T28-7 安全の方舟

2013年11月22日
テキスト第28章(恐れを取り消す) 0

その人の善悪を知るためには、

まず行動を知ることだ。

もしそれが善なら、次に動機を知ること。

またしてもそれが善であれば、最後に楽しんでいるのかを確かめる。

この3つの視点で人を見れば、誰もその善悪を隠し通すことなどできない。



孔子



Unlearning is essential part of evolving …. And evolving is essential part of finding yourself.
アンラーンは進化の本質的な要素だ。。。そして、進化することは、自分自身を見出すために本質的な要素だ。

Sandeep Sahajpal, The Twelfth Preamble: To all the authors to be!




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今回は、テキスト第二十八章から「安全の方舟」という一節をご紹介します。


隙間は実在しない

「3. Either there is a gap between you and your brother, or you are as one.
 あなたと兄弟の間に隙間があるか、それとも、あなたたちはひとつになっているか、そのどちらかです。

 There is no in between, no other choice, and no allegiance to be split between the two.
 その中間はないし、ほかの選択肢もないし、両方に忠誠心を分配することもできません。」





正しくあるより幸せであろうとするなら一元論に立ち位置を定めて臨むべき

ここ一連の節では、私たち個別の自己の間の隔たり、隙間がテーマとなっています。

この隙間があるかないかは、コースの世界観の基盤である非二元論、不二一元論に関わります。

隙間があるとすれば、二元論に立つことになり、ないとすれば一元論に立つことになります。

どちらが正解なのかは、この世界の中にいて、そこで考えているかぎりは答えは出せません。

コースの言うように、すべてはひとつに結ばれており、分離は錯覚なのかもしれないし、そうではないのかもしれません。

理屈を解明して真理を見極めようとするのは自由です。

でも、コースは、正しくあることよりも幸せになることを目指す実践的な教えであり、私たちが幸せになることに役立つことだけを目的にしています。

この点で、どちらが正しいのか議論や研究が尽くされて、正しい立場がはっきりするまで、それを採用するのを控える不可知論者でいることはコースの学習者のスタンスとしては望ましくない、つまり、学習効率を下げ、学習成果が上がらない、ということができます。

一元論、二元論、どちらか態度決定を済ませてから、学びを進めるほうがより効率的に学ぶことができるのは間違いありません。


アンラーンを進めるうえで一元論は効果的

そして、何度も述べているように、コースの学習は、この世界の学習とは逆の学習棄却、アンラーン(unlearning)、間違って学んだことを忘れて心を初期化する学習であり、真理、知識はこの初期化が完了したら、自ずと戻ってくるのであり、初期化したあとに改めて外から真理を取り込む必要はないという学習プログラムです。

そして、この世界が二元論に基盤を置いていて、私たちに二元論に基づく教育を施して、私たちがそれを骨の髄まで染み込ませて学習してきたことは明らかです。

そうであるなら、二元論に立って、疑いの目で精査してコースが正しいかどうか検証してやるというスタンスよりも、一元論に立って、信頼を込めた眼差しで、コースが正しいことを信じてコースの学習によって自分が現に幸せに向かっていると確信しながら歩むというスタンスで学ぶほうが、学習棄却、アンラーンを進めるうえで効率的だし、何より楽しく学べるはずです。

T14-2 喜んで学ぶ者が参考になると思います。



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テキスト 第二十八章 

VII. The Ark of Safety 
七 安全の方舟



1. God asks for nothing, and His Son, like Him, need ask for nothing.
 神は何も求めてはいません。そして、神と同じように、神の子も何も求める必要はありません。

 For there is no lack in him.
 というのも、神の子には何の欠乏もないからです。

 An empty space, a little gap would be a lack.
 空っぽの空間やわずかな隙間は、欠乏ということになります。

 And it is only there that he could want for something he has not.
 そして、神の子が自分の持っていない何かを欲することができるとすれば、それはこの欠乏という隙間においてのみです。

 A space where God is not, a gap between the Father and the Son is not the Will of Either, Who have promised to be One.
 父と子は、ひとつになることを約束しているのだから、神が存在しない空間があったり、父と子との間に隔たりがあったりすることが、両者の意志であるはずがありません。

 God's promise is a promise to Himself, and there is no one who could be untrue to what He wills as part of what He is.
 神の約束は神自身に対する約束であり、神の実在の一部でありながら、神の意図することに背ける者などひとりもいません。

 The promise that there is no gap between Himself and what He is cannot be false.
 神自身と神の実在との間には隙間はないという約束が偽りであるはずがありません。

