T13-3 救われることへの恐怖

2015年02月04日
テキスト第13章(罪なき世界) 0

Our deepest fear is not that we are inadequate.
私たちが最も深く恐れているのは、自分が無能だということではありません。

Our deepest fear is that we are powerful beyond measure.
私たちが最も深く恐れているのは、私たちには計り知れない力があるということです。

It is our Light, not our Darkness, that most frightens us.
私たちを最も恐れさせるのは、私たちの光であり、私たちの闇ではないのです。



Marianne Williamson
マリアン・ウィリアムソン



Of all the liars in the world, sometimes the worst are our own fears.
私たちの抱く恐怖心は、ときとして世界中の嘘つきの中でも最もたちが悪いものになる。

ラドヤード・キプリング_1202112447

Rudyard Kipling
ラドヤード・キプリング



it is dangerous to unmask images, since they dissimulate the fact that there is nothing behind them.
心に抱くイメージの本性を暴くことは危険なことだ。なぜなら、イメージはその向こう側には何も存在しないという事実を隠蔽しているからだ。

ボードリヤール_0115123802 (1) (1)

Jean Baudrillard, Simulacra and Simulation
ジャン・ボードリヤール



We can easily forgive a child who is afraid of the dark; the real tragedy of life is when men are afraid of the light.
闇を怖がっている子どもを宥めるのはたやすいことだ。人生における真の悲劇は、人が光を恐れるようになったときのことだ。



Plato
プラトン





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今回はテキスト第十三章から「救済への恐れ」という一節をご紹介します。


救われることを恐れるって矛盾じゃない?

1.「You are not really afraid of crucifixion.
 あなたが本当に恐れているのは、磔刑にされることではありません。

 Your real terror is of redemption.
 あなたが真に恐れを抱いているのは、救われることに対してなのです。」

2.「Your fear of attack is nothing compared to your fear of love.
 あなたが攻撃に対して抱く恐れなど、あなたが愛に対して抱く恐れに比べれば、無に等しいものです。

 You would be willing to look even upon your savage wish to kill God's Son, if you did not believe that it saves you from love.
 もしそれが自分を愛から救ってくれるものとあなたが信じていたのでなければ、あなたは自分の抱く神の子を殺したいという残忍な欲求すら厭わずに見ようとしたはずです。」

「3. In honesty, is it not harder for you to say "I love" than "I hate"?
 正直に言って、あなたには、『私は憎い』と言うよりも『私は愛している』と言うほうが難しいのではないでしょうか。」




私たちにとって地獄より天国のほうが受け入れがたいだってぇ?

コースには逆説的な表現がよく出てきますが、本当は、磔刑ではなく救済を恐れている、攻撃ではなく愛を恐れている、「私は憎い」と言うよりも「私は愛している」と言うほうが難しい、というのはその極致と言えるでしょう。

次の第4節では、
「2. Yet neither oblivion nor hell is as unacceptable to you as Heaven.
 とはいえ、忘却も地獄も、あなたにとっては天国ほどは受け入れがたいものではありません。」
というさらに逆説としか言いようのない言葉も出てきます。

しかし、この世界では物事が上下逆転しているというのですから、それを私たちが不自然に感じるのは当然だし、違和感があるけれど、よくよく噛み締めてみれば、その通りだと感じて、それが真理だとわかるということでもあります。


エゴにとって救済が恐怖でしかないのは当然

私たちがエゴに従うかぎり、神の子の救済は恐怖なのが当たり前です。

なぜなら、神の子が救われることは、分離幻想という狂気から脱して正気を取り戻すことであり、それは、狂気の産物である人の子が自分だと信じ込んでいる夢見の状態から覚醒することだからです。

つまり、神の子が救われるということは、エゴからすれば、自己の消滅を意味するわけなので、救済が恐怖となるのは当然なわけです。

したがって、私たちがエゴから聖霊に導きをシフトしないかぎり、救済は恐ろしいままとなります。


T7-10 苦しいのが気持ちいいってどういうこと?

T9-8 自信喪失と自惚れの行ったり来たりから抜け出すには?

