T24-2 特別であるという欺瞞

2015年03月11日
テキスト第24章(特別であるという目標) 0

他人の魂の中に何が起こっているか気をつけていないからといって、そのために不幸になる人はそうそういるものではない。
しかし、自分自身の魂の動きを注意深く見守っていない人は必ず不幸になる。

マルクス_1126105554

マルクス・アウレリウス



One of the symptoms of an approaching nervous breakdown is the belief that one's work is terribly important.
自分の仕事はものすごく重要だと信じることは、精神の崩壊が近づいている兆候のひとつだ。

バートランド・ラッセル_1213013959

Bertrand Russell
バートランド・ラッセル





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今回はテキスト第二十四章から『特別であるという欺瞞」という一節をご紹介します。


特別性や犠牲や共感は全否定すべきなの?

特別性は、犠牲、共感等と同じように、この世界では否定的な意味を付与される概念ではなく、尊ばれる概念です。

コースは、これらの概念を否認するので、コース「信者」の人の中には、素直に受け止めて、頭ごなしに、一切、特別であることや犠牲を払うことや他者に共感することは間違いだと考えてしまう方もいるかもしれません。

しかし、コースが否認するのは、これらの概念の負の側面、影の部分だけです。

用語法というのは難しいもので、その論者がその言葉に込めた意味が一般的にその言葉が持つ意義よりも狭かったり、ずれていたりすると、誤解を生む素地となります。

コースでは、このような用語法の面での誤解の種がたくさんある(用語解説 C1 Mind - Spirit 心-霊)ので、自分が解釈している言葉の意味がはたしてイェシュアが意図している意味と本当に合致しているだろうかとつねに自問することが不可欠です。


自分だけが持つ特性を他者のために役立てる

さて、コースは、ひとつのアバターに肩入れして自分だと信じ込んで、他のアバターと比較して他を押しのけてでも優越しようという特別性は否認しますが、自分の操作するアバターが持っている他者や全体に奉仕できる個性を役立てることは否認しません。

「There is, however, a particular appeal in unusual abilities that can be curiously tempting.
 しかしながら、非凡な能力には独特の魅力があり、不思議なほど惹きつける力を持ちうるものです。

 Here are strengths which the Holy Spirit wants and needs.
 ここに、聖霊が望み、必要とする強さがあります。」(M25 超能力は望ましいもの?、4.)





特別な関係も犠牲も共感も神聖化することができる

特別な関係も、神聖な関係として昇華させるよう求められます。特別な関係を悪として切り捨てて世捨て人になったのでは、幸せな夢を経て真の世界にたどり着くことができません。

また、コースは、自他分離を信じて欠乏マインドのまま関係性の相手方に罪悪感を抱かせる道具、取引きとして差し出す損失としての犠牲は否認しますが、無償の愛の発露として他者のために与えることは否認しません。

幻想を信じて苦悩している他者の幻想を分かち合って一緒に苦悩する共感は否認しますが、関係性を持つことの意義そのものである愛を分かち合う共感は否認しません。


真理は幻想を相手にしていない

コースは非二元論、不二一元論に立っており、真理と幻想が対立して戦いをしているという発想はありません。

幻想のほうは真理に立ち向かっているつもりかもしれませんが、真理は幻想の攻撃など歯牙にもかけません。

ですから、コースが幻想の中でも、とりわけ凶悪な幻想を選び抜いて抹殺すべき幻想として指定して、それと戦って消滅させよというはずがありません。

聖霊の手にかかれば、幻想世界のすべての物事は、救いのための手段に転化、変容するのですから、コースが否認し、攻撃しているかのように受け取れるところがあったとしても、その真意は、光が正しく当たらない状態から光が正しく当たるようにして、影を作らないようにしなさいということだと捉えるようにするとよいでしょう。


エゴも同じ

この点で、エゴについても、ともすれば、個としての自分を滅して無我の境地に到達して無私の人になければならないという捉え方になりがちだと思いますが、同じ仕組みで、個性に間違って光が当たってできた影を指して「エゴ」と称し、取り消されるべきものとされるのはこの影だけであって、ニュートラルなパーソナリティーである自我としての個性はあってよく、正しく光を当てて全体に奉仕することで生かすことが求められるのだと思います。


