T8-1 カリキュラムの変更です

2014年04月11日
テキスト第8章(戻りの旅路) 0

When you go through a hard period,
あなたが辛い時期を過ごしているとき、

When everything seems to oppose you,
すべての物事があなたに反対しているように思えるとき、

... When you feel you cannot even bear one more minute,
あなたがもう一瞬たりとも耐えられないと感じるとき、

NEVER GIVE UP!
絶対に諦めてはいけない!

Because it is the time and place that the course will divert!
なぜなら、それは人生の進路がせっかく切り替わろうとしている時と場所なのだから。



Rumi
ルーミー




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テキスト第8章から「カリキュラムの方向性」という一節をご紹介します。


唯一ありうる完全な状態

愛と喜びに満ちた幸せな状態だけが唯一存在しうる完全な状態です。

「2. To be whole-hearted you must be happy.
 全身全霊を傾けるには、あなたは幸福であらねばなりません。

 If fear and love cannot coexist, and if it is impossible to be wholly fearful and remain alive, the only possible whole state is that of love.
 もし恐れと愛が共存できないとすれば、そして、もし完全に恐怖に慄きながら生きながらえることが不可能だとすれば、唯一ありうる完全な状態とは愛に満ち溢れた状態だけです。

 There is no difference between love and joy.
 愛と喜びの間には、何の違いもありません。

 Therefore, the only possible whole state is the wholly joyous.
 それゆえ、唯一ありうる完全な状態とは、完全に喜びに満ち溢れた状態だけです。」(T5-intro 癒しと全体性

この理屈は明快なので、もし神の子が本来の自然な状態である完全な状態にあるなら、完全な喜びに満ちているのが当たり前だということは理解できます。


成人してなお完全な歓喜に満ちて生きていられる人はいない

これに対して、私たちは、幼児期までは、この状態を維持できる人はいても、成人しても、この状態でいられる人はいません。

つまり、私たちは、自分が完全な幸福の状態にはないこと、つまり、不幸であることだけは自信をもって確信できる、すなわち、私たちがこれまで従ってきたエゴのカリキュラムがしっかり成果を上げていることは疑いようがないということになります。

そして、私たちが幸福でありたいと望んでいるのは間違いありません。




間違って学んできた以上、カリキュラムの変更が必要なのは明らか

「2. Consider, then, that in this joint will you are all united, and in this only.
 そこで、今、完全に幸福であることを意図するというこのみんなに共通する意志において、そして、ただこの意志においてのみ、あなたたちみんなの意志が一致していることが何を意味するかよく考えてみてください。

 There may be disagreement on anything else, but not on this.
 このこと以外については意見が食い違うことがありうるにしても、このことについてだけは必ず意見が一致します。」(T9-7 ふたつの評価

したがって、私たちが幸福でありたい以上、カリキュラムの変更が必要であることは明らかです。

とはいえ、とても稀でも、中にはエゴ全開で思うがままに人生を謳歌していてこの人生に大満足だと言う人もいるでしょう。

そんな方にとってはコースはせっかくいい気分で酔ってる状態をぶち壊してしまう邪魔ものなので、今のところ用はないでしょう。


コースはカリキュラムを完全に変更してくれる

これまでのカリキュラムの成果に不満足な方にとっては、コースは本当に抜本的な変革をもたらします。

なにせ、世界は幻で、自分が人間だという自覚も錯覚だというわけだからただごとではありません。

自分だと思っていた人物が架空の存在で実は別に本当の自分がいるということを学ぶということは、まるで今の自分を殺すように求められることに思えるので、とてつもない抵抗感が湧いてくるはずです。

けれど、これまでのカリキュラムでは、決して幸せになることも満足できることもないと実感しているなら、ダメもと感覚で思い切って飛び込んでみるのもありなはずです。


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Chapter 8 The Journey Back
テキスト第八章 戻りの旅路

I. The Direction of the Curriculum
一 カリキュラムの方向性



1. Knowledge is not the motivation for learning this course.
 このコースを学ぶのは、知識を得るためではありません。

 Peace is.
 平安を得るためです。

 This is the prerequisite for knowledge only because those who are in conflict are not peaceful, and peace is the condition of knowledge because it is the condition of the Kingdom.
 平安こそ、知識を得るために必要な条件です。それは単に、葛藤のさなかにある者たちは平安な状態にはなく、平安は王国の状態であるがゆえに、平安こそが知識の条件だからです。

