T26-5 些細な障害

2015年04月01日
テキスト第26章(移行) 3

As Einstein noted, past, present, and future all occur simultaneously.
アインシュタインの言うように、過去、現在、そして未来は一斉に起こっているんだ。



Gary R. Renard, The Disappearance of the Universe
ゲイリー・レナード(「神の使者」より)





VqDCJbPS (1) (1)

今回はテキスト第二十六章から「些細な障害」という一節をご紹介します。


世界という幻想は生まれた瞬間に消去されている

本節では、世界という幻想は神の子が狂気の妄想をした一瞬に神から聖霊という答えが与えられて即座に消去されているということが語られます。

3.「The tiny tick of time in which the first mistake was made, and all of them within that one mistake, held also the Correction for that one, and all of them that came within the first.
 そのごく短い一刻の時の中で、その中にすべての間違いを含む最初のひとつの間違いが犯されましたが、その一瞬の中には、最初の間違いとその最初の間違いが内包していたすべての間違いに対する大いなる修正も含まれていたのです。」

4.「You think you live in what is past.
 あなたは、すでに去ってしまったものの中で自分は生きていると思いこんでいます。

 Each thing you look upon you saw but for an instant, long ago, before its unreality gave way to truth.
 あなたが見ているものはひとつ残らず、はるか昔、その虚構性が真理に道を譲る前に、ほんの一瞬だけあなたが目にしたものなのです。」


「10. Would God allow His Son to lose his way along a road long since a memory of time gone by?
 はたして神が、時間についての記憶がとうの昔に去っている旅路の途中でわが子が道に迷うことを容認するでしょうか。

 This course will teach you only what is now.
 このコースはあなたに、今あることだけを教えます。

 A dreadful instant in a distant past, now perfectly corrected, is of no concern nor value.
 遠い過去の恐ろしい一瞬は、今は完全に修正されており、何の心配もいらないし、何の価値もありません。

 Let the dead and gone be peacefully forgotten.
 死んで消え去ったものなど、安らかに忘れ去るがよいでしょう。」

「11. The Son whom God created is as free as God created him.
 神が創造した神の子は、神が創造した通り自由なままです。

 He was reborn the instant that he chose to die instead of live.
 神の子は、彼が生きる代わりに死を選択したその瞬間に復活したのです。」


コース独自の時間論

このように、狂気の妄想が生み出した幻想世界は、その一瞬において消去されているけれど、神の子は、そのありもしない一瞬を、動画を再生するようにすでに終わった過去を私たちの人生として再生する狂気を脱していいないという、コース独特の時間論を直接的に展開しています。

12.「The real world is the second part of the hallucination time and death are real, and have existence that can be perceived.
 真の世界とは、時間と死は本物で知覚できる実在性を持っているという幻覚を別の観点から見たものです。

 This terrible illusion was denied in but the time it took for God to give His Answer to illusion for all time and every circumstance.
 この恐ろしい幻想は、すべての時間とあらゆる状況に対応した神の大いなる答えを神がこの幻想に与える時間を要しただけで退けられました。

 And then it was no more to be experienced as there.
 そのあとは、この幻想はもはや、存在するものとして体験されることはなくなったのです。」

13.「Such is each life; a seeming interval from birth to death and on to life again, a repetition of an instant gone by long ago that cannot be relived.
 一つひとつの人生というのは、そんなものです。すなわち、誕生から死まで続くように見える合い間、そして、再び生まれてくることで、はるか昔に過ぎ去って二度と再び生きることなどできないはずの一瞬を繰り返しているのです。

 And all of time is but the mad belief that what is over is still here and now.
 だから、時間というものはすべて、すでに終わったことが依然として今ここにあるという狂気の信念でしかないのです。」





時間と空間は同じ分離幻想の別の側面

少しあとの本章の第8節では、時間と空間は、同じひとつの分離幻想であり、時空という幻想は私たちが兄弟とひとつになることをまだ受け入れられないために設けられている隔たりだということが語られます。

1.「For time and space are one illusion, which takes different forms.
 なぜなら、時間と空間はひとつの幻想であって、それがさまざまな形をとっているだけだからです。

 If it has been projected beyond your mind you think of it as time.
 もしそのひとつの幻想があなたの心の外側に投影されると、あなたはそれを時間として考えます。