自分の外の世界の権威による正当化に逃げ込まずに、自分の中の聖霊を権威とする

とにかく、心に違和感が湧いて疑問でいっぱいなのに、コースはこう言っているのだから、と盲目的な信仰のようになってしまうと、そのうち、本当に、魂の叫び声は押し殺されて聞こえなくなってしまう危険があるので、自分の感じ方の小さな声に注意することは軽視せずに大切にしたいところです。

エゴは中身が空っぽゆえに権威主義なので、自分の心の声よりも外部のお偉いさんのお墨付きを得ることで安心します。

聖霊は自らの内なる英知をもって権威とするので、世間の評価の風で揺らぐことはありません。

2000年前に人として生きた際のイェシュア自身、当時の社会からすれば異端の極致であり、すべてをひっくり返す反逆者であったことを忘れないようにしましょう。

コースは、私たちに従順に群れをなす羊になることを求めているのではなく、自分の中に、神の大いなる光の火種である閃光があることに気づいて、各自がその光を隠さずに掲げることで、闇を照らし出せるようになることを求めているのだと思います。


マルクス・アウレリウスの名言

冒頭のマルクス・アウレリウスの言葉はとても大切なので、あらためて引用しておきます。

マルクス_1126105554


他人の魂の中に何が起こっているか気をつけていないからといって、そのために不幸になる人はそうそういるものではない。
しかし、自分自身の魂の動きを注意深く見守っていない人は必ず不幸になる。




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テキスト第二十四章

II. The Treachery of Specialness
二 特別であるという欺瞞



1. Comparison must be an ego device, for love makes none.
 比較は、エゴの道具に違いありません。なぜなら、愛はいかなる比較もしないからです。

 Specialness always makes comparisons.
 特別性は、つねに比較をします。

 It is established by a lack seen in another, and maintained by searching for, and keeping clear in sight, all lacks it can perceive.
 ある人が特別であるという状態は、他者の中に欠乏を見ることによって確立され、自分に知覚できるかぎりの不足を探し出して、はっきり見えるように保っておくことで維持されます。

 This does it seek, and this it looks upon.
 特別性が探し求めるのはこの他者の欠乏であり、特別性が見るのも他者の欠乏です。

 And always whom it thus diminishes would be your savior, had you not chosen to make of him a tiny measure of your specialness instead.
 そして、このようにして、特別性はつねに、その人のことを自分がどれほど特別であるかを測るためのちっぽけな物差しにすることをあなたが選択しなかったなら、あなたの救い主となってくれたはずの人を軽視します。

 Against the littleness you see in him you stand as tall and stately, clean and honest, pure and unsullied, by comparison with what you see.
 あなたは自分にそう見えている彼の卑小な姿に比べて、自分は大きく威厳があり、清らかで正直で、純粋で穢れのない存在であるように思います。

 Nor do you understand it is yourself that you diminish thus.
 しかも、このようにすることで、実は自分が自分自身を貶めていることが、あなたにはわかりません。

名称未設定

2. Pursuit of specialness is always at the cost of peace.
 特別であることを追い求めることは、必ずその代償として平安を犠牲にすることになります。

 Who can attack his savior and cut him down, yet recognize his strong support?
 いったい誰が自分の救い主を攻撃して彼の価値を引き下げておきながら、彼から力強く支援してもらっていることに気づくことができるでしょうか。

 Who can detract from his omnipotence, yet share his power?
 誰が、自分の救い主の全能性を貶めておきながら、彼の力を分かち合えるでしょうか。

 And who can use him as the gauge of littleness, and be released from limits?
 そして、いったい誰が、卑小さを測る尺度として自分の救い主を使っておきながら、制限から解放してもらえるでしょうか。

 You have a function in salvation.
 あなたには救済において果たすべき役割があります。

 Its pursuit will bring you joy.
 その役割を果たすことを追求するなら、あなたには喜びがもたらされるでしょう。

 But the pursuit of specialness must bring you pain.
 しかし、特別であることを追い求めるなら、あなたは必ず苦痛を味わうことになります。

 Here is a goal that would defeat salvation, and thus run counter to the Will of God.
 特別性を追求することは、救済を挫こうとする目標であり、したがって、神の大いなる意志に背くことです。

 To value specialness is to esteem an alien will to which illusions of yourself are dearer than the truth.
 特別さに価値を置くことは、真理よりも自分自身についての幻想のほうをより大切にして神の意志とは相容れない意志を尊重することです。



