レッスン21「私は、物事を違ったように見ることに決める」

2013年07月04日
レッスン21〜30 0

大きくても30センチほどのヤマメと、その倍もあるサクラマスが、もともとは同じ魚だということをご存じですか?
川での生存競争に敗れたヤマメの一部が、餌を求めて海へと下り、餌が豊富な海を回遊するうちに大型化したのがサクラマスなんだそうです。
そのときは負けたように思えても、自分で自分に見切りをつけなければ、人生に「負け」なんてものは存在しません。
人と競うのではなく、できることから少しずつ努力を重ね、昨日の自分よりちょっとだけでも成長しようと心がける。
そうすれば、いつの間にか、サクラマスのようにグーンと大きくなっているはずですよ。

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斎藤茂太



逆境も考え方によっては素晴らしいもの。



シェイクスピア



À quelque chose malheur est bon.
不幸も何らかの役に立つ

ことわざ_1202120741

フランスのことわざ



If you suffer, thank God!
もし君が苦悩するなら、神に感謝したまえ!

It is a sure sign that you are alive.
それは君が生きているという確かな印なのだから。



Elbert Hubbard
エルバート・ハバード




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レッスン21です。

「私は、物事を違ったように見ることに決める」が今日のテーマです。




怒るのは精神性の低さの表れ?

今日のレッスンでは、自分の心の中の怒りの思考、想念を素材にします。

怒りを感じたり表明したりするのははしたない、精神性の低さだというような考えに毒されて、自分の抱く怒りの感情を上手に隠してしまっている人も少なくないでしょう。

不平不満や非難、怒りが生じる仕組みについては、T29-4 夢での役割が参考になると思います。

論理療法、認知行動療法で有名な「ABC理論」が参考になると思います。


誰だって怒るときはある。ただし、いったん怒り始めてから止まれない人はエゴに支配されている

ラメッシ先生が教えてくれるように、賢者は怒らないわけではなく、怒ることがあっても、垂直時間で怒り、水平時間に巻き込まれないという相違があるだけです。

賢者は、エゴに毒された人間のように水平時間を生きていないので、猫が激怒した直後でも嬉しいことがあれば、なんのためらいもなくゴロニャンとご機嫌になるように、怒りの感情を引きずって縛られることがない、水平時間の巻き込みから自由であるということです。

このように怒りはじめると暴走する激怒列車から途中下車できなくなってしまう現象は、エゴに従う私たちの誰もが経験するところだと思います。

物理の慣性の法則のように、喧嘩したり叱ったりして怒りをぶつけ始めた関係性では、こちらにも非があるとわかって謝りたい気持ちが湧いてきても、突如として態度を変えるわけにはいかない、怒っている人としての一貫性を維持しなければとでもいうように、怒りから脱することが難しくなります。

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けれど、この怒りの継続性は、物理法則とは違って、まったく束縛力など実際には持ち合わせていません。


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このことは、激怒するお母さんに叱りつけられている途中に、学校の先生から電話がかかってきて、いつものようにワントーン高い声でお母さんが愛想よく対応するさまを見て誰もが実感したことがあるはずです。


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もちろん、電話を終えたあと、ちゃんとふたたび激怒が継続することも(笑)。


実習時間の指示

レッスン冒頭の実習時間の指示のところが少しわかりにくいと思います。

「This time, however, specific mind-searching periods are necessary, in addition to applying the idea to particular situations as they may arise.
 とはいえ、今回は、特定の状況が起こるたびに今日の考えをあてはめることに加えて、それとは別に、具体的に心の中を検索する時間を設けることが必要です。

 Five practice periods are urged, allowing a full minute for each.
 1回あたりまるまる1分かけて、5回は実習時間をとる必要があります。」

これまでもあったように、心の中を検索して対象を見つける以外にも、日常生活をしている中で、レッスンの素材になりそうな状況に直面したときには、指示された実習時間とは別に、考えをあてはめてよいということです。

ですから、5回やるのは、自分の心の中を検索して、過去、現在、未来の出来事や人物で怒りを引き起こすものを見つけて、それに考えをあてはめることですが、その5回の実習時間以外に、仕事中に上司から嫌味を言われたとか、鳥の糞が頭に落ちてきたとか、電車に乗り遅れたというようなことが起こったら、今日は5回までしかレッスンはしちゃいけないんだ!なんて気にすることなく、そのエピソードを使ってレッスンを行ってよいということです。

では、レッスンに入りましょう!