 The nearer it is brought to where it is, the more you think of it in terms of space.
 その幻想がそのありかである心により近くもたらされると、あなたはそれを空間という観点で考えるようになります。」(T26-8 救いはもう、済んでいる


幻想世界を生み出す元凶はアイデンティティー障害

つまり、すでに終わった世界をあたかも現在進行形の現実だと誤信する狂気の本質は、本当の自分を受け入れられずに、幻想世界の生き物が自分だと信じたままでいたがっているアイデンティティー問題に帰着するということです。

レッスン224「神は私の父であり、神はわが子を愛している」 のエッセイが参考になると思います。



ゆにこーん_1225101759 (2) (1)

テキスト第二十六章

V. The Little Hindrance
五 些細な障害



1. A little hindrance can seem large indeed to those who do not understand that miracles are all the same.
 奇跡はどれも同じだと理解しない者たちには、些細な障害が実に大きな障害に見えてしまうものです。

 Yet teaching that is what this course is for.
 しかし、奇跡はすべて同じだと教えるのがこのコースの役目です。

 This is its only purpose, for only that is all there is to learn.
 これだけが、このコースの唯一の目的です。というのも、学ぶべきことはこれしかないからです。

 And you can learn it in many different ways.
 そして、どんな奇跡もみな同じだということを、あなたはさまざまに違った方法で学ぶことができます。

 All learning is a help or hindrance to the gate of Heaven.
 どんな学習も、天国の門に到達する助けとなるか邪魔となるか、そのいずれかです。

 Nothing in between is possible.
 両者の中間はありえません。

 There are two teachers only, who point in different ways.
 というのも、それぞれに異なった方向を指し示すふたりの教師しかいないからです。

 And you will go along the way your chosen teacher leads.
 そして、あなたは、自分が選んだ教師の導く道に沿って歩むことになります。

 There are but two directions you can take, while time remains and choice is meaningful.
 時間が残っていて選択が意義を有する間に、あなたが選べる方角はふたつしかありません。

 For never will another road be made except the way to Heaven.
 というのは、天国へと至る道以外に、それとは別の道が作られることは絶対にないからです。

 You but choose whether to go toward Heaven, or away to nowhere.
 あなたに選べるのは、天国に向かって進むか、それとも天国から離れてどこでもないところに向かうか、そのどちらかだけです。

 There is nothing else to choose.
 ほかに選択肢は何もないからです。

名称未設定

2. Nothing is ever lost but time, which in the end is meaningless.
 時間のほかには失われるものなど何もなく、その時間も最終的には意味がなくなります。

 For it is but a little hindrance to eternity, quite meaningless to the real Teacher of the world.
 というのも、時間は、永遠にとっては取るに足らない邪魔ものでしかなく、この世界の真の教師にとってはまったく無意味なものだからです。

 Yet since you do believe in it, why should you waste it going nowhere, when it can be used to reach a goal as high as learning can achieve?
 しかし、あなたが現に時間はあると信じているのだから、もし時間を活用して学習によって到達できる最大限の高みにまで達することができるなら、あなたとしてはそのように時間を活用せずに、どこにもないところに行こうとして時間を無駄にしてぐずついている理由など見当たらないのではないでしょうか。

 Think not the way to Heaven's gate is difficult at all.
 少しでも天国の門に至る道が険しいなどと思ってはなりません。

 Nothing you undertake with certain purpose and high resolve and happy confidence, holding your brother's hand and keeping step to Heaven's song, is difficult to do.
 あなたが確固たる目的を高く掲げて決意して幸福な確信をもって取りかかったことであれば、自分の兄弟の手を握りしめて、天国の歌声に歩調を合わせて歩みを進めるかぎり、あなたがなすうえで困難なことなど何ひとつないからです。

 But it is hard indeed to wander off, alone and miserable, down a road that leads to nothing and that has no purpose.
 それに比べて、ひとりきりで惨めな思いをしながらさまよって、無へと続く道を何の目的も持たずに下っていくことのほうが、実はむしろ困難なことなのです。



3. God gave His Teacher to replace the one you made, not to conflict with it.
 神の大いなる教師を神があなたに与えてくれたのは、あなたが作り出した教師と争わせるためではなく、交代させるためです。