 Knowledge can be restored only when you meet its conditions.
 ただあなたが平安という条件を満たしたときにだけ、知識を取り戻すことができます。

 This is not a bargain made by God, Who makes no bargains.
 これは神から取引の条件が提示されているわけではありません。神はいかなる取引もしないからです。

 It is merely the result of your misuse of his laws on behalf of an imaginary will that is not his.
 これを取引と捉えるのは、ただ単にあなたが、神の意志ではない架空の意志のために神の法を誤って用いた結果でしかありません。

 Knowledge is his will.
 知識こそ、まさに神の意志です。

 If you are opposing his will, how can you have knowledge?
 もしあなたが神の意志に逆らっているなら、そんなあなたがどうして知識を得られるでしょうか。

 I have told you what knowledge offers you, but perhaps you do not yet regard this as wholly desirable.
 私はあなたに、知識があなたに何を差し延べてくれるのか語ったことがあります。しかし、おそらくあなたはまだ、知識が自分にもたらすものを全面的に望ましいものだとはみなしていません。

 If you did you would not be so ready to throw it away when the ego asks for your allegiance.
 もしあなたが知識が自分に全面的に望ましいものをもたらすと考えていたなら、エゴがあなたに忠誠を尽くすように求めてきても、あなたはそんなにも簡単に知識を放り出しはしなかったはずだからです。

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2. The distractions of the ego may seem to interfere with your learning, but the ego has no power to distract you unless you give it the power to do so.
 エゴに心をかき乱されることで、あなたの学びが妨げられるように思えるかもしれません。しかし、あなたがエゴにそうする力を与えないかぎり、エゴがあなたの心をかき乱す力を持つことはありません。

 The ego's voice is an hallucination.
 なぜなら、エゴの声は幻覚だからです。

 You cannot expect it to say "I am not real."
 あなたはエゴに「私は実在しない」と言うことを期待できません。

 Yet you are not asked to dispel your hallucinations alone.
 とはいえ、あなたは自分の幻覚をたったひとりで払いのけるように求められているわけではありません。

 You are merely asked to evaluate them in terms of their results to you.
 あなたは単に、それらの幻覚があなたにもたらす結果に照らして、それらの幻覚を評価するように求められているだけです。

 If you do not want them on the basis of loss of peace, they will be removed from your mind for you.
 もしあなたが幻覚がもたらした平安の喪失という結果に照らして幻覚を望まないなら、それらの幻覚は、あなたのためにあなたの心から取り除かれるでしょう。



3. Every response to the ego is a call to war, and war does deprive you of peace.
 少しでもエゴに反応するなら、それは戦いを招くことになり、戦いは確実にあなたから平安を奪います。

 Yet in this war there is no opponent.
 ただし、この戦いにおいては、いかなる敵もいません。

 This is the reinterpretation of reality that you must make to secure peace, and the only one you need ever make.
 このようにエゴへの反応として呼び起こされる戦いにおいて敵が存在しないと認めることは、平安を確保するためにあなたがなすべき現実の新たな解釈です。そして、あなたが必ずしなければならないのはただひとつ、この現実の再解釈だけです。

 Those whom you perceive as opponents are part of your peace, which you are giving up by attacking them.
 あなたが自分の敵として知覚する相手こそ、あなたの平安を成り立たせる要素です。それなのに、あなたは彼らを攻撃することによって、自らの平安を手放そうとしているのです。

 How can you have what you give up?
 自分が手放そうとするものを、どうしてあなたが得られるでしょうか。

 You share to have, but you do not give it up yourself.
 持っているためには、あなたはそれを分かち合わなければなりませんが、分かち合ったからといって、あなたは自分でそれを手放すことにはなりません。

 When you give up peace, you are excluding yourself from it.
 あなたが平安を手放すとき、あなたは自分自身を平安から排除しているのです。

 This is a condition so alien to the Kingdom that you cannot understand the state that prevails within it.
 このようなことは王国とはあまりに相容れない状態なので、あなたに王国の中に行き渡る状態がわかるはずがありません。

