T18-1 現実の代用
もし人が自分の道から逸れたとしたら、その人にはありとあらゆる困難が襲い掛かり、人生は生存を賭けた戦いの連続に変わる。魂にとってそれは本当の悲劇である。

ヴァジム・ゼランド
Everything that seemingly happens externally is occurring in order to trigger something within us, to expand us and take us back to who we truly are.
外の世界に起こるように見えるすべてのことは、私たちを拡張させて、私たちを本当の自分へと連れ戻すために、私たちの内面にある何かに火をつけるために起こっているのです。

Anita Moorjani, Dying to Be Me: My Journey from Cancer, to Near Death, to True Healing
アニータ・ムアジャーニ

今回はテキスト第十八章から「現実の代用」という一節をご紹介します。
投影によって生じた幻想世界
分離の錯覚という原初の誤りによって、偽りの世界が出現して、神の子と真理の間を遮って張られるスクリーンとなり、そのスクリーンに誤りが投影されて、すべてがあべこべに逆転した狂気の世界の中の生き物として神の子は生きるようになったことが語られます。
そして、実在する真理、生命、愛、全体性、永遠はひとつしかないのに対し、実在しない虚偽、死、恐れ、断片化、時間は、実在する対極に成り代わって分離を維持するために生まれるものなので、それ自体実在するものの代用であるし、さらに、その虚偽等の実在しない概念自体を別のもので代用することも可能なので、いくらでも代用を断片化することができます。
代用を求める偶像崇拝
私たちがエゴに突き動かされて人生で追い求めるもの、身体的欲求の満足や虚栄心を満たし、個人的な栄達を遂げようという欲望のすべてはもちろんのこと、安全安心を得たいという控えめな欲望も含めた一切が、根底にある恐怖心の裏返しで、実在する真理や愛や生命等の代わりになる影を求めているのだと言えるでしょう。
つまり、代用を求めることは偶像崇拝であり、今度こそはと期待していた代用をようやく手に入れても、いつか化けの皮が剥がれてまた別の代用を求めてしまうという繰り返しに陥ってしまいます。
代用の誘惑に対して真理に助けを求めるための言葉
私たちの役目は幸せであることであり(レッスン66「私の幸せと私の役目はひとつのものだ」)、私たちは幸せであらねばなりません(レッスン101「神が私のために意図するのは完全な幸せだ」)。
幸せになるには、代用の呼びかけに応えて代用を追い求め平安を失っているわけにはいきません。

代用の誘惑にさらされたら、ただ「神は恐怖ではなく、愛だ」とだけ呟いて真理に助けを求める必要があるだけです。
代用は真に望むものに似せたイミテーションだけに容易に騙されてしまう
原初の誤りとその断片化は広大なスケールの間違いではありますが、それでも、あくまでも幻想であって無にすぎません。
8Kの超高精細な画像で凶悪な風貌の怖い見知らぬお兄さんがドスの利いた声で画面越しに命令してきたら、わけのわからない子供は怖くなって素直に命令に従ってしまうでしょうが、画面から危害を加えられるはずがないという仕組みを理解している私たちは、リアルで接点がないことがわかっていれば、無視することができます。
これが、目覚めたらVR機器を装着されて、自分が架空世界にいると気づかずに、自分のアバターを介して触れることもできる状況で目の前にその人がいるとしたら、大人でも怖くて命令に従ってしまうでしょう。
けれど、自分がいるのがVR空間で相手は実在しないとわかれば、どんなに怖い姿や態度を示されようと平気で拒絶できるはずです。
すべての代用がこの仕組みで成り立っているわけですが、その人次第で突かれると弱いポイントがあり、それをよく心得ているエゴにコントロールされて、実在する真理ではなく、虚構の幻想で真理の代用にするということになります。
とくに、実在の対極ではなく、実在するものに似ている代用の誘惑には誰もがコロッと惑わされてしまいます。
家族愛を心の底では望んでいながら、不貞に走ってしまうとか。
真に幸せになるためには、自分が望んでいることは、実在する本物のほうだろうか、それとも、本物の不在である対極やそれに似ている偽物でしかない代用だろうか、とつねに立ち止まって考えてみることが必要です。

