レッスン19「私の思考の結果を体験するのは、私だけではない」

レッスン11〜20 1

Insanity in individuals is something rare – but in groups, parties, nations, and epochs it is the rule.
人間ひとりが狂うことは割と稀なことだが、集団、党派、国家、時代が狂うのは規定路線の当然のことである。

Friedrich Wilhelm Nietzsche
フリードリヒ・ニーチェ





レッスン19です。

今日のテーマは昨日の延長で、「私の思考の結果を体験するのは、私だけではない」です。




この考えは、にわかには信じられないと思います。

私たちは、この考えが本当なら各自の内心の自由もなければ、プライバシーなんてあったものではないと強い反発を感じます。

しかし、コースの語る救済が真実であるなら、この考えは当然の前提となる事実です。

すなわち、神のひとり子が狂気に陥って、幻の世界を作り出し、自らを細分化して無数のアバターになりきって生きているという壮大な多重人格、解離性同一性障害が生じているというのが、コースの基盤です。

コースは、分離を現実に起こった事実だとは認めません。

コースは、分離を錯覚、幻想としてのみ位置づけます。

ですから、各自が完全に隔絶して分離している状態は現実にあるものではなく、神の子が空想(妄想)している錯覚状態ということになります。

つまり、私たちは、自分たちが身体ごとに遮断された別々に分離して隔絶した存在、死によって消滅するだけの身体であるとか、肉体の死後は輪廻を繰り返す魂であると思っているけれど、1人の多重人格障害の人間の心の中に多数に分裂した副人格たちが存在するように、ひとりの神の子の大いなる心の中で、私たちという膨大な数に分裂した架空の副人格たちが妄想されているだけで、架空の分裂人格たちが自分たちは別々に分離して独立した存在だと思い込んでいるだけだということです。

分裂人格たちは自分たちは別々に独立して確固として実在していて、肉の壁を越えて自分の思考が他の分裂人格たちに影響することなどありえないと思っていますが、同じひとつの心の中での現象である以上、全体の一部に生じることが全体に影響しないことはありえません。

コースは、自分が分裂して隔絶した存在だと思い込んでいる私たち狂気の想念に対して、主人格であるイェシュアのもとへと帰り現実の通りに、ひとつに結ばれるように呼びかけています。

自分の思考の結果を体験するのが自分だけではないという感覚を掴むには、昨日のレッスンで触れた観点、すなわち、私たちが映画や小説や漫画で描かれる物語を体験する際に物語の主人公の体験を自ら追体験するように、私たち各自を主人公とする物語が読まれている、観られているとしたら、と想像してみることが役に立ちます。

このような発想は、普通に生きているかぎり考えることなどありえない観点なので、とても違和感を覚えると思いますが、今のところは、思考実験を楽しむ感覚でイメージしてみてもらえればと思います。



さて、このサイトに訪れて記事を読んでくださっているみなさんのうち、ワークブックを実践されている方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?

読み物としては、ワークブックのレッスンは一見、面白みに欠けるように思うかもしれません(もっとも、それは、レッスンを実際にやってみていないからで、実践してみると自分の心が変わる感覚を日々味わうことが楽しくなってくるはずです)。

ですが、心の使い方をマスターするうえでいちばん威力を発揮するのは、ワークであるのは間違いありません。

よく自己啓発書やスピリチュアル系の書籍が大好きで、何百冊と読み漁って、知識量だけは並はずれた域に達している方がいます。

その人に相談すれば、読書で仕入れた知識に基づくいろんなアドバイスをもらえることでしょう。

しかし、当のその人自身、受売りの知識を披歴するのは得意でも、どう見ても、その知識を実生活で生かすことができていないとしか思えないということも多いかもしれません。

それは、「道を知ることと、実際に道を歩むことは違う」というモーフィアスの言葉の通りです。


今の時代、知識や情報だけであれば、検索サイトで調べた先からいくらでも簡単に入手できます。

辞書のような博覧強記ぶりが自慢できたのは、過去の時代の話です。

とはいえ、それでも、専門家の価値は無くなりません。それどころか、だれでもが簡単に知識を得られるだけに生齧りで大やけどをしてしまうことがそれだけ多いために、従来に増して専門家の存在意義はあるということができます。

