レッスン191「私は、神自身の聖なる子だ」
O Lord that lends me life, lend me a heart replete with thankfulness.
おお、私に生命を授けてくれた神よ、私の心が感謝の念で満たされますように。

William Shakespeare
ウィリアム・シェイクスピア
Was Jesus the son of God?
イエスは神の子だったのでしょうか。
Yes.
もちろん、そうです。
But so are you.
しかし、あなたもイエスと同じく神の子なのです。
You just haven't realized it yet.
あなたはただ、まだそれに気づいていないだけです。

Eckhart Tolle
エックハルト・トール

レッスン191です。
「私は、神自身の聖なる子だ」が今日のレッスンです。
究極のごっこ遊び
「4. Yet what is it except a game you play in which Identity can be denied?
しかし、こんなことは、あなたが本当の自分ではなくなることができるふりをして遊んでいるだけではないでしょうか。
You are as God created you.
あなたは、神が創造したあなたのままだからです。
All else but this one thing is folly to believe.
自分が神に創造されたままの自分だという、このひとつのこと以外を信じるなど、馬鹿げています。」

9.「There is nothing that you cannot do.
あなたにできないことは何ひとつありません。
You play the game of death, of being helpless, pitifully tied to dissolution in a world which shows no mercy to you.
自分に対して何の情けも示してくれない世界の中で、哀れにも死にゆく定めにある無力な生き物になるという死のゲームにあなたは興じているのです。」
成り下がりの罠
私たちは神に創造されたままの神の子であるのに、それを否認して死を免れない儚い命を持つちっぽけな生き物になったふりをする死のゲームをしているだけだということです。
これが実感できないのは、成りすましの内容が、知識があり能力のある状態から、知識を失い能力のない状態へと成り下がるものだからです。
本来の全知全能の神の子の状態から、人間という知性面でも情緒面でも悟性面でも極めて大きく知能の制限された無知無能状態へと減縮するわけです。
それも当人自身は自分は有能だと勘違いする程度の絶妙な無能具合です。
普通に生きているかぎり自分が人間ではない可能性を疑うことすらできない
さすがに魚になった場合に比べれば、ある程度の思考の力は維持できますが、人間というのは、自分ではものがわかったつもりになっていられる程度のきわめて中途半端な知能しか持てない生物なので、まさか自分が人間ではないかもしれないなどということは、可能性として思い浮かべることすらままなりません。
かといって、私たちは、アバターである個人の知能をアップグレードして思考力を増したところで、自分が神の子であると思い出すことはできません。
そのうちスマートドラッグやサイバネティックスの進化による人体のサイボーグ化または物理的身体を離れた電脳化によって、個人の思考力は増大してはゆくでしょう。
マトリックスでトリニティーがヘリコプターの操縦技術のスキルをダウンロードして能力を瞬時に身につけたように、現時点でも、人工筋肉等を用いたパワードスーツで業務をする際の熟練者の動作の手順を「スキル」として記録して、未経験者もインストールしたスキルを使って熟練者と同じ作業をこなせるようにできるようになっています。
アバターをどんなにスペック・アップしたところで神の子にはならない
とはいえ、そもそもアップグレードしようとしているアバター、エゴ・身体そのものが自分が神の子であることを思い出すことを不可能にするために設計し作り出された牢獄なわけであり、エゴ・身体が神の子であると思い出す主体なわけではないし、エゴ・身体が進化して神の子に変身するわけでもありません。
見すぼらしい牢獄が牢獄とは思えないほど豪華で使い勝手の良い宮殿の姿に変わったところで、囚人を幽閉する力は、看守の厳しい監視から牢獄自体の吸引力に変わっただけで、むしろ自分から望んで幽閉されていようという度合いが増すくらいのもので、囚人が幽閉されていることは変わらないままだからです。
見すぼらしい牢獄だったころは、隣の独房とは薄板で仕切られていただけだったのが、宮殿同士となると隣の宮殿に本当に人がいるのかすらわからないようになり、閉じこもりの度が強まりすらします。
知能を高めても救われない
私たちは知能を高めることで救われるわけでも他者を救えるようになるわけでもありません。
愛と正義では、愛が主人で正義は従者として位置づけるべきということでした。
9.「Yet when you accord it mercy, will its mercy shine on you.
しかし、あなたが世界に慈悲を与えるなら、世界が慈悲であなたを照らしてくれるでしょう。」
愛と慈悲を介してなら、思い出すことができます。愛と慈悲で兄弟とつながることは、冷たい氷でできた牢獄の壁を溶かして崩すことだからです。
偽りの自己であるエゴ・身体というアバターである私たちが主体として本当の自分を「思い出す」という表現は、正確ではありません。
夢を見て夢の主人公になりきっていた状態から夢から覚めて、自分は夢の主人公ではなかったと気づくわけなのですから、実在しない架空の登場人物であるアバターである私たち人の子は本当の自分を思い出す主体ではなく、実際のところ、「思い出す」のは実在する神の子のほうだからです。
私たちは、神の子が本当の自分を思い出す際に脱ぎ捨てられ、消え去る側です。私たちが自分を忘れることで神の子は自分を思い出すのです。

