奇跡のコース-生徒のためのワークブック 序文

2013年11月03日
レッスン1〜10 1

あなたが何を聞くかは、あなたの心の中にすでにあるものに大いに関係してきます。私の声に耳を開く人は自分の知覚や先入観に応じて、それを聞くことになります。それは仕方のないことです。

私の存在への扉を開くためにはまず、私と交流したいという願望が必要です。私は誰にも自分を無理に押し付けたりしません。私との関係は自発的に、それぞれの準備ができたときに始められるべきなのです。

私はあなたの望む度合いに応じてあなたに近づきます。それは、私というものが、すでにあなたの心の中にあるひとつの思考であるからです。そして私であるものすべては、その思考から生じてきます。私でないものすべてが、別の思考から生じてくるように。このことは経験を通じてわかってくるでしょう。

Jesus Christ

イエス・キリスト(ポール・フェリー二著「無条件の愛 キリスト意識を鏡として」15ページ)





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Kinoさんからワークブックの取り組み方の形式についてご質問をいただきました。Kinoさん、コメントどうもありがとうございました。


ワークブックの日々のレッスンへの取り組み方

「15分とか時間指定のあるワークショップは、多少嗜んだことのある坐禅のやり方に準じて行うようにしていますが(声は未だ聞こえず)、各々のやりたい形で取り組めば良いですか?acimの推奨型とかはあるんでしょうか。」


長いほうの実習は、心を静めて行った方が望ましいので、よい方法だとおもいます。

序文によると、そのレッスンで指示されていることには具体的に従う必要はあるとしても、とくに推奨型とかはないようです。


マニュアルで出てきたように、横になってやるよりは座ってやったほうがよいとは言えるでしょう。

「It is not wise to lie down for it.
 この練習のためには、横になって行うのは賢明ではありません。

 It is better to sit up, in whatever position you prefer.
 自分の好きなどんな姿勢でもよいので、座って行ったほうがよいでしょう。

 Having gone through the workbook, you must have come to some conclusions in this respect.
 ひと通りワークブックをやり遂げていれば、あなたも経験的にこのことには少なからず納得できるはずです。」(M16 一日の過ごし方


今回は、ワークブックの序文をご紹介しますので、これを参考に日々のワークブックへの取り組み方を自分なりに見つけてみてください。

大事な点は、ワークブックの文章を読むこと自体は少しもワークを実習することにはならないということです(レッスン4「これらの思考には何の意味もない」)。


神秘体験したい?

さて、「(声は未だ聞こえず)」とのことですが、いつか「声」が聞こえることを前提とされていますが、そんなに「声」を聞くことにこだわらなくてよいと思います。

聖霊のものではないかもしれませんが、自分のものではない「声」が聞こえてきたり、人には見えない何かが見えたりして、社会生活がうまく営めずに苦しむ方もいます。


精神世界に傾倒している人(エゴ)に対して、聖霊が実際に「声」として語りかけたら、神秘体験だ、啓示を得た!といって、エゴを膨張させて、かえってその人の学びを妨げてしまうことのほうが多いだろうとは思いませんか?


神秘体験などより人間として生きていることの奇妙さに関する違和感を忘れずに、すべてが奇跡であることに気づきたい

実際のところ、聖霊はつねに、その人にとって最適な形で語りかけてくれています。

家族からの容赦のない言葉であったり、見知らぬ人のさりげない優しさだったり、その場その場で最適な人や物や出来事を通して語ってくれます。

自分の中に聖霊の声を聞こうとするよりも、憎たらしい誰かの厳しい言葉の中に聖霊の声があることに気づくことができるようになりたいと思いませんか。

これまで、瞑想や坐禅で、自分の心の中に声が聞こえて答えが与えられるとだけ決めつけていたのを、自分の心に問いかけたことの答えが、自分の外部の誰かの言葉や出来事として答えられているかもしれないという観点に切り替えてみると、全世界が協力して自分を助けようとしてくれているように感じて元気が湧いてくるのではないでしょうか。



「Remember that the Holy Spirit is in him, and His Voice speaks to you through him.
 聖霊がその兄弟の中にいて、聖霊の声はその兄弟を通してあなたに語り掛けるということを忘れないでください。

 What can so holy a brother tell you except truth?
 それほど神聖な兄弟が、真理以外のいったい何をあなたに語るというのでしょうか。

