T30-Intro,1 新たなる旅立ち

2015年04月14日
テキスト第30章(新たなる始まり) 0

A loving heart is the beginning of all knowledge.
心を愛で満たすことが全知の始まりである。

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Thomas Carlyle
トマス・カーライル(19世紀イギリスの歴史家・評論家。 スコットランドのダンフリーズ・アンド・ ガロウェイ、エクルフェカン出身。 代表作には、『英雄崇拝論』、『フランス革命史』、『オリバー・クロムウェル』、『衣装哲学』、『過去と現在』などがある。ドイツ文学を研究したことでも知られ、ゲーテとの往復書簡がある。 出生地: イギリス エクルフェチャン生年月日: 1795年12月4日)





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今回はテキスト第三十章から「新たなる始まり」という一節をご紹介します。


新たな始まり

さあ、テキストも第30章に入り、いよいよ大詰めに差し掛かってきました。

序論と第1節では、これからのカリキュラムが新たな始まりとなることが述べられます。

これまでに学んできたことは、今のところはまだ、自分にとっての思考のルールとなるまでは血肉化してはおらず、単なる観念にとどまっているので、これからのステップで、習慣化して思考ルールとして自分のものにする試みをすることになります。

ワークブックのレッスンに取り組まれている方にとっては、なじみのある印象を覚えると思います。


決断のルール

第1節では、決断のルールが説明されます。

指示部分のみをまとめておきます。

自分ひとりで決断しないということの意味は、自分で決断せずに聖霊に決断を委ね、聖霊の声を聞くということです。

「17. It needs but two who would have happiness this day to promise it to all the world.
 全世界に幸せを約束するために必要なのは、この一日を幸せな一日にしようとするふたりだけです。」
の「ふたり」は私たちと聖霊を指しています。





(1) まず、次のように一日を展望することから始めます。

「今日一日、私は自分ひとりではいかなる決断もしないことにする」

(2) 一日を通して、自分で決断せずに聖霊の声を聞くことを思い出したときはいつでも、内省のための静かな時間を取って、自分がどんな一日を望むのか、自分がどんな気持ちでいたいのか、自分にどんなことが起こってほしいのか、どんなことを経験をしたいのか、もう一度、自分自身に言い聞かせるとよいでしょう。そして、次のように言ってください。


「もし私が自分ひとりで何も決断を下さないようにすれば、そんな一日が私に与えられるだろう。」

それでも、
自分ひとりで決断してしまったと気づくことも多いでしょう。

そのときは、

(3)  もう一度、自分が望む一日を思い出してください。そして、あなたが望む一日の一環ではない何かが起こってしまったことを認めてください。

 それから、あなたが自分ひとりで質問をしてしまったこと、そして、自分の条件に沿う答えを設定してしまっていたに違いことを認めてください。

 そのあとで、次のように言ってください。

「私には何の質問もない。

私は自分ひとりでは何も決断しないことを忘れてしまっていた。」

(4) もしあなたがどうしても受け入れる意欲が持てず、自分の質問を手放すことすらできないのなら、あなたは次のように言うことで、自分の心を変えはじめることができます。

「少なくとも、私は今自分が感じている気分が気に入らないと判断できる。」

(5) 自分の感じ方が好きではないと決断したなら、次のように続けることはきわめて簡単なはずです。

「だから、私は自分が間違っていたほうがよいと思う。」

(6)  このような英知のごく小さな一粒だけで、あなたをより遠くまで導くには十分です。

 あなたは強制されているわけではなく、ただ自分が望むものを得ようと望むだけです。

 だから、あなたは完全に正直になって次のように言うことができます。

「私はこれを別の見方で見てみたい。」

(7) この最後の一歩は、単に助けてもらうことに反発がないと承認することにほかなりません。

 それは、まだ確信はないにしても、心を開いて、次のことを進んで示してもらう気があると言明することです。

「たぶん、これを見る別の見方があるはずだ。

それを尋ねることで、いったい何を私は失うというのか。」



ゆにこーん_1225101759 (2) (1)