3. Specialness is the idea of sin made real.
 特別であることは、罪の想念が具現化したものです。

 Sin is impossible even to imagine without this base.
 この特別性という基盤がなければ、罪は想像することすら不可能です。

 For sin arose from it, out of nothingness; an evil flower with no roots at all.
 というのは、罪はこの特別性という基盤から、つまり、無から生じた、まるでまったくの根なし草に咲いた徒花のようなものだからです。

 Here is the self-made "savior," the "creator" who creates unlike the Father, and which made His Son like to itself and not like unto Him.
 これこそ、自作の「救世主」であり、大いなる父とは違うように創造して、神の子を父には似せずに自分自身に似せたものとして神の子を作り変えた「創造主」です。

 His "special" sons are many, never one, each one in exile from himself, and Him of Whom they are a part.
 そんな創造主の「特別な」子らは無数におり、決してひとりではないし、それぞれが自分自身から、そして、自分たちがその一部を構成している父からも離れて流浪しています。

 Nor do they love the Oneness which created them as one with Him.
 そして、彼らは、自分たちを神とひとつのものとして創造した偉大な一なる状態を愛してはいません。

 They chose their specialness instead of Heaven and instead of peace, and wrapped it carefully in sin, to keep it "safe" from truth.
 彼らは、天国や平安の代わりに、自分たちが特別であることを選び、それを真理から「無事」に守っておくために、自分の特別さを罪の中に念入りに包みこんだのです。

名称未設定

4. You are not special.
 あなたは特別ではありません。

 If you think you are, and would defend your specialness against the truth of what you really are, how can you know the truth?
 もしあなたが自分は特別だと思い、自分の特別さを本当のあなたが何者かという真理に逆らって擁護しようとするなら、そんなあなたにどうして真理を知ることができるでしょうか。

 What answer that the Holy Spirit gives can reach you, when it is your specialness to which you listen, and which asks and answers?
 あなたが尋ねたり答えたりする相手として自分の特別性にしか耳を貸さないとしたら、聖霊がどんな答えを与えたとしてもあなたには届かないのではないでしょうか。

 Its tiny answer, soundless in the melody that pours from God to you eternally in loving praise of what you are, is all you listen to.
 永遠に愛をこめて本当のあなたを讃えながら、神からあなたへと流れてくる快い調べの中では、特別性の取るに足らない答えなど音にもならない程度のものですが、あなたはそんな答えにしか耳を貸しません。

 And that vast song of honor and of love for what you are seems silent and unheard before its "mightiness. "
 だから、本当のあなたの栄光を讃える愛の大いなる歌も、特別性の卑小な答えの「力強さ」を前にしては、静かになって、聞こえなくなるように思えます。

 You strain your ears to hear its soundless voice, and yet the Call of God Himself is soundless to you.
 あなたが特別性の音のない声に耳を凝らしているせいで、あなたには神自身の呼びかけが聞こえません。



5. You can defend your specialness, but never will you hear the Voice for God beside it.
 あなたは自分の特別さを守ることはできますが、自分の特別さを守りながら、あなたが神を代弁する声を聞くことは絶対にないでしょう。

 They speak a different language and they fall on different ears.
 特別性と神を代弁する声は異なる言語で語るので、それぞれ異なる耳に届くからです。

 To every special one a different message, and one with different meaning, is the truth.
 特別であろうとする者にとっては、一人ひとりに対してそれぞれに異なるメッセージがあり、一つひとつのメッセージが異なる意味を持つことこそが真理だということになります。

 Yet how can truth be different to each one?
 しかし、どうして真理が一人ひとりにとって違うものになりうるでしょうか。

 The special messages the special hear convince them they are different and apart; each in his special sins and "safe" from love, which does not see his specialness at all.
 自分が特別であると考える者たちが耳にする特別なメッセージは、彼らに、自分たちは異なっていて、別々に分離していて、それぞれが自分だけの特別な罪の内にあるので、まったく彼を特別だとみなさない愛から「無事」に守られているのだと確信させます。

 Christ's vision is their "enemy," for it sees not what they would look upon, and it would show them that the specialness they think they see is an illusion.
 キリストのヴィジョンは彼らの「敵」です。というのは、キリストのヴィジョンは、特別であろうとする者たちが見ようとするものには目もくれず、彼らに、自分たちが見ていると思いこんでいる特別性が錯覚でしかないことを証明してしまうからです。