Lesson 191
I am the holy Son of God Himself.
私は、神自身の聖なる子だ。
1. Here is your declaration of release from bondage of the world.
これこそ、この世界の束縛からのあなたの解放宣言です。
And here as well is all the world released.
そして、これは同じく、全世界の解放宣言でもあります。
You do not see what you have done by giving to the world the role of jailer to the Son of God.
あなたは、この世界に神の子を幽閉する獄吏の役割を与えることによって、自分が何をしてきたのかわかっていません。
What could it be but vicious and afraid, fearful of shadows, punitive and wild, lacking all reason, blind, insane with hate?
この世界が、悪意に満ちて恐ろしく、恐怖の影に満ち、懲罰的で野蛮で、理性のかけらも無く、憎悪に狂った盲目的な場所以外の何でありうるでしょうか。
2. What have you done that this should be your world?
こんな場所があなたの世界に違いないというのなら、いったいあなたは何をしでかしたというのでしょう。
What have you done that this is what you see?
こんな場所があなたに見えているというのなら、いったいあなたは何をしでかしたというのでしょうか。
Deny your own Identity, and this is what remains.
あなた自身の真のアイデンティティーを否認するなら、残るものといえばこんなものでしかありません。
You look on chaos and proclaim it is yourself.
あなたは混沌を見て、それが自分自身だと宣言するのです。
There is no sight that fails to witness this to you.
あらゆる光景が、あなたにこのことを証明します。
There is no sound that does not speak of frailty within you and without; no breath you draw that does not seem to bring you nearer death; no hope you hold but will dissolve in tears.
あなたに聞こえるすべての物音は、あなたの内側の脆さと外側の儚さを語り、息をするたびにあなたは死に近づくように思えるし、どんな希望も涙の中に消え失せてしまいます。
3. Deny your own Identity, and you will not escape the madness which induced this weird, unnatural and ghostly thought that mocks creation and that laughs at God.
あなたが真の自分を否認するなら、あなたは創造を模倣して神をあざ笑うこの奇妙で不自然な亡霊のような思いを引き起こした狂気から逃げられなくなります。
Deny your own Identity, and you assail the universe alone, without a friend, a tiny particle of dust against the legions of your enemies.
あなたが真の自分を否認するなら、ちっぽけな塵のひとかけらが自らの敵の大軍に立ち向かうように、あなたは全宇宙を相手に孤軍奮闘することになります。
Deny your own Identity, and look on evil, sin and death, and watch despair snatch from your fingers every scrap of hope, leaving you nothing but the wish to die.
あなたが真の自分を否認するなら、あなたは不幸と罪と死を目にして、絶望があなたの許に死にたいという願望だけを残して、あなたの指先から希望のかけらをことごとく奪い去ってゆくのを見守ることしかできません。
4. Yet what is it except a game you play in which Identity can be denied?
しかし、こんなことは、あなたが本当の自分ではなくなることができるふりをして遊んでいるだけではないでしょうか。
You are as God created you.
あなたは、神が創造したあなたのままだからです。
All else but this one thing is folly to believe.
自分が神に創造されたままの自分だという、このひとつのこと以外を信じるなど、馬鹿げています。
In this one thought is everyone set free.
このひとつの思いを抱くことで、すべての者が自由になります。
In this one truth are all illusions gone.
このひとつの真理の中で、すべての幻想が去ります。
In this one fact is sinlessness proclaimed to be forever part of everything, the central core of its existence and its guarantee of immortality.
このひとつの事実の中で、罪のなさが、永遠にすべてであるものの一部であり、すべての存在の中核であり、すべてのものが不死であることを保証していることが宣言されます。
5. But let today's idea find a place among your thoughts and you have risen far above the world, and all the worldly thoughts that hold it prisoner.
ただ今日の考えに、あなたの思考の中での居場所を見つけさせさえすれば、あなたはこの世界とこの世界を幽閉したままに保つすべての世俗的な思いをはるかに超えて飛翔したことになります。
And from this place of safety and escape you will return and set it free.
そして、この安全な避難場所から、あなたは舞い戻ってきて世界を解放するでしょう。
For he who can accept his true Identity is truly saved.
というのも、真の自分を受け入れることができる者は、真に救われるからです。
And his salvation is the gift he gives to everyone, in gratitude to Him Who pointed out the way to happiness that changed his whole perspective of the world.
そして、彼が救われることは、彼のこの世界についての見方を全面的に変えて幸福への道を指し示してくれた聖霊に対する感謝の念から、彼がすべての者たちに与える贈り物となります。
6. One holy thought like this and you are free:
次のひとつの聖なる思いがあれば、あなたは自由になります。
You are the holy Son of God Himself.
それは、あなたこそが神自身の聖なる子だということです。
And with this holy thought you learn as well that you have freed the world.
そして、この聖なる思いとともに、あなたはまた、自分がこの世界を解放したことも学びます。