Chapter 30 The New Beginning
第三十章 新たなる始まり

Introduction
序論



1. The new beginning now becomes the focus of the curriculum.
 いまや、新たに始めることが、これからのカリキュラムの焦点となります。

 The goal is clear, but now you need specific methods for attaining it.
 目標は明確になりましたが、今のあなたには、その目標を達成するための具体的な方法が必要です。

 The speed by which it can be reached depends on this one thing alone; your willingness to practice every step.
 その目標をどれくらい早く達成できるかは、次の一点にのみかかっています。それは、一つひとつのステップを実践するあなたの意欲です。

 Each one will help a little, every time it is attempted.
 一つひとつのステップの実践を試みるたびに、その一歩ずつが少しずつ助けとなるでしょう。

 And together will these steps lead you from dreams of judgment to forgiving dreams and out of pain and fear.
 そして、これらの小さな歩みが一つひとつ積み重なって、あなたは裁きの夢から赦しの夢へと導かれ、苦痛と恐怖から脱出するでしょう。

 They are not new to you, but they are more ideas than rules of thought to you as yet.
 これらの歩みはあなたにとって目新しいものではありませんが、今のところはまだ、あなたにとって、思考を律する準則にはなっておらず単なる観念にとどまっています。

 So now we need to practice them awhile, until they are the rules by which you live.
 それゆえ、今、私たちに必要なのは、これらのステップがあなたが生きるための原理原則となるまで、しばらくの間、実践することです。

 We seek to make them habits now, so you will have them ready for whatever need.
 どのような必要性に対しても、あなたがこれらのステップを用いる準備が整うように、私たちは今から、それを習慣にするように努めます。




I. Rules for Decision
一 決断するためのルール



1. Decisions are continuous.
 決断は、継続的に下されるものです。

 You do not always know when you are making them.
 あなたは自分がいつ決断を下しているのか、必ずしもつねにわかっているわけではありません。

 But with a little practice with the ones you recognize, a set begins to form which sees you through the rest.
 しかし、あなたが自覚して決断することを少しずつ実践することで、決断を下すための一定の枠組みが形成されはじめ、それによって、あなたはそのほかの決断にも見通しが利くようになります。

 It is not wise to let yourself become preoccupied with every step you take.
 自分の歩む一歩いっぽに没頭してしまうのは賢明ではありません。

 The proper set, adopted consciously each time you wake, will put you well ahead.
 朝起きるたびに、適切な基本的な枠組みを意識的に取り入れるようにするなら、それがあなたをうまく前進させるでしょう。

 And if you find resistance strong and dedication weak, you are not ready.
 そして、もしあなたが強い抵抗を感じたり、意識を集中させるのを難しく感じるとすれば、まだあなたには準備ができていないのです。

 Do not fight yourself.
 自分自身と格闘してはなりません。

 But think about the kind of day you want, and tell yourself there is a way in which this very day can happen just like that.
 ただ、自分がどんな一日を過ごしたいのか考えてみてください。そして、まさに今日という一日をちょうどその思いの通りのことが起こる日にする方法があるのだと自分自身に言い聞かせるのです。

 Then try again to have the day you want.
 それから再び、あなたが望む通りの一日を過ごすことに取り組んでみてください。

名称未設定

2. (1) The outlook starts with this:
 まず、次のように一日を展望することから始めます。


"Today I will make no decisions by myself."
「今日一日、私は自分ひとりではいかなる決断もしないことにする」


 This means that you are choosing not to be the judge of what to do.
 これは、あなたが何をすべきか判断を下す判定者にならないと選択することを意味します。

 But it must also mean you will not judge the situations where you will be called upon to make response.
 しかし、このことはまた、自分が何らかの反応を求められることになる状況そのものの価値判断をあなたがしないことをも意味しています。

 For if you judge them, you have set the rules for how you should react to them.
 というのは、もしあなたがそれらの状況を自分で判断するなら、あなたはすでにその状況にどのように反応すべきか、そのルールを設定してしまったことになるからです。

 And then another answer cannot but produce confusion and uncertainty and fear.
 そうなると、それとは別の答えは、混乱と不確実さと恐怖を生み出すことしかできなくなります。



