S3-4 癒しの神聖さ
真実のアートマンである、変転することなきブラフマンの中には
「最高の真理」を悟った暁には、この宇宙は存在しなくなるだろう
三つの時の区分にて、「蛇」は「縄」の中に見られず
蜃気楼の中には、水は一滴でさえ存在しないのだ

シャンカラ(「完訳『ヴィヴェーカ・チューダーマニ』識別の秘宝」378ページ)
Peace I leave with you; my peace I give to you.
私は、私の平安をあなたがたに与えることで、あなたがたに平安を残してゆきます。
Not as the world gives do I give it to you.
私があなたがたに自らの平安を与える際には、世界が平安を与えるのと同じような与え方で与えることはしません。
Do not let your hearts be troubled or afraid.
自分の心を騒がせず恐れずにいなさい。

John:14-27
イエス・キリスト(ヨハネによる福音書第14章27節)

「天上天下唯我独尊」
1.「They are not special.
彼らは特別な存在ではありません。
They are holy.
彼らは聖なる存在です。
They have chosen holiness, and given up all separate dreams of special attributes through which they can bestow unequal gifts on those less fortunate.
彼らは神聖さを選択し、あらゆる分離の夢を放棄しています。彼らの手放した分離の夢には、彼らには自分よりも不幸な者たちに分不相応な贈り物を授けてやれるという特別な属性がありました。
Their healing has restored their wholeness so they can forgive, and join the song of prayer in which the healed sing of their union and their thanks to God.
彼らは癒されて完全さを回復しているので、彼らは赦すことができ、祈りの歌に加わることができます。この祈りの歌の中で、癒された者は、自分たちがひとつに結ばれていることについて神への感謝を歌います。」

釈迦の四方七歩の誕生偈「天上天下唯我独尊」の意義は、私たちが釈迦を自分に置き換えて自分の尺度で捉えているかぎりは訳のわらないままで、せいぜい釈迦が将来仏陀として開眼することになる自らの尊さを宣言したものと解釈する程度にとどまります。
けれど、すべてのアバターの自己を「私」として体験する自己はひとつしかなく、それは神に創造された尊い神の子だという理解をもってこの誕生偈を読むと、釈迦が個としての自分の尊さを主張したわけではなく、自らの本質の尊さの自覚に基づいた当然の事実を述べただけのことだということがわかります。

祈りの階段の最上階への憧憬
本節は、祈りの階段を上り終えた先に待ち受けている光景の美しさを存分に感じさせてくれる文章で、読んでいるだけで神聖な気持ちになれると思います。
6.からは、神が「私」として、直接私たちに語りかけてくれます。
わが子を愛し、尊重し、自由な存在として創造したがゆえに、わが子が自ら狂気を脱して自分の下へと戻ってくるのを待っていた神のはてしなく大きくて深い愛、ようやくわが子とひとつになれることへの感謝の念が伝わってくる言葉です。
私たちも、さまざまな冒険をくぐり抜けて父さんのところに帰ったバスチアンのように、無限の愛で待ってくれている父なる神の下へと帰還できるよう、一緒に歩みを進めましょう!

3.- IV. The Holiness of Healing
癒しの神聖さ
1. How holy are the healed!
癒された者たちは、なんと神聖なのでしょう。
For in their sight their brothers share their healing and their love.
というのも、彼らの視覚には、兄弟たちが自分と癒しと愛を分かち合っている光景が見えているからです。
Bringers of peace,–the Holy Spirit's voice, through whom He speaks for God, Whose Voice He is,–such are God's healers.
神の癒し主たちとは、平安をもたらす者たちであり、神自身の大いなる声である聖霊が神を代弁する際に聖霊の声となる者たちです。
They but speak for Him and never for themselves.
神の癒し主たちは、決して自分たちのために語るのではなく、神を代弁するだけです。
They have no gifts but those they have from God.
彼らは、神から得た贈り物以外には、いかなる贈り物も持っていません。
And these they share because they know that this is what He wills.
そして、彼らは神からの贈り物を分かち合うことが神の意志だと知っているので、彼らは神からの贈り物を共有します。
They are not special.
彼らは特別な存在ではありません。
They are holy.
彼らは聖なる存在です。
They have chosen holiness, and given up all separate dreams of special attributes through which they can bestow unequal gifts on those less fortunate.