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6. What would they see instead?
 特別性の代わりに、彼らは何を見ることになるのでしょうか。

 The shining radiance of the Son of God, so like his Father that the memory of Him springs instantly to mind.
 それは、神の子の燦然たる輝きです。その輝きは、本当に大いなる父の輝きに似ているので、父の記憶が即座に心に湧き上がります。

 And with this memory, the Son remembers his own creations, as like to him as he is to his Father.
 そして、この記憶とともに、子は自らが創造したものたちのことも思い出します。神の子が創造したものたちは、神の子が彼の大いなる父に似ているのと同じように、神の子に似ています。

 And all the world he made, and all his specialness, and all the sins he held in its defense against himself, will vanish as his mind accepts the truth about himself, as it returns to take their place.
 そして、子が作りあげた世界全体や、彼の特別性のすべて、彼が自分自身から特別性を守ろうとして保持してきた罪のすべては、彼の心が自分自身についての真理を受け入れて自らの持ち場に戻ってくるとき、すべて消えてなくなるでしょう。

 This is the only "cost" of truth: You will no longer see what never was, nor hear what makes no sound.
 これが真理を得るために差し出す唯一の「代償」です。あなたはもはや一度も存在したためしのないものを見ることはなくなり、何の音も立てないものを聞くこともなくなるのです。

 Is it a sacrifice to give up nothing, and to receive the Love of God forever?
 はたして無を手放して神の大いなる愛を永遠に受け取ることは、犠牲を払うことになるでしょうか。



7. You who have chained your savior to your specialness, and given it his place, remember this: He has not lost the power to forgive you all the sins you think you placed between him and the function of salvation given him for you.
 あなたは、自らの救い主を鎖で自らの特別性に縛りつけて、代わりに特別性に救い主の地位を与えてきました。そんなあなたに次のことを思い出してほしいのです。それは、あなたはあまたの罪を置いて、その救い主があなたのために託された役目を果たすのを妨げたと思っていますが、救い主はそのすべての罪についてあなたを赦す力を失ってなどいないということです。

 Nor will you change his function, any more than you can change the truth in him and in yourself.
 それに、あなたには彼とあなた自身の中にある真理を変えることができないのと同じように、あなたには彼の役割を変えることもできません。

 But be you certain that the truth is just the same in both.
 ただ、あなたと兄弟の両方の中にある真理はまったく同じものだと確信しなさい。

 It gives no different messages, and has one meaning.
 あなたたちの中にある真理は、異なるメッセージを与えることはないし、ひとつの意味しか持っていません。

 And it is one you and your brother both can understand, and one that brings release to both of you.
 そして、あなたたちの中の真理が持つひとつのメッセージの意味は、あなたと兄弟の両方に理解できるし、あなたと兄弟の双方に解放をもたらしてくれます。

 Here stands your brother with the key to Heaven in his hand, held out to you.
 ここで、あなたの兄弟が天国への鍵を手にして立って、あなたにその鍵を差し出してくれています。

 Let not the dream of specialness remain between you.
 特別であるという夢を、あなたたちの間に留まらせてはなりません。

 What is one is joined in truth.
 ひとつであるものは真理の内に結ばれています。

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8. Think of the loveliness that you will see within yourself, when you have looked on him as on a friend.
 あなたがその兄弟を友として見るようになったとき、あなたが自分自身の内に見ることになる素晴らしさがどんなものか思い浮かべてみてください。

 He is the enemy of specialness, but only friend to what is real in you.
 その兄弟が特別性にとっての敵であるのは確かです。しかし、彼はあなたの中に本当にあるものにとっては唯一の友なのです。

 Not one attack you thought you made on him has taken from him the gift that God would have him give to you.
 あなたが彼に加えたと思っていた攻撃で、神があなたに与えさせようと彼に託した贈り物を彼から奪い取った攻撃などひとつもなかったのです。

 His need to give it is as great as yours to have it.
 彼がその贈り物をどうしても与えることを必要としているのと同じくらい、あなたは何としてもその贈り物を受け取る必要があります。

 Let him forgive you all your specialness, and make you whole in mind and one with him.
 彼にあなたの特別さのすべてを赦してもらって、心の中であなたを完全にして、彼とひとつにしてもらうがよいでしょう。