 What will can come between what must be One, and in Whose Wholeness there can be no gap?
 ひとつであるに違いないものと、隙間などありえない完全な状態にある存在との間に、いかなる意志が入りこめるというのでしょうか。

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2. The beautiful relationship you have with all your brothers is a part of you because it is a part of God Himself.
 あなたが持っている自らの兄弟たち全員との素晴らしい関係性は、神自身の一部なので、あなたの一部でもあります。

 Are you not sick, if you deny yourself your wholeness and your health, the Source of help, the Call to healing and the Call to heal?
 もしあなたが、自分が完全であることや健やかであることを自分自身に拒絶して、助けの大いなる源や、癒しそして癒されるようにとの大いなる呼びかけを拒むなら、あなたは病んでいるというべきではないでしょうか。

 Your savior waits for healing, and the world waits with him.
 あなたの救い主は癒しを待っているし、この世界も彼と一緒に待っています。

 Nor are you apart from it.
 それに、あなたがこの癒しと無関係なはずがありません。

 For healing will be one or not at all, its oneness being where the healing is.
 というのは、癒しがひとつのものとして起こる点に癒しの本質があるので、癒しはひとつのものとして生じるか、まったく生じないかそのどちらかだからです。

 What could correct for separation but its opposite?
 分離の対極である単一性以外の何が分離を修正できるでしょうか。

 There is no middle ground in any aspect of salvation.
 救いのいかなる側面にも、いかなる中間地帯などありえません。

 You accept it wholly or accept it not.
 あなたは救いを完全に受け入れるか、それとも受け入れないか、二つに一つです。

 What is unseparated must be joined.
 分離していないものは、ひとつに結ばれているに違いありません。

 And what is joined cannot be separate.
 そして、ひとつに結びついているのに、それが分離しているわけがありません。



3. Either there is a gap between you and your brother, or you are as one.
 あなたと兄弟の間に隙間があるか、それとも、あなたたちはひとつなのか、そのどちらかです。

 There is no in between, no other choice, and no allegiance to be split between the two.
 その中間はないし、ほかの選択肢もないし、両方に忠誠心を分配することもできません。

 A split allegiance is but faithlessness to both, and merely sets you spinning round, to grasp uncertainly at any straw that seems to hold some promise of relief.
 分割した忠誠心など、ただ両方に対して不誠実になることでしかありません。分割した忠誠心は、単にあなたをきりきり舞いさせ、気休めになる見込みがありそうに思えるものなら何にでも、藁にもすがる思いでしがみつかせるだけです。

 Yet who can build his home upon a straw, and count on it as shelter from the wind?
 しかし、いったい誰が藁の上に自分の家を建てて、嵐から身を守ってくれる避難所としてその家を頼りにできるでしょうか。

 The body can be made a home like this, because it lacks foundation in the truth.
 身体はこんな家にしかなりえません。なぜなら、身体は真理の中に土台を持たないからです。

 And yet, because it does, it can be seen as not your home, but merely as an aid to help you reach the home where God abides.
 とはいえ、土台がないからこそ、身体はあなたの家ではなく、単にあなたが神の住むわが家に辿り着くのを助ける道具にすぎないとみなすことができるのです。

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4. With this as purpose is the body healed.
 身体の目的を神に到達するまでの道具と位置づけるなら、身体は癒されます。

 It is not used to witness to the dream of separation and disease.
 その場合、分離や病気の夢を証明するために身体が利用されることはなくなるからです。

 Nor is it idly blamed for what it did not do.
 また、身体は、自らがしてもいないことについて、いたずらに咎められることもなくなります。

 It serves to help the healing of God's Son, and for this purpose it cannot be sick.
 身体は神の子が癒されるのを助るために奉仕します。そして、この癒しという目的のゆえに、身体は病気になることができなくなります。

 It will not join a purpose not your own, and you have chosen that it not be sick.
 身体は、あなたが掲げない目的と結びつくことはなくなるので、あなたは身体を病ませない選択を済ませたことになります。

 All miracles are based upon this choice, and given you the instant it is made.
 すべての奇跡は、癒しを目的として身体を病ませないというあなたの選択に基づいています。そして、この選択がなされた瞬間にすべての奇跡があなたに与えられます。

 No forms of sickness are immune, because the choice cannot be made in terms of form.
 いかなる形の病気もこの選択の影響を免れません。なぜなら、この選択は形の観点でなされるものではありえないからです。

 The choice of sickness seems to be of form, yet it is one, as is its opposite.
 病気を選ぶことは、形を選ぶことのように見えはします。しかし、病気の反対の選択がひとつであるのと同様に病気の選択もひとつです。

