レッスン8「私の心は、過去の思考によって占領されている」
われわれは、
現在だけを耐え忍べばよい。
過去にも未来にも
苦しむ必要はない。
過去はもう存在しないし、
未来はまだ
存在していないのだから。

アラン(Emile-Auguste Chartier
エミール=オーギュスト・シャルティエ)
I have realized that the past and future are real illusions, that they exist in the present, which is what there is and all there is.
私は、過去も未来もリアルな幻想なのだから、過去も未来も現在に存在していることに気づいた。存在するのは現在なのであり、現在しか存在しないのだ。

Alan Wilson Watts
アラン・ワッツ

レッスン8です。
Workbook Lesson 8
My mind is preoccupied with past thoughts.
私の心は、過去の思考によって占領されている。
時間とは他者との隔たりの分離幻想の投影のひとつの様相
今日のレッスンは、私たちが自分の外に向けて自分の思いを投影してきたために、私たちが過去の思いによって心を奪われてしまっているせいで、現在をありのままに見ることができなくなっていると言います。
投影は、自分の心から気に入らない思考の影を外に投げ出して、それを排除して楽になったつもりで錯覚しているだけで、投影した思考は心の中にそのまま残っているからです(T6-2 エゴの道具としての投影の仕組みとは?)。

過去や未来を思考する状態は、実在にスライドを被せて空白を作り出す状態
さて、ある人が過去について本当に理解すべき事実は、過去などないということだけであり、それゆえに、過去を考えることは無に姿かたちを与えた幻想を思い浮かべること、つまり妄想だということです。
だから、心が過去を思い描いたり、未来を予期したりしているとき、実際は、心は何も考えてなどおらず、空白になっているということになります。
こうして、過去や未来に意識が飛んで実際には何も考えていないに等しい想念が私たちの心を占領してしまっている間は、真理が妨げられていることになりまます。
ARグラスは機能しなければ、ありのままの実像を見せるがフル機能するとVRゴーグルのように虚像しか見せなくなる
AR(拡張現実)グラスに何も映し出されない状態では、ありのままの現実が見えるはずなのに、過去の分析や未来の計画をするためのウィンドウが夥しい数で開いて混沌とした状態で占領しているせいで、VR(仮想現実)ゴーグルを装着して目隠しをしているような状態になっているようなものです。
今日のレッスンは、このウィンドウを閉じるための最初の訓練です。
T28-1 現在の記憶
T13-4 時間の機能をシフトさせるを参照してください。
私たちが自分の心が本物の想念で満たされていると信じることをやめて、自分の心が単に空白になっているだけなのだということに気づくことが、ヴィジョンを得るための道を開くうえでの第一歩となります。