 He waits for your forgiveness only that he may return it unto you.
 彼はあなたに赦してもらうのを待っています。ただそのときにのみ、彼は赦しをあなたに返すことができるからです。

 It is not God Who has condemned His Son, but you, to save his specialness and kill his Self.
 神の子に有罪判決を宣告したのは神ではなく、神の子を特別ものとして保つことで、彼の真の自己を殺そうとしていたあなただったのです。



9. You have come far along the way of truth; too far to falter now.
 あなたは真理の道に沿ってずいぶん遠くまで、もう躊躇するには遠すぎるところまでやってきました。

 Just one step more, and every vestige of the fear of God will melt away in love.
 あともう一歩踏み出すだけで、神に対する恐れは跡形もなく愛の中に溶け去ってしまうでしょう。

 Your brother's specialness and yours are enemies, and bound in hate to kill each other and deny they are the same.
 あなたの兄弟の特別さとあなたの特別さとが敵同士なのは確かであり、互いに殺そうとしたり、自分たちが同じであることを否認しようして、憎しみの中に自分たちを束縛しています。

 Yet it is not illusions that have reached this final obstacle which seems to make God and His Heaven so remote that They cannot be reached.
 しかし、神とその天国が到達することが無理だと思えるほどはるか彼方にあるように見せている、この最後の障害にあなたがすでに辿り着いていることは錯覚ではありません。

 Here in this holy place does truth stand waiting to receive you and your brother in silent blessing, and in peace so real and so encompassing that nothing stands outside.
 ここに、この聖なる地において、あなたとあなたの兄弟を静かな祝福の中に迎え入れようと真理が待ち受けています。そして、その聖地は、すべてを抱擁する本物の平安の中にあるので、何ものも外側に残すことはありません。

 Leave all illusions of yourself outside this place, to which you come in hope and honesty.
 あなた自身についての幻想のすべてをその聖地の外に置いて、希望と正直さを抱いて、この聖地に来てください。

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10. Here is your savior from your specialness.
 ここに、あなたを特別さから救ってくれるあなたの救い主がいます。

 He is in need of your acceptance of himself as part of you, as you for his.
 あなたが彼の一部として彼に受け入れてもらう必要があるように、彼は彼自身をあなたの一部として受け入れてもらうことを必要としています。

 You are alike to God as God is to Himself.
 神が神自身であるのと同じくらい、あなたは神と同じ存在です。

 He is not special, for He would not keep one part of what He is unto Himself, not given to His Son but kept for Him alone.
 神は特別ではありません。というのは、神は自らの本質の一部すら自分だけのものにして、わが子に与えずに自分だけのために取っておこうとはしなかったからです。

 And it is this you fear, for if He is not special, then He willed His Son to be like Him, and your brother is like you.
 そして、神が特別ではないことこそ、あなたが恐れていることです。というのも、もし神が特別ではないとすれば、神は子が神自身と同じものになるように意図したはずであり、そうだとすれば、あなたの兄弟はあなたと同じものであるはずだからです。

 Not special, but possessed of everything, including you.
 神は特別ではありませんが、あなたを含めた万物を所有しています。

 Give him but what he has, remembering God gave Himself to you and your brother in equal love, that both might share the universe with Him Who chose that love could never be divided, and kept separate from what it is and must forever be.
 あなたと兄弟がともに神と宇宙を分かち合えるように、あなたと兄弟に同等の愛をもって神が神自身を授けてくれたことを思い出して、ただ兄弟の所有するものだけを兄弟に渡しなさい。神は、愛は決して分割されず、今もこれからも永遠にそうであるに違いない本来の姿から分離されたままにはしないことを選択しているのです。



11. You are your brother's; part of love was not denied to him.
 あなたは、あなたの兄弟のものです。愛の一部であるものが兄弟に対して拒まれたことはないからです。

 But can it be that you have lost because he is complete?
 それにしても、あなたの兄弟が完全になるせいで、あなたが損をすることがありうるでしょうか。

 What has been given him makes you complete, as it does him.
 兄弟に与えられたものは、彼を完全にするように、あなたも完全にするはずです。

 God's Love gave you to him and him to you because He gave Himself.
 神の大いなる愛があなたを兄弟に与え、兄弟をあなたに与えたのです。なぜなら、神は神自身を与えてくれたからです。