 And you are sick or well, accordingly.
 したがって、その選択に応じて、あなたが病気になるか健康でいるかが決まります。



5. But never you alone.
 しかし、決してあなたは自分ひとりだけで病気になったり健康になったりするわけではありません。

 This world is but the dream that you can be alone, and think without affecting those apart from you.
 この世界は、あなたがひとりきりでいることができ、自分と分離した別の人たちに何の影響も及ぼさずに思考できるという夢でしかありません。

 To be alone must mean you are apart, and if you are, you cannot but be sick.
 ひとりきりでいることは、あなたたちがばらばらに離れているという意味に違いないし、もしあなたたちが分離しているなら、あなたたちは病気になるほかありません。

 This seems to prove that you must be apart.
 このことは、あなたたちが分離しているに違いないと証明するように思えます。

 Yet all it means is that you tried to keep a promise to be true to faithlessness.
 しかし、それが意味するのは次のことだけです。それは、あなたは、何も信頼しないことに忠誠を尽くすという約束を守ろうとしたということです。

 Yet faithlessness is sickness.
 しかし、何も信頼しないことは病気になることです。

 It is like the house set upon straw.
 それは藁の上に建てられた家のようなものです。

 It seems to be quite solid and substantial in itself.
 その家はとてもしっかりしていて、それ自体は頑丈そうに見えます。

 Yet its stability cannot be judged apart from its foundation.
 しかし、土台から切り離してその家の安定性を判断することはできません。

 If it rests on straw, there is no need to bar the door and lock the windows and make fast the bolts.
 もしその家が藁の上に建っているなら、扉に閂をかけたり窓に鍵をかけたり、しっかり差し錠を締めても無駄です。

 The wind will topple it, and rain will come and carry it into oblivion.
 そんな家は、強風によってぐらついて倒れてしまうし、大雨が降ればどこかわからないところまで押し流されてしまうでしょう。

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6. What is the sense in seeking to be safe in what was made for danger and for fear?
 危険や恐怖を招くように作られたものの中で安全を求めることに何の意味があるでしょう。

 Why burden it with further locks and chains and heavy anchors, when its weakness lies, not in itself, but in the frailty of the little gap of nothingness whereon it stands?
 その家の弱点が家それ自体にではなくて、その家が建っている土台である無でできたわずかな隙間の脆弱さにあるというのに、どうしてそんな家にさらに鍵をかけたり、鎖でつないだり、重い固定具をつけて荷を負わせようとするのでしょう。

 What can be safe that rests upon a shadow?
 影を基盤にしながら安全でいられるものがあるでしょうか。

 Would you build your home upon what will collapse beneath a feather's weight?
 あなたは自分の家を、一枚の羽根の重さにも耐えきれずに崩れ落ちてしまうようなものの上に建てたいのでしょうか。



7. Your home is built upon your brother's health, upon his happiness, his sinlessness, and everything his Father promised him.
 あなたの家は、あなたの兄弟の健康と幸福、彼の罪のなさ、そして、父が彼に約束したすべてのものの上に建っています。

 No secret promise you have made instead has shaken the Foundation of his home.
 あなたが神の約束の代わりに秘密裡に交わした約束は、どれひとつとして、彼の家の大いなる土台を揺るがせてはいません。

 The winds will blow upon it and the rain will beat against it, but with no effect.
 風が吹きつけようが、雨が打ちつけようが、その家はびくともしません。

 The world will wash away and yet this house will stand forever, for its strength lies not within itself alone.
 たとえこの世界が押し流されてしまったとしても、この建物だけは永遠に持ちこたえるでしょう。というのは、その建物の強さは建物それ自体のみに由来するわけではないからです。

 It is an ark of safety, resting on God's promise that His Son is safe forever in Himself.
 その家は安全の方舟であり、神の子は神自身の中にあって永遠に安全であるという、神の約束に基づいているのです。

 What gap can interpose itself between the safety of this shelter and its Source?
 この避難所の安全さとその安全の大いなる源である神との間に、いったいどんな隙間が割りこんで邪魔できるでしょうか。

 From here the body can be seen as what it is, and neither less nor more in worth than the extent to which it can be used to liberate God's Son unto his home.
 この方舟からなら、身体をありのままに見ることができます。身体の価値は、神の子を自由にしてわが家へと帰らせるために用いることができる点にのみあり、それ以上でも、それ以下でもありません。

 And with this holy purpose is it made a home of holiness a little while, because it shares your Father's Will with you.
 そして、この聖なる目的によって、身体はしばらくの間、聖なる存在の宿る家となります。なぜなら、身体は父の大いなる意志をあなたと共有することになるからです。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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