Workbook Lesson 8
My mind is preoccupied with past thoughts.
私の心は、過去の思考によって占領されている。
1. This idea is, of course, the reason why you see only the past.
もちろん、この考えこそが、あなたが過去しか見ていない理由です。
No one really sees anything.
誰も、本当は何も見ていないのです。
He sees only his thoughts projected outward.
誰もが、外側に投影された自分の思考だけを見ています。
The mind's preoccupation with the past is the cause of the misconception about time from which your seeing suffers.
心が過去によって占領されていることが、時間についての思い違いを引き起こす原因です。このことによって、あなたは正しく見損ねているのです。
Your mind cannot grasp the present, which is the only time there is.
あなたの心は、存在する唯一の時間である現在を把握することができません。
It therefore cannot understand time, and cannot, in fact, understand anything.
それゆえに、あなたの心は時間のことを理解することができないばかりか、何ごとも理解できないのです。
2. The one wholly true thought one can hold about the past is that it is not here.
ある人が過去について抱くことのできるたったひとつ完全に真実の想念とは、過去はここにないということだけです。
To think about it at all is therefore to think about illusions.
したがって、少しでも過去について考えることは、幻想について考えることなのです。
Very few have realized what is actually entailed in picturing the past or in anticipating the future.
過去を思い描いたり、未来を予想したりするときに本当は何が起こっているのか気づいている者はほとんどいません。
The mind is actually blank when it does this, because it is not really thinking about anything.
心が過去を思い描いたり、未来を予想したりするとき、実は心は空白になっているのです。なぜなら、そのとき心は本当は何も考えてはいないからです。
3. The purpose of the exercises for today is to begin to train your mind to recognize when it is not really thinking at all.
今日の練習の目的は、あなたの心が実際に何も考えていないときに、あなたがそのことに気づけるよう心の訓練をし始めることにあります。
While thoughtless ideas preoccupy your mind, the truth is blocked.
実際には何も真に考えているとは呼べないような想念があなたの心を占拠している間は、真理は遮断されています。
Recognizing that your mind has been merely blank, rather than believing that it is filled with real ideas, is the first step to opening the way to vision.
あなたの心が本物の想念で満たされていると信じるのをやめて、あなたの心は単に空白になっていたのだと認めることは、ヴィジョンに到る道を開くうえでの第一歩となります。
4. The exercises for today should be done with eyes closed.
今日の練習は、目を閉じて行なったほうがよいでしょう。
This is because you actually cannot see anything, and it is easier to recognize that no matter how vividly you may picture a thought, you are not seeing anything.
それは、あなたが実際には何も見ることができないからであり、目を閉じていたほうが、いかに鮮明にあなたが思いを描こうともあなたは何も見てはいないと認めやすいからです。
With as little investment as possible, search your mind for the usual minute or so, merely noting the thoughts you find there.
自分の心の中をいつも通り1分くらいかけて検索して、できるかぎりその想念に執着しないようにしながら、ただ心の中に見つけた思いを覚えておくようにしてください。
Name each one by the central figure or theme it contains, and pass on to the next.
一つひとつの思いに、その思いに含まれている主要な人物であるとか主要なテーマによって名前をつけて、それから次の思いへと移っていってください。
Introduce the practice period by saying:
実習は次のように言いながら始めるとよいでしょう。
I seem to be thinking about ______.
私は( )について考えているようだ。
5. Then name each of your thoughts specifically, for example:
それから、あなたの思いの一つひとつに特定の名前をつけてください。たとえば、
I seem to be thinking about [name of a person], about [name of an object], about [name of an emotion], and so on,
私は、(●●さん)のことを、(●●というもの)について、(●●という感情)について、考えているようだ。
concluding at the end of the mind-searching period with:
心の中を検索する時間を次のように締めくくってください。
But my mind is preoccupied with past thoughts.
しかし、私は過去の思いに心を奪われている。
6. This can be done four or five times during the day, unless you find it irritates you.
あなたがそれによって苛立たないようであれば、この実習を1日に4回か5回くらい行ってかまいません。
If you find it trying, three or four times is sufficient.
もしあなたが実習を辛く感じるようなら、3、4回で十分です。
You might find it helpful, however, to include your irritation, or any emotion that the idea for today may induce, in the mind searching itself.
いずれにせよ、心の検索それ自体の中での自分の苛つきや、今日の考えが引き起こすどんな感情でも実習の対象に含めると、それが有益であることにあなたも気づくでしょう。


現在だけを耐え忍べばよい。
過去にも未来にも
苦しむ必要はない。
過去はもう存在しないし、
未来はまだ
存在していないのだから。

アラン(Emile-Auguste Chartier
エミール=オーギュスト・シャルティエ)
I have realized that the past and future are real illusions, that they exist in the present, which is what there is and all there is.
私は、過去も未来もリアルな幻想なのだから、過去も未来も現在に存在していることに気づいた。存在するのは現在なのであり、現在しか存在しないのだ。

Alan Wilson Watts
アラン・ワッツ

レッスン8です。
Workbook Lesson 8
My mind is preoccupied with past thoughts.
私の心は、過去の思考によって占領されている。
時間とは他者との隔たりの分離幻想の投影のひとつの様相
今日のレッスンは、私たちが自分の外に向けて自分の思いを投影してきたために、私たちが過去の思いによって心を奪われてしまっているせいで、現在をありのままに見ることができなくなっていると言います。
投影は、自分の心から気に入らない思考の影を外に投げ出して、それを排除して楽になったつもりで錯覚しているだけで、投影した思考は心の中にそのまま残っているからです(T6-2 エゴの道具としての投影の仕組みとは?)。

過去や未来を思考する状態は、実在にスライドを被せて空白を作り出す状態
さて、ある人が過去について本当に理解すべき事実は、過去などないということだけであり、それゆえに、過去を考えることは無に姿かたちを与えた幻想を思い浮かべること、つまり妄想だということです。
だから、心が過去を思い描いたり、未来を予期したりしているとき、実際は、心は何も考えてなどおらず、空白になっているということになります。
こうして、過去や未来に意識が飛んで実際には何も考えていないに等しい想念が私たちの心を占領してしまっている間は、真理が妨げられていることになりまます。
ARグラスは機能しなければ、ありのままの実像を見せるがフル機能するとVRゴーグルのように虚像しか見せなくなる
AR(拡張現実)グラスに何も映し出されない状態では、ありのままの現実が見えるはずなのに、過去の分析や未来の計画をするためのウィンドウが夥しい数で開いて混沌とした状態で占領しているせいで、VR(仮想現実)ゴーグルを装着して目隠しをしているような状態になっているようなものです。
今日のレッスンは、このウィンドウを閉じるための最初の訓練です。
T28-1 現在の記憶
T13-4 時間の機能をシフトさせるを参照してください。
私たちが自分の心が本物の想念で満たされていると信じることをやめて、自分の心が単に空白になっているだけなのだということに気づくことが、ヴィジョンを得るための道を開くうえでの第一歩となります。

