レッスン12「私の心がかき乱されているのは、私が無意味な世界を見ているせいだ」
人間は、息を引き取るその一瞬まで、人生を価値あるものにすることに責任を負っている。

Viktor E. Frankl
ヴィクトール・フランクル
You are much too tolerant of mind wandering, and are passively condoning your mind's miscreations.
あなたは自分の心があれこれ迷うことに対して、あまりにも寛容すぎるし、心が誤って創造することを、ただ受身の姿勢で大目に見てしまっています。

イエス・キリスト(奇跡のコース T2-6 恐れと葛藤、4.)

レッスン12です。
今日のテーマは「私の心がかき乱されているのは、私が無意味な世界を見ているせいだ」です。

実習に際しての指示
今回は目を開けたまま、ゆっくり周囲を見回して、一定のペースを保って、ゆっくりと視線を移しながら、
「私は自分が( )な世界を見ていると思っている」
と自分に言い聞かせます。
( )の中には、自分の心に自然に浮かんでくるこの世界を表現する形容詞を入れます。
別に否定的な言葉を入れる必要はないということなので、今の気分で心に思い浮かぶなら、冷酷な世界でも、素晴らしい世界でも、感じるままに入れてみてください。
私たちが世界に上書きした言葉の下には神の言葉が書かれている

レッスンで述べられるように、良いも悪いも双極を前提に心が価値の序列を設定していなければ思い浮かびようがない観念であり、素晴らしい世界に感嘆しているときも、悲惨な世界を嘆いているときと同じように、心が動揺している点では同じで、プラスの波が来ているかマイナスの波が来ているかが違うだけだということです。
こうして自分の世界認識を確認してから、最後に、「そうだとしても、私の心がかき乱されているのは、私が意味のない世界を見ているせいなのだ」と締めくくります。
このレッスンでは、私たちが、本来、意味のないこの世界に自分勝手に属性を付与して、そのような世界として知覚しているといいます。
これに対して、私たちが上書きした言葉の下には、神の言葉が書かれており、この真理のゆえに、私たちの心はかき乱されるのであり、私たちが書きこんだ属性が消去されて神の言葉が現れると、違った世界が目の前に開けてくるというのです。

