レッスン197「私には自分からの感謝を得ることしかできない」
Appreciation is a wonderful thing. It makes what is excellent in others belong to us as well.
感謝とはすばらしいものだ。感謝は他者が持つ美点をその人だけでなく私たちにも与えてくれるのだから。

Voltaire (François-Marie Arouet)
ヴォルテール

レッスン197です。
「私には自分からの感謝を得ることしかできない」が今日のテーマです。
自分を磔にするのも祝福するのも自分次第
「It can be but my gratitude I earn.
私には自分からの感謝を得ることしかできない。」
昨日のレッスン196
「It can be but myself I crucify.
私には自分自身を磔にすることしかできない。」
の裏返しの表現です。

無条件で与えることの困難さ
冒頭で、私たちは、惜しみない賛辞を受けながら自分からの贈り物が受け入れてもらえるのでなければ、優しさと許しを与えるのをやめてしまうということが述べられます。
その通り、私たちは、せっかく自分が贈り物をあげたのに、期待していたほど相手に感謝してもらえないと不満だし、こんなのいらないとか別のが良かったなどと言われた日には、二度とあげるもんか!と怒りを覚えすらします。
どうしても条件つきでしか贈り物ができないわけです。
自分の尺度で神を引きずり下ろして発想してしまう
このように考えているので、神からの贈り物についても、自分と同じように考えてしまいます。
だから、神からの贈り物も、神が自分に期待することに報いられるかどうかにかかっており、せいぜい貸し付けられたものでしかないし、悪くすれば、神がいざ攻撃しようとする際に私たちを取り逃がして殺し損ねないように、私たちを油断させて防衛させずにおくための甘い罠だと考えることになります。
困ったときは「はたらく細胞」!
しかし、はたらく細胞的に、人体内の細胞に置き換えてみれば、赤血球が酸素を贈り物として体の一部に渡せば、渡されたほうの体の臓器が感謝しようがしまいが、それだけで全体としてのその人は健やかになる贈り物を受け取ったのであり、全体としてのその人は赤血球の働きに感謝します。
赤血球たちが自分たちはふさわしい感謝を受けていないと言ってストライキして贈り物を届けるのをやめたなら、赤血球たちを含めた人体全体が危機にさらされることになります。
赤血球自身、人体の一部なのですから、自分が運ぶ贈り物が届け先で受け取ってもらえることが、自分を含めた全体を生かすことになると理解するなら、赤血球は自分が感謝されることではなく、贈り物が届け先に受け取ってもらえて、贈り物を届けるという自分の役目を果たさせてもらえること自体に喜びを感じ、自ら感謝を捧げることでしょう。