Chapter 18 THE PASSING OF THE DREAM
第十八章 消え去る夢
I. The Substitute Reality
一 現実の代用
1. To substitute is to accept instead.
代用にすることは、何かの代わりになるものとして別のものを受け入れることです。
If you would but consider exactly what this entails, you would perceive at once how much at variance this is with the goal the Holy Spirit has given you, and would accomplish for you.
もしあなたが正確に代用が何を引き起こすことになるかよく考えてみる気になりさえすれば、あなたにも、代用が引き起こすことが、聖霊がすでにあなたに与えていてあなたのために成就しようとしている目標と、どれほどかけ離れたものか、すぐにわかるはずです。
To substitute is to choose between, renouncing one aspect of the Sonship in favor of the other.
代用することは、神の子全体のある側面を依怙贔屓してほかの側面と絶縁する形で選別することです。
For this special purpose, one is judged more valuable and the other is replaced by him.
この特別な目的のために、ある人のほうがより価値があると判断され、ほかの人はその人によって置き替えられることになります。
The relationship in which the substitution occurred is thus fragmented, and its purpose split accordingly.
ある関係の中で代用が起こると、このようにして、その関係はばらばらに断片化し、それに伴って、その関係の目的も分裂します。
To fragment is to exclude, and substitution is the strongest defense the ego has for separation.
断片化することは排除することなので、代用はエゴが分離を維持するために用いる最も強力な防衛手段です。

2. The Holy Spirit never uses substitutes.
聖霊は、絶対に代用を用いません。
Where the ego perceives one person as a replacement for another, the Holy Spirit sees them joined and indivisible.
エゴがある人を別の人の代替要員として知覚するのに対し、聖霊はそのふたりはひとつに結ばれていて分かちがたいものだと見ます。
He does not judge between them, knowing they are one.
聖霊には彼らがひとつだとわかっているので、聖霊が彼らの間に優劣をつけて裁くようなことはありません。
Being united, they are one because they are the same.
ひとつに結ばれており、ふたりとも同じなので、彼らはひとつなのです。
Substitution is clearly a process in which they are perceived as different.
代用は、明らかに彼らを異なるものとして知覚するプロセスです。
One would unite; the other separate.
聖霊は結びつけようとし、エゴは分離させようとします。
Nothing can come between what God has joined and what the Holy Spirit sees as one.
神がひとつに結び合わせて聖霊がひとつとみなすものを引き離すことは、いかなるものにもできません。
But everything seems to come between the fragmented relationships the ego sponsors to destroy.
しかし、エゴが支援する断片化された関係の間には、どんなものも両者の仲を引き裂くために訪れるように思えます。
3. The one emotion in which substitution is impossible is love.
代用することが不可能な唯一の感情は愛です。
Fear involves substitution by definition, for it is love's replacement.
恐れはその性質上、当然に代用を伴います。なぜなら、恐れは愛の代用として作られた感情だからです。
Fear is both a fragmented and fragmenting emotion.
恐れとは、断片化された感情であると同時に断片化する感情でもあります。
It seems to take many forms, and each one seems to require a different form of acting out for satisfaction.
恐れは、多様な形をとるように思えるし、一つひとつの恐れが満たされて鎮まるためには、異なる形で行動化する必要があるように思えます。
While this appears to introduce quite variable behavior, a far more serious effect lies in the fragmented perception from which the behavior stems.
これは非常に不安定な行動をもたらすように見えますが、それ以上に深刻な影響が見られるのは、そんな行動を生み出す元となっている断片化された知覚そのものです。
No one is seen complete.
断片化した知覚には、誰ひとりとして完全だとは見えません。
The body is emphasized, with special emphasis on certain parts, and used as the standard for comparison of acceptance or rejection for acting out a special form of fear.
とくに身体のある特定の部分が強調される形で身体が重視され、特別な形で恐れを行動化することを容認するか拒絶するかを比較するための判断基準として身体が用いられることになります。

