T27-6 罪の証人

2013年11月27日
テキスト第27章(夢を癒す) 0

感覚は欺かない。判断が欺くのだ。



Johann Wolfgang von Goethe
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ格言と反省





自己欺瞞ほど楽なものはない。都合の良い所だけ真実だと信じていられるのだから。



デモステネス





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今回は、テキストから、罪の証人についての一節をご紹介します。



T7-10 苦しいのが気持ちいいってどういうこと?が参考になると思います。






苦痛も快楽も、身体が実在し罪は本当にあると証言する証人です。

聖霊は、身体が実在しないと知っているので、罪の証人を奇跡によって置き換えます。



対概念である神の証人については、T29-3 神の証人をご覧ください。



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テキスト第二十七章 

VI. The Witnesses to Sin
六 罪の証人たち



1. Pain demonstrates the body must be real.
 苦痛は、身体が本当にあるに違いないと実証します。

 It is a loud, obscuring voice whose shrieks would silence what the Holy Spirit says, and keep His words from your awareness.
 騒々しくて意味の不明瞭な苦痛の声は、その悲鳴によって聖霊の言うことをかき消して、聖霊の言葉をあなたが意識できないようにします。

 Pain compels attention, drawing it away from Him and focusing upon itself.
 苦痛は強引に注意を引きつけて、注意を聖霊から逸らして苦痛そのものに意識を集中させます。

 Its purpose is the same as pleasure, for they both are means to make the body real.
 苦痛の目的は快楽の目的と同じです。というのは、苦痛も快楽も両方とも身体を本物とするための手段だからです。

 What shares a common purpose is the same.
 共通の目的を分かち合うものは、同じものになります。

 This is the law of purpose, which unites all those who share in it within itself.
 これこそ目的の法則です。目的は、目的を分かち合う者たちをすべて、目的自体のうちにひとつに結びつけるからです。

 Pleasure and pain are equally unreal, because their purpose cannot be achieved.
 快楽と苦痛は等しく想像上のものです。なぜなら、双方の目的は成就しえないものだからです。

 Thus are they means for nothing, for they have a goal without a meaning.
 したがって、快楽も苦痛も、ともに意味のない目標を持つがゆえに、無を得るための手段ということになります。

 And they share the lack of meaning which their purpose has.
 つまり、快楽と苦痛は、その目的に意味が欠如している点で共通しています。



2. Sin shifts from pain to pleasure, and again to pain.
 罪は、苦痛を快楽に変化させたり、再び苦痛に戻したりします。

 For either witness is the same, and carries but one message: "You are here, within this body, and you can be hurt.You can have pleasure, too, but only at the cost of pain."
 というのも、苦痛も快楽も同じものを証明しようと、ひとつのメッセージだけを携えているからです。そのメッセージとは「あなたはここに、この身体の中にいるので、あなたは傷つけられうる。あなたは快楽を得ることもできるが、その快楽は苦痛という代償を払ってはじめて得られるものだ。」というものです。

 These witnesses are joined by many more.
 さらに多くの証人たちが加わることによって、この証言が裏づけられます。

 Each one seems different because it has a different name, and so it seems to answer to a different sound.
 それぞれに違う名前を持っているので、一つひとつ違っているように思えるし、それゆえ、それぞれの証人たちは、違う問いかけに答えているようにも思えます。

 Except for this, the witnesses of sin are all alike.
 この点を除けば、罪の証人たちはどれもみな同じです。

 Call pleasure pain, and it will hurt.
 快楽を苦痛と呼ぶなら、快楽は苦痛となるでしょう。

 Call pain a pleasure, and the pain behind the pleasure will be felt no more.
 苦痛を快楽と呼ぶなら、快楽の裏にある苦痛はもはや感じられなくなります。

 Sin's witnesses but shift from name to name, as one steps forward and another back.
 罪の証人たちは、一方が前に踏み出して他方が後ろに退くたびに、その呼び名が変わるだけです。

