レッスン183「私は、神の名と自分自身の名を呼ぶ」

2013年12月14日
レッスン181〜190 0

私に言わせれば、ほとんどすべての芸術や文学の仕事は、それまで名前をもっていなかった事柄に、名前をつける事なんですよ。名前をつけられれば、人間はその事柄と関係をもてるようになるわけですからね。

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ミヒャエル・エンデ




レッスン183です。

今日のテーマは「私は、神の名と自分自身の名を呼ぶ」です。





神の名

冒頭で神の名を呼ぶことは、自分自身の名を呼ぶことにほかならないということが語られます。


「神の名」を呼ぶようにと言いますが、ヤハウェやイエス、ゼウスであるとかミトラであるとかアマテラスであるとか、神の名前を特定して呼ぶわけではありません。

次のレッスン184では
「12. God has no name.
 神はいかなる名も持ちません。」
と述べられます。

もっとも、個人的に信じる神がいるなら、その神の名前を用いてもよいでしょう。また、神や主といった称号で呼んでもよいでしょう。


名前の機能

いずれにせよ、象徴である言葉としての名前の意義、心の作用において名前が果たす役目は、それが指し示す対象であるイメージを心に呼び起こす点にあるのですから、コースで述べるような唯一不二の創造主である至高の愛の神を想い、その神と自らの同一性を認識する手立てとして神の名を呼ぶのだということを意識しさえすれば、こだわる必要はないでしょう。

同じ名前を冠する神と自分を呼ぶということは、自分とは別の存在である人類を司牧する神であるとか超越的存在としての神という偶像を捨て去り、自分たちの外に神がいるのではなく、自分たち自身が神の拡張としての神の子であり、ひいては神そのものに等しいのだという自覚を取り戻すことです。



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Lesson 183

I call upon God's Name and on my own.
私は、神の名と自分自身の名を呼ぶ。



1. God's Name is holy, but no holier than yours.
 神の名は神聖なものであっても、あなたの名よりも神聖なわけではありません

 To call upon His Name is but to call upon your own.
 というのも、神の名を呼ぶことは、あなた自身の名を呼ぶことにほかならないからです。

 A father gives his son his name, and thus identifies the son with him.
 父は子に自らの名を嗣がせ、そうすることで、子が自らと同一のものであることを明らかにします。

 His brothers share his name, and thus are they united in a bond to which they turn for their identity.
 子の兄弟たちも彼の名前を共有し、そうして、兄弟たちは、自分たちのアイデンティティーの拠り所となる絆でひとつに結ばれます。

 Your Father's Name reminds you who you are, even within a world that does not know; even though you have not remembered it.
 たとえあなたが本当は誰なのか知らない世界の中にあっても、たとえあなたがまだ自分が何者か思い出していなくても、あなたの父の大いなる名があなたに自分が誰なのか思い出させてくれます。



2. God's Name can not be heard without response, nor said without an echo in the mind that calls you to remember.
 神の名を聞けば、必ず何らかの反応が起こるし、神の名を口にすれば、必ず心の中で、あなたに神を思い出すようにとの呼び声がこだまします。

 Say His Name, and you invite the angels to surround the ground on which you stand, and sing to you as they spread out their wings to keep you safe, and shelter you from every worldly thought that would intrude upon your holiness.
 神の名を言えば、あなたは自分の立つ大地を取り囲むようにと天使たちを招待することになります。天使たちは、あなたを安全に守るために翼を広げながら、あなたに歌いかけて、あなたの神聖さを侵害しようとするこの世界の思いのすべてからあなたを保護してくれます。



3. Repeat God's Name, and all the world responds by laying down illusions.
 神の名を繰り返してください。そうすれば、それに呼応して全世界が幻想を放棄します。

 Every dream the world holds dear has suddenly gone by, and where it seemed to stand you find a star; a miracle of grace.
 この世界が大切にしている夢のすべてが突然去ってしまい、それらの夢があったように見えた場所に、あなたはひとつの星を見つけます。それは恵みの奇跡です。

 The sick arise, healed of their sickly thoughts.
 病んだ者たちは、彼らの病んだ思考を癒されて、臥せるのをやめます。