4. You who believe that God is fear made but one substitution.
神は恐ろしいと信じているあなたは、ただひとつの代用を作っただけです。
It has taken many forms, because it was the substitution of illusion for truth; of fragmentation for wholeness.
そのひとつの代用が数多くの形をとってきました。なぜなら、その代用は、真理を幻想で代用し、全体性を断片化で代用するものだったからです。
It has become so splintered and subdivided and divided again, over and over, that it is now almost impossible to perceive it once was one, and still is what it was.
神の子を粉々に打ち砕いて分裂させて、そのかけらをさらに分割し、それをまた分割することを何度も何度も繰り返してきたので、今となっては、それらの断片がかつてはひとつであったことや、それが実は今なお、かつてそうであったままひとつだと知覚するのはほとんど不可能になっています。
That one error, which brought truth to illusion, infinity to time, and life to death, was all you ever made.
真理を幻想へ、無限を時間へ、生命を死へともたらしたあの唯一の誤り、あなたがこれまでに犯した過ちはこれだけです。
Your whole world rests upon it.
あなたの世界全体は、この唯一の誤りに基盤を置いています。
Everything you see reflects it, and every special relationship that you have ever made is part of it.
あなたが目にするあらゆるものはこの誤りを反映し、あなたがこれまで形作ってきた特別な関係はひとつ残らず、この誤りの一部分です。
5. You may be surprised to hear how very different is reality from what you see.
自分に見えている様相が現実とどれほど大きくかけ離れているか聞いて、あなたは驚いているかもしれません。
You do not realize the magnitude of that one error.
あなたは、あの唯一の誤りがどれほど甚大なものなのかわかっていません。
It was so vast and so completely incredible that from it a world of total unreality had to emerge.
その誤りは、あまりにも広大で、本当に完全に途方もないものだったので、あなたの誤りの中からは、完全に偽りの世界が出現せざるをえませんでした。
What else could come of it?
完全な誤りの中から、偽りの世界以外の何が生じることができたというのでしょうか。
Its fragmented aspects are fearful enough, as you begin to look at them.
その断片化した側面は、あなたがそれを見ようとするだけでも十分に恐ろしいものです。
But nothing you have seen begins to show you the enormity of the original error, which seemed to cast you out of Heaven, to shatter knowledge into meaningless bits of disunited perceptions, and to force you to make further substitutions.
しかし、あなたが見てきたいかなるものであっても、原初の誤りの甚大さを窺い知る糸口にすらなりません。この過ちは、知識を打ち砕いてまとまりのない無意味な知覚の断片にしてしまい、あなたにさらなる代用の数々を作り続けるよう強いるために、あなたを天国から追放してしまったかのように見えました。

6. That was the first projection of error outward.
これが、誤りを外に見る最初の投影でした。
The world arose to hide it, and became the screen on which it was projected and drawn between you and the truth.
この誤りを隠すために世界が出現して、あなたと真理の間に張られて投影された誤りを映し出すスクリーンとなりました。
For truth extends inward, where the idea of loss is meaningless and only increase is conceivable.
真理は心の内面で広がるものなので、内面においては喪失という考えは意味を持たず、増大することしか考える余地がありません。
Do you really think it strange that a world in which everything is backwards and upside down arose from this projection of error?
このような誤りの投影から、あらゆることがあべこべになって上下が逆転している世界が出現したとしても、なんの不思議もありません。
For truth brought to this could only remain within in quiet, and take no part in all the mad projection by which this world was made.
というのは、こんな世界に真理が持ちこまれたとしても、真理は内面の静寂に留まって、こんな世界を作りあげた狂気の投影に一切関わらずにいることしかできないからです。
Call it not sin but madness, for such it was and so it still remains.
そんな投影を、罪ではなく狂気と呼ぶがよいでしょう。というのは、投影はかつて狂気であったし、今なお狂気のままだからです。
Invest it not with guilt, for guilt implies it was accomplished in reality.
投影に罪悪感を抱くには及びません。というのは、罪の意識を抱くことは、投影が現実に成就したことを暗黙の前提にすることだからです。
And above all, be not afraid of it.
そして何より、投影を恐れないことです。
7. When you seem to see some twisted form of the original error rising to frighten you, say only, "God is not fear, but love," and it will disappear.
原初の誤りが何らかの歪んだ形をとって立ち現われてきて、あなたを脅かすように感じられるときには、ただ「神は恐怖ではなく、愛だ」とだけ言いなさい。そうすれば、そんなものは消え去ってしまうでしょう。
The truth will save you.
真理があなたを救ってくれるでしょう。
It has not left you, to go out into the mad world and so depart from you.
真理は、あなたから離れて外に出て狂気の世界に入りこんで、あなたを置き去りにしたわけではありません。
Inward is sanity; insanity is outside you.
あなたの内側は正気そのもので、狂気はあなたの外側にあるのです。
You but believe it is the other way; that truth is outside, and error and guilt within.
あなたは単にそれが逆だと信じているだけです。すなわち、あなたは真理は外にあって、誤りと罪悪感は内にあると信じているのです。
Your little, senseless substitutions, touched with insanity and swirling lightly off on a mad course like feathers dancing insanely in the wind, have no substance.
あなたの卑小で無意味な代用は、狂気に冒されて、まるで風に吹かれて、あてどなく狂った軌跡を描いて舞い続ける羽根のように、何の実体も持っていません。
They fuse and merge and separate, in shifting and totally meaningless patterns that need not be judged at all.
諸々の代用は、混じり合ってひとつに結びついたかと思えばばらばらに分離して、というふうに、次から次へと目まぐるしく変わるまったく無意味な繰り返しなので、そんなものはまったく判断を要するようなものではありません。
To judge them individually is pointless.
そんなものを個別に判断してみても無駄です。
Their tiny differences in form are no real differences at all.
それらの形が多少違っていても、そんなものはまったく本当の違いではありません。
None of them matters.
諸々の代用がとる形など、どれも重要ではありません。
That they have in common and nothing else.
重要でないことだけはすべての代用に共通しますが、それ以外に共通点は何もありません。
Yet what else is necessary to make them all the same?
しかし、代用をどれもみな同じものと見るために、これ以外にいったい何が必要だというのでしょうか。