が参考になると思います。





ゆにこーん_1225101759 (2) (1)

テキスト第十三章

III. The Fear of Redemption
三 救済への恐れ



1. You may wonder why it is so crucial that you look upon your hatred and realize its full extent.
 自分の抱く憎しみを見つめてその憎しみがどれほどのものか完全に理解することが、なぜそんなにも決定的な重要性を持つのか、あなたは不思議に思うかもしれません。

 You may also think that it would be easy enough for the Holy Spirit to show it to you, and to dispel it without the need for you to raise it to awareness yourself.
 あなたはまた、わざわざあなたが憎しみを自覚しなくても、あなたの憎しみをあなたに示してそれを消し去ることくらい、聖霊にとっては、いともたやすいことなはずだと思うかもしれません。

 Yet there is one more obstacle you have interposed between yourself and the Atonement.
 しかし、あなたが自分自身と贖罪の間に差し挟んでいるもうひとつの障害が存在するのです。

 We have said that no one will countenance fear if he recognizes it.
 前に述べましたが、もし恐怖を認識したなら、誰も恐怖を黙認しようとなどしないはずです。

 Yet in your disordered state of mind you are not afraid of fear.
 しかし、混乱した心理状態にあるとき、あなたは恐怖のことを恐れてはいません。

 You do not like it, but it is not your desire to attack that really frightens you.
 あなたは恐怖のことを嫌ってはいますが、自分を実際に恐れさせているものを攻撃したいとあなたは願っているわけではありません。

 You are not seriously disturbed by your hostility.
 あなたは、自分の抱く敵意によって深刻に心を乱されるわけではないのです。

 You keep it hidden because you are more afraid of what it covers.
 あなたが敵意を隠し続けるのは、あなたは敵意が覆い隠しているもののほうにより強い恐れを抱いているからです。

 You could look even upon the ego's darkest cornerstone without fear if you did not believe that, without the ego, you would find within yourself something you fear even more.
 もしあなたが、エゴがいなければ、自分がエゴよりずっと恐ろしい何かを自分の中に見つけてしまうはずだと信じたのでなかったら、あなたは恐れることなく、エゴの最も深い闇にある礎石さえ見ることができたはずです。

 You are not really afraid of crucifixion.
 あなたが本当に恐れているのは、磔刑にされることではありません。

 Your real terror is of redemption.
 あなたが真に恐れているのは、救われることなのです。



2. Under the ego's dark foundation is the memory of God, and it is of this that you are really afraid.
 エゴの暗い土台の下には、神の記憶が眠っています。そして、あなたが真に恐れているのは、この神の記憶です。

 For this memory would instantly restore you to your proper place, and it is this place that you have sought to leave.
 なぜなら、この神の記憶はあなたを即座にあなたの本来の居場所に戻してしまいますが、あなたはまさにこの場所から離れようと努めてきたわけだからです。

 Your fear of attack is nothing compared to your fear of love.
 あなたが攻撃に対して抱く恐れなど、あなたが愛に対して抱く恐れに比べれば、無に等しいものです。

 You would be willing to look even upon your savage wish to kill God's Son, if you did not believe that it saves you from love.
 もしそれが自分を愛から救ってくれるものとあなたが信じていたのでなければ、あなたは自分の抱く神の子を殺したいという残忍な欲求すら厭わずに見ようとしたはずです。

 For this wish caused the separation, and you have protected it because you do not want the separation healed.
 というのも、この神の子を殺したいという欲求が分離を引き起こしたのだし、あなたは分離が癒されることを望まないがゆえに、この欲求を守ってきたからです。

 You realize that, by removing the dark cloud that obscures it, your love for your Father would impel you to answer his call and leap into Heaven.
 あなたは、その欲求を覆い隠している暗雲を取り去ってしまえば、自らの大いなる父に対する愛ゆえに、自分が父の呼びかけに応えて天国の中に飛び込むことを余儀なくされるはずだと感づいています。

 You believe that attack is salvation because it would prevent you from this.
 攻撃があなたがそうするのを妨げるので、攻撃こそ救いだとあなたは信じているのです。

 For still deeper than the ego's foundation, and much stronger than it will ever be, is your intense and burning love of God, and his for you.
 というのは、エゴの土台よりなお深く、エゴの土台が強くなりうるよりはるかに強力なのが、あなたが神に抱き、そして、神があなたに抱く、激しく燃え盛るような愛だからです。

 This is what you really want to hide.
 これこそ、あなたが本当に隠しておきたいと欲しているものです。

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3. In honesty, is it not harder for you to say "I love" than "I hate"?
 正直に言って、あなたにとっては、「私は憎い」と言うよりも「私は愛している」と言うほうが難しいのではないでしょうか。

 You associate love with weakness and hatred with strength, and your own real power seems to you as your real weakness.
 あなたは、愛を弱さと結びつけ、憎しみを強さと結びつけて考えています。だから、あなたにとっては、自分の真の力が自分の真の弱みのように思えてしまいます。