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Workbook Lesson 21

I am determined to see things differently.
私は、物事を違ったように見ることに決める。





I am determined to see things differently.
私は、物事を違ったように見ることに決める。



1. The idea for today is obviously a continuation and extension of the preceding one.
 今日の考えは明らかに、前回のレッスンに引き続いて、それを拡張するものです。

 This time, however, specific mind-searching periods are necessary, in addition to applying the idea to particular situations as they may arise.
 とはいえ、今回は、特定の状況が起こるたびに今日の考えをあてはめることに加えて、それとは別に、具体的に心の中を検索する時間を設けることが必要です。

 Five practice periods are urged, allowing a full minute for each.
 1回あたりまるまる1分間をかけて、5回は実習時間をとる必要があります。



2. In the practice periods, begin by repeating the idea to yourself.
 実習時間は、「私は、物事を違ったように見ることに決める」と、今日の考えを自分に繰り返し言い聞かせることから始めます。

 Then close your eyes and search your mind carefully for situations past, present or anticipated that arouse anger in you.
 それから目を閉じて、自分の心の中に、あなたの怒りを引き起こすような過去の状況や現在の状況、予期する状況を注意深く探してみてください。

 The anger may take the form of any reaction ranging from mild irritation to rage.
 怒りは、軽い苛立ちから激怒までの幅を持った多様な反応の形をとるかもしれません。

 The degree of the emotion you experience does not matter.
 あなたの経験する感情の激しさの程度は重要ではありません。

 You will become increasingly aware that a slight twinge of annoyance is nothing but a veil drawn over intense fury.
 かすかな苛立ちによる疼きは、強烈な憤怒の上に被された覆いでしかないということが、あなたにも徐々にわかってくるはずです。



3. Try, therefore, not to let the "little" thoughts of anger escape you in the practice periods.
 それゆえ、あなたは実習時間に、「些細な」怒りの思いを見逃さないように努めなければなりません。

 Remember that you do not really recognize what arouses anger in you, and nothing that you believe in this connection means anything.
 あなたは本当に何が自分の中に怒りを引き起こしているのかわかっておらず、あなたが自分の怒りの元だと関連づけて信じているものは何ひとつ意味を持たないことを忘れてはなりません。

 You will probably be tempted to dwell more on some situations or persons than on others, on the fallacious grounds that they are more "obvious."
 おそらくあなたは、ある状況やある人物について、それらにより長い時間をかけるのは「当たり前のことだ」という当てにならない根拠に基づいて、ほかの状況や人物にかけるよりも長い時間をかけたいという誘惑に駆られるでしょう。

 This is not so.
 しかし、それは当たり前のことではありません。

 It is merely an example of the belief that some forms of attack are more justified than others.
 それは単に、ある形の攻撃はほかの形の攻撃よりも正当化されるはずだと、あなたが信じていることを示しているだけです。



4. As you search your mind for all the forms in which attack thoughts present themselves, hold each one in mind while you tell yourself:
 あなたが自分の心の中で、攻撃的な思いがいろんな形をとって現れているのを探し出すたびに、その一つひとつを心の中にとどめながら、次のように自分自身に言い聞かせてください。


I am determined to see ______ [name of person] differently.
私は、●●さん(人物の名前)のことを違ったように見ることに決める。

I am determined to see ______ [specify the situation] differently.
私は、●●(特定の状況)について、違ったように見ることに決める。



5. Try to be as specific as possible.
 できるだけ、対象を具体的に特定するようにしてください

 You may, for example, focus your anger on a particular attribute of a particular person, believing that the anger is limited to this aspect.
 たとえば、あなたは、特定の人物の特定の属性に対する自分の怒りに焦点を当て、怒りがこの側面にだけ限定されているものと信じているかもしれません。

 If your perception is suffering from this form of distortion, say:
 もしあなたの知覚が、このような形で歪められているようなら、次のように言ってください。


I am determined to see ______ [specify the attribute] in ______ [name of person] differently.
私は、●●さん(その人物の名前)の●●さ加減(怒りを生むものと特定した属性)について違ったように見ることに決める。


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 松山 健 Matsuyama Ken
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