8. Let them all go, dancing in the wind, dipping and turning till they disappear from sight, far, far outside of you.
代用をすべて手放し、それらがあなたの外に遠く、はるか遠くあなたの視界から姿を消してしまうまで、風に吹かれて舞い降りたり、回転したりしながら舞い去るに任せるがよいのです。
And turn you to the stately calm within, where in holy stillness dwells the living God you never left, and Who never left you.
そして、あなたが自らの内面の荘厳なる静寂に向き直れば、その聖なる静けさの中には、あなたが一度も離れたことがなく、一度もあなたの許から去ったことのない生ける神が臨在します。
The Holy Spirit takes you gently by the hand, and retraces with you your mad journey outside yourself, leading you gently back to the truth and safety within.
聖霊は優しくあなたの手を引いて、あなたの歩んできた自分自身の外へと向かう狂気の旅路をあなたと一緒に引き返して、あなたの内にある真理と安全へとあなたを優しく導いて連れ戻してくれます。
He brings all your insane projections and the wild substitutions that you have placed outside you to the truth.
聖霊は、あなたが自分の外側に置いてきた狂気の投影や見当違いな代用のすべてを真理の下へともたらします。
Thus he reverses the course of insanity and restores you to reason.
こうして、聖霊は狂気の進路を逆転させて、あなたに理性を取り戻させてくれます。
9. In your relationship with your brother, where he has taken charge of everything at your request, he has set the course inward to the truth you share.
あなたと兄弟の関係においては、聖霊があなたの要請に応えてすべてのことを引き受けてくれているので、聖霊はすでに、あなたたちが分かち合う真理に向かって内面へと向かう進路を設定してくれています。
In the mad world outside you nothing can be shared but only substituted, and sharing and substituting have nothing in common in reality.
あなたの外側にある狂った世界では、何ひとつ共有できず、ただ代わりのもので置き換えられうるのみです。これに対して、現実においては、共有と代用にはいかなる共通点もありません。
Within yourself you love your brother with a perfect love.
あなた自身の心の内奥では、あなたは完璧な愛をもって自分の兄弟を愛しています。
Here is holy ground, in which no substitution can enter, and where only the truth in one another can abide.
あなたの心の内面には、いかなる代用も入りこむことができず、お互いの中にある真理のみが留まることができる聖なる場所があります。
Here you are joined in God, as much together as you are with him.
この聖地では、あなたたちは神と一緒にいるので、あなたたちは神の中でひとつに結ばれています。
The original error has not entered here, nor ever will.
原初の誤りがここに入りこんできたことはないし、これから先も決して入ってくる心配はありません。
Here is the radiant truth, to which the Holy Spirit has committed your relationship.
ここには、光り輝く真理があり、聖霊はこの真理へとあなたの関係を委ねたのです。
Let him bring it here, where you would have it be.
聖霊にあなたの関係をこの聖地に運んでもらいなさい。あなたが自らの関係をあらしめたいのはこの場所のはずです。
Give him but a little faith in your brother, to help him show you that no substitute you made for Heaven can keep you from it.
ほんの少しでよいので、兄弟への信頼を聖霊に捧げてください。そうすれば、あなたは聖霊が自分に、天国の代わりにしようとあなたが作り出したどんな代用もあなたを天国から引き離しておくことなどできない、ということを教えるのを手助けすることになります。