3. This is your major problem now.
 これが目下のところ、あなたの最重要課題です。

 You still make up your mind, and then decide to ask what you should do.
 あなたは依然として自分で先に決心しておきながら、そのあとで、自分が何をすべきか尋ねる決断をしているのです。

 And what you hear may not resolve the problem as you saw it first.
 しかし、あなたが耳にする聖霊の答えは、あなたが最初に自分なりに見立てた通りに問題を解決するものではないかもしれません。

 This leads to fear, because it contradicts what you perceive and so you feel attacked.
 これが恐れを引き起こします。なぜなら、あなたの耳にした答えは、あなたが知覚しているものと矛盾するので、あなたは自分が攻撃されたように感じるからです。

 And therefore angry.
 そのために、あなたは腹を立てることになります。

 There are rules by which this will not happen.
 こんなことが起こらないように済ませられるルールがあります。

 But it does occur at first, while you are learning how to hear.
 ただし、あなたがどのように耳を傾ければよいのかを学んでいる間、最初のうちは実際にこのようなことが起こってしまうでしょう。

名称未設定

4.(2) Throughout the day, at any time you think of it and have a quiet moment for reflection, tell yourself again the kind of day you want; the feelings you would have, the things you want to happen to you, and the things you would experience, and say,
 一日を通して、自分で決断せずに聖霊の声を聞くことを思い出したときはいつでも、内省のための静かな時間をとって、自分がどんな一日を望むのか、自分がどんな気持ちでいたいのか、自分にどんなことが起こってほしいのか、どんなことを経験をしたいのか、もう一度、自分自身に言い聞かせるとよいでしょう。そして、次のように言ってください。


"If I make no decisions by myself, this is the day that will be given me."
「もし私が自分ひとりで何も決断を下さないようにすれば、そんな一日が私に与えられるだろう。」


 These two procedures, practiced well, will serve to let you be directed without fear, for opposition will not first arise and then become a problem in itself.
 このふたつの手順をしっかり実践すれば、恐れを抱くことなく自分を導いてもらうのに役立つはずです。というのも、最初に抵抗が生じて、それから、それ自体が問題になるということがなくなるからです。



5. But there will still be times when you have judged already.
 それでもまだ、気がついたらすでに自分で価値判断してしまっているときもあるでしょう。

 Now the answer will provoke attack, unless you quickly straighten out your mind to want an answer that will work.
 そうなると、あなたが速やかに自分の心を正して効果を発揮する答えを望むようにしないかぎり、いまやその答えは攻撃を引き起こしてしまうでしょう。

 Be certain this has happened if you feel yourself unwilling to sit by and ask to have the answer given you.
 もしあなたが静かに座って自分に答えが与えられるように求めることに気乗りしない感じがするなら、こんなことが起こっているのだと確信してよいでしょう。

 This means you have decided by yourself, and can not see the question.
 これは、あなたがすでに自分ひとりで決断を下しているせいで、質問がわからなくなっていることを意味しています。

 Now you need a quick restorative before you ask again.
 ここでは、もう一度尋ねる前に、あなたには即効性のある気つけ薬が必要です。

名称未設定

6. (3) Remember once again the day you want, and recognize that something has occurred that is not part of it.
 もう一度、自分が望む一日を思い出してください。そして、あなたが望む一日の一環ではない何かが起こってしまったことを認めてください。

 Then realize that you have asked a question by yourself, and must have set an answer in your terms.
 それから、あなたが自分だけで質問をして、自分勝手に決めた条件に沿う答えを設定してしまっていたに違いことを認めてください。

 Then say,
 そのあとで、次のように言ってください。


"I have no question.
「私には何の質問もない。

I forgot what to decide."
私は自分ひとりでは何も決断しないことを忘れてしまっていた。」


 This cancels out the terms that you have set, and lets the answer show you what the question must have really been.
 このように言うことで、あなたの設定した条件は無効にされ、その質問が実際にはどんなものになるはずだったのか、その答えが示せるようになります。