たとえば、医学知識は、ネット上でかなり専門的なことでも入手できたりもしますが、素人が情報だけ入手できても、それを専門の医師と同レベルで活用することはできないでしょう。

この違いは、単なる知識・情報の貯蔵量の差だけではなく、実際に道を歩むことによって、知識・情報の活用・実践によって身についている心の中で体系化された諸々のスキームやフレームワーク等の使い方の熟練度の相違が著しいからです。
知識・情報が役に立つのは、それらが物事を適切に処理するために作用するための手順・過程に即した形で体系化されて、問題処理の道具として機能できる場合だけです。

味音痴の料理の素人が最上級の食材や料理道具の揃ったキッチンを与えられても、まともな料理を作れないのに対して、一流の料理人は、冷蔵庫の残り物だけを素材に普通のキッチンの道具だけで、最高に美味しい料理を仕上げることができます。

アシュターヴァクラ・ギーターの「すべてを忘れなさい」の通り、すべてを忘れるために学ぶことが真理探究の究極的な目標(コースで言えば、正しい知覚へと修正してキリストのヴィジョンを得ること)だとすれば、大量の知識を仕入れることは、心を自由に操作するためのメモリーやハードディスクの空き容量をどんどん減らして、心の働きの自由度を邪魔してしまうガラクタをどんどん集積することにしかならないということになります。

これはたとえ奇跡のコースに書かれている言葉であっても、同じことです。

覚えるために覚えた知識は、同じ文字のようには見えても、画像ファイルの中の一部のようなもので、テキストファイルのように自由に働くことができません。

また、どこのフォルダに保存したか忘れてしまって、検索手段もないようなファイルは、いかにすばらしい中身を持っていても、ハードディスクを埋まらせるゴミにしかならないように、せっかくの奇跡のコースの言葉も、機能できる形で心に取りこまなければ、役立たないどころか、心の働きを邪魔するだけのゴミに成り下がってしまいかねません。

さらに、コースの主張する諸々の観念は、真理を語るものであるために、この世界の常識とは真逆になっているために、中途半端に切り売りされた形で取り込むと、心を更なる狂気に追いやってしまうリスクすらあります。

コースに出会ったことを後悔するような学習にならないよう気をつけたいものです。

学習がうまく進んでいるかどうかのひとつの目安として、正しさと楽しさの違いを指摘できるかもしれません。

もしご自分が正しく学べているのだろうかとか、学ぶ素材として用いるコースのバージョンはどれを選ぶのが正しいのだろうかとか、正当性、正統性にこだわりが生じてしまうとしたら、イェシュアの言葉がエゴに弾き返されて心の中の聖霊に届いていないと思っていいかもしれません。

学ぶことが楽しく、敵に取り囲まれているように感じていた世界に愛を感じ、自分を否定して価値のある何者かにならなければならないという思考から脱して、自分自身になりきりたい、他者を兄弟として愛したいと思えるような学びなら、それが他の教えであったとしても、その人は間違いなく、奇跡を学ぶ道を歩んでいるのであり、奇跡のコースの言う幸せな学習者のひとりといえるはずです。

奇跡のコースはすばらしい本なのは間違いないですが、あくまでも道具にすぎません。

奇跡のコースをあまりに神聖視して崇めて偶像化してしまわないように注意しましょう。







Workbook Lesson 19



I am not alone in experiencing the effects of my thoughts.
私の思考の結果を体験するのは、私だけではない。





I am not alone in experiencing the effects of my thoughts.
私の思考の結果を体験するのは、私だけではない。



1. The idea for today is obviously the reason why your seeing does not affect you alone.
 今日の考えは明らかに、あなたが見ることの影響があなただけに留まらない理由です。

 You will notice that at times the ideas related to thinking precede those related to perceiving, while at other times the order is reversed.
 あなたは、思考に関連するテーマとなる想念が、ときには、知覚に関連するテーマの想念よりも先に出てくることもあれば、別のときには、この順序が逆になることもあることに気づくでしょう。