 The blind can see; the deaf can hear.
 目の見えない者は見えるようになり、耳の聞こえない者は聞こえるようになります。

 The sorrowful cast off their mourning, and the tears of pain are dried as happy laughter comes to bless the world.
 悲嘆に暮れる者は喪に服すのをやめ、幸せな笑い声が訪れて世界を祝福するので、苦痛の涙は乾きます。



4. Repeat the Name of God, and little names have lost their meaning.
 神の名を繰り返してください。そうすれば、取るに足らない名前の数々はその意味を失ってしまいます。

 No temptation but becomes a nameless and unwanted thing before God's Name.
 神の大いなる名を前にすれば、いかなる誘惑も、ただ名もなき余計なものになり果てます。

 Repeat His Name, and see how easily you will forget the names of all the gods you valued.
 神の名を繰り返してください。そして、自ら価値を置いていたすべての神々の名前を自分がどんなに簡単に忘れてしまうか、そのさまを見てください。

 They have lost the name of god you gave them.
 それらは、あなたが与えていた神という名前を失ったのです。

 They become anonymous and valueless to you, although before you let the Name of God replace their little names, you stood before them worshipfully, naming them as gods.
 以前には、あなたはそれらの取るに足らない名前の代わりに神の大いなる名を与え、それらを神と名づけて、あなたは恭しくそれらの偶像の前に佇んでいましたが、それらは、あなたにとって名もない無価値なものとなったのです。



5. Repeat the Name of God, and call upon your Self, Whose Name is His.
 神の名を繰り返すことで、あなたの大いなる自己を呼び起こしてください。あなたの大いなる自己の名は神の名だからです。

 Repeat His Name, and all the tiny, nameless things on earth slip into right perspective.
 神の名を繰り返してください。そうすれば、地上の取るに足らない名もなきものすべてを難なく正しく見られるようになります。

 Those who call upon the Name of God can not mistake the nameless for the Name, nor sin for grace, nor bodies for the holy Son of God.
 神の名を呼ぶ者たちは、名もなきものを神の名と、罪を恵みと、身体を聖なる神の子と間違えることなどできません。

 And should you join a brother as you sit with him in silence, and repeat God's Name along with him within your quiet mind, you have established there an altar which reaches to God Himself and to His Son.
 そして、あなたが静寂の中で兄弟とともに座り、あなたの静かな心の中で、彼とともに神の名を繰り返して彼とひとつに結ばれるなら、あなたは自分の心の中に神自身と神の子に到達する祭壇を建てたことになります。



6. Practice but this today; repeat God's Name slowly again and still again.
 今日は、ただ次のことだけを実践してください。それは、ゆっくりと神の名を何度も何度も繰り返すことです。

 Become oblivious to every name but His.
 神の名以外はどんな名前もすべて忘れてしまいなさい。

 Hear nothing else.
 神の名以外には何も聞かないでください。

 Let all your thoughts become anchored on this.
 あなたの抱く思いすべてを神の名に固く結びつけてください。

 No other word we use except at the beginning, when we say today's idea but once.
 実習を始める際に、今日の考えを一度だけ言ったら、それ以外には言葉を使わないようにします。

 And then God's Name becomes our only thought, our only word, the only thing that occupies our minds, the only wish we have, the only sound with any meaning, and the only Name of everything that we desire to see; of everything that we would call our own.
 そうすれば、神の名が私たちの抱く唯一の思い、唯一の言葉、私たちの心を占める唯一のものとなり、私たちの持つ唯一の願い、意味を持つ唯一の音、そして、私たちが見たいと切望し、自分のものと呼びたいと思うすべてのものの唯一の名となります。



7. Thus do we give an invitation which can never be refused.
 こうして、私たちは決して拒まれることのありえない招待状を差し出すことになります。

 And God will come, and answer it Himself.
 そうすれば、神が訪れて、神自身がその招待に答えてくれるでしょう。

 Think not He hears the little prayers of those who call on Him with names of idols cherished by the world.
 この世界が大切にする偶像の名で神に呼びかける者たちの取るに足らない祈りを、神が聞き入れるなどと思わないことです。

 They cannot reach Him thus.
 偶像の名で神に呼びかけることで、彼らの祈りが神に届くことはありえません。

 He cannot hear requests that He be not Himself, or that His Son receive another name than His.
 神が神自身でなくなるようにという頼みや、神の子が神の名以外の名前を受け取ることができるようにという頼みなど、神には聞き入れようがないからです。