 But are you listening to it?
 そうだというのに、はたしてあなたは兄弟の中の聖霊の声に耳を傾けているといえるでしょうか。

 His words are the Holy Spirit's answer to you.
 その兄弟の言葉こそ、あなたに対する聖霊の答えです。

 You cannot hear the Voice for God in yourself alone, because you are not alone.
 あなたは、神に代わって話す声を自分の中にだけ聞くことはできません。なぜなら、あなたはひとりきりではないからです。


 You will not trust the guidance of the Holy Spirit, or believe that it is for you unless you hear it in others.
 あなたが聖霊の導きの声を他の者たちの中に聞くようにならないかぎり、あなたには聖霊の導きが信用できないし、聖霊の導きが自分のためにあるなどとは信じられないでしょう。

 If you would hear me, hear my brothers in whom God's Voice speaks.
 もしあなたが私の言葉を聞きたいのなら、神の声を語る私の兄弟たちの声に耳を傾けてください。

 The answer to all prayers lies in them.
 すべての祈りに対する答えはその兄弟たちの中にあります。」(テキスト 第九章 二 祈りに対する答え)

一瞥体験を得たいというような憧れは誰でも持つものでしょうが、そんなものを追い求めるのは、奇跡ではなくて魔術に心が捉われているくらいに思っておいていいのではないでしょうか。

与えられるならありがたく受け取るけれど、啓示なんて得られなくてもいい。

そんなことよりも、当たり前でつまらないものにしか見えないこの世界を奇跡のあふれる愛に満ちた世界として見られるようになるために学ぶなら、学ぶ過程それ自体が喜びに満ちた楽しい道となります。




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Introduction to A Course in Miracles- Workbook for Students
奇跡のコース - 生徒のためのワークブックに関する序文



1. A theoretical foundation such as the text provides is necessary as a framework to make the exercises in this workbook meaningful.
 このワークブックでの練習を有意義なものにするには、テキストの提示するような理論的な基盤が枠組みとして必要になります。

 Yet it is doing the exercises that will make the goal of the course possible.
 しかし、このコースの目標に到達することを可能にするのは、練習を実践することです。

 An untrained mind can accomplish nothing.
 それは、訓練されていない心には、何事も成就できないからです。

 It is the purpose of this workbook to train your mind to think along the lines the text sets forth.
 テキストで解説することに沿って考えられるようにあなたの心を訓練することがこのワークブックの目的です。



2. The exercises are very simple.
 実習はとてもシンプルです。

 They do not require a great deal of time, and it does not matter where you do them.
 練習には、多大な時間を割くことが求められるわけではないし、あなたは練習をどこで行ってもかまいません。

 They need no preparation.
 レッスンのためには、何の準備も必要ありません。

 The training period is one year.
 訓練の期間は1年です。

 The exercises are numbered from 1 to 365.
 練習するレッスンには、1から365まで番号を付しています。

 Do not undertake to do more than one set of exercises a day.
 1日に1セット以上は、レッスンに取り組まないようにしてください。



3. The workbook is divided into two main sections, the first dealing with the undoing of the way you see now, and the second with the acquisition of true perception.
 ワークブックは、大きく2つの部分に分けられています。最初のパート1は、今のあなたのものの見方を取り消すことをテーマとし、パート2では、正しい知覚を獲得することをテーマとします。

 With the exception of the review periods, each day's exercises are planned around one central idea, which is stated first.
 復習の期間を除いては、毎日の練習は、冒頭に示されるひとつの中心となる考え方を軸に組まれています。

 This is followed by a description of the specific procedures by which the idea for the day is to be applied.
 この中心テーマに引き続いて、その日の考え方を実際に適用するための具体的な手順が説明されます。



4. The purpose of the workbook is to train your mind in a systematic way to a different perception of everyone and everything in the world.
 体系的な方法であなたの心をトレーニングして、世界の中のあらゆる人々やあらゆる物事をこれまでとは違ったように知覚するようにさせることがワークブックの目的です。

 The exercises are planned to help you generalize the lessons, so that you will understand that each of them is equally applicable to everyone and everything you see.
 そのレッスンでの学びをあなたが一般化して、自分が各レッスンで学んだことが、自分と同じように、自分の見るすべての人やすべてのものにあてはまることをあなたが理解するのを助けられるように設計して各実習は組まれています。



5. Transfer of training in true perception does not proceed as does transfer of the training of the world.
 正しく知覚するようになるための訓練の学習成果は、この世界での訓練による学習成果のようには進行しません。