7. Try to observe this rule without delay, despite your opposition.
 たとえあなたが抵抗感を覚えたとしても、ぐずぐずせずに、このルールを守るように努めてください。

 For you have already gotten angry.
 というのは、あなたはすでに腹を立ててしまっているからです。

 And your fear of being answered in a different way from what your version of the question asks will gain momentum, until you believe the day you want is one in which you get your answer to your question.
 そして、自分で解釈している質問の内容とはかけ離れた答えをされるのではないかという恐れがどんどん増してゆき、最後には、自分が望む一日とは、自分の質問に対して自分からの答えを得ることができる日だと信じるにまで至ります。

 And you will not get it, for it would destroy the day by robbing you of what you really want.
 しかし、あなたはその答えを得られないでしょう。というのは、あなたが自分で出す答えは、あなたが真に望んでいるものをあなたから奪い去ることによって、その一日を台無しにしてしまうからです。

 This can be very hard to realize, when once you have decided by yourself the rules that promise you a happy day.
 いったんあなたが自分に幸せな一日を約束するルールを自分ひとりで決めてしまったら、このことを理解するのは非常に困難なことになりかねません。

 Yet this decision still can be undone, by simple methods that you can accept.
 しかし、この決心は、依然として、あなたにも受け入れられる簡単な方法によって取り消すことができます。

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8. (4) If you are so unwilling to receive you cannot even let your question go, you can begin to change your mind with this:
 もしあなたがどうしても受け入れる意欲が持てず、自分の質問を手放すことすらできないのなら、あなたは次のように言うことで、自分の心を変えはじめることができます。


"At least I can decide I do not like what I feel now."
「少なくとも、私は今自分が感じている気分が気に入らないと判断できる。」


 This much is obvious, and paves the way for the next easy step.  
 これだけはすぐにわかることなので、こうすることで、次の簡単なステップへの道が開けます。



9. (5) Having decided that you do not like the way you feel, what could be easier than to continue with,
 自分の感じ方が好きではないことをはっきりさせたなら、次のように続けることはきわめて簡単なはずです。


"And so I hope I have been wrong."
「だから、私は自分が間違っていたほうがよいと思う。」


 This works against the sense of opposition, and reminds you that help is not being thrust upon you but is something that you want and that you need, because you do not like the way you feel.
 この手順は、抵抗感を抑制するように働き、助けはあなたに強引に押しつけられるものではなく、あなたが自分の感じ方を好んでいないがゆえに、あなたが望み、あなたが必要とするものなのだとあなたに気づかせてくれます。

 This tiny opening will be enough to let you go ahead with just a few more steps you need to let yourself be helped.  
 あなたが助けを得るために必要な、あとほんの数歩をあなたが踏み出して前進するには、このささやかな呼び水だけで十分でしょう。

名称未設定

10. Now you have reached the turning point, because it has occurred to you that you will gain if what you have decided is not so.
 今、あなたはターニング・ポイントに差しかかっています。なぜなら、もし自分の決めたことが正しくなかったとしたら、自分は得をすることになるはずだとあなたは思い至ったからです。

 Until this point is reached, you will believe your happiness depends on being right.
 このターニング・ポイントに到達するまでは、あなたは自分の幸せは、自分が正しくあることにかかっているものと信じ続けるでしょう。

 But this much reason have you now attained; you would be better off if you were wrong.
 しかし、いまや、あなたは自分が間違っていたほうが、自分にはずっと好都合だと理解するに十分な理由を手に入れたのです。



11. (6) This tiny grain of wisdom will suffice to take you further.
 あなたをより遠くまで導くには、このような英知のごく小さな一粒だけで十分です。

 You are not coerced, but merely hope to get a thing you want.
 あなたは強制されているわけではなく、ただ自分が望むものを得ようと望むだけです。

 And you can say in perfect honesty:
 だから、あなたは完全に正直になって次のように言うことができます。


"I want another way to look at this."
「私はこれを別の見方で見てみたい。」


 Now you have changed your mind about the day, and have remembered what you really want.
 今、あなたはその一日についての自分の心を変え、自分が本当は何を望んでいるのか思い出しました。

