T14-8 聖なる邂逅

2014年02月15日
テキスト第14章(真理のための教え) 0

あなたが自分の人生を生きているのではありません。
あなたの人生は、源泉、つまり神によって生きられています。
それゆえ、どんなときにも、
自分がやるべきだと思うことをやってくださいーーそれはまさに、
結果が何であれ、源泉、つまり神があなたにやってほしいことです。



ラメッシ・S・バルセカール





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今回は、テキストから、聖なる出会いの場という一節をご紹介します。


真の自己を否認して偽りのアイデンティティーを抱くことは可能

3.「You cannot join with anything except reality.
 あなたには、本当の自分以外の何ものともひとつに結ばれることはできないからです。」

本当の自分以外のものと結合することは不可能です。

けれど、真の自分ではない存在が自分だと偽りのアイデンティティーを抱くことはいくらでも可能です。


放蕩息子のたとえ話

放蕩息子のたとえ話(ルカ福音書15章11節~32節)はコースでも、引用されています(T8-6 神の宝物)。





この息子は豊かな父から与えてもらった財産を使い果たしたのち、ユダヤで不浄な生き物とされる豚の世話をするまでに身をやつし、父の元に戻る際にはもはや自分には父の子を名乗る資格はないと思い詰めて、自分を雇い人の一人にしてほしいと求めるまで自己認識を貶めてしまいました。


こんな彼を父は祝宴を開いて息子として迎え入れてくれます。

彼の兄は、それまでまじめに父のそばで父を支えてきたので、弟に対するこの父の扱いを不公平に感じて父に不満を訴えますが、父は、「お前はつねに私と一緒にいて、私のものは全部お前のものだ。しかし、 お前の弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだから、祝宴を開いて喜ぶのは当然ではないか。」と返します。

この世界の常識では、まじめにやってきた兄が割りを食い、正直者がバカをみるようなものだと、非常識な寓話に思えます。

けれど、コースの観点からすると、父の対応は愛の神として至極当然のものであり、兄の姿勢は無限供給も自他一体も解さないエゴの観点からの不平不満ということになります。


はたらく細胞の観点でみてみる

いつものように、はたらく細胞的に置き換えてみると、この兄の不満が錯覚であることがわかりやすくなります。

身体の持ち主である魂を父、耳を兄、目を放蕩息子としましょう。

もし視神経の異常で失明状態にあった目が再び見えるようになったとしたら、そのことで、その身体を使役する魂は、失明状態から解放されるし、耳も、それまで自分が本来受け持っている役割を超えて目を補う働きを求められてきた重荷から解放され、魂にも耳にも得にしかならないことは言うまでもなく、耳が目の復活を嫉妬することにはまったく意義はありません。

放蕩息子の寓話の本質は、神の子は神に創造されたまま尊い存在であり続けており、偽りのアイデンティティーに毒されて、本当の自分をありのままに自覚することを尊大で傲慢なことであると感じるのは錯覚で間違いだという点にあります。



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テキスト第十四章 

VIII. The Holy Meeting Place
八 聖なる出会いの場



1. In the darkness you have obscured the glory God gave you, and the power He bestowed upon his guiltless Son.
 闇の中で、あなたは、神があなたに与えてくれた栄光と神が罪なき神の子に授けた力を覆い隠してしまいました。

 All this lies hidden in every darkened place, shrouded in guilt and in the dark denial of innocence.
 この神の栄光と力のすべてが、罪悪感で覆われ、潔白さを否認する闇に包まれて暗くなったすべての場所に潜んでいます。

 Behind the dark doors you have closed lies nothing, because nothing can obscure the gift of God.
 しかし、あなたが閉ざした暗い扉の向こう側には何もありません。なぜなら、神の贈り物を覆い隠せるものなど何もないからです。

 It is the closing of the doors that interferes with recognition of the power of God that shines in you.
 あなたの中で神の力が輝いていることがわからなくなっているのは、扉が閉じているせいです。