 And what He would replace has been replaced.
 そして、神が交代させようと意図した以上は、すでに交代は完了しています。

 Time lasted but an instant in your mind, with no effect upon eternity.
 時間はあなたの心の中で、ただ一瞬の間存続しただけで、永遠に対しては何の影響も及ぼしてはいないのです。

 And so is all time past, and everything exactly as it was before the way to nothingness was made.
 すべての時間は、同じように過ぎ去ったのであり、あらゆるものは、無に向かう道が作り出される前にそうだった状態のまま、まったく変わっていません。

 The tiny tick of time in which the first mistake was made, and all of them within that one mistake, held also the Correction for that one, and all of them that came within the first.
 そのごく短い一刻の時の中で、その中にすべての間違いを含む最初のひとつの間違いが犯されましたが、その一瞬の中には、最初の間違いとその最初の間違いが内包していたすべての間違いに対する大いなる修正も含まれていたのです。

 And in that tiny instant time was gone, for that was all it ever was.
 そして、そのわずかな瞬間の中で、時間は過ぎ去ったのです。というのも、時間とはただそれだけのものでしかなかったからです。

 What God gave answer to is answered and is gone.
 神が答えを授けたものは、返答を得て消え去ったのです。

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4. To you who still believe you live in time and know not it is gone, the Holy Spirit still guides you through the infinitely small and senseless maze you still perceive in time, though it has long since gone.
 今なお自分が時間の中に生きていると信じているあなたには、時間が去っていることがわかりません。それでも聖霊はなお、すでにとうの昔に去ってはいるものの、あなたが依然として時間の中に知覚している限りなく小さくて無意味な迷宮の中から抜け出せるようにあなたを導いてくれます。

 You think you live in what is past.
 あなたは、すでに去ってしまったものの中で自分は生きていると思いこんでいます。

 Each thing you look upon you saw but for an instant, long ago, before its unreality gave way to truth.
 あなたが見ているものはひとつ残らず、はるか昔、その虚構性が真理に道を譲る前に、ほんの一瞬だけあなたが目にしたものなのです。

 Not one illusion still remains unanswered in your mind.
 あなたの心の中には、答えられないままになっている幻想はひとつもありません。

 Uncertainty was brought to certainty so long ago that it is hard indeed to hold it to your heart, as if it were before you still.
 確実なものの下へと不確実さがもたらされたのはあまりにも昔のことだったので、その不確実な幻想が今もなお、あたかも自分の目の前にあるかのように自分の心に思い描こうとすることこそ、本当は困難なはずなのです。



5. The tiny instant you would keep and make eternal, passed away in Heaven too soon for anything to notice it had come.
 あなたがそれを維持して永遠のものにしようとしたその一瞬は、天国では、その一瞬が訪れたことに少しも気づく余裕もないほどすぐに過ぎ去ってしまいました。

 What disappeared too quickly to affect the simple knowledge of the Son of God can hardly still be there, for you to choose to be your teacher.
 あまりに早く消え去ってしまって、神の子の知識に少しも影響を及ぼせなかったようなものは、あなたがそれを自分の教師に選ぼうにも、もうそこに存在しているはずがないのです。

 Only in the past—an ancient past, too short to make a world in answer to creation—did this world appear to rise.
 ただ過去においてのみ、それも太古の昔、創造に対応させて世界を作り出すにはあまりに短すぎる合間に、この世界が生起したように見えただけだったのです。

 So very long ago, for such a tiny interval of time, that not one note in Heaven's song was missed.
 本当にとても遠い昔のことであり、それも本当に短い時間の合間のことだったので、天国の歌のひとつの音すら聞き逃されることはありませんでした。

 Yet in each unforgiving act or thought, in every judgment and in all belief in sin, is that one instant still called back, as if it could be made again in time.
 しかし、、私たちが許さない思いを抱いて許さない行いをするつど、罪を信じて裁くたび、まるで時間の中で再びその一瞬を作り出すことができたかのようにその一瞬が今なお呼び戻されています。

 You keep an ancient memory before your eyes.
 あなたは太古の昔の記憶を自分の目の前に保っているのです。

 And he who lives in memories alone is unaware of where he is.
 だから、自分がどこにいるのか気づかずにいるのは、記憶の中に生きている者だけなのです。