 For you could not control your joyous response to the call of love if you heard it, and the whole world you thought you made would vanish.
 なぜなら、もしあなたが愛の呼び声を耳にしたなら、あなたは喜んでその呼び声に応ずるのを抑えきれないはずであり、そうなると、あなたが自分で作り出したと思っていた世界全体が消滅してしまうことになるからです。

 The Holy Spirit, then, seems to be attacking your fortress, for you would shut out God, and he does not will to be excluded.
 そのために、あなたには聖霊が自分の要塞を攻撃しているように思えるのです。なぜなら、あなたは神を締め出そうとしているのに対して、神のほうは排除されることを意図してはいないからです。



4. You have built your whole insane belief system because you think you would be helpless in God's Presence, and you would save yourself from his Love because you think it would crush you into nothingness.
 あなたは神の大いなる臨在を前にしては自分が無力になってしまうと考えているので、あなたは自らの狂気の信念体系の全体を構築してきました。そして、あなたは、神の大いなる愛が自分を無になるまで粉砕してしまうものと思っているので、あなたは神の大いなる愛から自分自身を救おうとしているのです。

 You are afraid it would sweep you away from yourself and make you little, because you believe that magnitude lies in defiance, and that attack is grandeur.
 あなたは、神の大いなる愛があなたを自分自身から一掃して、あなたを矮小なものにしてしまうことを恐れています。なぜなら、あなたは果敢に抵抗してこそ偉大なのであって、勇ましく攻撃してこそ壮大な存在といえると信じているからです。

 You think you have made a world God would destroy; and by loving him, which you do, you would throw this world away, which you would.
 あなたは、神が破壊しようとする世界を自分が作り出してしまったと思っています。そして、神を愛することによって、自分がこの世界を手放すことになってしまうと思っていますが、あなたは本当は神を愛しており、あなたはこの世界を手放したいと思っているのです。

 Therefore, you have used the world to cover your love, and the deeper you go into the blackness of the ego's foundation, the closer you come to the Love that is hidden there.
 つまり、あなたは世界を利用して自分の愛を覆い隠してきたのです。そして、あなたがエゴの土台の暗黒部分へと深く入りこめば入りこむほど、あなたはそこに隠された大いなる愛に接近してゆくことになります。

 And it is this that frightens you.
 そして、あなたを怯えさせているのは、この隠された大いなる愛なのです。

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5. You can accept insanity because you made it, but you cannot accept love because you did not.
 あなたは、狂気であれば、自分が作り出したものなので、受け入れることができています。しかし、あなたは、愛は自分が作り出したものではないという理由で、受け入れることができずにいます。

 You would rather be a slave of the crucifixion than a Son of God in redemption.
 あなたは救済された神の子であるより、むしろ喜んで磔刑の奴隷でいようというのです。

 Your individual death seems more valuable than your living oneness, for what is given you is not so dear as what you made.
 あなたには、自分たちが結ばれて生命に満たされてひとつになることよりも、あなた個人として迎える死のほうがより貴重なものに思えます。というのは、あなたには自分に授けられたものが、自分で作り出したものほど愛しくは思えないからです。

 You are more afraid of God than of the ego, and love cannot enter where it is not welcome.
 あなたはエゴよりも神のほうを恐れているのです。そして、愛は自らが歓迎されないところに入ってゆくことはできません。

 But hatred can, for it enters of its own volition and cares not for yours.
 しかし、憎しみは、自らが歓迎されない場所でも入りこむことができます。というのも、憎しみは、それ自体の意志で入りこみ、あなたの意志など気にも留めないからです。



6. You must look upon your illusions and not keep them hidden, because they do not rest on their own foundation.
 あなたは自分の幻想を直視することによって、幻想を隠れたままに保たないようにしなければなりません。なぜなら、それらの幻想は独自の土台に依拠しているわけではないからです。

 In concealment they appear to do so, and thus they seem to be self-sustained.
 隠された状態にあるかぎり、幻想は独自の土台に依拠しているように見えるので、幻想は自立したものであるかのように見えます。

 This is the fundamental illusion on which the others rest.
 これこそが、その上にほかのさまざまな幻想が拠って立つ根本的な幻想です。

 For beneath them, and concealed as long as they are hidden, is the loving mind that thought it made them in anger.
 というのは、この根本的な幻想の裏側には、それらが隠されているかぎりは、愛に満ちた心が隠されたまま潜んでいるからです。その心は、自らが怒りのあまり、そんな幻想を作り出してしまったものと思いこんでいます。