Lesson 197
It can be but my gratitude I earn.
私には自分からの感謝を得ることしかできない。
1. Here is the second step we take to free your mind from the belief in outside force pitted against your own.
今日の考えは、あなた自身の力と対抗する外部の力が存在するという信念からあなたの心を解放するために、私たちが踏み出すことになる第二のステップです。
You make attempts at kindness and forgiveness.
あなたは優しくして許そうと心がけはします。
Yet you turn them to attack again, unless you find external gratitude and lavish thanks.
しかし、あなたは、自分が外部から感謝され、惜しみない賛辞を受けるのでなければ、優しさと許しを元通り攻撃に変えてしまいます。
Your gifts must be received with honor, lest they be withdrawn.
あなたはきっと、自分の贈り物が敬意をこめて恭しく受け取ってもらえるのでなければ、それを与えるのをやめてしまうはずです。
And so you think God's gifts are loans at best; at worst, deceptions which would cheat you of defenses, to ensure that when He strikes He will not fail to kill.
これと同じように考えて、あなたは神の贈り物は、よく言ってせいぜい貸し付けられたものでしかなく、悪く言えば、神が攻撃するときに神が殺し損ねることのないように、あなたを油断させて無防備にさせておくための甘い罠だと思っているのです。
2. How easily are God and guilt confused by those who know not what their thoughts can do.
自分たちの思考に何ができるのか知らない者たちは、なんと容易に神と罪悪感を混同してしまうことでしょうか。
Deny your strength, and weakness must become salvation to you.
自分の強さを否認するなら、あなたにとって自分の弱さが救済とならざるをえません。
See yourself as bound, and bars become your home.
自分自身が束縛されているとみなすなら、牢獄があなたの家となります。
Nor will you leave the prison house, or claim your strength, until guilt and salvation are not seen as one, and freedom and salvation are perceived as joined, with strength beside them, to be sought and claimed, and found and fully recognized.
しかも、罪悪感と救済を同一視するのをやめるまで、すなわち、自由と救済が傍らに強さを伴ってひとつに結ばれたものとして探求して獲得し、発見して完全に認識すべきものだと知覚するまでは、あなたはその獄舎を去ることも、自分の本来の強さを自覚することもないでしょう。
3. The world must thank you when you offer it release from your illusions.
あなたが妄想する幻影で束縛することから世界を解放するとき、世界はあなたに感謝するに違いありません。
Yet your thanks belong to you as well, for its release can only mirror yours.
しかし、世界と同じようにあなたも自分自身に感謝することになります。というのも、世界の解放は、あなたの解放を忠実に映し出す反映にほかならないからです。
Your gratitude is all your gifts require, that they be a lasting offering of a thankful heart, released from hell forever.
自分が地獄から永遠に解放されたことについてありがたく思う気持ちに溢れる心を永遠に伝える印としてあなたが捧げるべき贈り物は、あなたが抱く感謝の念だけです。
Is it this you would undo by taking back your gifts, because they were not honored?
自分からの贈り物が尊重してもらえないからといって、あなたは自分が渡した贈り物を取り返すことで地獄からの解放を取り消そうというのでしょうか。
It is you who honor them and give them fitting thanks, for it is you who have received the gifts.
自分の贈り物を尊び、自分の贈り物にふさわしい感謝を捧げるべきなのは、あなたのほうです。というのも、その贈り物を受け取ったのは、ほかならぬあなただからです。
4. It does not matter if another thinks your gifts unworthy.
もし他者があなたの贈り物が無価値だと思ったとしても、そんなことはどうでもよいことです。
In his mind there is a part that joins with yours in thanking you.
その人の心の中には、あなたに感謝しながら、あなたの心と結びついている部分が存在するからです。
It does not matter if your gifts seem lost and ineffectual.
もしあなたの贈り物が失われて無駄になったように思えたとしても、それは問題ではありません。
They are received where they are given.
あなたの贈り物は、それらが与えられた場所で受け取られているからです。
In your gratitude are they accepted universally, and thankfully acknowledged by the Heart of God Himself.
あなたが感謝することで、あなたの贈り物は等しく全員に受け入れられ、神自身がその大いなる心の核心で、感謝に満ちて完全に承認してくれています。
And would you take them back, when He has gratefully accepted them?
神が喜んであなたからの贈り物を受け入れてくれているというのに、あなたはその贈り物を取り戻そうというのでしょうか。
5. God blesses every gift you give to Him, and every gift is given Him, because it can be given only to yourself.