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6. Forgiveness is the great release from time.
 赦しは時間からの大いなる解放です。

 It Is the key to learning that the past is over.
 赦しこそ、過去が終わっていると学ぶための鍵です。

 Madness speaks no more.
 もはや狂気が語ることはありません。

 There is no other teacher and no other way.
 もうほかの教師も、ほかの道も存在しません。

 For what has been undone no longer is.
 なぜなら、すでに取り消されているものはもはや存在しないからです。

 And who can stand upon a distant shore, and dream himself across an ocean, to a place and time that have long since gone by?
 それに、いったい誰が、遠く離れた海岸にいながら、はるか昔に消え去ってしまった海の向こうの場所と時間に自分はいると夢見ることができるでしょうか。

 How real a hindrance can this dream be to where he really is?
 彼がこんな夢を見ていることが、彼が現にそこにいる事実をどれほど現実的に妨げられるというのでしょうか。

 For this is fact, and does not change whatever dreams he has.
 というのも、彼がそこにいるのは事実であり、彼がどんな夢を見ようとも、この事実は変わらないからです。

 Yet can he still imagine he is elsewhere, and in another time.
 それでも、彼には依然として、自分がどこか別の場所に、そして、別の時間の中にいると想像することはできます。

 In the extreme, he can delude himself that this is true, and pass from mere imagining into belief and into madness, quite convinced that where he would prefer to be, he is.  
 極端な場合には、彼は、それが真実だという妄想を抱き、単なる想像から信念へ、信念から狂気へと移行して、自分のいたい場所に間違いなく自分はいるのだと完全に確信を抱くことすらできます。



7. Is this a hindrance to the place whereon he stands?
 しかし、こんな妄想が彼が現にいる場所にいることの妨げになるでしょうか。

 Is any echo from the past that he may hear a fact in what is there to hear where he is now?
 彼には過去からの何らかの残響が聞こえているのかもしれませんが、そんなものが、彼が今いる場所で聞こえているのと同じ事実になるでしょうか。

 And how much can his own illusions about time and place effect a change in where he really is?
 そして、時間と場所について彼自身が抱く錯覚が、彼が実際にいるところにどれほどの変化をもたらしうるでしょうか。

名称未設定

8. The unforgiven is a voice that calls from out a past forevermore gone by.
 赦されていないものは、永久に去った過去から呼びかける声です。

 And everything that points to it as real is but a wish that what is gone could be made real again and seen as here and now, in place of what is really now and here.
 そして、赦されていないもののことを現実であるかのように指し示すものはすべて、本当に今ここにあるものの代わりに、過ぎ去ったものを再び実在させて、今ここにあるものとして見ることが可能であってほしいという願望にすぎません。

 Is this a hindrance to the truth the past is gone, and cannot be returned to you?
 こんな願望が、過去は去っていて、あなたの許に戻ってくることはできないという真理にとっての障害になるでしょうか。

 And do you want that fearful instant kept, when Heaven seemed to disappear and God was feared and made a symbol of your hate?
 それに、あなたは、天国が姿を消してしまったように見えて、神が恐ろしいものとなって、あなたの憎しみの象徴に変えられてしまったあんな恐ろしい一瞬を保っておきたいというのでしょうか。



9. Forget the time of terror that has been so long ago corrected and undone.
 あまりに遠い昔に修正されて取り消されている恐怖の時のことなど忘れてしまいなさい。

 Can sin withstand the Will of God?
 罪が神の大いなる意志に抵抗することなどできるでしょうか。

 Can it be up to you to see the past and put it in the present?
 過去を見て、その過去を現在に変換することがあなた次第ということがありえるでしょうか。

 You can not go back.
 あなたは、あと戻りすることはできません。

 And everything that points the way in the direction of the past but sets you on a mission whose accomplishment can only be unreal.
 だから、過去の方角に向いた道を指し示すものはすべて、想像の中でしか達成することができない使命をあなたに課すだけです。

 Such is the justice your All-Loving Father has ensured must come to you.
 すでに消滅している過去から現実へと戻ることこそ、あなたの愛に満ちた父が必ずあなたの許に訪れると約束してくれた正義です。

 And from your own unfairness to yourself has He protected you.
 そして、神は、あなたが自分自身に対して不公正になることからあなたを守ってくれています。

