T29-6 時間の終わり

2014年03月11日
テキスト第29章(目覚め) 0

夢の時間は特別な時間です。時間は突然別の次元を獲得します。時間は全ての意識領域で同じ時間なのではありません。あなたは夢の中でわずか数秒の内に全人生の運命を体験できます。

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ミヒャエル・エンデ「Zeit-Zauber




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テキストから、赦しと時の終焉という一節をご紹介します。


人間として生きる狂気の妄想

神の子は、神と同じく永遠の不死なる存在です。

神の子は夢の中で、自分を無数の小さな自己に分裂させて、自他の隔たりという幻想の現れである時間と空間を持つ幻想世界を作り出して、身体というアバターに自己同一化して、死すべき人間として生きています。

人間として生きるかぎり、危険と破滅、罪と死、狂気と殺人、悲嘆と喪失の夢に終わりが訪れる見込みはありません。

しかし、人が神の子をどのような存在だと解釈しようが、神の定めた神の子の本質がその解釈によって変わってしまうことは決してありえません。




夢見る者は夢の世界の主人公が自分だと思い込めるのは当然だが、夢見る者には本当の自分を少しも変えることはできない

とはいえ、神の子が自分を本当の自分よりも矮小な有限な存在へと限定して特定のアバターだと思うことは可能です。

そして、神の子が自分を神の子以外の別の存在だと信じるなら、神の子は、彼が自分だと信じる存在が自分の目的として設定する目的によって束縛され制限されることを免れません。

したがって、もしその存在が自分を死すべき存在と考えているなら、その存在が死を自らの目的として受け入れないようにしないかぎりは、その存在は死ぬほかありません。

しかし、神の子が無限の存在で万能の力を持っているとしても、神の子には、神が神の子のために定めた目的とは違う目標を定めて、それを不変で永遠のものとして確立することはできないので、死ぬことができるのは、神の子が自分だと信じるアバターであって神の子ではありません。。

神の子にできるのは、幻想として自分以外のアバターを作る方法によって、自分が持っていない目的を自分自身に付与することだけであって、そのように思考する自由の源である自分の心そのものを変えてしまうことまではできません。


幻想世界から脱するには偽りの自己像から真の自己像に自己認識を変化させる

つまり、神の子が幻想世界の中で自分を変えたつもりになっているのだから、本来の自分に戻ることは、偽りの自己像からの変化ということができます。

したがって、変化こそが、この世界で神が与えてくれた最も偉大な贈り物となります。この贈り物が与えられたのは、天国だけは消え去ることがないと保証するためです。

それがいかに不変のもののように見えていても、目的が固定されていない場所であるこの世界では、変化することだけが祝福となるわけです。


世界の目的を死から赦しに変える

私たちは、死ぬために生まれたわけではありません。

生命の役割が死ぬことであるはずがないからです。

赦しが目的を完遂すると、時間は消え去ります。

そして、かつては時間が支配しているように見えたところには、いまや子のために神が定めた役割が回復され、子は自らの役割を完全に自覚します。

生命の役割は、生命を拡張し、ひとつのものとして永遠にいつまでも果てしなく拡張することであるに違いないからです。




この世界が神の子を十字架にかけるために作られたものと私たちが考えるときにだけ、この世界は私たちの身体を殺そうとするでしょう。

しかし、たとえこの世界がかつて死の夢であったとしても、私たちはこの世界が自分にとって死の夢となることを甘受する必要などありません。

この世界にあるものはすべて、私たちがそれを何のためのものとして見るかによって定義されるのだから、そんな夢など変えてしまうがよいのです。

そうすれば、この世界の中にあるどんなものも、同じように変わらざるをえなくなります。





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テキスト 第二十九章

VI. Forgiveness and the End of Time
六 赦しと時の終焉



1. How willing are you to forgive your brother?
 あなたはどれほど強く自分の兄弟を赦したいと思っているでしょうか。

 How much do you desire peace instead of endless strife and misery and pain?
 果てしなく続く闘争や悲惨さや苦痛の代わりに、あなたはどれほど平安を望んでいるでしょうか。

 These questions are the same, in different form.
 違う形をしていますが、このふたつは同じ質問です。

 Forgiveness is your peace, for herein lies the end of separation and the dream of danger and destruction, sin and death; of madness and of murder, grief and loss.
 赦すことで、あなたは平安になります。というのは、赦すことによって、分離が終わり、危険と破滅、罪と死、狂気と殺人、悲嘆と喪失の夢に終わりが訪れるからです。

 This is the "sacrifice" salvation asks, and gladly offers peace instead of this.
 これが救いが求める「犠牲」であり、こんなものの代わりに、救いは喜んで平安を差し延べてくれるというのです。



2. Swear not to die, you holy Son of God!
 聖なる神の子であるあなたよ、死ぬことなど誓ってはなりません。

 You make a bargain that you cannot keep.
 あなたは自分には守れない誓約をすることになるからです。

 The Son of Life cannot be killed.
 大いなる生命の子は殺されることなどできません。

 He is immortal as his Father.
 その子は彼の大いなる父と同じく不死なる存在だからです。

 What he is cannot be changed.
 彼の本質は変えられません。

 He is the only thing in all the universe that must be one.
 その子こそ、二つとないに違いない全宇宙にただ一つの存在です。

 What seems eternal all will have an end.
 永遠に続くように思えるどんなものも、やがて終わりを迎えます。

 The stars will disappear, and night and day will be no more.
 いつしか星々は消え去り、もはや夜も昼もなくなるでしょう。