You have no need to use it cruelly, and then perceive this savage need in it.
あなたはこの世界を無慈悲に遇することで、この残酷さが世界に必要だと知覚する必要はありません。
You set it free of your imprisonment.
あなたは、自分が閉じ込めていた幽閉状態から世界を解放するのです。
You will not see a devastating image of yourself walking the world in terror, with the world twisting in agony because your fears have laid the mark of death upon its heart.
あなたは、あなたの恐れがこの世界の急所に死の印を刻んだがために、世界とともに苦悶に身を捩らせて、あなたが身をやつしたつもりでいる人の姿が怯えながら世界を歩むさまを見ることはなくなるでしょう。
7. Be glad today how very easily is hell undone.
今日は、本当に簡単に地獄が消滅することを喜びなさい。
You need but tell yourself:
あなたはただ自分に次のように言えばよいのです。
I am the holy Son of God Himself.
私は、神自身の聖なる子だ。
I cannot suffer, cannot be in pain; I cannot suffer loss, nor fail to do all that salvation asks.
私は苦悩することができないし、苦痛を味わうこともできない。私は何も失うことはできないし、救済の求めるどんなこともやり損ねることはない。
And in that thought is everything you look on wholly changed.
そして、その思いの中で、あなたの見るすべてのものが完全に変わります。
8. A miracle has lighted up all dark and ancient caverns, where the rites of death echoed since time began.
ひとつの奇跡が、時が始まって以来、死の儀式が繰り返されてきた暗い太古のすべての洞窟を照らし出しました。
For time has lost its hold upon the world.
というのも、時間がこの世界に対する支配力を失ったからです。
The Son of God has come in glory to redeem the lost, to save the helpless, and to give the world the gift of his forgiveness.
神の子が栄光の中に訪れて、道に迷った者を救い、途方に暮れた者を助け、そして、この世界に自らの赦しという贈り物を与えてくれます。
Who could see the world as dark and sinful, when God's Son has come again at last to set it free?
神の子が世界を解放するためについに再来したというのに、いったい誰がこの世界を暗くて罪深いものとして見ていられるでしょうか。
9. You who perceive yourself as weak and frail, with futile hopes and devastated dreams, born but to die, to weep and suffer pain, hear this:
あなたは自分自身のことを、空しい希望や荒廃した夢を抱き、涙を流しては苦痛に喘ぎ、ただ死ぬためだけに生まれた弱くて脆い存在だと知覚しています。そんなあなたに次の言葉を聞いてほしいのです。
All power is given unto you in earth and Heaven.
あなたは天と地におけるあらゆる力を授かっています。
There is nothing that you cannot do.
あなたにできないことは何ひとつありません。
You play the game of death, of being helpless, pitifully tied to dissolution in a world which shows no mercy to you.
自分に対して何の情けも示してくれない世界の中で、哀れにも死にゆく定めにある無力な生き物になるという死のゲームにあなたは興じているのです。
Yet when you accord it mercy, will its mercy shine on you.
しかし、あなたが世界に慈悲を与えるなら、世界が慈悲であなたを照らしてくれるでしょう。
10. Then let the Son of God awaken from his sleep, and opening his holy eyes, return again to bless the world he made.
だから、神の子を眠りから目覚めさせ、彼の聖なる目を開かせて、彼が自分の作り出した世界を祝福するために再び戻ってこられるようにしてください。
In error it began, but it will end in the reflection of his holiness.
この世界は誤りの中で始まりましたが、神の子の神聖さの反映の中で世界は終わりを迎えます。
And he will sleep no more and dream of death.
そして、神の子はもうこれ以上、眠って死の夢を見ることはないでしょう。
Then join with me today.
だから、今日こそ、私とひとつに結ばれなさい。
Your glory is the light that saves the world.
あなたの栄光こそが、この世界を救う光です。
Do not withhold salvation longer.
これ以上、救済を与えずにいてはなりません。
Look about the world, and see the suffering there.
この世界を見渡して、そこで苦しむ者たちを見てください。
Is not your heart willing to bring your weary brothers rest?
あなたの心は、疲れ果てた自分の兄弟たちに安息を届けたがっているのではないでしょうか。
11. They must await your own release.
あなたの兄弟たちは、あなた自身が解放されるまで待たなければなりません。
They stay in chains till you are free.
あなたが自由になるまでは、あなたの兄弟たちは鎖につながれたままです。
They cannot see the mercy of the world until you find it in yourself.
あなたが自分の中に慈悲を見出さないかぎり、あなたの兄弟たちはこの世界の慈悲を見ることができません。
They suffer pain until you have denied its hold on you.
苦痛が自分を支配することをあなたが拒むまでは、あなたの兄弟たちは苦痛に喘ぐことになります。
They die till you accept your own eternal life.
自分は永遠の生命を持っているとあなたが受け入れるまでは、あなたの兄弟たちは死ぬことになります。
You are the holy Son of God Himself.
あなたは神自身の聖なる子なのです。
Remember this, and all the world is free.
このことを思い出してください。そうすれば、全世界が自由になります。
Remember this, and earth and Heaven are one.
このことを思い出してください。そうすれば、天と地はひとつになります。

それでは、ブリトニーさんのレッスンです。
