レッスン22「私が見ているのは、復讐のひとつの形だ」
もっともよい復讐の方法は自分まで相手と同じような行為をしないことだ。

マルクス・アウレリウス
Salvation is Within
救いは内にあり
Jesus said, “If you give birth to what’s within you, what you have within you will save you.
イエスは言われた。「もしあなたが自らの内にあるものに命を与え育むなら、あなたが自らの内に持つものがあなたを救うであろう。
If you don’t have that within you, what you don’t have within you will kill you.”
もしあなたが自らの内にあるものを持たずにいるなら、あなたが自らの内に持たないものがあなたを殺すであろう。」

Gospel of Thomas
イエス・キリスト(トマスによる福音書第70節)
Unexpressed emotions will never die.
表出されなかった感情は、決して死滅することはない。
They are buried alive and will come forth later in uglier ways.
それらの感情は生き埋めにされ、のちにより醜悪な形で出てくることになる。

Sigmund Freud
ジークムント・フロイト
Do I not destroy my enemies when I make them my friends?
もし私が自分の敵を自分の友に変えることができたら、私は自分の敵を滅ぼしたことになるのではないか。

エイブラハム・リンカーン
Abraham Lincoln

レッスン22です。
今日のテーマは「私が見ているのは、復讐のひとつの形だ」です。
この世界に生きる以上復讐を免れていない
自分は温厚な性格で攻撃や復讐なんて無縁だと思って暮らしている人からすると、「復讐」というのは過激な言葉で、ショッキングなテーマだと思います。
でも、この世界に生まれ落ちている以上、どんなに自分が草食系で温和だと自負していようと、その人に見えている世界は恐怖に基づく攻撃心を投影された世界からの報復攻撃が今にも起こりそうだとびくついて眺める復讐の世界です。

この復讐の世界から脱する術は、世界を征服して無敵になることでも、非暴力、無抵抗主義を実践することでもありません。
世界自体が幻であり、自分の攻撃心やそれに対する世界からの報復攻撃というもの自体が妄想なのだから、そんなものに怯えているのは、マリオが攻撃されて死にそうになっているのを心配して自分まで死にそうになっているのと同じくらい馬鹿げたことだと気づくことだけです。

冒頭のトマス福音書70節「救いは内にあり」について
Jesus said, “If you give birth to what’s within you, what you have within you will save you.
イエスは言われた。「もしあなたが自らの内にあるものに命を与え育むなら、あなたが自らの内に持つものがあなたを救うであろう。
If you don’t have that within you, what you don’t have within you will kill you.”
もしあなたが自らの内にあるものを持たずにいるなら、あなたが自らの内に持たないものがあなたを殺すであろう。」
コースは、世界は投影による幻想だと語ります。
神の子はすべてであり、すべてを持つ神の王国そのものです。
つまり、神の子はすべてを持っており、自らの内にあるもの以外のほかのものは何もないというのが現実です。
70節の2文目の自分の内にあるものを持たずにいるというのは、分離幻想を抱いて、自らをエゴとみなしてすべてのうちの一部に制限し、エゴという架空の自己像以外の本当は自分である残りのすべてを、気に入らない敵として、投影によって自己像の外に放り出すことです。
こうして、敵として放り出されて生まれたのが世界であり、他者たちなのだから、命の大元から切り離されて敵扱いされた自分の一部たちは、放り出した「敵」であり、命の源を独り占めしようとしている私たちを抹殺して生きながらえようと、私たちを殺そうとすることになります。
これに対して、1文目は、どんなに投影しようが、仕組み上、幻しか放り出せないので、依然として、すべては内にあるままなのであり、投影によって減縮したと誤信していようと、自らの内にある聖霊を愛して育むなら、聖霊は当然ながら投影先のすべての中にもとどまったままなので、私たちを救うことができるということになります。

Workbook Lesson 22
What I see is a form of vengeance.
私が見ているのは、復讐のひとつの形だ。
What I see is a form of vengeance.
私が見ているのは、復讐のひとつの形だ。
1. Today's idea accurately describes the way anyone who holds attack thoughts in his mind must see the world.
今日の考えは、誰であれ、心に攻撃的な思考を抱く者にこの世界がどのように見えているに違いないか、そのさまを正確に描写したものです。
Having projected his anger onto the world, he sees vengeance about to strike at him.
自分の怒りを世界に向けて投影しているので、彼には今にも報復攻撃が自分に襲いかかろうとするさまが見えています。
His own attack is thus perceived as self defense.
したがって、彼自身が攻撃することは、正当防衛として知覚されることになります。
This becomes an increasingly vicious circle until he is willing to change how he sees.
彼が自分の見方を変える意欲を持たないかぎり、これはどんどん悪循環に陥ってしまいます。
Otherwise, thoughts of attack and counter-attack will preoccupy him and people his entire world.
彼が自分の見方を変えないかぎり、攻撃や反撃をしたいという思いが彼の心を奪い、彼の世界全体に充満するようになります。
What peace of mind is possible to him then?
そうなったら、彼にどのような心の平安が得られるというのでしょうか。
2. It is from this savage fantasy that you want to escape.
こんな残酷な空想から逃げ出したいとあなたは思うはずです。
Is it not joyous news to hear that it is not real?
それが空想であって現実ではないと聞くのは、喜ばしい知らせではないでしょうか。
Is it not a happy discovery to find that you can escape?
自分がそこから逃げ出せると気づくのは、幸せな発見ではないでしょうか。
You made what you would destroy; everything that you hate and would attack and kill.
あなたが破壊したいと思うもの、あなたが憎しみのあまり攻撃して殺そうとするものすべては、あなたが自分ででっち上げていたのです。
All that you fear does not exist.
あなたの恐れているものはすべて、存在しないのです。
3. Look at the world about you at least five times today, for at least a minute each time.
今日は、少なくとも5回、1回あたり1分以上の時間をかけて、自分の周りの世界をよく見てください。
As your eyes move slowly from one object to another, from one body to another, say to yourself:
ある対象物から別の対象物へと、ある身体から別の身体へとゆっくりと目を動かしながら、次のように自分に言い聞かせてください。
I see only the perishable.
私は、朽ちゆくものだけを見ている。
I see nothing that will last.
私は、永続するものを何ひとつ見てはいない。
What I see is not real.
私が見ているものは実在しない。
What I see is a form of vengeance.
私が見ているのは、復讐の一形態なのだ。
At the end of each practice period, ask yourself:
一つひとつの実習時間の終わりには、次のように自分に尋ねてみてください。
Is this the world I really want to see?
これが、私が本当に見たいと望んでいる世界なのだろうか。
The answer is surely obvious.
その答えは、もちろん言うまでもないことです。


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