10. In you there is no separation, and no substitute can keep you from your brother.
あなたの内面にはどんな分離もないし、どんな代用も、あなたを兄弟から引き離しておくことはできません。
Your reality was God's creation, and has no substitute.
あなたの真の姿は、神が創造したものであり、その代用になるものは何もありません。
You are so firmly joined in truth that only God is there.
あなたたちは真理の中で本当に強固に結ばれているので、そこには神しか存在できません。
And he would never accept something else instead of you.
そして、神があなたたちの代わりに何かほかのものを受け入れるようなことは絶対にありません。
He loves you both, equally and as one.
神は、あなたと兄弟を、ともにひとつのものとして等しく愛しています。
And as he loves you, so you are.
そして、神があなたたちを愛するがゆえに、あなたたちは神の愛にふさわしい存在なのです。
You are not joined together in illusions, but in the Thought so holy and so perfect that illusions cannot remain to darken the holy place in which you stand together.
あなたたちは幻想の中ではなく、神の大いなる思いの中でひとつに結ばれているのです。その大いなる思いは、本当に神聖で完璧なので、あなたたちが一緒に立っている聖なる場所を暗くするために幻想がそこに留まることなどできません。
God is with you, my brother.
私の兄弟よ、神はあなたとともに在ります。
Let us join in him in peace and gratitude, and accept his gift as our most holy and perfect reality, which we share in him.
平安と感謝のうちに、私たちで神の中でひとつに結ばれましょう。そして、神の贈り物を私たちの最も神聖で完璧な現実として受け入れ、その現実を神の中で私たちは分かち合うのです。
11. Heaven is restored to all the Sonship through your relationship, for in it lies the Sonship, whole and beautiful, safe in your love.
あなたの結ぶ関係を通して、神の子全体に天国が回復されます。なぜなら、あなたの関係の中にこそ、あなたの愛に包まれて、大いなる神の子が完全で美しく安全な状態で存在しているからです。
Heaven has entered quietly, for all illusions have been gently brought unto the truth in you, and love has shined upon you, blessing your relationship with truth.
天国が静かに入ってきたのです。というのは、すべての幻想は穏やかにあなたの中にある真理の下へともたらされ、愛があなたの関係を真理で祝福しながら、あなたを照らしているからです。
God and his whole creation have entered it together.
神と神の創造物のすべてが、あなたの関係に一緒に入ってきてくれました。
How lovely and how holy is your relationship, with the truth shining upon it!
真理に照らされているあなたの関係は、なんと素晴らしく、なんと神聖なものでしょう。
Heaven beholds it, and rejoices that you have let it come to you.
天国はその様子を眺め、あなたが自らの許に天国が訪れることができるようにしてくれたことを喜んでいます。
The universe within you stands with you, together.
あなたの内なる宇宙は、あなたたちとともにあります。
And Heaven looks with love on what is joined in it, along with its Creator.
そして、天国は、あなたの内なる宇宙の中でひとつに結ばれたものを、その大いなる創造主とともに愛をこめて見守っています。

12. Whom God has called should hear no substitutes.
神に呼ばれた者は、どんな代用にも耳を貸してはなりません。
Their call is but an echo of the original error that shattered Heaven.
代用からの呼びかけは、天国を粉々に打ち砕いた原初の誤りの残響でしかないからです。
And what became of peace in those who heard?
代用からの呼びかけに耳を貸した者たちの心の平安は、どのようなものになり果てたことでしょうか。
Return with me to Heaven, walking together out of this world and through another, to the loveliness and joy the other holds within it.
私と一緒に天国に帰りましょう。ともに歩みを進めてこの世界を抜け出して、もうひとつの世界を通って、その世界が内に宿す美しさと喜びへと向かいましょう。
Would you still further weaken and break apart what is already broken and hopeless?
あなたは、すでに壊れてどうにもならないものを、さらに弱めて、ばらばらに分解したいとでもいうのでしょうか。
Is it here that you would look for happiness?
あなたはこんな場所で幸福を探したいのでしょうか。
Or would you not prefer to heal what has been broken, and join in making whole what has been ravaged by separation and disease?
それよりも、むしろ壊れてしまったものを癒して、みんなで一緒に分離や病気によって荒廃したものを元通り完全に修復したいとは思いませんか。
13. You have been called, together with your brother, to the most holy function this world contains.
あなたは自分の兄弟とともに、この世界で最も神聖な役目を果たすように呼び求められているのです。
It is the only one that has no limits, and reaches out to every broken fragment of the Sonship with healing and uniting comfort.
この召命こそ、何の制限も持たない唯一の役割であり、それは神の子の打ち砕かれてばらばらになったすべてのかけらたちに、癒されてひとつに結びつく安らぎを差し延べることです。
This is offered you, in your holy relationship.
あなたの神聖な関係の中で、この役目があなたに差し出されています。
Accept it here, and you will give as you have accepted.
ここで、その役目を受け入れてください。そうすれば、あなたは自ら受け入れたように、与えるようになるでしょう。
The peace of God is given you with the glowing purpose in which you join.
神の平安は、燦然と輝く目的とともにあなたに与えられています。あなたたちはその目的によってひとつに結ばれています。
The holy light that brought you together must extend, as you accepted it.
あなたたちを一緒に引き合わせてくれた聖なる光は、あなたがその光を受け入れるにつれて、輝きを拡張してゆくに違いありません。


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