彼らは神聖さを選択し、あらゆる分離の夢を放棄しています。彼らの手放した分離の夢には、彼らには自分よりも不幸な者たちに分不相応な贈り物を授けてやることができるという特別な属性がありました。
Their healing has restored their wholeness so they can forgive, and join the song of prayer in which the healed sing of their union and their thanks to God.
彼らは癒されて完全さを回復しているので、彼らは赦すことができ、祈りの歌に加わることができます。この祈りの歌の中で、癒された者は、自分たちがひとつに結ばれていることについて神への感謝を歌います。
2. As witness to forgiveness, aid to prayer, and the effect of mercy truly taught, healing is blessing.
赦しを証明し、祈りを助けるものとして、そして、真に教わった慈悲の結果として、癒しは祝福となります。
And the world responds in quickened chorus through the voice of prayer.
そして、世界は祈りの声を通して勢いを増した合唱で、これに応えます。
Forgiveness shines its merciful reprieve upon each blade of grass and feathered wing and all the living things upon the earth.
赦しは、草の葉や鳥たち、そして地上の生きとし生けるものを照らして、その慈悲に満ちたひと時の安息を与えます。
Fear has no haven here, for love has come in all its holy oneness.
もう地上には、恐れを匿う場所はどこにもありません。というのも、愛が愛そのものの神聖な単一の状態で訪れたからです。
Time remains only to let the last embrace of prayer rest on the earth an instant, as the world is shined away.
時間は、世界が輝きで消し去られる前に、ただ一瞬の間、地上を最後に祈りで包みこむためにだけ留まります。
This instant is the goal of all true healers, whom the Christ has taught to see His likeness and to teach like Him.
この一瞬こそ、すべての真の癒し主たちの目標です。キリストが彼らに教えたのは、キリストと同じように見て、キリストと同じように教えることだったからです。
3. Think what it means to help the Christ to heal!
キリストが癒すのを助けることが何を意味するか考えてみてください。
Can anything be holier than this?
これ以上に神聖なことがありうるでしょうか。
God thanks His healers, for He knows the Cause of healing is Himself, His Love, His Son, restored as His completion and returned to share with Him creation's holy joy.
神は、自らの癒し主たちに感謝します。というのも、神は、癒しの大いなる原因が神自身であり、神の大いなる愛であり、神の創造物の聖なる喜びを神と分かち合うために帰還して元通り神を完成させてくれる神の子だと知っているからです。
Do not ask partial healing, nor accept an idol for remembrance of Him Whose Love has never changed and never will.
部分的で不完全な癒しを求めてはなりません。また、神を思い出す代わりに偶像を受け入れてもなりません。神の大いなる愛は一度も変わったことはないし、これからも決して変わることはないからです。
You are as dear to Him as is the whole of His creation, for it lies in you as His eternal gift.
あなたは神にとって、神の創造物全体と同じく大切な存在です。というのも、神は、自らの創造物全体を永遠の贈り物としてあなたの中に置いてくれたからです。
What need have you for shifting dreams within a sorry world?
悲惨な世界の中で多様に移り変わる夢など、あなたには必要ありません。
Do not forget the gratitude of God.
神の感謝を忘れてはなりません。
Do not forget the holy grace of prayer.
祈りの聖なる恵みを忘れないでください。
Do not forget forgiveness of God's Son.
神の子の赦しを忘れないでください。
4. You first forgive, then pray, and you are healed.
あなたはまず赦し、それから祈らなければなりません。そうすれば、あなたは癒されるでしょう。
Your prayer has risen up and called to God, Who hears and answers.
あなたの祈りは、高みに昇りゆき、神に呼びかけました。だから、神はそれを聞き入れて答えます。
You have understood that you forgive and pray but for yourself.
あなたはもう、自分はただ自分自身のためだけに赦して祈るのだとわかっています。
And in this understanding you are healed.
あなたが癒されるのは、このことを理解したからです。
In prayer you have united with your Source, and understood that you have never left.
祈ることで、あなたは自分の大いなる源とひとつに結ばれて、自分がその源を離れたことなど一度もなかったと理解したのです。
This level cannot be attained until there is no hatred in your heart, and no desire to attack the Son of God.
あなたの心に憎しみが一切存在しなくなって、神の子を攻撃したいという願望が一切存在しなくなるまでは、このレベルには到達できません。
5. Never forget this; it is you who are God's Son, and as you choose to be to him so are you to yourself, and God to you.