Workbook Lesson 12
I am upset because I see a meaningless world.
私の心がかき乱されているのは、私が無意味な世界を見ているせいだ。
I am upset because I see a meaningless world.
私の心がかき乱されているのは、私が無意味な世界を見ているせいだ。
1. The importance of this idea lies in the fact that it contains a correction for a major perceptual distortion.
この考えが重要なのは、この考えが知覚の重大な歪曲を修正するという事実にあります。
You think that what upsets you is a frightening world, or a sad world, or a violent world, or an insane world.
あなたは自分の心を乱しているのは、恐ろしい世界であるとか、悲しい世界であるとか、暴力的な世界であるとか、狂気の世界であると思っています。
All these attributes are given it by you.
しかし、このような属性はすべて、あなたが世界に与えたものです。
The world is meaningless in itself.
世界は、それ自体では意味を持っていません。
2. These exercises are done with eyes open.
今日の練習は、目を開いたままで行ってください。
Look around you, this time quite slowly.
今回は、本当にゆっくりと自分の周囲を見回してください。
Try to pace yourself so that the slow shifting of your glance from one thing to another involves a fairly constant time interval.
決まった一定の時間のインターバルを置きながら、自分でペースを保って、あなたの視線をある物から別の物へとゆっくりと移していってください。
Do not allow the time of the shift to become markedly longer or shorter, but try, instead, to keep a measured, even tempo throughout.
視線を移すペースがとくに遅くなったり速くなったりしないように注意し、最初から最後まで規則正しい均等なテンポを保つようにしてください。
What you see does not matter.
あなたが何を見るかは重要ではありません。
You teach yourself this as you give whatever your glance rests on equal attention and equal time.
あなたが均等な注意を払って、均等な時間、自分の一瞥を一つひとつの物に移すことで、あなたは自分が何を見るかは重要でないと自分に教えることになります。
This is a beginning step in learning to give them all equal value.
これは、あなたが見る物のすべてに等しい価値を置くことを学ぶための最初のステップです。
3. As you look about you, say to yourself:
自分の周りを見ながら、次のように自分に言い聞かせてください。
I think I see a fearful world, a dangerous world
私は、自分が怖れに満ちた世界、危険な世界を見ていると思っている。
, . . . a hostile world,
私は、自分が敵意に満ちた世界を見ていると思っている。
. . . a sad world,
私は、自分が悲しい世界を見ていると思っている。
. . . a wicked world,
私は、自分が邪悪な世界を見ていると思っている。
. . . a crazy world,
私は、自分が狂気の世界を見ていると思っている。
. . . and so on, using whatever descriptive terms happen to occur to you.
等々、世界を描写する言葉がどのようなものであれ、自分の心に浮かぶままその言葉を用いてください。
If terms which seem positive rather than negative occur to you, include them.
もしあなたの心にネガティブに思える言葉よりもポジティブに思える言葉が浮かんでくるようなら、それらの言葉も含めてください。
For example, you might think of "a good world," or "a satisfying world."
たとえば、あなたは「良い世界」であるとか「満足のいく世界」という言葉を思い浮かべるかもしれません。
If such terms occur to you, use them along with the rest.
もしそのような言葉があなたに浮かんだなら、ほかの言葉と一緒にそれを使ってください。
You may not yet understand why these "nice" adjectives belong in these exercises but remember that a "good world" implies a "bad" one, and a "satisfying world" implies an "unsatisfying" one.
なぜこのような「快い」形容詞が今日の練習に馴染むのか、あなたにはまだよく理解できないかもしれません。しかし、「良い世界」を思うためには暗黙の前提として「悪い世界」が必要だし、「満足のいく世界」を思うには「不満足な世界」が必要だということを覚えておいてください。
All terms which cross your mind are suitable subjects for today's exercises.
あなたの心をよぎるすべての言葉が今日の練習の素材としてふさわしいのです。
Their seeming quality does not matter.
あなたの心をよぎる言葉のうわべ上の性質は重要ではありません。
4. Be sure that you do not alter the time intervals between applying today's idea to what you think is pleasant and what you think is unpleasant.
あなたが今日の考えを自分が快適に思うものに適用するときと不快に思うものに適用するときとで、考えを適用することにかける時間の長さを変えないように注意してください。
For the purposes of these exercises, there is no difference between them.
この練習の目的にとっては、快適なものと不快なものとの間に違いはないからです。
At the end of the practice period, add:
実習時間の終わりには、次のように付け加えてください。
But I am upset because I see a meaningless world.
そうだとしても、私の心がかき乱されているのは、私が無意味な世界を見ているせいなのだ。
5. What is meaningless is neither good nor bad.
無意味なものに、良いも悪いもないはずです。
Why, then, should a meaningless world upset you?
そうだとすれば、なぜ無意味な世界が当然のように、あなたの心をかき乱してしまうのでしょうか。
If you could accept the world as meaningless and let the truth be written upon it for you, it would make you indescribably happy.
もし世界が無意味であることをあなたが受け入れて、あなたのために真理が世界に書きこまれるようにさせることができたら、世界はあなたを言葉で言い尽くせないほど幸せにしてくれるでしょう。
But because it is meaningless, you are impelled to write upon it what you would have it be.
しかし、世界は無意味であるがゆえに、あなたは世界に、自分が世界をこうあらしめたいと思う世界像を書きこまずにはいられません。
It is this you see in it.
あなたは自分で書き込んだ自分の望む世界像をこの世界に見ているのです。
It is this that is meaningless in truth.
本当に無意味なのは、あなたが自分で書きこんだこの世界像なのです。
Beneath your words is written the Word of God.
あなたが書いた言葉の下には、神の大いなる言葉が記されています。
The truth upsets you now, but when your words have been erased, you will see His.
今は、真理があなたの心をかき乱しています。しかし、あなたの書きこんだ言葉が消去されたとき、あなたは神の大いなる言葉を目にするでしょう。
That is the ultimate purpose of these exercises.
それが、この練習の最終的な目的です。
6. Three or four times is enough for practicing the idea for today.
今日の実習は、3、4回ほど行えば十分です。
Nor should the practice periods exceed a minute.
また、実習時間は、1分を超えないようにしてください。
You may find even this too long.
あなたは1分でも長すぎると感じるかもしれません。
Terminate the exercises whenever you experience a sense of strain.
練習をしていてストレスを感じるようであれば、いつでも練習を終わらせてかまいません。