 You cannot lose your way because there is no way but His, and nowhere can you go except to Him.
 あなたが道に迷うことはありえません。なぜなら、神の道しか存在しないし、神の下に至る以外にはあなたに行く着く場所はどこにもないからです。

名称未設定

10. Would God allow His Son to lose his way along a road long since a memory of time gone by?
 はたして神が、時間についての記憶がとうの昔に去っている旅路の途中でわが子が道に迷うことを容認するでしょうか。

 This course will teach you only what is now.
 このコースはあなたに、今あることだけを教えます。

 A dreadful instant in a distant past, now perfectly corrected, is of no concern nor value.
 遠い過去の恐ろしい一瞬は、今は完全に修正されており、何の心配もいらないし、何の価値もありません。

 Let the dead and gone be peacefully forgotten.
 死んで消え去ったものなど、安らかに忘れ去るがよいでしょう。

 Resurrection has come to take its place.
 死に去ったものに取って代わるために、すでに復活が到来しています。

 And now you are a part of resurrection, not of death.
 そして、今こそ、あなたは死ではなく、復活の一部となるのです。

 No past illusions have the power to keep you in a place of death, a vault God's Son entered an instant, to be instantly restored unto his Father's perfect Love.
 どんな過去の幻想にも、あなたを死の場所に閉じこめたままにしておく力はありません。神の子は、地下の納骨室に一瞬の間だけ足を踏み入れましたが、その瞬間に父の完全な大いなる愛の下へと戻されたのです。

 And how can he be kept in chains long since removed and gone forever from his mind?
 そうであれば、どうしてその神の子が、とうの昔にその心から取り外されて、永久に消え去っている鎖につなぎとめられたままでいられるでしょうか。



11. The Son whom God created is as free as God created him.
 神が創造した神の子は、神が創造した通り自由なままです。

 He was reborn the instant that he chose to die instead of live.
 神の子は、彼が生きる代わりに死を選択したその瞬間に復活したのです。

 And will you not forgive him now, because he made an error in the past that God remembers not, and is not there?
 そして、神の子が過去に誤りを犯したとしても、神はそんなことを覚えてはいないし、そんな誤りなど存在してもいないのだから、あなたも今、彼を赦すことにしてはどうでしょうか。

 Now you are shifting back and forth between the past and present.
 今のところ、あなたは過去と現在の間を行ったり来たりしています。

 Sometimes the past seems real, as if it were the present.
 時には、まるでそれが現在のことであるかのように、過去が現実のように思えます。

 Voices from the past are heard and then are doubted.
 過去からの声が聞こえたかと思えば、そのあとになって、それが疑わしくなります。

 You are like to one who still hallucinates, but lacks conviction in what he perceives.
 あなたは、まだ幻覚に陥った状態にありながらも、自分の知覚していることに確信を欠くようになった人に似ています。

 This is the borderland between the worlds, the bridge between the past and present.
 これこそふたつの世界の境界地帯であり、過去と現在との間の架け橋です。

 Here the shadow of the past remains, but still a present light is dimly recognized.
 ここには過去からの影がまだ残っていますが、それでも、現在の光にかすかに気づくことができます。

 Once it is seen, this light can never be forgotten.
 いったんこの現在の光が見えたら、この光を忘れることは決してできません。

 It must draw you from the past into the present, where you really are.
 この光は必ずあなたを、過去からあなたが実際にいる現在へと引き寄せてくれます。

名称未設定

12. The shadow voices do not change the laws of time nor of eternity.
 過去からの影の声は、時間の法則を変えることも、永遠の法を変えることもありません。

 They come from what is past and gone, and hinder not the true existence of the here and now.
 それらの声は過ぎ去ったものから来ているだけなので、今ここに真に存在するものを妨害することなどできません。

 The real world is the second part of the hallucination time and death are real, and have existence that can be perceived.
 真の世界とは、時間と死は本物で知覚できる実在性を持っているという幻覚を別の観点から見たものです。

 This terrible illusion was denied in but the time it took for God to give His Answer to illusion for all time and every circumstance.
 この恐ろしい幻想は、すべての時間とあらゆる状況に対応した神の大いなる答えを神がこの幻想に与える時間を要しただけで退けられました。