 Its purpose has no longer been obscured by the insane belief you want it for the goal of being right when you are wrong.
 もはや、自分が間違っているのにそれを正しいことにするという目標のためにその一日を望むという狂気の信念によって、その一日の目的が覆い隠されることはありません。

 Thus is the readiness for asking brought to your awareness, for you cannot be in conflict when you ask for what you want, and see that it is this for which you ask.  
 このようにして、あなたは求めるための心構えを自覚するようになります。というのは、あなたが自分の望むことを求めていて、それが自分が求めているものだとわかるとき、あなたに葛藤があるはずがないからです。

名称未設定

12. (7) This final step is but acknowledgment of lack of opposition to be helped.
 この最後の一歩は、単に助けてもらうことに抵抗しないことを了承することにほかなりません。

 It is a statement of an open mind, not certain yet, but willing to be shown:  
 それは、まだ確信はないにしても、心を開いて、次のことを進んで示してもらう気があると言明することです。


"Perhaps there is another way to look at this.
「たぶん、これを見る別の見方があるはずだ。

What can I lose by asking?"
それを尋ねることで、いったい何を私は失うというのか。」


 Thus you now can ask a question that makes sense, and so the answer will make sense as well.
 こうして、今こそ、あなたは意味をなす質問をすることができるし、したがって、その答えも同様にちゃんと意味をなすものとなるでしょう。

 Nor will you fight against it, for you see that it is you who will be helped by it.
 また、あなたはその答えに反対して格闘しようとはしないでしょう。というのも、あなたには、その答えによって助けられるのは自分だということがわかるからです。



13. It must be clear that it is easier to have a happy day if you prevent unhappiness from entering at all.
 もしあなたが不幸に入りこむ隙を与えずにいられるなら、幸せな一日を過ごすのがより簡単になるのは明らかなはずです。

 But this takes practice in the rules that will protect you from the ravages of fear.
 しかし、不幸の入り込む余地をなくすには、あなたを恐怖の猛威から守るためのルールを繰り返し実践することが必要です。

 When this has been achieved, the sorry dream of judgment has forever been undone.
 このルールの実践に熟達したとき、裁きを下す惨めな夢は永遠に取り消されます。

 But meanwhile, you have need for practicing the rules for its undoing.
 しかし、それまでの間は、あなたには、そんな哀れな裁きの夢を取り消すためのルールを幾度も練習する必要があります。

 Let us, then, consider once again the very first of the decisions which are offered here.
 そこで、ここで提案されている最初の決断について、私たちでもう一度よく考えてみましょう。

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14. We said you can begin a happy day with the determination not to make decisions by yourself.
 私たちは、自分ひとりでは何も決断しないと決意することによって、あなたは幸せな一日を始められると述べました。

 This seems to be a real decision in itself.
 しかし、この決意それ自体が、まさに決断であるように思えます。

 And yet, you cannot make decisions by yourself.
 それでも、あなたは自分ひとりで決断することはできないのです。

 The only question really is with what you choose to make them.
 本当のところ、唯一の質問は、あなたはその決断を誰と一緒に下すことを選ぶのかということだけです。

 That is really all.
 本当に、それしかないのです。

 The first rule, then, is not coercion, but a simple statement of a simple fact.
 したがって、最初のルールは、強制するものではなく、ただシンプルな事実を単純に述べるものでしかありません。

 You will not make decisions by yourself whatever you decide.
 あなたが何を決めるにせよ、あなたが自分ひとりだけで決断するということはありえません。

 For they are made with idols or with God.
 というのは、あなたの決断は、偶像とともに下すのか、それとも神とともに下すのか、そのいずれかだからです。

 And you ask help of anti-Christ or Christ, and which you choose will join with you and tell you what to do.
 そして、あなたは反キリストかキリストのどちらかに助けを求め、あなたが選んだほうがあなたとひとつに結びついて、何をすべきかあなたに告げることになるのです。