次のことを忘れないでください。それは、あなたこそが神の子なのであって、あなたが神の子にとって何者であるかを選ぶことが、あなたが自分自身にとって何者であるか、神があなたにとって何であるかを決めることになるということです。
Nor will your judgment fail to reach to God, for you will give the role to Him you see in His creation.
それに、あなたのこの決断が神に届かずに終わることはありえません。というのも、あなたは自分が神の創造物に見る役割を神に与えることになるからです。
Do not choose amiss, or you will think that it is you who are creator in His place, and He is then no longer Cause but only an effect.
間違って選ばないようにしなさい。さもないと、あなたは、自分こそが神の座にいる創造主であり、したがって、神はもはや大いなる原因ではなく単なる結果でしかないと考えてしまうでしょう。
Now healing is impossible, for He is blamed for your deception and your guilt.
そうなれば、癒しは不可能となります。というのも、神は、あなたの思い違いとあなたが抱く罪悪感について咎められることになるからです。
He Who is Love becomes the source of fear, for only fear can now be justified.
そうなると、もはや恐れしか正当化できなくなるので、大いなる愛であるはずの神が恐れの源となってしまいます。
Vengeance is His.
神は復讐するものとなってしまいます。
His great destroyer, death.
神の送り出す強大な破壊者、それは死です。
And sickness, suffering and grievous loss become the lot of everyone on earth, which He abandoned to the devil's care, swearing He will deliver it no more.
そして、地上の誰もが、病気や苦悩そして深刻な喪失を運命づけられることになり、神は、もはや自ら地を救うことはないと誓って、地を見放して悪魔の手に委ねたということになるのです。
6. Come unto Me, My children, once again, without such twisted thoughts upon your hearts.
私の子供たちよ、あなたの心にそんなひねくれた考えを抱いてなどいないで、もう一度、私の許に来なさい。
You still are holy with the Holiness which fathered you in perfect sinlessness, and still surrounds you with the Arms of peace.
あなたは今なお神聖なまま、大いなる神聖さである私と一緒にいます。私は、あなたを完璧な潔白さの中に生み出し、今なおあなたを安らかに両腕の中に包みこんでいます。
Dream now of healing.
今こそ、癒しを夢見てください。
Then arise and lay all dreaming down forever.
それから、立ち上がってすべての夢を永遠に手放すのです。
You are he your Father loves, who never left his home, nor wandered in a savage world with feet that bleed, and with a heavy heart made hard against the love that is the truth in you.
あなたこそ、あなたの父である私が愛する神の子なのであり、あなたは自分の家を去ったことなど一度もないし、あなたの内なる真理である愛に激しく抵抗して心を落胆させて、足に血を流しながら、残酷な世界をさまよったこともありません。
Give all your dreams to Christ and let Him be your Guide to healing, leading you in prayer beyond the sorry reaches of the world.
あなたのすべての夢をキリストに渡して、キリストにあなたを癒しへと導く案内役になってもらい、祈りによって、世界という狭い到達範囲の向こう側に自分を連れて行ってもらいなさい。
7. He comes for Me and speaks My Word to you.
キリストが私の代わりに訪れて、私の言葉をあなたに語ります。
I would recall My weary Son to Me from dreams of malice to the sweet embrace of everlasting Love and perfect peace.
私は、疲れ果てたわが子を、敵意に満ちた夢から私の下に呼び戻し、永遠に続く大いなる愛と完璧な平安の思いやりに溢れた包容で抱きしめるつもりです。
My Arms are open to the Son I love, who does not understand that he is healed, and that his prayers have never ceased to sing his joyful thanks in unison with all creation, in the holiness of Love.
私は、愛するわが子を迎えるために両腕を広げています。私の愛し子は、自分が癒されていることを理解しておらず、自分の祈りが、大いなる愛の神聖さの中で、自らの喜びに満ちた感謝の歌をすべての創造物と一緒に斉唱するのを一度もやめたことがないこともわかっていません。
Be still an instant.
一瞬の間、静まりなさい。
Underneath the sounds of harsh and bitter striving and defeat there is a Voice that speaks to you of Me.
過酷で悲痛な格闘と敗北の轟音の背後に、あなたに私のことを語る声があります。
Hear this an instant and you will be healed.