 Yet which is foremost makes no difference.
 しかも、どれが最前列に立っているかによっては何の違いも生じません。

 Sin's witnesses hear but the call of death.
 罪の証人たちは、死への呼びかけだけを聞いているからです。

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3. This body, purposeless within itself, holds all your memories and all your hopes.
 この身体は、それ自体では何の目的も持ちませんが、あなたのすべての記憶やあらゆる希望を保持しています。

 You use its eyes to see, its ears to hear, and let it tell you what it is it feels.
 あなたは見るために身体の目を使い、聞くために身体の耳を用いて、身体に自らの感覚器官が感じ取ったものをあなたに告げさせます。

 It does not know.
 身体が知るということはありません。

 It tells you but the names you gave to it to use, when you call forth the witnesses to its reality.
 あなたが身体の実在性を証明する証人たちを呼び出すと、身体は、ただ自分があなたから使うようにと与えられたいくらかの名前をあなたに告げるだけです。

 You cannot choose among them which are real, for any one you choose is like the rest.
 あなたには、それらの名前の中のどれが本物なのかを選ぶことはできません。というのは、あなたがどれを選ぼうとも、それは残りのものと同じだからです。

 This name or that, but nothing more, you choose.
 あなたが選ぶのは、ただ、この名前かあの名前か、それだけです。

 You do not make a witness true because you called him by truth's name.
 あなたがある証人を真理の名で呼び出したからといって、その証人の証言が真実になるわけではありません。

 The truth is found in him if it is truth he represents.
 もしその証人が真理を述べているなら、彼の中に真理を見出すことができます。

 And otherwise he lies, if you should call him by the holy Name of God Himself.
 そして、その証人が真理を述べていないなら、たとえあなたが彼を神自身の聖なる名で呼んだとしても、彼は偽証しているのです。



4. God's Witness sees no witnesses against the body.
 神の大いなる証人である聖霊は、身体が実在することに反対する証人に目をかけるわけではありません。

 Neither does He harken to the witnesses by other names that speak in other ways for its reality.
 また、聖霊は、別の名前で身体の実在性を違ったふうに語られたからといって、その証人に耳を傾けるようになるわけでもありません。

 He knows it is not real.
 聖霊は、身体は実在しないと知っているのです。

 For nothing could contain what you believe it holds within.
 というのは、身体がその中に保持しているとあなたが信じているものを、実際に封じこめることができるものなど何もないからです。

 Nor could it tell a part of God Himself what it should feel and what its function is.
 身体には、神自身の一部であるものに対して、それが何を感じるべきだとか、何がそれの役割であるかを告げることはできません。

 Yet must He love whatever you hold dear.
 しかし、聖霊は、あなたが大切にするものであれば、それが何であっても愛しているに違いありません。

 And for each witness to the body's death He sends a witness to your life in Him Who knows no death.
 そして、身体の死を証明する個々の証人に対して、聖霊は、死を知らない神の中にこそあなたの生命があると証明するひとりの証人を送ってくれます。

 Each miracle He brings is witness that the body is not real.
 聖霊がもたらす一つひとつの奇跡は、身体は実在しないと証明します。

 Its pains and pleasures does He heal alike, for all sin's witnesses do His replace.
 身体の苦痛も快楽も、聖霊は同じように癒してくれます。というのも、すべての罪の証言は、聖霊の証言によって置き換えられるからです。

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5. The miracle makes no distinctions in the names by which sin's witnesses are called.
 奇跡は、罪の証人たちがどのように呼ばれようと、その名前によっては何の区別もしません。

 It merely proves that what they represent has no effects.
 奇跡は、単に罪の証人たちの名前が表すものには何の結果もないと証明するだけです。

 And this it proves because its own effects have come to take their place.
 そして、奇跡自体の結果が訪れて罪の証人たちに取って代わることで、奇跡はこのことを証明します。

 It matters not the name by which you called your suffering.
 あなたが自分の苦しみをどう名づけようが、そんなことは重要ではありません。

 It is no longer there.
 苦しみは、もはやそこにはないからです。

 The One Who brings the miracle perceives them all as one, and called by name of fear.
 奇跡をもたらす聖霊は、それらの多様な苦悩の名前のすべてをひとつのものと知覚して、それを恐れという名で呼びました。

 As fear is witness unto death, so is the miracle the witness unto life.
 恐れが死を証明するように、奇跡は生命を証明します。