15. Your day is not at random.
 あなたの一日は、場当たり的に過ぎるわけではありません。

 It is set by what you choose to live it with, and how the friend whose counsel you have sought perceives your happiness.
 あなたがその日を誰とともに過ごすことを選ぶか、そして、あなたが助言を求めたその友があなたの幸せをどのように捉えているかによって、あなたの送る一日がどのようなものになるのかが決まります。

 You always ask advice before you can decide on anything.
 あなたは何事を決めるに際しても、つねに事前に助言を求めているのです。

 Let this be understood, and you can see there cannot be coercion here, nor grounds for opposition that you may be free.
 このことをよく理解してください。そうすれば、あなたにも、この場面においては、いかなる強制もありえないし、あなたが自由であろうとして反発することには何の根拠もないとわかるはずです。

 There is no freedom from what must occur.
 必ず起こることからの自由など存在しません。

 And if you think there is, you must be wrong.
 そして、もしあなたが必ず起こることを免れる自由があると思うなら、あなたは間違っているに違いないのです。

名称未設定

16. The second rule as well is but a fact.
 二番目のルールも同じように、単なる事実にすぎません。

 For you and your adviser must agree on what you want before it can occur.
 というのは、あなたが望むことが起こりうるには、その前に必ず、あなたとあなたの助言者が、あなたの望むことについて同意している必要があるからです。

 It is but this agreement that permits all things to happen.
 すべての物事が起こることを可能にしているのは、この同意にほかなりません。

 Nothing can be caused without some form of union, be it with a dream of judgment or the Voice for God.
 たとえそれが裁きを下す夢との間であれ、神を代弁する大いなる声との間であれ、何らかの形での結びつきを抜きにしては、何事も起こりえません。

 Decisions cause results because they are not made in isolation.
 決断が孤立して下されるのではないからこそ、決断は結果を引き起こすのです。

 They are made by you and your adviser, for yourself and for the world as well.
 その決断は、あなたとあなたの助言者によって、あなた自身のために、そして同じように、この世界のために下されます。

 The day you want you offer to the world, for it will be what you have asked for, and will reinforce the rule of your adviser in the world.
 あなたは自分が望む一日をこの世界に差し延べることになります。というのは、その一日は、あなたの求めた通りになるし、この世界の中でのあなたの助言者の支配力を強化することになるからです。

 Whose kingdom is the world for you today?
 今日、あなたにとってこの世界は誰の王国となるのでしょうか。

 What kind of day will you decide to have?
 どのような一日を過ごす決断をあなたは下すのでしょうか。



17. It needs but two who would have happiness this day to promise it to all the world.
 全世界に幸せを約束するために必要なのは、この一日を幸せな一日にしようとするふたりだけです。

 It needs but two to understand that they cannot decide alone, to guarantee the joy they asked for will be wholly shared.
 自分たちが求めた喜びを完全に分かち合うことを確かなものにするために必要なのは、自分たちが個別にひとりきりでは決断することができないとふたりが理解することだけです。

 For they have understood the basic law that makes decision powerful, and gives it all effects that it will ever have.
 というのは、そのふたりは、決断を強力なものにして、その決断がもたらしうる結果のすべてをその決断に与えてくれる根本的な法則を理解したからです。

 It needs but two.
 ただふたりを要するだけです。

 These two are joined before there can be a decision.
 決断を下すには、その前に、このふたりがひとつに結ばれているのです。

 Let this be the one reminder that you keep in mind, and you will have the day you want, and give it to the world by having it yourself.
 このことをあなたが備忘のために心に保つリマインダーにしてください。そうすれば、あなたは自分の望む一日を過ごせるし、あなた自身が自分の望む一日を過ごすことによって、その一日を世界に与えることができます。

 Your judgment has been lifted from the world by your decision for a happy day.
 幸せな一日を過ごすというあなたの決断によって、この世界から、あなたの裁きが取り除かれたのです。

 And as you have received, so must you give.
 そして、あなたが受け取った通りに、あなたは必ず与えることになります。


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It’s not how much we give, but how much love we put into giving. – Mother Teresa

 松山 健 Matsuyama Ken
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