一瞬でいいので、この声を聞いてください。そうすれば、あなたは癒されるでしょう。
Hear this an instant and you have been saved.
一瞬でも、この声を聞けば、あなたはすでに救われているでしょう。
8. Help Me to wake My children from the dream of retribution and a little life beset with fear, that ends so soon it might as well have never been.
私が自分の子どもたちを夢から目覚めさせるのを手伝ってください。それは復讐の夢であり、卑小な生き物になって恐怖に悩まされる夢ですが、本当にすぐに終わるために一度も存在しなかったのと変わらないような夢です。
Let Me instead remind you of eternity, in which your joy grows greater as your love extends along with Mine beyond infinity, where time and distance have no meaning.
そんな夢の代わりに、私があなたに永遠を思い出させてあげましょう。永遠の中で、あなたの愛が私の愛とともに時間も距離も何の意味も持たない無限の彼方へと拡張してゆくにつれて、あなたの喜びはさらに大きなものとなってゆきます。
While you wait in sorrow Heaven's melody is incomplete, because your song is part of the eternal harmony of love.
あなたが悲しみの中で待っているかぎり、天国のメロディーは完全なものにはなりません。というのも、あなたの歌は、永遠の愛のハーモニーの一部だからです。
Without you is creation unfulfilled.
あなたなしには、創造は完成しません。
Return to Me Who never left My Son.
私の下へと帰ってきなさい。私はわが子の許から去ったことなど一度もないのですから。
Listen, My child, your Father calls to you.
わが子よ、よく聞くのです。あなたの大いなる父があなたを呼んでいます。
Do not refuse to hear the Call for Love.
大いなる愛を求める呼び声を聞くのを拒んではなりません。
Do not deny to Christ what is His Own.
キリストに、キリスト自身のものを渡さずにいてはなりません。
Heaven is here and Heaven is your home.
天国はここにあり、天国こそあなたの家なのです。
9. Creation leans across the bars of time to lift the heavy burden from the world.
創造は、時間という障害を乗り越えて、世界から重荷を取り除きます。
Lift up your hearts to greet its advent.
あなたの胸を高鳴らせて、天国の到来を出迎えなさい。
See the shadows fade away in gentleness; the thorns fall softly from the bleeding brow of him who is the holy Son of God.
影が穏やかに消え去り、聖なる神の子である彼の血のにじむ額から荊が静かに落ちるのを見なさい。
How lovely are you, child of Holiness!
神聖なるものの子よ、あなたはなんと素晴らしいのでしょう。
How like to Me!
あなたはなんと私に似ていることでしょう。
How lovingly I hold you in My Heart and in My Arms.
どれほど愛をこめて私は両腕であなたを私の胸に包み込んで抱きしめることでしょう。
How dear is every gift to Me that you have made, who healed My Son and took him from the cross.
私の子を癒し、彼を十字架から降ろしてくれたあなたが作った贈り物の一つひとつは、私にとってどんなに大切なものでしょう。
Arise and let My thanks be given you.
立ち上がって、私からの感謝を受け取ってください。
And with My gratitude will come the gift first of forgiveness, then eternal peace.
そして、私の感謝とともに、まず赦しが、それから、永遠の平安が贈り物としてやってくるでしょう。
10. So now return your holy voice to Me.
だから、今こそ、あなたの聖なる声を私に戻してください。
The song of prayer is silent without you.
祈りの歌は、あなたがいなければ、聞こえません。
The universe is waiting your release because it is its own.
宇宙はあなたが解放されるのを待っています。というのも、あなたが解放されることで宇宙も解放されるからです。
Be kind to it and to yourself, and then be kind to Me.
宇宙にもあなた自身にも優しくして、それから、私にも思いやりを示してください。
I ask but this; that you be comforted and live no more in terror and in pain.
私が求めるのはただ次のことだけです。それは、あなたが心を安らがせて、もうこれ以上、恐怖と苦痛の中で生きないことです。
Do not abandon Love.
大いなる愛を見限らないでください。
Remember this; whatever you may think about yourself, whatever you may think about the world, your Father needs you and will call to you until you come to Him in peace at last.
次のことを覚えておきなさい。あなたが自分自身を何者だと思おうとも、あなたが世界をどんな場所だと思おうとも、あなたの大いなる父はあなたを必要としているので、あなたがついに平安のうちに父の下に来るまでは、父はずっとあなたを呼び続けることでしょう。
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