likeness or spirit, is eternal and has never changed.
聖霊は、一なる創造主の創造物として創造主とともに創造する創造主の似姿である霊であって、永遠の存在にして決して変化することのない存在です。
He was "called down upon the earth" in the sense that it was now possible to accept Him and to hear His Voice.
聖霊が「地上に呼び降ろされた」のは、いまや聖霊を受け入れてその大いなる声を聞くことが可能となったことを意味します。
His is the Voice for God, and has therefore taken form.
聖霊の声は、神を代弁する大いなる声であり、そのために形をとったものです。
This form is not His reality, which God alone knows along with Christ, His real Son, Who is part of Him.
この形は、聖霊の真の姿ではありません。聖霊の真の姿は、神と、神の本当の子であり神の一部であるキリストだけが知っています。
2. The Holy Spirit is described throughout the course as giving us the answer to the separation and bringing the plan of the Atonement to us, establishing our particular part in it and showing us exactly what it is.
このコース全体を通して、聖霊は、私たちに分離に対する答えを与え、私たちに贖罪の計画をもたらしてくれて、贖罪における私たちの固有の役目を確立して、私たちにそれが何なのか明確に示してくれる存在として描写されます。
He has established Jesus as the leader in carrying out His plan since he was the first to complete his own part perfectly.
神は、イエスを神の計画を遂行するうえでのリーダーに定めました。なぜなら、イエスが自分の役目を完璧に完了した最初の存在だったからです。
All power in Heaven and earth is therefore given him and he will share it with you when you have completed yours.
それゆえ、イエスには、天と地における全能の力が与えられています。だから、あなたが自分の役目を完了した際には、イエスはその力をあなたと分かち合ってくれるでしょう。
The Atonement principle was given to the Holy Spirit long before Jesus set it in motion.
贖罪の原理は、イエスがその原理を始動させるはるか以前から聖霊に与えられていたものです。
3. The Holy Spirit is described as the remaining Communication Link between God and His separated Sons.
聖霊は、神と神の分離した子供たちとの間に残っているコミュニケーションの絆として描写されます。
In order to fulfill this special function the Holy Spirit has assumed a dual function.
神とのコミュニケーションの絆となるというこの特別な役割を全うするために、聖霊には二元的な働きが与えられています。
He knows because He is part of God; He perceives because He was sent to save humanity.
聖霊は、神の一部であるがゆえに、知るものです。他方で、聖霊は、人類を救済すべく遣わされたがゆえに、知覚するものでもあります。
He is the great correction principle; the bringer of true perception, the inherent power of the vision of Christ.
聖霊は、偉大なる修正原理です。聖霊は、正しい知覚をもたらすものであり、キリストのヴィジョンに本来的に備わる力そのものです。
He is the light in which the forgiven world is perceived; in which the face of Christ alone is seen.
聖霊は光であり、その光の中で赦された世界が知覚されます。この光の中では、キリストの顔だけを見ることができます。
He never forgets the Creator or His creation.
聖霊は、決して創造主やその創造物のことを忘れません。
He never forgets the Son of God.
聖霊は、決して神の子のことを忘れません。
He never forgets you.
聖霊は、あなたのことを絶対に忘れないのです。
And He brings the Love of your Father to you in an eternal shining that will never be obliterated because God has put it there.
だから、聖霊は、神がそこに置いたがゆえに決して消え去ることのない永遠の輝きの中で、あなたの父の大いなる愛をあなたにもたらしてくれるのです。
4. The Holy Spirit abides in the part of your mind that is part of the Christ Mind.
聖霊は、あなたの心の中のキリストの大いなる心の部分に住んでいます。
He represents your Self and your Creator, Who are One.
聖霊は、あなたの大いなる自己とあなたの創造主を表すものですが、両者はひとつです。
He speaks for God and also for you, being joined with Both.
聖霊は、神とあなたの両者とひとつに結ばれているので、神に代わって、そしてまた、あなたのために語ります。
And therefore it is He Who proves Them One.
だから、聖霊こそが、あなたと神がひとつであることを証言するものなのです。
He seems to be a Voice, for in that form He speaks God's Word to you.
聖霊は、ひとつの声であるように思えます。なぜなら、そのような形をとって、聖霊はあなたに神の大いなる言葉を語るからです。
He seems to be a Guide through a far country, for you need that form of help.
聖霊は、遠い異国での旅のガイドのようにみなすことができます。というのも、あなたにはそのような形の助け手が必要だからです。
He seems to be whatever meets the needs you think you have.
聖霊は、あなたが自分に必要だと思うものであれば、どのような必要性でも満たしてくれるように思えます。
But He is not deceived when you perceive your self entrapped in needs you do not have.
しかし、あなたが自分に必要もないものが必要だと知覚する自己欺瞞の罠に自分を陥れたとしても、そんなことで聖霊が騙されてしまうことはありません。
It is from these He would deliver you.
聖霊があなたを助け出そうとしているのは、このようなあなたの自己欺瞞からなのです。
It is from these that He would make you safe.
聖霊があなたの安全を守ろうとしているのは、このようなあなたの自己欺瞞からなのです。
5. You are His manifestation in this world.
あなたは、この世界における聖霊の化身です。
Your brother calls to you to be His Voice along with him.
あなたの兄弟は、自分と一緒に聖霊の声になるようにとあなたに呼びかけています。
Alone he cannot be the Helper of God's Son for he alone is functionless.
その兄弟ひとりだけでは、神の子の大いなる助け主となることはできません。というのも、彼ひとりだけでは役目を果たすことができないからです。
But joined with you he is the shining Savior of the world, Whose part in its redemption you have made complete.
しかし、あなたとひとつに結びつくなら、その兄弟は輝ける世界の救い主となり、あなたは救済における彼の役目を完結させることになります。
He offers thanks to you as well as him for you arose with him when he began to save the world.
聖霊は、その兄弟と同じようにあなたにも感謝を捧げます。それは、兄弟が世界を救いはじめた際に、あなたが兄弟と一緒に立ち上がってくれたからです。
And you will be with him when time is over and no trace remains of dreams of spite in which you dance to death's thin melody.
そして、時が終わるとき、あなたは兄弟と一緒になるでしょう。そのとき、あなたが死の儚いメロディーに合わせて踊った悪念のこもった夢の数々は跡形も残ってはいません。
For in its place the hymn to God is heard a little while.
かつてその夢のあった場所では、神への賛美歌をしばらくの間、耳にすることになります。
And then the Voice is gone, no longer to take form but to return to the eternal formlessness of God.
そのあと、もはや形をとることをやめて、その大いなる声は去り、神の永遠なる形の無い状態へと帰るだけです。