 And the pain in this mind is so apparent, when it is uncovered, that its need of healing cannot be denied.
 そして、覆いが取り払われたとき、この心の中にある痛みが実にはっきりと露呈するので、その心が癒される必要があることは否定できなくなります。

 Not all the tricks and games you offer it can heal it, for here is the real crucifixion of God's Son.
 あなたがその心にどんな誤魔化しや計略を差し出そうとも、そんなものには、その心を癒すことはできません。というのも、ここに神の子の真の磔刑があるからです。

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7. And yet he is not crucified.
 それでも、神の子は磔刑にされてなどいません。

 Here is both his pain and his healing, for the Holy Spirit's vision is merciful and his remedy is quick.
 ここにこそ、神の子の苦痛と癒しがともにあります。なぜなら、聖霊のヴィジョンは慈悲深く、聖霊の治療は即座に効果を上げるからです。

 Do not hide suffering from his sight, but bring it gladly to him.
 苦しみを聖霊の視界から隠さずに、ただ喜んで苦しみを聖霊のところに持ってゆきなさい。

 Lay before his eternal sanity all your hurt, and let him heal you.
 あなたの傷をすべて、永遠に正気を失うことのない聖霊の前に差し出して、聖霊に自分を癒してもらってください。

 Do not leave any spot of pain hidden from his light, and search your mind carefully for any thoughts you may fear to uncover.
 どんな小さな痛みも、聖霊の光から隠れたままにせず、どのようなものであれ、あなたが露わになることを恐れているような思いが残っていないか、あなたの心の中を念入りに探してください。

 For he will heal every little thought you have kept to hurt you and cleanse it of its littleness, restoring it to the magnitude of God.
 なぜなら、聖霊はあなたが自分を傷つけるために保ってきた些細な思いをことごとく癒し、それらの想念の矮小さを洗い清めたうえで、それらを神の偉大さへと戻してくれるからです。



8. Beneath all the grandiosity you hold so dear is your real call for help.
 あなたがそんなにも大切に取っておこうとするあらゆる尊大さの裏には、助けを求めるあなたの真の呼び声があります。

 For you call for love to your Father as your Father calls you to himself.
 なぜなら、父があなたを自身の下へと呼んでいるように、あなたは愛を求めて父に呼びかけているからです。

 In that place which you have hidden, you will only to unite with the Father, in loving remembrance of him.
 あなたが隠してきたその場所で、愛に満たされながら大いなる父を思い出すことで、あなたは大いなる父とひとつに結ばれることだけを意図するでしょう。

 You will find this place of truth as you see it in your brothers, for though they may deceive themselves, like you they long for the grandeur that is in them.
 あなたがこの真実の場所を自分の兄弟たちの中に見ようとするなら、あなたはその場所を見出すでしょう。なぜなら、その兄弟たちは気づかずにいるとしても、あなたと同じように、彼らも壮大さを渇望しており、壮大さは彼らの内にあるからです。

 And perceiving it you will welcome it, and it will be yours.
 そして、その壮大さを知覚すれば、あなたはその壮大さを喜んで迎え入れるだろうし、そうすれば、壮大さはあなたのものになるでしょう。

 For grandeur is the right of God's Son, and no illusions can satisfy him or save him from what he is.
 なぜなら、壮大であることは神の子の権利なので、いかなる幻想も彼を満足させることはできないし、彼を本当の自分から救うことなどできるはずがないからです。

 Only his love is real, and he will be content only with his reality.
 神の子の愛だけが本物であり、神の子は本当の自分にしか満足しないでしょう。

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9. Save him from his illusions that you may accept the magnitude of your Father in peace and joy.
 あなたの兄弟を彼の見ている幻想から救ってください。そうすれば、あなたは平安と喜びの中で大いなる父の偉大さを受け入れることができるでしょう。

 But exempt no one from your love, or you will be hiding a dark place in your mind where the Holy Spirit is not welcome.
 ただし、あなたが愛を捧げる対象から誰ひとり除外してはなりません。さもないと、あなたは自分の心の中に、聖霊が歓迎されない暗い場所を隠し続けることになってしまいます。

 And thus you will exempt yourself from his healing power, for by not offering total love you will not be healed completely.
 そうなると、あなたは自分自身を聖霊の癒しの力の対象から除外することになってしまいます。なぜなら、全面的な愛を捧げないことによって、あなたは完全には癒されなくなってしまうからです。

