レッスン308「存在する唯一の時間は、この瞬間だけだ」
現在の重荷に耐え切れない人間はいない。現在の重荷に過去の重荷が加わるから、耐えられなくなるのだ。

ジョージ・マクドナルド
善良であるというのは今現在におけることである。それに対して、善良になるというのは未来の事柄であって、それは信念、あるいは比較と時間の公式にとらわれた精神が考え出したものなのである。比較計量があるところでは真の善性は姿を消してしまうのである。

ジッドゥ・クリシュナムルティ

レッスン308です。
「存在する唯一の時間は、この瞬間だけだ」が今日のテーマです。
まず、キリストの再臨とは何かをご覧ください。
T13-9 罪悪感の雲のエッセイが参考になると思います。

エゴにとっての時間の役目
エゴは時間の役目は、過去と未来をひとつに保つことだとみなしています。
過去から未来へと進む時間(ここについては、「罪悪感の雲」のエッセイを読んでください)の中では、過去の出来事が前提となって、未来の出来事を左右し、ビリヤードボールやドミノのように、過去が未来を縛るという世界観が当然視されます。
この世界観の下では、奇跡は当たり前に起こることではなく、まさに常識ではありえないような異常事態だということになります。
それゆえに、この過去から未来へと進行する時間概念は、エゴと幻想世界を維持存続させる重要な防衛の仕組みだといえます。
エゴの時間観では奇跡は起こりえない
しかし、真実は、時間は実在せず、存在するのは現在だけであるし、仮にこの世界限りで時間が存在することを認める場合でも、時間の進行方向は常識とは反対で未来から過去へという流れが実体であることを踏まえれば、奇跡が起こるのは当たり前であるということがすんなりと胸落ちするようになるはずです。
試しに「罪悪感の雲」のエッセイを読んでから、テキスト第一章の奇跡の原理を再読してみてください。何らかの気づきがあると思います。
過去と未来による時間の縛りという錯覚を取り去ってしまえば、奇跡の原理で奇跡について述べられていることが、どれも魔術的な神秘について語るものではなく、当たり前の原理を述べているだけだということが実感できると思います。
本来、奇跡は起こるのが当然なはず
この世界で定義される奇跡には、①世界に通用する法則や常識を破る出来事であり、②非常に稀にしか起こりえない異常事態という①非常性、②希少性の2つの要素が込められています。
私たちは両者を関連づけて、①の法則や常識によって出来事の生滅は束縛されていると信じているので、それに違背する②異常事態は非常に稀にしか起こりえないと信じています。
けれど、①の法則や常識はすべて、「自分の拡張するものが自分の現実となる」という神の法をこの世界に即して変容させた「自分の投影するものを自分は信じる」というエゴの法則から派生するものでしかなく、基盤となっている根本法則自体が真理ではなく自分で信じてひとり決めしたマイルールで真に束縛する作用などないというのが本当のところです。
したがって、①の世界の法則や常識による縛りがこの世界限りのお約束でしかないという気づきによって出来事への法則の束縛力が失われると、それによって、法則や常識に縛られない出来事=奇跡が起こる状態のほうが本来の自然な状態ということになり、奇跡を定義するために必要な要件として①のみとなり、②は要件ではなくなることになります。
そして、奇跡が起こるのが完全に自然な状態になれば、それまで世界に通用していた法則は通じなくなり、それまでの常識は常識ではなくなるので、①すら要件ではなくなり、奇跡という概念自体、必要なくなることになります。

Lesson 308
This instant is the only time there is.
存在する唯一の時間は、この瞬間だけだ。
1. I have conceived of time in such a way that I defeat my aim.
私はこれまで、自分で自分の目的を挫くような捉え方で、時間のことを考えていた。
If I elect to reach past time to timelessness, I must change my perception of what time is for.
もし私が時間を通り越して時間のない状態へと到達することを選択するなら、私は時間の用途についての自分の知覚を変えなければならない。
Time's purpose cannot be to keep the past and future one.
時間の目的が、過去と未来をひとつに保つことであるはずがない。
The only interval in which I can be saved from time is now.
私が時間から救われることのできる唯一の時は今だけだ。
For in this instant has forgiveness come to set me free.
というのも、この瞬間において、赦しは私を解放するために訪れているからだ。
The birth of Christ is now, without a past or future.
キリストが誕生するのは、過去も未来もない、今なのだ。
He has come to give His present blessing to the world, restoring it to timelessness and love.
キリストは、この世界に時間のない状態と愛を回復させて、世界に自らの現在の祝福を注ぐために訪れている。
And love is ever-present, here and now.
だから、愛は、ここに今、絶えず存在している。
2. Thanks for this instant, Father.
大いなる父よ、この瞬間に感謝します。
It is now I am redeemed.
私が救われるのは今だからです。
This instant is the time You have appointed for Your Son's release, and for salvation of the world in him.
この瞬間こそ、あなたが自らの子の解放と神の子の中で世界が救済されるために定めた時なのです。

それでは、ブリトニーさんのレッスンです。

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