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4. Your past learning must have taught you the wrong things, simply because it has not made you happy.
 過去の学びがあなたを幸せにしてはいないことは、それだけで、あなたが以前に学んできたことが、あなたに間違ったことを教えてしまったと考える十分な根拠になるはずです。

 On this basis alone its value should be questioned.
 この根拠に基づいて考えてみるだけでも、あなたが学んできたことの価値を疑ってみるべきです。

 If learning aims at change, and that is always its purpose, are you satisfied with the changes your learning has brought you?
 もし学びが変化することを狙いとするなら、そして、たしかに変化することこそつねに学びの目的なのですが、はたしてあなたは自らが学んだことが自分にもたらした変化に満足しているでしょうか。

 Dissatisfaction with learning outcomes is a sign of learning failure, since it means that you did not get what you wanted.
 学んだ結果に不満足であることは、学び損ねた印です。なぜなら、それは、あなたが自分の望んでいたものを手に入れられなかったことを意味するからです。



5. The curriculum of the Atonement is the opposite of the curriculum you have established for yourself, but so is its outcome.
 贖罪のためのカリキュラムは、あなたが自分自身のために定めたカリキュラムの対極にありますが、その結果も同じように正反対のものになります。

 If the outcome of yours has made you unhappy, and if you want a different one, a change in the curriculum is obviously necessary.
 もしあなたのカリキュラムの結果があなたを不幸にしてしまっていて、そして、もしあなたが不幸とは違う成果を望むのなら、カリキュラムの変更が必要なのは言うまでもありません。

 The first change to be introduced is a change in direction.
 第一に導入すべき変化は、学習の目指すべき方向性を変えることです。

 A meaningful curriculum cannot be inconsistent.
 有意義なカリキュラムは、矛盾するものではあってはなりません。

 If it is planned by two teachers, each believing in diametrically opposed ideas, it cannot be integrated.
 もしふたりの教師がカリキュラムを計画し、それぞれの教師が正反対の考え方を信じているなら、そのカリキュラムが統合されたものになるはずがありません。

 If it is carried out by these two teachers simultaneously, each one merely interferes with the other.
 もしこのふたりの教師によってカリキュラムが同時に進められたとしたら、どちらの教師も互いに他方の邪魔をすることにしかなりません。

 This leads to fluctuation, but not to change.
 このようなことは生徒を動揺させることはあっても、変化につながることはありません。

 The volatile have no direction.
 不安定な者には、向かうべき方向性がまったく定まりません。

 They cannot choose one because they cannot relinquish the other, even if it does not exist.
 不安定な者たちは、ある選択肢を選ぼうにも、別の選択肢を断念できないので、それを選ぶことができません。たとえ別の選択肢が実は存在しないのだとしても、それは同じです。

 Their conflicted curriculum teaches them that all directions exist, and gives them no rationale for choice.
 不安定な者たちの矛盾したカリキュラムは、彼らにどのような方向性も存在すると教え、彼らに選択するための理論的な基盤を何も与えてはくれません。

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6. The total senselessness of such a curriculum must be fully recognized before a real change in direction becomes possible.
 方向を本当に変えることを可能にするためには、その前に、そんなカリキュラムが完全に無意味であると十分に認識しなければなりません。

 You cannot learn simultaneously from two teachers who are in total disagreement about everything.
 あなたは、すべての事柄について全面的に意見が相違するふたりの教師から、同時に学ぶことはできません。

 Their joint curriculum presents an impossible learning task.
 それらの教師が合同するカリキュラムは、不可能な学習課題を提示することになるからです。

 They are teaching you entirely different things in entirely different ways, which might be possible except that both are teaching you about yourself.
 両者があなたに教えようとしているテーマがあなた自身についてでなかったなら、そうすることも可能かもしれませんが、ふたりの教師は、あなたが誰なのかについて、完全に異なる内容をまったく違う方法であなたに教えようとしているのです。

 Your reality is unaffected by both, but if you listen to both, your mind will be split about what your reality is.
 あなたが現実に何者なのかは、どちらの教えによっても影響されることはありません。しかし、もしあなたがその両方に耳を傾けるなら、本当の自分が何者なのかについて、あなたの心は分裂してしまうでしょう。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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