 If true perception has been achieved in connection with any person, situation or event, total transfer to everyone and everything is certain.
 もし正しい知覚が少しでも誰かや何らかの状況や出来事との関連で獲得されたなら、間違いなく、その正しい知覚がすべての人やすべての物事に全面的に適用されるようになるからです。

 On the other hand, one exception held apart from true perception makes its accomplishments anywhere impossible.
 反対に、正しい知覚から除外する例外をひとつでも設けるなら、少しでも正しい知覚を成就することは不可能となります。



6. The only general rules to be observed throughout, then, are: First, that the exercises be practiced with great specificity, as will be indicated.
 それゆえ、最後まで守るべき一般的な決まりは、第一に、練習は、今後指示される通りに、本当に具体的に実践するということです。

 This will help you to generalize the ideas involved to every situation in which you find yourself, and to everyone and everything in it.
 この第一の決まりは、あなたがその日のテーマとなる考えを自分の直面するあらゆる状況やあらゆる人々、あらゆる物事に適用して一般化するのに役立つでしょう。

 Second, be sure that you do not decide for yourself that there are some people, situations or things to which the ideas are inapplicable.
 第二に、ある人々や状況や物事にはその日の考えはあてはまらないと自分勝手に決めつけないように注意することです。

 This will interfere with transfer of training.
 このことは、訓練したことを一般化して身につける妨げになってしまいます。

 The very nature of true perception is that it has no limits.
 正しい知覚の本質は、まさに何の制限も受けないことだからです。

 It is the opposite of the way you see now.
 それは、あなたの今の見方とは正反対です。



7. The overall aim of the exercises is to increase your ability to extend the ideas you will be practicing to include everything.
 練習全体を通じて目指すことは、あなたが自分の実習することになる日々の考えを例外なく敷衍してすべての物事にあてはめることができるようにすることです。

 This will require no effort on your part.
 このためには、あなたの側での努力は何も要求されません。

 The exercises themselves meet the conditions necessary for this kind of transfer.
 練習そのものが、この種の学習の一般化のために必要な条件を具備しているからです。



8. Some of the ideas the workbook presents you will find hard to believe, and others may seem to be quite startling.
 ワークブックの提示する考えの中には、あなたが信じがたく感じたり、ほかの人が聞いたらきっととても驚くだろうと思えるものもあるかもしれません。

 This does not matter.
 しかし、そんなことは気にする必要はありません。

 You are merely asked to apply the ideas as you are directed to do.
 あなたには、ただ、自分が指示された通りにその考えを適用することが求められているだけだからです。

 You are not asked to judge them at all.
 あなたには、その考えについて価値判断することは、まったく求められていません。

 You are asked only to use them.
 あなたに求められているのは、その考えを用いることだけなのです。

 It is their use that will give them meaning to you, and will show you that they are true.
 実際にレッスンの考えを用いることで、その考えの意味があなたにわかり、あなたはその考えが真実だとわかるようになるでしょう。



9. Remember only this; you need not believe the ideas, you need not accept them, and you need not even welcome them.
 ただ次のことだけ覚えておいてください。それは、あなたはその考えを信じる必要はないし、その考えを受け入れる必要も、さらには、その考えを歓迎する必要すらないということです。

 Some of them you may actively resist.
 レッスンの考えのいくつかに、あなたは積極的に抵抗を覚えるかもしれません。

 None of this will matter, or decrease their efficacy.
 このことはまったく問題ではないし、レッスンの効果を減少させることもありません。

 But do not allow yourself to make exceptions in applying the ideas the workbook contains, and whatever your reactions to the ideas may be, use them.
 しかし、ワークブックに含まれる考えを適用する際に、例外を設けることを自分に容認しないようにしてください。そして、その考えに自分がどのような印象を持つにせよ、とにかくその考えを使ってみてください。

 Nothing more than that is required.
 それ以上のことは何も求められてはいません。


次

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 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

コメント1件

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Kino  

07

kenさん有難うございます。ワークや坐禅の実践で何か内なる実感・体感のみを求めてしまっているのは視野が狭かったです。(声は未だ聞こえず)の一文、まだ学ぶことの理解と取り組みが浅いことへの言い訳のつもりが、図らずもそのまま自分の偏り加減を露わにしていました。またたまにコメントしますので、在り様の推移をお見守り頂けたら嬉しいです。今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

2013年11月03日 (日) 16:36
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