8. Repeat God's Name, and you acknowledge Him as sole Creator of reality.
 神の名を繰り返してください。そうすれば、あなたは神のことを現実の唯一の創造主だと承認することになります。

 And you acknowledge also that His Son is part of Him, creating in His Name.
 そして、あなたはまた、神の子とは、神の名において創造し続ける神の一部のことだと承認することになります。

 Sit silently, and let His Name become the all-encompassing idea that holds your mind completely.
 静かに座して、神の名という想念だけがあなたの心を完全に包みこむようにさせてください。

 Let all thoughts be still except this one.
 この神の名以外のあらゆる思いを静めてください。

 And to all other thoughts respond with this, and see God's Name replace the thousand little names you gave your thoughts, not realizing that there is one Name for all there is, and all that there will be.
 そして、すべてのほかの思いに対しては、この神の名でもって答えるようにしてください。そうして、存在するすべて、これから存在することになるすべてのものに唯一の名前が存在するとは気づかずにあなたが自分の思いに与えていた無数の名前に、神の名が取って代わってゆくのを見てください。



9. Today you can achieve a state in which you will experience the gift of grace.
 今日、あなたは、神の恵みを体験する境地に到達できます。

 You can escape all bondage of the world, and give the world the same release you found.
 あなたは、この世界のあらゆる束縛から逃れて、自らが見出したその同じ解放をこの世界に与えることができます。

 You can remember what the world forgot, and offer it your own remembering.
 あなたは、この世界が忘れてしまっていたものを思い出し、自分が思い出したものをこの世界に差し延べることができます。

 You can accept today the part you play in its salvation, and your own as well.
 あなたは今日、自分自身の救済だけでなく世界の救済のために自分が担う役目を受け入れることができます。

 And both can be accomplished perfectly.
 そして、あなたの救済と世界の救済の両方を完璧に達成することができます。



10. Turn to the Name of God for your release, and it is given you.
 自分の解放のために神の名に頼ってください。そうすれば、解放はあなたに与えられます。

 No prayer but this is necessary, for it holds them all within it.
 自らの解放を神の名に求めること以外にいかなる祈りも必要ありません。というのも、神の名にはすべてが含まれているからです。

 Words are insignificant, and all requests unneeded when God's Son calls on his Father's Name.
 神の子が父の名を呼ぶとき、言葉は重要ではないし、少しでも何かを頼む必要はありません。

 His Father's Thoughts become his own.
 彼の父の大いなる思いが子自身の思いとなるからです。

 He makes his claim to all his Father gave, is giving still, and will forever give.
 神の子は、自分の父が与えてくれたもの、今なお与えてくれるもの、これから永遠に与えてくれるもののすべてを自らのものとして求めるのです。

 He calls on Him to let all things he thought he made be nameless now, and in their place the holy Name of God becomes his judgment of their worthlessness.
 神の子は、神に、自分が作り出したと思っていたすべてのものを今、名もなきものとして、それらの代わりに神聖な神の名が置き換わって、それらが無価値であると自分が判断できるようにと神に頼みます。



11. All little things are silent.
 すべての取るに足らないものは静まります。

 Little sounds are soundless now.
 取るに足らない物音はいまや無音となります。

 The little things of earth have disappeared.
 地上の取るに足らない物事は、消え去りました。

 The universe consists of nothing but the Son of God, who calls upon his Father.
 宇宙は、神の子だけで成り立っており、神の子は自らの父に呼びかけます。

 And his Father's Voice gives answer in his Father's holy Name.
 これに対して彼の父の大いなる声が、父の神聖な名において答えてくれます。

 In this eternal, still relationship, in which communication far transcends all words, and yet exceeds in depth and height whatever words could possibly convey, is peace eternal.
 この永遠の静かな関係の中では、コミュニケーションは言葉をはるかに超越し、なお、言葉によって伝えることができるいかなる深みと高みをも越えており、そこには永遠の平安があります。

 In our Father's Name, we would experience this peace today.
 私たちの父の大いなる名において、私たちは今日、この平安を体験します。

 And in His Name, it shall be given us.
 そして、神の名において、この平安は私たちに与えられるのです。


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それでは、ブリトニーさんのレッスンです。





次

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 松山 健 Matsuyama Ken
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