 The reason is that the order does not matter.
 その理由は、順序は重要ではないからです。

 Thinking and its results are really simultaneous, for cause and effect are never separate.
 思考とその結果は、本当は、同時に起こっています。というのも、原因と結果は決して分離していないからです。



2. Today we are again emphasizing the fact that minds are joined.
 今日、私たちは、個々の心がひとつに結びついているという事実の重要性を再確認します。

 This is rarely a wholly welcome idea at first, since it seems to carry with it an enormous sense of responsibility, and may even be regarded as an "invasion of privacy."
 最初から、個々の心がひとつに結ばれているという想念が、全面的な賛同を得られることはまずありえません。というのも、この想念は、途方もない責任感を一緒に引き連れてくるように思えるし、また、「プライバシーの侵害」だとすらみなされかねないからです。

 Yet it is a fact that there are no private thoughts.
 しかし、本当のところは、個人的に秘密にできる思考など存在しません。

 Despite your initial resistance to this idea, you will yet understand that it must be true if salvation is possible at all.
 あなたは初めのうちはこのように考えることに抵抗を覚えるでしょうが、あなたはそれでも、もしいやしくも救済というものがありうるなら、この考えは真実に違いないと理解するようになるはずです。

 And salvation must be possible because it is the Will of God.
 そして、救済は神の大いなる意志なのだから、救済がありうるのは間違いありません。



3. The minute or so of mind searching which today's exercises require is to be undertaken with eyes closed.
 今日の練習のために必要な心の検索のためには、1分程度の時間をとる必要がありますが、その際には、目を閉じて取り組むようにしてください。

 The idea for today is to be repeated first, and then the mind should be carefully searched for the thoughts it contains at that time.
 今日の考えを最初に数回繰り返し、それから、その時点で心の中に浮かんでいる思いを慎重に見つけるようにしてください。

 As you consider each one, name it in terms of the central person or theme it contains, and holding it in your mind as you do so, say:
 あなたが一つひとつの思いに注目する際には、その思いに含まれる中心人物やテーマに関連づけてそれらの思いに名前をつけて、自分の心の中に留めたまま、次のように言ってください。


I am not alone in experiencing the effects of this thought about ______ .
(   )に関するこの思いの結果を体験するのは、私だけではない。



4. The requirement of as much indiscriminateness as possible in selecting subjects for the practice periods should be quite familiar to you by now, and will no longer be repeated each day, although it will occasionally be included as a reminder.
 もう今では、実習のための対象を選ぶ際に、できるかぎり手当たり次第に行う必要があることには、あなたも十分馴染んできたはずです。だから、時折、思い出してもらうために指摘することもあるでしょうが、もうこれからは毎日繰り返すことはしません。

 Do not forget, however, that random selection of subjects for all practice periods remains essential throughout.
 とはいえ、実習の全期間を通して、無作為に対象を選別することが重要であり続けることは忘れないでください。

 Lack of order in this connection will ultimately make the recognition of lack of order in miracles meaningful to you.
 実習の対象の選別に関するこの序列の欠如が、最終的には、奇跡に序列がないことが持つ意義をあなたに気づかせてくれるでしょう。



5. Apart from the "as needed" application of today's idea, at least three practice periods are required, shortening the length of time involved, if necessary.
 今日の考えを「必要に応じて」適用することを別にすると、必要であれば、実習時間の長さを短縮することを含めても、少なくとも、3回の実習時間をとる必要があります。

 Do not attempt more than four.
 4回以上は実習を試みようとはしないでください。


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 松山 健 Matsuyama Ken
この記事を書いた人:  松山 健 Matsuyama Ken

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Kino  

kenさんのお陰で、毎日やれてますよっ。
本当に有難うございます。
1日1分×3回と、ACIMはお優しいので嬉しいです。
でも、これを積み重ねると大きな実践力になる
気がして、ワクワクしてきます。
今後も、テキスト記事同様楽しみにしています。
引き続きどうぞ宜しくお願い致します!

2013年07月02日 (火) 12:54
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