 It is a witness no one can deny, for it is the effects of life it brings.
 奇跡は誰にも否定できない証人です。というのも、奇跡がもたらすのは、生命の結果だからです。

 The dying live, the dead arise, and pain has vanished.
 瀕死の者は息を吹き返し、死者はよみがえり、苦痛は消え去りました。

 Yet a miracle speaks not but for itself, but what it represents.
 しかし、奇跡は、奇跡それ自体ではなく、奇跡が象徴するものを代弁します。



6. Love, too, has symbols in a world of sin.
 愛もまた、罪の世界における象徴を持っています。

 The miracle forgives because it stands for what is past forgiveness and is true.
 奇跡が赦すのは、奇跡が赦しを超えた真実であるものを表しているからです。

 How foolish and insane it is to think a miracle is bound by laws that it came solely to undo!
 奇跡が、もっぱらそれを取り消すことだけを目的としてやってきたはずの法則に束縛されると考えるのは、なんと滑稽で狂った考えでしょうか。

 The laws of sin have different witnesses with different strengths.
 罪の法則は、さまざまな強みを持った多様な証人たちを従えています。

 And they attest to different sufferings.
 そして、そんな証人たちは、さまざまに違う苦しみは本物だと証言します。

 Yet to the One Who sends forth miracles to bless the world, a tiny stab of pain, a little worldly pleasure, and the throes of death itself are but a single sound; a call for healing, and a plaintive cry for help within a world of misery.
 しかし、この世界を祝福するために奇跡を送り出す聖霊にとっては、小さく刺すような痛みも、ささやかな世俗的快楽も、断末魔の苦しみも、ひとつの音として聞こえるだけです。それは、癒しを求める呼び声、悲惨な世界の中で助けを求める悲痛な叫びです。

 It is their sameness that the miracle attests.
 奇跡が証明するのは、それらの苦痛も快楽も、どれもみな同じものだということです。

 It is their sameness that it proves.
 奇跡が証明するのは、あらゆる快楽と苦痛は同じものだということです。

 The laws that call them different are dissolved, and shown as powerless.
 さまざまな快楽や苦痛をそれぞれに違うものと呼称する法則は解除され、無力になったことが示されます。

 The purpose of a miracle is to accomplish this.
 奇跡の目的は、これを成就することです。

 And God Himself has guaranteed the strength of miracles for what they witness to.
 そして、神自身が、奇跡が証明するものゆえに奇跡が持つ力を保証しています。

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7. Be you then witness to the miracle, and not the laws of sin.
 それゆえに、あなたには、罪の法則の証人ではなく、奇跡の証人になってもらいたいのです。

 There is no need to suffer any more.
 もうこれ以上、苦しむ必要はありません。

 But there is need that you be healed, because the suffering and sorrow of the world have made it deaf to its salvation and deliverance.
 とはいえ、あなたは癒される必要があります。なぜなら、この世界の苦悩や悲嘆が世界の耳を閉ざして、世界が救われて解放されていることがわからないようにさせているからです。



8. The resurrection of the world awaits your healing and your happiness, that you may demonstrate the healing of the world.
 世界の復活は、世界が癒されていることをあなたが実証できるよう、あなたが癒されて幸せになることにかかっています。

 The holy instant will replace all sin if you but carry its effects with you.
 もしあなたが、ただ神聖な瞬間が及ぼす結果を携えて運ぶようにするなら、神聖な瞬間がすべての罪に取って代わるでしょう。

 And no one will elect to suffer more.
 そうなれば、もはや誰ひとり、苦しみを選ぼうとはしなくなるでしょう。

 What better function could you serve than this?
 あなたが果たすうえで、これに優る役目があるでしょうか。

 Be healed that you may heal, and suffer not the laws of sin to be applied to you.
 癒されなさい。そうすれば、あなたは癒せるようになるし、自分に罪の法則を適用させて苦しむことはなくなるでしょう。

 And truth will be revealed to you who chose to let love's symbols take the place of sin.
 そして、愛の象徴が罪に置き換わることを選んだあなたに真理が明かされるでしょう。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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