 All things that come and go, the tides, the seasons and the lives of men; all things that change with time and bloom and fade will not return.
 潮の干満や四季や人々の生命といった、あらゆる物事は、来たと思えば去ってゆきます。時とともに変わり、栄えては衰えるいかなるものも、二度と戻ってくることはありません。

 Where time has set an end is not where the eternal is.
 時間が終わりを定めたところに永遠があるわけではありません。

 God's Son can never change by what men made of him.
 人が神の子をどのような存在だと解釈しようが、神の子がそれによって変わってしまうことは決してありえません。

 He will be as he was and as he is, for time appointed not his destiny, nor set the hour of his birth and death.
 神の子は、今までそうであったし、現にそうである、ありのままの姿でこれからもあり続けることでしょう。というのは、時間は、彼の運命を定めたことはいないし、彼の誕生や死の時を定めたこともないからです。

 Forgiveness will not change him.
 赦しが神の子を変えることはないでしょう。

 Yet time waits upon forgiveness that the things of time may disappear because they have no use.
 とはいえ、時間の内にあるものが何の役にも立たなくなって消え去るようにと、時間は赦しを待っています。

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3. Nothing survives its purpose.
 何ものも、自らの目的に限界づけられずに生き延びることはできません。

 If it be conceived to die, then die it must unless it does not take this purpose as its own.
 もしその存在が死すべきものと考えられているのなら、その存在が死を自らの目的として受け入れないようにしないかぎりは、その存在は死ぬほかありません。

 Change is the only thing that can be made a blessing here, where purpose is not fixed, however changeless it appears to be.
 それがいかに不変のもののように見えていても、目的が固定されていない場所であるこの世界では、変化することだけが祝福となりえます。

 Think not that you can set a goal unlike God's purpose for you, and establish it as changeless and eternal.
 とはいえ、神があなたのために定めた目的とは違う目標を定めて、それを不変で永遠のものとして確立することが自分にはできるとなど思ってはなりません。

 You can give yourself a purpose that you do not have.
 たしかに、あなたは自分が持っていない目的を自分自身に付与することはできます。

 But you can not remove the power to change your mind, and see another purpose there.
 しかし、あなたは自分の心を変えて、そこに別の目的を見出すための力を取り除くことまではできません。



4. Change is the greatest gift God gave to all that you would make eternal, to ensure that only Heaven would not pass away.
 変化こそ、あなたが永遠のものにしようとするすべてものに対して、神が与えてくれた最も偉大な贈り物です。この贈り物が与えられたのは、天国だけは消え去ることがないと保証するためです。

 You were not born to die.
 あなたは、死ぬために生まれたわけではありません。

 You cannot change, because your function has been fixed by God.
 あなたは変わることなどできません。なぜなら、あなたの役割は神によって固定されているからです。

 All other goals are set in time and change that time might be preserved, excepting one.
 ひとつの目標を除き、それ以外の目標はすべて、時間の中に置かれており、時間が温存されるようにと変化します。

 Forgiveness does not aim at keeping time, but at its ending, when it has no use.
 赦しが目指すのは、時間を保つことではなく、時間がもはや無用のものになるときである時間の終結です。

 Its purpose ended, it is gone.
 赦しが目的を完遂すると、時間は消え去ります。

 And where it once held seeming sway is now restored the function God established for His Son in full awareness.
 そして、かつては時間が支配しているように見えたところには、いまや子のために神が定めた役割が回復され、子は自らの役割を完全に自覚します。

 Time can set no end to its fulfillment nor its changelessness.
 時間には、神の子の役割が成就するのを止めることも、神の子の役割が不変であることに終わりを定めることもできません。

 There is no death because the living share the function their Creator gave to them.
 死は存在しません。なぜなら、生きているものは、彼らの創造主が彼らに授けた役割を分かち合っているからです。

 Life's function cannot be to die.
 生命の役割が、死ぬことであるはずがありません。

 It must be life's extension, that it be as one forever and forever, without end.
 生命の役割は、生命を拡張し、ひとつのものとして永遠にいつまでも果てしなく拡張することであるに違いないからです。

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5. This world will bind your feet and tie your hands and kill your body only if you think that it was made to crucify God's Son.
 この世界が作られたのは神の子を十字架にかけるためだとあなたが考えるときにだけ、この世界はあなたの手足を縛って、あなたの身体を殺そうとするでしょう。

 For even though it was a dream of death, you need not let it stand for this to you.
 というのは、たとえこの世界がかつて死の夢であったとしても、あなたはこの世界が自分にとっても死の夢となることを甘受する必要などないからです。

 Let this be changed, and nothing in the world but must be changed as well.
 そんな夢など変えてしまえばよいのです。そうすれば、この世界の中にあるどんなものも、同じように変わらざるをえなくなります。

 For nothing here but is defined as what you see it for.
 というのも、この世界にあるものはすべて、あなたがそれを何のためのものとして見るかによって定義されるからです。



6. How lovely is the world whose purpose is forgiveness of God's Son!
 神の子の赦しを目的とする世界は、なんと美しい世界なのでしょう。

 How free from fear, how filled with blessing and with happiness!
 その世界は、どれほど完全に恐怖心から解放され、どれほど深い恵みと幸せに満たされていることでしょうか。

 And what a joyous thing it is to dwell a little while in such a happy place!
 そんなにも幸せな場所にしばらくの間留まるのは、どんなに喜ばしいことでしょう。

 Nor can it be forgot, in such a world, it is a little while till timelessness comes quietly to take the place of time.
 それに、そのような世界では、永遠が静かに訪れて時間に取って代わるまで、ほんのわずかな時間しかかからないことが忘れられるはずがありません。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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