 Healing must be as complete as fear, for love cannot enter where there is one spot of fear to mar its welcome.
 恐れと同じように癒しは完全なものに違いありません。なぜなら、愛は、愛を歓迎することを妨げる恐れがほんの少しでも存在するところには入ってゆくことができないからです。



10. You who prefer separation to sanity cannot obtain it in your right mind.
 あなたは正気でいるよりも分離を選んでいるので、自分の正しい心の中に分離を獲得することはできません。

 You were at peace until you asked for special favor.
 あなたが特別な依怙贔屓を要求するまでは、あなたは平安な状態にありました。

 And God did not give it for the request was alien to him, and you could not ask this of a Father who truly loved his Son.
 そして、神は特別に依怙贔屓することはありませんでした。というのも、そんな願いは神にとって相容れない異質なものだったので、あなたはこんなことをわが子を真に愛している大いなる父に頼むことなどできなかったからです。

 Therefore you made of him an unloving father, demanding of him what only such a father could give.
 したがって、あなたは、愛情のない父親にしか与えられないようなものを大いなる父に要求することによって、大いなる父を愛のない父親だと解釈してしまったのです。

 And the peace of God's Son was shattered, for he no longer understood his Father.
 こうして、神の子の平安は粉々に打ち砕かれてしまいました。というのも、子はもはや大いなる父のことを理解できなくなってしまったからです。

 He feared what he had made, but still more did he fear his real Father, having attacked his own glorious equality with him.
 彼は自分で作り出したものを恐れましたが、それにもまして自分の真の父をいっそう恐れました。なぜなら、彼は自分自身の輝ける父との対等性を攻撃してしまったからです。

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11. In peace he needed nothing and asked for nothing.
 平安の中では、神の子は何も必要としなかったし、何も求めることはありませんでした。

 In war he demanded everything and found nothing.
 争いの中では、神の子はあらゆるものを要求しましたが、何も見出すことはありませんでした。

 For how could the gentleness of love respond to his demands, except by departing in peace and returning to the Father?
 なぜなら、愛の優しさには、平安のうちに出発して大いなる父の下に戻ることによってしか、そのような神の子の要求に応じようがなかったからです。

 If the Son did not wish to remain in peace, he could not remain at all.
 神の子が平安のうちに留まることを願わなかったなら、彼はとうてい存続することすらできなかったことでしょう。

 For a darkened mind cannot live in the light, and it must seek a place of darkness where it can believe it is where it is not.
 というのは、闇に包まれた心は、光の中に生きることはできないので、そんな心は自分が実際にはいないところにいると信じこめるような、闇に閉ざされた場所を探さなければならないからです。

 God did not allow this to happen.
 神はこんなことが起こるのを容認しませんでした。

 Yet you demanded that it happen, and therefore believed that it was so.
 しかし、あなたはそれが起こることを求め、そうすることで、それが起こったものと信じこんだのです。



12. To "single out" is to "make alone," and thus make lonely.
 「ひとつを選び出す」ことは「ひとりにする」ことであり、したがって、孤独にすることです。

 God did not do this to you.
 神は、あなたを孤独にさせたりしませんでした。

 Could he set you apart, knowing that your peace lies in his oneness?
 あなたの平安は神とひとつであることにかかっているとわかっているというのに、その神があなたを切り離すことなどできたでしょうか。

 He denied you only your request for pain, for suffering is not of his creation.
 苦痛を求めるあなたの頼みだけは、神はあなたに拒絶しました。なぜなら、苦しみは神の創造したものに属さないからです。

 Having given you creation, he could not take it from you.
 創造したものをあなたに与えているがゆえに、神にはそれらをあなたから取りあげることはできませんでした。

 He could but answer your insane request with a sane answer that would abide with you in your insanity.
 あなたからの狂気の要求に対して神にできたのは、あなたが狂気に陥っていても、あなたの許に留まることのできる正気の答えで返事をすることだけでした。

 For his answer is the reference point beyond illusions, from which you can look back on them and see them as insane.
 なぜなら、神の答えは幻想を超えるところにある基準点なので、そこからなら、あなたは振り返って幻想を見て、それらの幻想が狂気の沙汰だとわかるからです。

 But seek this place and you will find it, for Love is in you and will lead you there.
 ただこの場所だけを探しなさい。そうすれば、あなたはその場所を見つけるでしょう。なぜなら、大いなる愛はあなたの中にあり、あなたをそこへ導いてくれるからです。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
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