 And then it was no more to be experienced as there.
 そのあとは、この幻想はもはや、存在するものとして体験されることはなくなったのです。



13. Each day, and every minute in each day, and every instant that each minute holds, you but relive the single instant when the time of terror took the place of love.
 毎日、そして、一日の中の毎分、毎分を構成する一つひとつの瞬間ごとに、あなたはただ、戦慄の時が愛の座を奪い取ったあの一瞬を再生して追体験しているだけです。

 And so you die each day to live again, until you cross the gap between the past and present, which is not a gap at all.
 だから、本当はまったく切れ目などない過去と現在の間の隔たりをあなたが渡るまでは、あなたは再び生きるために毎日死ぬのです。

 Such is each life; a seeming interval from birth to death and on to life again, a repetition of an instant gone by long ago that cannot be relived.
 一つひとつの人生というのは、そんなものです。すなわち、誕生から死まで続くように見える合い間、そして、再び生まれてくることで、はるか昔に過ぎ去って二度と再び生きることなどできないはずの一瞬を繰り返しているのです。

 And all of time is but the mad belief that what is over is still here and now.
 だから、時間というものはすべて、すでに終わったことが依然として今ここにあるという狂気の信念でしかないのです。

名称未設定

14. Forgive the past and let it go, for it is gone.
 過去を赦して、過去を手放してください。というのも、過去は去っているからです。

 You stand no longer on the ground that lies between the worlds.
 あなたはもはや、ふたつの世界に股がる中間地帯に立ってはいません。

 You have gone on, and reached the world that lies at Heaven's gate.
 あなたは、すでにそこからさらに進んで、天国の門の前にある世界に到達しています。

 There is no hindrance to the Will of God, nor any need that you repeat again a journey that was over long ago.
 そこでは、神の大いなる意志を妨げるものは何もないし、はるか昔に終わっている旅をあなたが再び繰り返す必要など少しもありません。

 Look gently on your brother, and behold the world in which perception of your hate has been transformed into a world of love.
 あなたの兄弟を優しい気持ちで見てください。そして、あなたが憎しみをもって知覚していた世界がすでに愛の世界へと様変わりしているのを眺めてください。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

コメント3件

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星山 しげのぶ  

1

些細な障害について
目覚めるまでに障害がある

大古の分離の幻想による世界がある
この幻想はすでに贖われ終わっている

神の子は終わっている幻想を今に持ち込み苦しんでいる
一瞬に終わった太古の記憶
神から離れた幻想をひきずっている

神の子は天国の門の前にある世界に到達している
だけど、それが見えない

赦しの中で実相の世界が見えてくる

このように感じました,
アドバイスありますか

2015年09月19日 (土) 11:07

 ken  

Re: 1

星山 しげのぶ様

コメントいただきまして、どうもありがとうございます。


「> 些細な障害について
> 目覚めるまでに障害がある
・・・
> 赦しの中で実相の世界が見えてくる
>
> このように感じました,
> アドバイスありますか」

書かれていることを簡潔にまとめていただくと、その通りだと思います。


ただし、普通の感覚でいる限り、このように言われてもなかなか納得できませんよね(笑)。


イェシュアがたとえ話の名手であったように、コースの理解をする上では、アナロジーでの類比的発想が助けとなります。

小説の世界に入り込んで主人公と一体化している人にとっては、小説の主人公の生きている世界や主人公の体験している時間が現実のもののようになっています。

小説を読み始めると、それまでは本の中で静止していた物語の世界と時間が展開し始めます。

しかし、読者がどんなにのめり込んで現実だと確信していようとも、その物語は既に完結して本の中に存在するだけの既に終わったものです。

そして、その世界を展開させて時間を進ませているのは読者自身であり、だれもその人を本の中の世界に幽閉しているわけではありません。

彼が好き好んで自分で入り込んでいるだけです。


物語にのめり込んで、リアルタイムにその世界に自分がいると思い込んでいる読者がその架空の世界から抜け出すために必要なのは、何なのでしょう?