 Banish not power from your mind, but let all that would hide your glory be brought to the judgment of the Holy Spirit, and there undone.
 あなたの心からその力を追い払おうとしてはなりません。そうではなく、あなたの栄光を隠そうとするものをすべて、聖霊の審判の下にもたらして、そこで取り消してもらってください。

 Whom he would save for glory is saved for it.
 聖霊が栄光のために救おうとする者は、その栄光ゆえに救われます。

 He has promised the Father that through him you would be released from littleness to glory.
 聖霊を通してあなたが卑小さから栄光へと解放されるようにすると、聖霊は大いなる父に約束しています。

 To what he promised God he is wholly faithful, for he shares with God the promise that was given him to share with you.
 そして、聖霊は自らが神と約束したことは絶対に守ります。なぜなら、聖霊はあなたと共有するようにと神から与えられた約束を神と共有しているからです。



2. He shares it still, for you.
 聖霊は今でも、あなたのためにその約束を共有しています。

 Everything that promises otherwise, great or small, however much or little valued, he will replace with the one promise given unto him to lay upon the altar to your Father and his Son.
 あなたが聖霊を通して卑小さから栄光へと解放されること以外のことを約束するものは、たとえそれが重大なことであろうが些細なことであろうが、大切にされていようが軽視されていようが、そんなことに関わりなく、そのすべてを神と神の子の祭壇に置くために聖霊に与えられた唯一の約束と置き換えることを聖霊は意図しています。

 No altar stands to God without his Son.
 いかなる祭壇も、神の子を抜きにしては神を奉る役目を果たせません。

 And nothing brought there that is not equally worthy of Both, but will be replaced by gifts wholly acceptable to Father and to Son.
 だから、祭壇に供えられるものが神と子の両方に等しくふさわしいものでなければ、神と子にとって完全にふさわしい贈り物によって取って代わられるだけです。

 Can you offer guilt to God?
 あなたには、神に罪悪感を捧げることなどできません。

 You cannot, then, offer it to his Son.
 したがって、あなたは神の子にも罪悪感を差し出すことはできません。

 For They are not apart, and gifts to one are offered to the other.
 というのは、神と子は分離していないので、一方に捧げる贈り物は他方にも差し出すことになるからです。

 You know not God because you know not this.
 あなたが神を知らないのは、あなたがこのことを知らずにいるためです。

 And yet you do know God and also this.
 それでも、あなたは本当は神を知っているし、このこともわかっています。

 All this is safe within you, where the Holy Spirit shines.
 このことはすべて、あなたの心の中の聖霊が輝いている場所に無事にしまわれているからです。

 He shines not in division, but in the meeting place where God, united with his Son, speaks to his Son through him.
 聖霊はあなたの心の中の分離した区分で輝いているのではなくて、神が子とひとつに結ばれ、聖霊を通して神が子に語りかける出会いの場で輝いています。

 Communication between what cannot be divided cannot cease.
 引き離すことのできないもの同士の間のコミュニケーションが途絶えるはずがありません。

 The holy meeting place of the unseparated Father and his Son lies in the Holy Spirit and in you.
 分離していない父と子の聖なる出会いの場所は、聖霊の中に、つまり、あなたの中にあります。

 All interference in the communication that God himself wills with his Son is quite impossible here.
 この聖なる場所では、神自らが意図する子とのコミュニケーションを邪魔しようにも、そんなことは絶対に不可能です。

 Unbroken and uninterrupted love flows constantly between the Father and the Son, as Both would have it be.
 神と子がそう望んだ通り、大いなる父と子の間には、絶えることも途切れることもない愛がつねに流れています。

 And so it is.
 だから、今もその通りになっています。

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3. Let your mind wander not through darkened corridors, away from light's center.
 あなたの心を、光の中心から離れて闇の回廊をさまよわせていてはなりません。

 You may choose to lead yourself astray, but you can be brought together only by the Guide appointed for you.
 あなたたちには自分を誤って導いて道に迷う選択ができてしまいます。それでも、あなたたちのために任命された大いなる案内役によってのみ、あなたたちは一緒にしてもらえます。