すべての贈り物はただあなた自身にしか与えられようがないので、神は、あなたが神に捧げる一つひとつの贈り物を祝福し、贈り物はひとつ残らず神に届きます。
And what belongs to God must be His Own.
そして、神に属するものは、神自身のものであるに違いありません。
Yet you will never realize His gifts are sure, eternal, changeless, limitless, forever giving out, extending love and adding to your never-ending joy while you forgive but to attack again.
しかし、あなたがただ再び攻撃するためにだけ許しているかぎり、あなたは、神の贈り物が確実で、永遠で、不変で、無限なるものであり、永遠に与えられ続け、愛を拡張し、あなたの果てしない歓喜に加えられるものだとは決して気づかないでしょう。
6. Withdraw the gifts you give, and you will think that what is given you has been withdrawn.
自分の与える贈り物を引き下げるなら、あなたは自分に与えられているものが取りあげられてしまったと思うでしょう。
But learn to let forgiveness take away the sins you think you see outside yourself, and you can never think the gifts of God are lent but for a little while, before He snatches them away again in death.
しかし、あなたが自分の外側に見えていると思っている罪を赦しに取り除いてもらうことを習得すれば、あなたは決して神の贈り物のことを、死によって再び神に取りあげられてしまうまでのわずかな間だけ貸し付けられるものだとは思わなくなるはずです。
For death will have no meaning for you then.
というのも、そのとき、死はあなたにとって何の意味も持たなくなっているはずだからです。
7. And with the end of this belief is fear forever over.
そして、この信念の終わりとともに、恐れは永遠に去ります。
Thank your Self for this, for He is grateful only unto God, and He gives thanks for you unto Himself.
このことについて、あなたの大いなる自己に感謝するがよいでしょう。というのも、あなたの大いなる自己は、ただ神に対してのみ感謝し、自分自身に対してあなたのことを感謝するからです。
To everyone who lives will Christ yet come, for everyone must live and move in Him.
生きとし生けるものの許にやがてキリストが訪れるでしょう。というのも、誰もがキリストの内に生きて活動しているに違いないからです。
His Being in His Father is secure, because Their Will is One.
大いなる父の中にキリストが実在するのは言うまでもありません。なぜなら、キリストと神の大いなる意志はひとつだからです。
Their gratitude to all They have created has no end, for gratitude remains a part of love.
父と子が創造したすべてに対する父と子の感謝の念は果てることがありません。というのも、感謝は愛の一部であり続けるからです。
8. Thanks be to you, the holy Son of God.
聖なる神の子であるあなたに感謝がありますように。
For as you were created, you contain all things within your Self.
というのも、あなたが創造されたとき、あなたは自らの大いなる自己の内に万物を宿す存在とされたからです。
And you are still as God created you.
そして、あなたは今なお、神に創造されたあなたのままなのです。
Nor can you dim the light of your perfection.
だから、あなたには、あなたの完成の光を暗く翳らせることはできません。
In your heart the Heart of God is laid.
あなたの心の奥底には、神の大いなる心の核心があります。
He holds you dear, because you are Himself.
神は、あなたを愛おしく思っています。なぜなら、あなたは神自身だからです。
All gratitude belongs to you, because of what you are.
真のあなたが神であるがゆえに、すべての感謝はあなたのものなのです。
9. Give thanks as you receive it.
そのすべての感謝を受け取りながら、感謝を捧げてください。
Be you free of all ingratitude to anyone who makes your Self complete.
あなたの大いなる自己を完成させてくれる誰に対しても、感謝を忘れてはなりません。
And from this Self is no one left outside.
そして、誰ひとりとして、この大いなる自己の外側に置き去りにされることはありません。
Give thanks for all the countless channels which extend this Self.
この大いなる自己を拡張する数えきれない経路のすべてに感謝を捧げなさい。
All that you do is given unto Him.
あなたのなすことはすべて、大いなる自己に捧げられるのです。
All that you think can only be His Thoughts, sharing with Him the holy Thoughts of God.
あなたは聖なる神の大いなる思いを自らの大いなる自己と分かち合っているので、あなたの思うことはすべて、大いなる自己の思いでしかありえません。
Earn now the gratitude you have denied yourself when you forgot the function God has given you.
あなたが神に与えられた役割を忘れていたときに、あなたが自分自身に拒絶していた感謝を、今こそ我がものにしてください。
But never think that He has ever ceased to offer thanks to you.
ただし、神がただの一度でもあなたに感謝を与えるのをやめたことがあったなどとは決して思ってはなりません。

それでは、ブリトニーさんのレッスンです。
