レッスン9「私は何事も今あるままに見てはいない」

レッスン1〜10 0

The past has no power over the present moment.
過去は今この瞬間に影響を及ぼす力をまったく持たない。

Eckhart Tolle
エックハルト・トール



To be able to forget means sanity.
忘れることができることは、正気であることを意味している。

Jack London, The Star Rover
ジャック・ロンドン



レッスン9です。


「私は何もそれが今あるままに見てはいない」が今日のテーマです。



T21-1 忘れられた歌が参考になると思います。

私たちが過去だけを見て、過去の想念で心がいっぱいになっていることが、私たちが何事も今ある通りに見てはいない理由です。

今日のレッスンでは、知的な理解とその理解を実践によって体得することの相違が指摘されます。

コースに関心が向く人はどちらかというと知的な側面の勝っているタイプの人が多いかもしれません。

このタイプの方はどうしても、頭でっかちになりがちで、思い切って飛び込んで実際にやってみることで経験を得るよりも、わかったつもりになった段階で止まってしまう面があります。

以前にもお話ししましたが、コースは覚える対象ではなく、世界から教え込まれて学習したことをアンインストールする学習棄却(unlearning)のためのツールであり手引書です。

つまり、心の中に溜め込んだガラクタを捨て去るための手順やプログラムなわけです。

知的な理解だけで実践を試みないのは、パソコンの外部記憶装置に溜まった無駄なファイルを選別して削除してシステムが安定的に働くようにしたいのに、その削除作業を行うために必要なアプリケーションのファイルや効率的に削除作業を進めるためのマニュアルのPDFデータを大量に仕入れて、それらを収集する作業をしているうちに、それが楽しくなって、収集することだけで満足して、実際にアプリケーションを実行したり、マニュアルに沿ってデータの削除等の作業をすることはせず、結果的に外部記憶装置をぱんぱんにしてさらに心の動きを悪くするだけで終わるようなものです。

奇跡のコースはこう言っていると受け売りの知識をひけらかして自己満足に浸りたいというだけなら、それでもよいでしょうが、まだまだコースには誰かに感心してもらえるほどの認知度も社会的評価もないし、分量的にも内容の難易度からしても、そんなことのために費やす労力は途方もないので、同じ労力を注ぐなら、もっと有名な哲学書でも覚えこんだほうがよほど意味があるということになります。

ぜひコースを心の中に溜め込むお荷物にせずに、心を軽くするためのハイパワーの掃除機として実践的に活用していただきたいところです。




Workbook Lesson 9



I see nothing as it is now.
私は何事も今あるままに見てはいない。





1. This idea obviously follows from the two preceding ones.
 今日のテーマは、明らかに前の2回のレッスンのテーマから導かれるものです。

 But while you may be able to accept it intellectually, it is unlikely that it will mean anything to you as yet.
 しかし、あなたはこの考えを知的に受け入れることはできても、まだ今のところは、この考えはあなたにとって何も意味しないはずです。

 However, understanding is not necessary at this point.
 けれども、この段階では、理解することは必要ではありません。

 In fact, the recognition that you do not understand is a prerequisite for undoing your false ideas.
 それどころか、自分が理解していないと認めることが、あなたの間違った考え方を取り消すための必要条件です。

 These exercises are concerned with practice, not with understanding.
 ここでの練習は、理解することではなく、実践することに主眼を置いているからです。

 You do not need to practice what you already understand.
 あなたがすでに理解していることについては、あなたは実践する必要はありません。

 It would indeed be circular to aim at understanding, and assume that you have it already.
 実際に、理解することを目指していても、自分がすでに理解していると思いこんでいたのでは、堂々巡りになって理解には至らないでしょう。



2. It is difficult for the untrained mind to believe that what it seems to picture is not there.
 未熟な心にとっては、自分に見えていると思っている景が実は存在しないと信じるのは難しいことです。

 This idea can be quite disturbing, and may meet with active resistance in any number of forms.
 このように考えることは、きわめて心をかき乱す恐れがあるし、いろんな形で数多くの激しい抵抗感に遭うはずです。

 Yet that does not preclude applying it.
 しかし、心の混乱や抵抗が生じたとしても、それがこの考えをあてはめるのを不可能にするわけではありません。

 No more than that is required for these or any other exercises.
 今日の練習でも別の練習でも、考えをあてはめる以上のことは求められてはいません。

 Each small step will clear a little of the darkness away, and understanding will finally come to lighten every corner of the mind that has been cleared of the debris that darkens it.
 一つひとつの小さな一歩が少しずつを消し去り、心を暗くしていたさまざまなかけらが取り除かれ、最終的には理解が訪れて、そので心の隅々まで照らしてくれるでしょう。



3. These exercises, for which three or four practice periods are sufficient, involve looking about you and applying the idea for the day to whatever you see, remembering the need for its indiscriminate application, and the essential rule of excluding nothing.
 これらの練習は3、4回行えば十分ですが、あなたの周囲を見回して今日のこの考えをあなたの目に留まるものなら何にでもあてはめることが必要です。その際には、今日の考えを無差別に適用する必要があること、そして、何も除外しないという必須の決まりを忘れないでください。

 For example:
 たとえば、


I do not see this typewriter as it is now.
私は、このタイプライターを今あるままに見てはいない。

I do not see this telephone as it is now.
私は、この電話を今あるままに見てはいない。

I do not see this arm as it is now.
私は、この腕を今あるままに見てはいない。



4. Begin with things that are nearest you, and then extend the range outward:
 自分の近くにあるものから始めて、それから適用する範囲を外に向けて広げていってください


I do not see that coat rack as it is now.
私はあのコート掛けを今あるままに見てはいない。

I do not see that door as it is now.
私は、あのドアを今あるままに見てはいない。

I do not see that face as it is now.
私は、あの顔を今あるままに見てはいない。



5. It is emphasized again that while complete inclusion should not be attempted, specific exclusion must be avoided.
 目に入るものすべてを対象に含めようとする必要はないものの、特別に何かを除外しないようにすることを改めて意識しておいてください。

 Be sure you are honest with yourself in making this distinction.
 すべてを対象に含めようとしないことと特別に何かを除外しようとすることの両者を区別するに際しては、必ず自分に正直になるように注意してください。

 You may be tempted to obscure it.
 というのも、あなたはたぶん、この区別を曖昧にしたい誘惑に駆られるはずだからです。


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 松山 健 Matsuyama Ken
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