Workbook Lesson 8
My mind is preoccupied with past thoughts.
私の心は、過去の思考によって占領されている。
1. This idea is, of course, the reason why you see only the past.
もちろん、この考えこそが、あなたが過去しか見ていない理由です。
No one really sees anything.
誰も、本当は何も見ていないのです。
He sees only his thoughts projected outward.
誰もが、外側に投影された自分の思考だけを見ています。
The mind's preoccupation with the past is the cause of the misconception about time from which your seeing suffers.
心が過去によって占領されていることが、時間についての思い違いを引き起こす原因です。このことによって、あなたは正しく見損ねているのです。
Your mind cannot grasp the present, which is the only time there is.
あなたの心は、存在する唯一の時間である現在を把握することができません。
It therefore cannot understand time, and cannot, in fact, understand anything.
それゆえに、あなたの心は時間のことを理解することができないばかりか、何ごとも理解できないのです。
2. The one wholly true thought one can hold about the past is that it is not here.
ある人が過去について抱くことのできるたったひとつ完全に真実の想念とは、過去はここにないということだけです。
To think about it at all is therefore to think about illusions.
したがって、少しでも過去について考えることは、幻想について考えることなのです。
Very few have realized what is actually entailed in picturing the past or in anticipating the future.
過去を思い描いたり、未来を予想したりするときに本当は何が起こっているのか気づいている者はほとんどいません。
The mind is actually blank when it does this, because it is not really thinking about anything.
心が過去を思い描いたり、未来を予想したりするとき、実は心は空白になっているのです。なぜなら、そのとき心は本当は何も考えてはいないからです。
3. The purpose of the exercises for today is to begin to train your mind to recognize when it is not really thinking at all.
今日の練習の目的は、あなたの心が実際に何も考えていないときに、あなたがそのことに気づけるよう心の訓練をし始めることにあります。
While thoughtless ideas preoccupy your mind, the truth is blocked.
実際には何も真に考えているとは呼べないような想念があなたの心を占拠している間は、真理は遮断されています。
Recognizing that your mind has been merely blank, rather than believing that it is filled with real ideas, is the first step to opening the way to vision.
あなたの心が本物の想念で満たされていると信じるのをやめて、あなたの心は単に空白になっていたのだと認めることは、ヴィジョンに到る道を開くうえでの第一歩となります。
4. The exercises for today should be done with eyes closed.
今日の練習は、目を閉じて行なったほうがよいでしょう。
This is because you actually cannot see anything, and it is easier to recognize that no matter how vividly you may picture a thought, you are not seeing anything.
それは、あなたが実際には何も見ることができないからであり、目を閉じていたほうが、いかに鮮明にあなたが思いを描こうともあなたは何も見てはいないと認めやすいからです。
With as little investment as possible, search your mind for the usual minute or so, merely noting the thoughts you find there.
自分の心の中をいつも通り1分くらいかけて検索して、できるかぎりその想念に執着しないようにしながら、ただ心の中に見つけた思いを覚えておくようにしてください。
Name each one by the central figure or theme it contains, and pass on to the next.
一つひとつの思いに、その思いに含まれている主要な人物であるとか主要なテーマによって名前をつけて、それから次の思いへと移っていってください。
Introduce the practice period by saying:
実習は次のように言いながら始めるとよいでしょう。
I seem to be thinking about ______.
私は( )について考えているようだ。
5. Then name each of your thoughts specifically, for example:
それから、あなたの思いの一つひとつに特定の名前をつけてください。たとえば、
I seem to be thinking about [name of a person], about [name of an object], about [name of an emotion], and so on,
私は、(●●さん)のことを、(●●というもの)について、(●●という感情)について、考えているようだ。
concluding at the end of the mind-searching period with:
心の中を検索する時間を次のように締めくくってください。
But my mind is preoccupied with past thoughts.
しかし、私は過去の思いに心を奪われている。
6. This can be done four or five times during the day, unless you find it irritates you.
あなたがそれによって苛立たないようであれば、この実習を1日に4回か5回くらい行ってかまいません。
If you find it trying, three or four times is sufficient.
もしあなたが実習を辛く感じるようなら、3、4回で十分です。
You might find it helpful, however, to include your irritation, or any emotion that the idea for today may induce, in the mind searching itself.
いずれにせよ、心の検索それ自体の中での自分の苛つきや、今日の考えが引き起こすどんな感情でも実習の対象に含めると、それが有益であることにあなたも気づくでしょう。


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