飽きるほどゲームにはまって、ある時点から憑き物が落ちたように、まったくゲームに興味を持たなくなるということはあります。

それと同じように、飽きるほど物語世界を渡り歩くことが助けとなるでしょうか。

でも、悲喜こもごもの愛憎劇を無限に繰り返す輪廻を転生の都度記憶をリセットして繰り返す限り、飽きがくることは永遠にないでしょう。

ニーチェの永劫回帰的に同じ人生を無限に繰り返す魂があるとすれば、いつかは飽きがくるかもしれませんが、バラバラになった個別の魂の一つが廃人になるだけで、ほかの魂は物語に入り込んだままです。


物語を読み終えて、その幻の世界の中で多数の登場人物を登場させてその主人公になり切っていただけで、実は本当の自分はその主人公ではなかったし登場人物たちも世界も幻想だったと気づいた後でも、その気になれば、いつでも本を開いて物語を再生することはできます。

単に世界の幻想性に気づくだけでは、面白い空想上の物語を楽しんでしまうように、夢の主人公としての体験の中毒性からは抜け出せないのかもしれません。

幻想の世界が代用にすぎず、真に求めるものがあることに気づき、それを体験することが疑似体験への中毒から脱出する手だてとなります。

私たちがこんなにも人生ゲームにのめり込んでしまうのは、神を知りたいという欲求を抑え切れずにいながら、それを叶えられずに、その代用としてエゴに従って幻想世界の中での愛の探求ごっこをすることで擬似的にこの欲求を誤魔化して満足させることができるからです。

これが自己欺瞞であるということに気づき、自分が本当に求めるものが何なのか気づいて、偽物で自分を騙すのをやめ、代用での欺瞞から真の満足に到るしか抜け道はないのかもしれません。

http://thereisnospoon.jp/blog-entry-24.html(時間を消す)が参考になると思います。






2015年09月20日 (日) 18:07

星山 しげのぶ  

1

素晴らしいアドバイス有難うございます。
私はもっと単純に私は神の子であると100%信じることを
大事にして来ました。
少しでも疑念を持つと心は崩れ落ちます。

幻想の世界は解釈出来ないと思います
どこまで行っても答えは出ないのではないでしょうか
迷路にはまりこむだけです

最も大事なのはACIMの教えを素直に実践することではないでしょうか

聖霊の声を聞くこと
赦しを実践すること

この二つに尽きると思います
他者を説得することではなく自分が癒されること
これがコースの目的だと確信しています

今回のアドバイスしっかり考えたく思います
論理的展開に舌を巻きました

2015年10月08日 (木) 10:19
未分類 (10)
奇跡のコース (8)
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┣  テキスト第1章(奇跡の意味) (7)
┣  テキスト第2章(分離と贖罪) (8)
┣  テキスト第3章(潔白な知覚) (7)
┣  テキスト第4章(エゴという幻想) (8)
┣  テキスト第5章(癒しと完全性) (8)
┣  テキスト第6章(愛のレッスン) (8)
┣  テキスト第7章(王国の贈り物) (11)
┣  テキスト第8章(戻りの旅路) (9)
┣  テキスト第9章(贖罪の受容) (8)
┣  テキスト第10章(病の偶像) (6)
┣  テキスト第11章(神かエゴか) (9)
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┣  テキスト第14章(真理のための教え) (11)
┣  テキスト第15章(神聖な瞬間) (11)
┣  テキスト第16章(幻想を赦す) (7)
┣  テキスト第17章(赦しと神聖な関係) (8)
┣  テキスト第18章(夢の消滅) (9)
┣  テキスト第19章(平安の達成) (9)
┣  テキスト第20章(神聖さのヴィジョン) (8)
┣  テキスト第21章(理性と知覚) (9)
┣  テキスト第22章(救いと神聖な関係) (7)
┣  テキスト第23章(自分自身との戦い) (5)
┣  テキスト第24章(特別であるという目標) (8)
┣  テキスト第25章(神の正義) (9)
┣  テキスト第26章(移行) (10)
┣  テキスト第27章(夢を癒す) (8)
┣  テキスト第28章(恐れを取り消す) (7)
┣  テキスト第29章(目覚め) (9)
┣  テキスト第30章(新たなる始まり) (8)
┗  テキスト第31章(最後のヴィジョン) (8)
ワークブック・パート① (236)
┣  レッスン1〜10 (11)
┣  レッスン11〜20 (10)
┣  レッスン21〜30 (10)
┣  レッスン31〜40 (10)
┣  レッスン41〜50 (10)
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