 He will surely lead you to where God and his Son await your recognition.
 聖霊は、神と子があなたに気づいてもらうことを待ち侘びている場所へと、あなたを確実に導いてくれるでしょう。

 They are joined in giving you the gift of oneness, before which all separation vanishes.
 神と子は、心をひとつに結び合わせて、一体性という贈り物をあなたに与えてくれます。その贈り物を前にしては、あらゆる分離状態は消え去ります。

 Unite with what you are.
 本当の自分とひとつに結ばれなさい。

 You cannot join with anything except reality.
 あなたには、本当の自分以外の何ものともひとつに結ばれることはできないからです。

 God's glory and his Son's belong to you in truth.
 神の栄光と神の子の栄光は、本当にあなたのものです。

 They have no opposite, and nothing else can you bestow upon yourself.
 神と神の子の栄光には正反対のものなどありません。だから、神と子の栄光以外にあなたが自分自身に与えられるものは何もありません。



4. There is no substitute for truth.
 真理の代わりになるものなど、何もありません。

 And truth will make this plain to you as you are brought into the place where you must meet with truth.
 そして、あなたが真理と相見えざるをえない場所に連れて行かれたときに、真理はあなたに、真理がかけがえのないものであることを明かしてくれるでしょう。

 And there you must be led, through gentle understanding which can lead you nowhere else.
 そして、あなたはその場所に必ず導かれます。穏やかな理解を通して、あなたがそこ以外の場所に導かれることはありえないからです。

 Where God is, there are you.
 神の在るところに、あなたはいるのです。

 Such is the truth.
 これこそが真理です。

 Nothing can change the knowledge, given you by God, into unknowingness.
 神によってあなたに授けられた知識を無知へと変えることなど、何ものにもできません。

 Everything God created knows its Creator.
 神に創造されたものはすべて、自らの大いなる創造主を知っています。

 For this is how creation is accomplished by the Creator and by his creations.
 というのは、創造は、創造主とその創造物たちによって、創造主を知るという方法によって成し遂げられるものだからです。

 In the holy meeting place are joined the Father and his creations, and the creations of his Son with Them together.
 聖なる出会いの場所において、大いなる父と父の創造したものたちに、神の子の創造したものたちが加わって、彼らはみんなひとつに結ばれます。

 There is one link that joins Them all together, holding Them in the oneness out of which creation happens.
 そこには、彼ら全員をひとつに結びつけるひとつの絆があります。その絆は、そこから創造の起こる一なる状態の中にみんなを保っています。

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5. The link with which the Father joins himself to those he gives the power to create can never be dissolved.
 父なる神が創造力を授ける者たちと神自身とを結ぶ絆がほどけてしまうことは、決してありえません。

 Heaven itself is union with all of creation, and with its one Creator.
 天国とはまさに、すべての創造されたものたちとその唯一の創造主とがひとつに結ばれた状態だからです。

 And Heaven remains the Will of God for you.
 そして、天国はあなたのための神の大いなる意志であり続けます。

 Lay no gifts other than this upon your altars, for nothing can coexist with it.
 このようにひとつに結ばれる絆以外の贈り物をあなたの祭壇に供えてはなりません。なぜなら、それ以外に神の意志と共存できるものなど何もないからです。

 Here your little offerings are brought together with the gift of God, and only what is worthy of the Father will be accepted by the Son, for whom it is intended.
 ここでは、あなたの取るに足らない捧げものは、神の贈り物と一緒に集められます。そして、大いなる父にとって価値あるものだけが、それが授けられるようにと意図されているその大いなる子によって受け取られるでしょう。

 To whom God gives himself, he is given.
 神が自身を与えようとする者に、神は与えられているのです。

 Your little gifts will vanish on the altar, where he has placed his own.
 あなたの取るに足らない捧げ物は、神が自分の贈り物を置いた祭壇の上で消え失せてしまうでしょう。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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