レッスン322「私に手放せるのは、一度も実在しなかったものだけだ」

2014年06月05日
レッスン321〜330 0

If a train doesn't stop at your station, then it's not your train.
もしある列車があなたの駅に停まらなかったなら、結局、それはあなたの乗るべき列車ではなかったのです。



Marianne Williamson
マリアン・ウィリアムソン



Train yourself to let go of everything you fear to lose.
お前が失うことを恐れるあらゆるものを手放すよう自分を鍛えるのじゃ。



Grandmaster Yoda
ヨーダ



The difference between false memories and true ones is the same as for jewels: it is always the false ones that look the most real, the most brilliant.
偽の記憶と本当の記憶の違いは、宝石の真贋と同じだ。よりリアリティを持ち、最も輝かしく見えるほうが必ず偽物なのだ。



Salvador Dali
サルバドール・ダリ




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レッスン322です。

「私に手放せるのは、一度も実在しなかったものだけだ」が今日のレッスンです。



まず、創造ってなに?をご覧ください。





救済には幻想を犠牲として差し出す必要がある

救いとは幻想に惑わされた狂気の状態から正気を取り戻すことなので、救済の実現は幻想の喪失を意味します。

つまり、救済は幻想を犠牲にして成立するのであり、救済には幻想を手放すことが必要になるということです。

これを幻想の中で生きる私たちは損失と考えて恐れます。

エゴ・身体というアバターが自分だという観点からすれば、この恐れはもっともなものでしょう。


救われることへの恐怖

そこそこ満足し、納得して生きている場合、苦心して手に入れた立場や所有物、影響力、何より、自分だと思っている自分自身のアバターやそれを取り巻く家族等失いたくない大切なものがたくさんあり、この人生が夢だとしても、これらの大切なものを失ってまで夢から醒めようとは思わないというのが実情ではないでしょうか?

もちろん、不遇な人生によって、失って後悔するようなものは何もないという心境に至っている人もいくらでもいるでしょうが、そのような場合も、その心境は、思い通りにいかない人生や世界に対する不満や嫌悪によって世界を消去したいという積極的な意欲やどうでもいいという投げやりな無力感を抱いた結果でしかなく、裏を返せば、世界や人生への期待と執着をまったく離れられていないということになります。


世界に神の子を幽閉する罠

この人間としての情愛や憎悪等の感情に基づく特別な関係の束縛こそ、エゴが私たちを世界に縛りつけておく有効な道具なのだから、この執着がなかなか断ち切れないのは当然のことです。

そして、この執着を悪とみなして何としても落とそうと試みることは素朴な発想であり、誰もが気負って達成しようとすることですが、逆説的に、がんばればがんばるほど執着から逃れることは困難になり、できるのは自己欺瞞だけです。

コースは、自分を押し殺して納得のいかない信念で自分を縛るようにとは言いません。

特別な関係はあってもよい、ただ、光が間違って闇ができることに問題があるだけなのだから、導きをエゴから聖霊に切り替える必要があるだけだと。

特別な関係を聖霊に委ねることで、それまでは、エゴの道具であった特別な関係は、その関係性を用いて、その関係以外の他者も含めて他者が自分自身であることに気づく神聖な関係に昇華します。


特別な関係と神聖な関係が参考になると思います。


私たちみんなの「私」が同じ「私」であることが救いのよすが

私たちが自分の家族を自分自身のように強く深く愛するように、地球の裏側のほかの兄弟たちも、まったく私たちと同じように、彼の愛する人のことを愛しています。



私たちの「私」と彼らの「私」が同じであるなら、世界中が特別な関係に満たされていることは、神の子にとっての福音といえるのではないでしょうか(T1-intro,1 奇跡の原理の冒頭のアインシュタインの言葉の洞察が参考になると思います。)。


神聖な関係を通して世界を眺めると、私たちが感情移入していた自分というキャラクターを含めたすべてが等しく、本当の自分である神の子を反映している世界が見えるので、救済とは、私たちが、思い入れ深く愛読した大河小説の愛すべき登場人物たちや深く感情移入して一体化し自分として物語世界を生きた主人公と、物語が終わって別れるのを惜しむのと同じようなもので、その幻想に深い感慨と感謝と愛を捧げて手放せるようになるのでしょう。



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Lesson 322

I can give up but what was never real.
私に手放せるのは、一度も実在しなかったものだけだ。



1. I sacrifice illusions; nothing more.
 私が犠牲にするのは幻想であり、ただそれだけだ。

 And as illusions go I find the gifts illusions tried to hide, awaiting me in shining welcome, and in readiness to give God's ancient messages to me.
 そして、幻想が去ると、私は幻想が隠そうとしていた贈り物を見出すことになる。その贈り物は、輝きを放ちながら私に受け取られるのを待ち受けていて、神の太古からのメッセージを私に伝える用意ができている。

 His memory abides in every gift that I receive of Him.
 神の記憶は、私が神から受け取る一つひとつの贈り物の中に留まっている。

 And every dream serves only to conceal the Self which is God's only Son, the likeness of Himself, the Holy One Who still abides in Him forever, as He still abides in me.
 そして、すべての夢はただ大いなる自己を隠すことのみに奉仕している。その大いなる自己とは、神自身の似姿である神のひとり子のことであり、神の子は、神が今なお私の中に留まっているように、今なお神自身のうちに永遠に留まっている聖なる存在だ。



2. Father, to You all sacrifice remains forever inconceivable.
 父よ、あなたにとっては、どのような犠牲も永遠に思いもよらないものであり続けます。

 And so I cannot sacrifice except in dreams.
 だから、私には夢の中でしか犠牲を払うことなどできません。

 As You created me, I can give up nothing You gave me.
 あなたが私を創造してくれたのですから、私には、あなたが私に授けてくれたものを何ひとつ手放すことはできません。

 What You did not give has no reality.
 あなたが授けなかったものには、何の実在性もありません。

 What loss can I anticipate except the loss of fear, and the return of love into my mind?
 恐れを失うこと以外に、いったいどんな損失を予期しうるというのでしょう。恐れを失えば、愛が私の心に戻るのです。


名称未設定



それでは、ブリトニーさんのレッスンです。






次

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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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