 What is the same as God is one with Him.
 神と同じであるものは神とひとつです。

 And only specialness could make the truth of God and you as one seem anything but Heaven, with the hope of peace at last in sight.
 そして、ようやく平安の希望が視界に入ってきたところで、神とあなたがひとつだという真理を天国以外の何か別のものに思わせることができるのは特別性だけです。

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12. Specialness is the seal of treachery upon the gift of love.
 特別であろうとすることは、愛の贈り物に押される裏切りの封印です。

 Whatever serves its purpose must be given to kill.
 特別性の目的に奉仕するものは、どんなものであろうと殺される羽目になります。

 No gift that bears its seal but offers treachery to giver and receiver.
 特別性の証印が押されている贈り物はひとつ残らず、それを差し出す者と受け取る者に裏切りを差し出すことになります。

 Not one glance from eyes it veils but looks on sight of death.
 特別性のヴェールに覆われた目で一瞥して、死の光景を見ずにいることはできません。

 Not one believer in its potency but seeks for bargains and for compromise that would establish sin love's substitute, and serve it faithfully.
 特別性の力を信奉する者はみな、罪を愛の代用に定めようと取引や妥協を試みては、罪に忠実に奉仕します。

 And no relationship that holds its purpose dear but clings to murder as safety's weapon, and the great defender of all illusions from the "threat" of love.
 そして、特別であることを大切な目標として掲げる関係は、安全でいるための武器となって、すべての幻想を愛の「脅威」から守ってくれる強力な守護者として、殺害にすがりつかずにはいられません。



13. The hope of specialness makes it seem possible God made the body as the prison house that keeps His Son from Him.
 特別でありたいとの願望が、神が自分からわが子を隔離しておくための牢獄として身体を作し出したとみなすことを可能にします。

 For it demands a special place God cannot enter, and a hiding place where none is welcome but your tiny self.
 というのは、特別であろうとする願望は、神が入りこむことのできない特別な場所であり、あなたの卑小な自己以外にはほかの何者も歓迎されない隠れ家を要求するからです。

 Nothing is sacred here but unto you, and you alone, apart and separate from all your brothers; safe from all intrusions of sanity upon illusions; safe from God and safe for conflict everlasting.
 この身体という隠れ家では、あなたの兄弟たちみんなから分離して隔絶していて、幻想の中にいかなる正気も侵入してくる心配はないし、神から邪魔されることなく安心して永遠に葛藤し続けられるので、どんなものもあなたにとって、それもあなたにとってのみ神聖なものとなります。

 Here are the gates of hell you closed upon yourself, to rule in madness and in loneliness your special kingdom, apart from God, away from truth and from salvation.
 ここに地獄の門があります。あなたは神から離れ、真理と救済からも遠く離れて、狂気と孤独の中で、自らの特別な王国を支配しようとして、その門の扉を閉ざして自らを地獄に閉じ込めたのです。



14. The key you threw away God gave your brother, whose holy hands would offer it to you when you were ready to accept His plan for your salvation in the place of yours.
 あなたが投げ捨てた鍵を、神はあなたの兄弟に託してくれています。あなたが自分で立てる計画の代わりに、あなたの救済のために神が立ててくれた計画を受け入れる用意があなたにできたとき、その兄弟の神聖な手がその鍵をあなたに差し出してくれるでしょう。

 How could this readiness be reached save through the sight of all your misery, and the awareness that your plan has failed, and will forever fail to bring you peace and joy of any kind?
 自らの悲惨さのすべてを目にして、自分の計画が失敗に終わって、これからも永遠に平安もいかなる種類の喜びももたらすことはないと自覚することを通して以外に、どうやって自分の計画の代わりに神の計画を受け入れる準備を整えることができるでしょうか。

 Through this despair you travel now, yet it is but illusion of despair.
 あなたは、今、この絶望感を味わいながら旅路を歩んでいます。しかし、それは絶望感の錯覚でしかありません。

 The death of specialness is not your death, but your awaking into life eternal.
 特別性が消滅することは、あなたの死ではなく、あなたが永遠の生命の中へと目覚めることだからです。

 You but emerge from an illusion of what you are to the acceptance of yourself as God created you.
 あなたは自分が誰なのかについて抱いていた錯覚から脱して、神に創造されたままのあなたとしての自分自身を受け入れるだけなのです。


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 松山 健 Matsuyama Ken
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